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機械との競争
アマゾンキンドルで、『機械との競争:デジタル革命がイノベーションを加速する』(Race Against The Machine: How the Digital Revolution is Accelerating Innovation)を読んでいます。



景気が良くなっても、期待したほど仕事が増えない。
特に若者に仕事が無いことは、先進国共通の悩みとなっています。

その原因として、

1.雇用が新興国に移転してい、
2.中高年がいつまでも仕事を手放さない

などが有力な容疑者として挙げられていますが、本書は、「機械との競争」を原因に求めまていす。


人間にしかできないと思われてきた仕事が、どんどん機械にもできるようになってきている。

仕事は、機械との競争によって、奪われてきているのだ。



この話で思い出すのは、駅の改札の光景です。

90年代頃まで、駅の自動改札機は一部の駅にしかなくて、大きな駅の改札などでは、駅員さんが膨大な切符や定期券を、ものすごいスピードで処理していました。

今考えると不思議ですが、こんな風景が日常のこととして見られていたのは、そう昔の話ではありません。

自動改札機の導入が遅れたのは、雇用を守るために組合が猛反対したからだといわれています。普及が一気に進んだのは、民営化後、JR東日本が導入を決めた後のことです。

本書は、こうした「機械との競争」が、

今後、桁違いに大きく、加速度的に進んでゆくだろうと述べています。

競争は倍々ゲームのスピードで進んでいて、今は、ようやく前半を終わってあたり。まだほんの序の口だというのです。

そして、究極的には社会をより豊かなものにするだろうが、社会の構成員のすべてが等しくその便益を被るわけではない。

適応に遅れてかえって不利益を被る者も出てくる。



昨今、医薬品のネット販売の議論が盛んに行われていますが、

反対の背景には、「医薬品の安全」だけでなく、薬剤師の雇用維持という側面があるのは否めません。

ファッションのネット販売は、撮影、採寸、原稿書き、いわゆる「さ・さ・げ」業務によって支えられています。

近い将来、販売員による接客の仕事の多くが、「さ・さ・げ」に取って代わられる日が来るかもしれません。

「機械との競争」によるイノベーションは加速している。

問題は、社会の適応が遅れていることだ。

今私達は、大きな構造変革の、産みの苦しみの真っ最中にいると理解されるべきだ。

というのが本書の結論となります。

文章が簡潔で、ページ数が少ない。
関連サイトへのリンクが豊富なので、英語の勉強をしながら新知識を得たい方にはおすすめです。


翻訳もでています。『機械との競争
 2013/02/22 10:48  この記事のURL  / 
バンタンでの1年
バンタンデザイン研究所で受け持っていた講座が、昨日で終了しました。一年を通して生徒たちを教えるのは初めて経験だったので、とても新鮮でした。


生徒たちは、話がつまらないと思うと遠慮なく寝るし、緩んでくるとおしゃべりしたり内職したりするので、気が抜けません。

(かと思えば、大事な話だと思えば、全員ががばっと起きてノートを取ったりする。)

社会人セミナーのような「聞いているふりをする」という配慮がまったく無いので、毎回真剣勝負でした。

おかげで、毎回、生徒たちを飽きさせないようにあれやこれやと工夫をし、新ネタを仕込んでは、パワポづくりに励んむことになってしまいました。

結局、教える時間の何倍も準備に時間がとられ、時給に換算するとまったく割にわない仕事になってしまいましたが、毎週、生徒たちに直接話をして、反応を見るというのが、思いがけず楽しい経験でした。



学生のころ、ゼミの教授から「おまえは教師になるつもりはのないか」と聞かれたことがあります。

当時、私は教師という仕事にまったく魅力を感じておらず、十年一日のごとく同じ内容を繰り返し教える、誰がやっても同じ仕事だろうくらいに感じていたので、言下に「ないです」と答えた記憶があります。

先生も「そうか」とってそれ以上なにもおっしゃいませんでした。

そのころは、「何か自分でなければできない仕事がこの世にはあるはずだ」と思っていたのです。それが何かは、まったくわかっていませんでしたが。。


あれから何十年もたって、思いがけず、生徒たちにものを教える仕事を体験することになりました。

このことを(まだ現役でおられる)先生にメールをしたところ、
「教えることは、想像以上に大変で、想像以上に面白いだろう。」
という返事が、すぐに帰って来ました。



あとは生徒たちの最終のプレゼンを待つばかり。

みんながこの一年で、どれだけ伸びたを見るのが楽しみです。
 2013/02/19 08:38  この記事のURL  / 
NAGOMI VISIT
Tenkai-japan.comでも何度かご紹介した、『和(なごみ)キッチン』の主催者、楠めぐみさんからメールをいただきました。

この度、東京都の認可を受け、NPO(特定非営利活動)法人 『NAGOMI VISIT』としてスタートをきることになったそうです。

『NAGOMI VISIT』は、訪日外国人と日本で家庭料理を提供するホストファミリーをマッチングするサービス。海外からの旅行者が一般の日本人の家庭におじゃまして、ランチや晩御飯だけを体験できるというアクティビティです。

ホームスティのゴハンの時間だけを切り取ったような内容で、楠さんたちはこれを「ホームビジット〜一般家庭のごはん体験」と呼んでいます。

海外旅行に行った時に、その国に住む人達のリアルな生活を見てみたいと思ったことはありませんか?

