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アジアのショーウインドウ
ニューヨークコレクションのデザイナーたちが、海外出店に本腰を入れてきました。

ウォールストリートジャーナルによると、
「80年代から90年代には、ニューヨークで上手くいかないときは日本があるさ、という雰囲気があった。今は、日本の高級品市場も行き詰まりを見せている。それにもかかわらず、極東のお客さんへ商品を早く届けるために、彼らは香港に商品センターを借り始めた。」
と伝えています。(WALL STREET JOURNAL SEPTEMBER 5, 2008)

それだけアメリカの景気の見通しが悪いのです。
成長戦略を描くには海外しかない。その行き先は、ヨーロッパ、中東、ロシア、そして日本です。

景気が芳しくない日本でも、アメリカと比べればまだましだ、と考えているようです。


2008年4月、東京・青山に「3.1 Phillip Lim スリーワン フィリップ リム」がオープンしました。
2007年7月にオープンしたニューヨーク・ソーホー店に次ぐ旗艦店です。


デザイナーのフィリップ・リム(Phillip Lim)は、タイで生まれた中国系アメリカ人です。
このフィリップ・リムに限らず、今、ニューヨークコレクションでは、アジア系のデザイナーの活躍が目立ちます。

Doo.Ri(ドゥー リー)」を立ち上げたドゥー・リー・チャン(Doo-Ri Chung) は韓国生まれです。4歳でアメリカに渡り、2003年にコレクションデビューを果たしました。

ブランド「THAKOON(サクーン)」は08─09年秋冬コレクションで最も高い評価を受けたブランドの1つですが、デザイナーのサクーン・パニクガル(Thakoon Panichgul)はタイ北部の生まれのタイ人です。

ヴィヴィアン・タム(Vivienne Tam)は、中国広東省生まれで香港出身。

ピーター・ソム(Peter Som)は、中国移民の子でサンフランシスコ生まれ。

リチャード・チャイ(Richard Chai)は、韓国移民の子でニューヨーク生まれ。

アナ・スイ(Anna Sui)は中国移民の子でデトロイト生まれ。


ニューヨークには、インキュベーションの機能があります。アジア中から若い才能を集めて、育成して、事業化をしています。

これが、トーキョーでないことが残念です。しかし、日本のようなムラ社会では、余所者は、才能を開花させる以前に、別のことで消耗してしまうのかもしれません。

私たちは、インキュベーションはあまり得意ではないのです。得意を見つけるべきでしょう。

例えば、トーキョーは、ショーウインドウの役割ならお手の物です。
サービスレベルは世界屈指です。ニューヨークの本店よりも、質のいいサービスを提供することすらあります。だから、ニューヨークのデザイナーがアジアにショップを作るときに、トーキョーが選ばれることが多いのです。
ニューヨークのお墨付きさえあれば、トーキョーは快く門を開いてくれます。目抜き通りに、一軒店を作るくらいは、気持ちよく助けてくれるはずです。

アジアの若い才能が、ニューヨークで開花して、トーキョーに店をつくる。
この流れは、しばらく続きそうです。


トーキョーは、アジアのショーウインドウになるかもしれません。


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The Asian show window

The designers of the New York Collection are making genuine effort to open shops overseas.

Wall Street Journal say in its September 5, 2008 issue:
“When things weren't working in New York in the '80s and '90s, people would say, 'well, there's a good business in Japan,' But then the luxury market in Japan stalled. Still, earlier this year Ms. Wang began leasing a warehouse outside Hong Kong to speed shipments to Far East customers.

The prospect of American economy is so bad. For growth strategy it has to target at foreign countries. Its destination is Europe, Middle East, Russia and Japan. It is considered that the economy of Japan, though it is weakening, is yet better than that of the U.S.

In April, 2008, "3.1 Phillip Lim " opened in Aoyama, Tokyo. It is a flagship shop next to the New York Soho shop which opened in July, 2007. The designer Phillip Lim is a Chinese American born in Thailand. He is only one of these Asian American designers, who are remarkable now in their activities in New York collection.

Doo-Ri Chung, who launched Doo.Ri is born in Korea. He went to the U.S when he was 4 years old, and made a debut in the collection in 2003.

Brand "THAKOON" is one of the brands which received the highest evaluation in the autumn/winter collection and its designer Thakoon Panichgul was born in the northern part of Thailand.

Vivienne Tam is from Hong Kong, China, and was born in Guandong.
Peter Som was born in San Francisco as a child of an immigrant from China.
Richard Chai was born in New York as a child of an immigrant from Korea.
Anna Sui was born in Detroit as a child of an immigrant from China.

New York has a function of incubation. It collects young talents from all over Asia and bring it up to entrepreneurs.
I am chagrined that this happens not in Tokyo. In the Japan society with closed community are overwhelming, immigrants may worn out before their talent flowers. We are not so good at incubation.

For instance, playing the role of a show window is Tokyo’s favorite line. The service level is one of the world’s best. It may offer even a better quality service than New York. Therefore Tokyo is often chosen when a designer of New York is going to make a shop in Asia. If New York endorses it, Tokyo will be willing to open its door. It will be willing to help him open a shop even on its main street.

An Asian young talent flowers in New York and makes a shop in Tokyo.
This pattern seems to continue for a while.
Tokyo may become the Asian show window.


 2008/09/26 15:18  この記事のURL  / 

プロフィール
栗田 亮(Makoto Kurita)
(株)テンカイジャパン代表
『Cool Japan! カッコイイ*かわいい*たのしい*おいしい*日本を世界に発信』をテーマに、トラベル、ファッション、ショップ、ブランド等の情報を英語で積極的に発信中。 クールジャパンの翻訳、通訳、海外マーケティングには定評がある。 英語WEBメディア「Tenkai-japan.com」企画・運営 海外向け電子書籍出版、翻訳、通訳、外国語運営サポート、訪日外国人プロモーション、海外マーケティング、JAPANブランドの海外展開支援
●潟Aーチ&コーチ代表取締役社長
●バンタンデザイン研究所 『eマーケティング』 『クリエイティブ・イングリッシュ』講師
●訳書『ユニクロ症候群』(小島健輔著)
連絡先:03-3662-4976
 (株)アパレルウェブ内テンカイジャパン(栗田)

・アーチ&コーチ「日本発の"Earthな"ライフスタイルストア」
http://www.arch-coach.com
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・会社概要/ABOUT US
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