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リチャード3世で思い出したこと
イギリスで、駐車場から発掘された男性の遺骨が、15世紀のイングランドの王リチャード3世のものだと確認され、大きな話題を呼んでいるそうです。

このニュースを聞いて、以前、東京グローブ座にシェイクスピアの『リチャード三世』を観劇しに行ったことを思い出しました。

当時勤務していた会社に英会話クラスがあり、そこのイギリス人講師の発案で、授業の一環としてみんなで見に行ったのです。

「ご成婚されたばかりの雅子妃も来られたらしい、、」などという浮ついた噂も飛び交う、90年台初頭、まだ日本が豊かだった頃の話です。

当時の東京グローブ座はシェイクスピア作品の普及を基本方針に掲げていて、この『リチャード三世』もシェイクスピア時代の演劇を忠実に再現するという触れ込みで上演されていました。

そもそも、東京グローブ座自体が、シェイクスピア時代のロンドンのシアターを模して、張り出し舞台とを囲む円形の観客席を特徴として作られていたのです。


「ナマの英語を体験できる」というのが英語講師の提案でしたが、実際に観劇してみると、とにかく台詞が多くて長く、そして何を言っているのかさっぱり聞き取れない。

生徒たちはみな早々に諦めて、無料貸出のイヤフォンから日本語でセリフを聞いていました。

シェイクスピアは、徳川家康と同時代人。(享年が同じ1616年)。
そんなナマの英語など、われわれにさっぱり理解できないことは十分承知だったはずで、英語講師自身の体の良い気分転換だったのだろうと、今は思います。


シェイクスピアが描くリチャード3世は、悪党中の悪党でした。

王座を狙い、目的を果たすためには手段を辞さない。王を殺し後継者たちを次々と殺し、欲しい女は離れ業を使っても入れます。

ただ、王位を手に入れるまでの話が長く、みんなそろそろ帰りたくなった頃に舞台が暗転。ようやく終わったかと思ったら、ここまでが前半でした。

やや疲れ気味に、

「このあとどうなるのかな」

と隣の席のクラスメイト(女性)に声を掛けたところ、

「ばかねぇ、あとは没落するに決まってるじゃない。」

ときっぱり言い切ったのが妙に記憶に残っています。

シェイクスピアなど興味しと、ずっと爆睡していたはずなのに、人間社会のツボはしっかりと抑えている方でした。


後半、リチャードは自分の王権を守るべくこれまで自分の手足となって自分を助けてきたものを邪魔にして殺しつくします。

やがて、自ら犯した数々の悪行のために臣下の信頼を失い、新しいヒーローが登場。
リチャードに反感を抱く人々を結集して、王権を奪取するための戦いに立ち上がります。

そしてついに新しい王が誕生するのですが、その王もやはり、リチャード三世と同じ運命をたどることになる。。。


歴史は進歩しているのではなく、ただただ繰り返す。
権力は人間を異常にさせる力を持っていて、それを求める強烈な意思の前では、すべてのことが幻に化す。

シェイクスピアのシニカルな諦観が感じられる作品でありました。

実際のリチャード三世は、戦死した最後のイギリス国王なのだそうです。

今回発見された遺骨の頭の骨には、戦闘で負ったとみられる傷痕があり、背骨の間からは矢じりのような金属も見つかったということです。




東京グローブ座は、今はジャニーズ事務所の傘下の劇場として使われています。
 2013/02/06 11:25  この記事のURL  / 

プロフィール
栗田 亮(Makoto Kurita)
(株)テンカイジャパン代表
『Cool Japan! カッコイイ*かわいい*たのしい*おいしい*日本を世界に発信』をテーマに、トラベル、ファッション、ショップ、ブランド等の情報を英語で積極的に発信中。 クールジャパンの翻訳、通訳、海外マーケティングには定評がある。 英語WEBメディア「Tenkai-japan.com」企画・運営 海外向け電子書籍出版、翻訳、通訳、外国語運営サポート、訪日外国人プロモーション、海外マーケティング、JAPANブランドの海外展開支援
●潟Aーチ&コーチ代表取締役社長
●バンタンデザイン研究所 『eマーケティング』 『クリエイティブ・イングリッシュ』講師
●訳書『ユニクロ症候群』(小島健輔著)
連絡先:03-3662-4976
 (株)アパレルウェブ内テンカイジャパン(栗田)

・アーチ&コーチ「日本発の"Earthな"ライフスタイルストア」
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