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PARIS フォーラム・デ・アール今昔物語


94年からパリ詣でを繰り返しているが、まだ「コレット」も「メルシー」も「ブロークンアーム」も無かった時代、ここフォーラム・デ・アールのショッピングセンターにあったエスパス・クレアトゥール(クリエーターズスペース)には4〜5軒の新進クリエーターばかりを集めたセレクトショップが集積していた。このSCはメトロのシャトレ=レアール駅とRER郊外線の駅上にあり、地下2層とグランドフロアの3層で成り立っていたが、このエスパスは、地下の一部、全体の15%くらいを占めていた気がする。出張の合間を縫ってリサーチ時々ショッピング的にチェックして回った記憶がある。あの「ズリーベット」なんかも入っていて、エスニック、ストリート、モード、ドレスまで幅広いデザイナーを集めたショップばかり。デザイナーが代わり番こで店番をし、自主ショップとしてやっている店もあった。その後2000年代半ばくらいに次々と閉店し、大型のSPAテナントに変わっていった。
そして昨年のリニューアルオープンで多くのテナントはさほど変わらない顔ぶれだが、1階の南側路面に大型のセレクトショップ、「レクセプション」がオープンした。この9月のファッションウイークには、ラフォーレ原宿のポップアップも実施していたが、このネタはアパレルウェブ本体の記事をご覧いただきたい。
こうしたクリエーターを入れるテナントがもっと欲しいところだ。



さて、SCにも山型、三角形の発想が不可欠だと私は思う。山の頂部分をあのエスパスが担っていたから、陳腐化を免れていたと。それが無くなり、郊外のSCと変わらない金太郎飴のようなリーシングになった途端、陳腐化が始まり、やがて台形とみなされ、魅力半減となる。これは国内地方SCにも言える事だ。何も尖ったブランドやモードを入れるべきなどとは言わない。大手では扱わないブランドを品揃えした地元の専門店でも、或いは地場産業の新業態でも良い。他のSCにはない独自の魅力を山型のトンガリとして2割くらい導入する事で、チャレンジしている姿が伝わる筈だ。そんな事を考えさせられながら、レアール界隈を歩いていた。

 2017/09/30 07:06  この記事のURL  / 

スタイリッシュなピンクボトルで社会貢献「ソラン・デ・カブラス」


この夏、スペイン北西部、巡礼の最終地点として知られるサンチアゴ・デ・コンポステーラを訪ねた。気温30度を超える真夏日、徒歩や自転車で辿り着いた巡礼者たちが大聖堂前で記念写真に納まっていたが、欠かせないのが水分補給だ。近くのスーペルメルカード(スーパーマーケット)で地元の食材などを物色していると見つけたのが馴染みのあるブルーボトルのミネラルウォーター(コーヒーではない)「ソラン・デ・カブラス(SOLAN DE CABRAS)」。しかも日本では見たことのない1.5リットルペットボトルだ。あのまま大きくしたものでスタイリッシュなところは変わらない。
さて、このソラン・デ・カブラスを輸入販売するスリーボンド貿易は、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える「ピンクリボン運動」を支援するピンク色の限定ボトルを2017年10月1日から全国の小売店およびオンラインショップにて数量限定で販売する。



「乳がん患者やその家族、そしてすべての女性に健康的でポジティブに過ごしてほしい」という思いで、2014年から本国スペインでこのピンクリボン運動への支援をスタートした。日本でも本国の思いを受け継ぎ、昨年からピンクリボン運動の支援を本格的にスタート。 ボトルの形状とデザインはそのままで、アイコニックな青い色のボトルを特別にピンク色に変え、メタリック箔のネックラベル部分にはシルバーのラインを施し、温かみや優しさが感じられるとともに、引き続きスタイリッシュなイメージのボトルに仕上がっている。330ml入りペットボトルで120円(税別)。
売上の一部を公益財団法人日本対がん協会の「乳がんをなくす ほほえみ基金」に寄付し、ピンクリボン運動に役立ててもらう。また、ピンクリボン関連の様々なイベントでも、このピンクボトルを配布予定だ。
ソラン・デ・カブラスは、スペインのベテタ(クエンカ)にある源泉から採水された純粋で口当たりがやわらかなナチュラル・ミネラル・ウォーターだ。地表に降った雨水が、遥か400年の時を経て、限りなくピュアな水となってソラン・デ・カブラスの泉に湧きあがる。2000年以上前のローマ時代からこの水の治癒力を求め、多くの王族が訪れたと伝えられている由緒正しい名水のひとつだ。またレアル・マドリードの公式ウォーターとしても知られている。


 2017/09/24 11:38  この記事のURL  / 

愛と誕生と死の意味を求める映画『エタニティ 永遠の花たちへ』

(c)Nord-Ouest

映画『エタニティ 永遠の花たちへ』(原題:Eternite) は、子孫へと続く系譜が何を意味し、どんな想いを綴っていくのかという問い掛けに答えを出そうとした作品だ。