私は海外旅行をするたびにそう思ってしまうのですが、往々にして観光客が地元の人と交流をしたり、地元の人が普段家でたべているものを実際に食べてみたり、というチャンスはなかなかないのが実情です。

日本にやってくる観光客も同様に、サービスパーソン以外の日本人、普通に日本に暮らしている日本人と交流できるチャンスは残念ながらほとんどありません。

私たちが日常的に家庭で食べている食事。例えば肉じゃがやカレーライス、餃子、そうめん。こういう食事は、訪日旅行者が日本に来ても体験することはなかなかできません。
(SQUARE、楠めぐみ “外国人とおうち晩御飯”より)


そこで、楠さんは仲間をあつめ、訪日旅行者と一般家庭のホストファミリーとをマッチングするサービスを始めたというわけです。


楠さんとは、前職のエクスポート・ジャパン時代からお付き合いさせていただきていますが、嫌味のない明るい性格の方で、その上頭の回転が速いので、こういった仕事にはうってつけだと感じていました。

聞けば、学生時代(立教大学観光学部)には、スキューバダイビングのインストラクターとしてバリ島で日本人旅行者向けアクティビティの運営にたずさわったり、バスツアーの添乗員として各内の観光地を巡るなどをしていたとか。

さらに卒業後は、海運会社でOLさんをしながら、帰りがけのカフェで、(現在のNAGOMI VISITにつながる)自分の将来ビジョンを「一人ブレーンストーミング」するなど、アイデアと行動力を持ち合わせています。


その、楠めぐみさんからのお願い↓

現在は東京大阪合わせて34組のホストの方と展開しているのですが、今回改めて、150ホストの募集を開始しました。

実はまだ、外国人旅行者からの「ホームビジットしたい」というニーズに対して受入れ側のホスト数が追いついておらず、毎月何組もお断りしてしまっている状態でして。。

もしよかったら、NAGOMI VISITのFacebookページにもホスト募集について投稿していますので、周りの方にシェアしていただけたら嬉しいです。

https://www.facebook.com/nagomivisit

参加した訪日外国人からも、日本人のホストファミリーからも高評価をいただいているサービスです。

楠さんいわく「英語はルー大柴くらいできれば大丈夫」だそうです。

ご興味ある方は、ぜひホストファミリーを体験してみてはいかがでしょうか。
 2013/02/07 11:36  この記事のURL  / 
リチャード3世で思い出したこと
イギリスで、駐車場から発掘された男性の遺骨が、15世紀のイングランドの王リチャード3世のものだと確認され、大きな話題を呼んでいるそうです。

このニュースを聞いて、以前、東京グローブ座にシェイクスピアの『リチャード三世』を観劇しに行ったことを思い出しました。

当時勤務していた会社に英会話クラスがあり、そこのイギリス人講師の発案で、授業の一環としてみんなで見に行ったのです。

「ご成婚されたばかりの雅子妃も来られたらしい、、」などという浮ついた噂も飛び交う、90年台初頭、まだ日本が豊かだった頃の話です。

当時の東京グローブ座はシェイクスピア作品の普及を基本方針に掲げていて、この『リチャード三世』もシェイクスピア時代の演劇を忠実に再現するという触れ込みで上演されていました。

そもそも、東京グローブ座自体が、シェイクスピア時代のロンドンのシアターを模して、張り出し舞台とを囲む円形の観客席を特徴として作られていたのです。


「ナマの英語を体験できる」というのが英語講師の提案でしたが、実際に観劇してみると、とにかく台詞が多くて長く、そして何を言っているのかさっぱり聞き取れない。

生徒たちはみな早々に諦めて、無料貸出のイヤフォンから日本語でセリフを聞いていました。

シェイクスピアは、徳川家康と同時代人。(享年が同じ1616年)。
そんなナマの英語など、われわれにさっぱり理解できないことは十分承知だったはずで、英語講師自身の体の良い気分転換だったのだろうと、今は思います。


シェイクスピアが描くリチャード3世は、悪党中の悪党でした。

王座を狙い、目的を果たすためには手段を辞さない。王を殺し後継者たちを次々と殺し、欲しい女は離れ業を使っても入れます。

ただ、王位を手に入れるまでの話が長く、みんなそろそろ帰りたくなった頃に舞台が暗転。ようやく終わったかと思ったら、ここまでが前半でした。

やや疲れ気味に、

「このあとどうなるのかな」

と隣の席のクラスメイト(女性)に声を掛けたところ、

「ばかねぇ、あとは没落するに決まってるじゃない。」

ときっぱり言い切ったのが妙に記憶に残っています。

シェイクスピアなど興味しと、ずっと爆睡していたはずなのに、人間社会のツボはしっかりと抑えている方でした。


後半、リチャードは自分の王権を守るべくこれまで自分の手足となって自分を助けてきたものを邪魔にして殺しつくします。

やがて、自ら犯した数々の悪行のために臣下の信頼を失い、新しいヒーローが登場。
リチャードに反感を抱く人々を結集して、王権を奪取するための戦いに立ち上がります。

そしてついに新しい王が誕生するのですが、その王もやはり、リチャード三世と同じ運命をたどることになる。。。


歴史は進歩しているのではなく、ただただ繰り返す。
権力は人間を異常にさせる力を持っていて、それを求める強烈な意思の前では、すべてのことが幻に化す。

シェイクスピアのシニカルな諦観が感じられる作品でありました。

実際のリチャード三世は、戦死した最後のイギリス国王なのだそうです。

今回発見された遺骨の頭の骨には、戦闘で負ったとみられる傷痕があり、背骨の間からは矢じりのような金属も見つかったということです。




東京グローブ座は、今はジャニーズ事務所の傘下の劇場として使われています。
 2013/02/06 11:25  この記事のURL  / 
『アジア時代のファッションビジネスを考えよう』を読みました
坂口昌章さんの新著『アジア時代のファッションビジネスを考えよう』(kindle版)を読みました。

「日本のファッションビジネス再生への提言」シリーズの第一弾として書き下ろされたもので、業界の歴史を俯瞰しながら、アジアで成功するためのビジネスモデルの提案がされています。

誰にでもでもわかりやすく書かれているだけでなく、テキスタイル業界、アパレル業界、流通業界と、横断的な仕事をされてきた坂口さんらしい鋭い指摘が随所に見られます。

・テキスタイル業界は、仕事の内容も使われている用語もバラバラで、隣の工場がどんな仕事をしているのか珍しくない。

・(海外のビジネスで)人を紹介するということは、自分が保証人になることを意味するのに、「良い取引先を紹介してよ」と気軽に頼んでくる日本人が多い。

・どんな業種でも下請け仕事の工賃はだいたい同じ。夫婦で一生懸命働いて月30万円程度。仕事を継続するぎりぎりの工賃が設定されいる。

等々。。



本書が紙でなく電子書籍として出版されたのは、ファッションビジネスに関する本が売れなくなってきているというのが大きな理由だそうです。

この分野で仕事にしたいと考える若い人たちの間でも、本を買って読むという習慣が薄れてきているように感じます。

実際、私が講師をしているファッション専門学校のクラスで聞いてみたところ、「アマゾンで本を買ったことがある」と答えた生徒は三分の一くらいしかいませんでした。

(キンドルの電子書籍を買ったことがある生徒はゼロ。)


「電子書籍を読むのに、専用のブックリーダーを買う必要はないよ。みんなが持っているスマートフォンにキンドルの無料アプリをダウンロードすれば読むことができるから。
105円でこれだけの知識が手に入るのだから使わない手はないよ。」

といって、生徒たちに本書を紹介しました。

真面目な子が多いので、きっと買ってくれるのではないかと思います。



 2013/02/05 11:08  この記事のURL  / 
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プロフィール
栗田 亮(Makoto Kurita)
(株)テンカイジャパン代表
『Cool Japan! カッコイイ*かわいい*たのしい*おいしい*日本を世界に発信』をテーマに、トラベル、ファッション、ショップ、ブランド等の情報を英語で積極的に発信中。 クールジャパンの翻訳、通訳、海外マーケティングには定評がある。 英語WEBメディア「Tenkai-japan.com」企画・運営 海外向け電子書籍出版、翻訳、通訳、外国語運営サポート、訪日外国人プロモーション、海外マーケティング、JAPANブランドの海外展開支援
●潟Aーチ&コーチ代表取締役社長
●バンタンデザイン研究所 『eマーケティング』 『クリエイティブ・イングリッシュ』講師
●訳書『ユニクロ症候群』(小島健輔著)
連絡先:03-3662-4976
 (株)アパレルウェブ内テンカイジャパン(栗田)

・アーチ&コーチ「日本発の"Earthな"ライフスタイルストア」
http://www.arch-coach.com
・ Tenkai-japan.com「日本のトレンドを英語で発信」
http://www.tenkai-japan.com
・PROFILE
http://www.apalog.com/kurita/archive/172
・会社概要/ABOUT US
http://www.tenkai-japan.com/about-us

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