『アメリ』で一躍有名になったオドレイ・トトゥ演じるヴァランティーヌは、19世紀末フランスのブルジョワ家庭に育ち、一度は断った縁談の相手の誠実な求婚に応え、子供に恵まれ家庭を築いていく。しかし戦争や病で失う命もある。かくして、3世代に渡る系譜の有り様がクラシック音楽と美しい映像、ナレーションとほんの僅かな台詞によってのみ構成される。そう、セリフは殆どといって良いほど無いのだ。淀みのない女性のナレーションが、静かに語り掛けるだけだ。まるで細やかな叙事詩を映像美と共に辿っているかのような感覚。なんと精緻な感情表現。唇、頬の筋肉、肩の震え。役者にとってのミニマルな表現手法しか許さないトラン・アン・ユン監督の凄みが伝わってくる。



人は決して死から免れない。だから、あらゆる哲学、小説、そして神話や寓話も、このテーマを追い続けているものが多い。誰かの死に接しては、自身の死と死後のことを考えさせられ、生の意味を探ろうとする。若いうちは、それがあまりにも身近でないが故に、深く洞察する事もなく、或いは潜在的に避けるように心の奥底に仕舞い込んでしまう。だが、いつの間にか人は老い、死を意識し始める。死してすべてが終わると寂寥感にかられるより、その命が連綿と繋がっていく未来に想いを馳せることで、幾ばくか救われるものがあるのかもしれぬ。それを確実にするための手段が性愛だったのだと気付くはずだ。9月30日よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー。



またアッシュペーフランスは、結婚や誕生により受け継がれるエタニティ(永遠)を描いたこの映画の世界観に共感し、記念日に寄り添えるエタニティとの出会いが生まれることを願って、「H.P.FRANCE BIJOUX」でフェアを開催している。展開店舗は、同店銀座(GINZA SIX)、表参道(表参道ヒルズ)、大阪、丸の内、新宿、、梅田、名古屋、福岡の各店。期間中エタニティリングを成約するとペア鑑賞券がプレゼントされる。



LOQUET LONDONより新作エタニティーリングも登場


 2017/09/23 16:00  この記事のURL  / 

ソレイユをJTBグループに移管した理由


いつもは記者会見に出席する立場だったが、今回初めて、説明する側に立った。貴重な経験だった。それは、5回に渡って細々と続けてきた合同展「SOLEIL TOKYO(ソレイユトーキョー)」をJTBコミュニケーションデザイン(JCD)に譲り、更なる発展を期しての会見だった。詳細は読売新聞産経ニュースなど一般メディア、WWDファッションスナップなど専門メディアにも数多く取り上げられたので、ご覧いただきたい。
そもそもソレイユトーキョーを「何故始めたのか」についてだ。国内外の合同展・トレードショーを長らく取材し、また繊研新聞社時代には、IFF、プラグインの2つのトレードショーの立ち上げに参画してきた経験から、この厳しい現況の下、出展者、来場者双方の不満が存在することを痛切に感じていた。もちろん100%の展示会など在り得ない訳で、どこかを削れば、どこかに歪が起こり、あっちを立てれば、こっちが立たなくなるのは世の常。しかし、どこかに比重を移すことで、新しい仕組みやスタイルの合同展になるなら、多少のマイナスがあっても、プラスの新しい価値が加わることで、新たな地平が見えるのでは。そう思って思い切って始めてみたのだ。それが2015年10月の事。お陰様で、「小さいながらもキラリと光る展示会になったのでは」と自負している。
この事業はカシュ・カシュが行っているもので、私自身は独立と同時に加わったのだが、もともと輸入ビジネスを30年前から行ってきており、特にこの10年は、日本から海外へ進出するブランドのサポートを展示会と輸出の両面から支援してきた実績があった。バイヤー、出展者、オーガナイザー(実は子供服のトレードショー「プレイタイム東京」も立上げている)の3者の立場を経験して、3者にとって理想的な展示会を目指すために、新しいタイプの展示会に辿り着いたところだった。またカシュ・カシュの事業として、パリの展示会に30回以上の出展経験を積み、そこで感じた問題点を改善しつつ、小さなブランドも海外へ出ていく可能性が見い出せるような座組みを考案した次第だ。
しかし、所詮は個人事業レベル。慣れないパワポを駆使して、素人仕事に毛が生えたような手作り展示会でもあった。それでも多くの古くからの知り合いが助けてくれて、出展者にアドバイスをくれたり、展示会を紹介してくれたりと盛り立てていただいた。この場をお借りして、支えてくださった皆様に御礼を申し上げたい。
そして、安い出展投資で負担感が少なく、気軽に参加できる仕組みをもっと多くのブランドに享受してもらうためには、プロフェッショナルな企業にお願いすべきと決断した。更には、「海外に出ていくことが、市場拡大にとって不可欠である」と『ファッションスナップ』や『アパレルウェブ』の記事で書いてきたこともあり、これも小さなブランドが投資額が少なくても参加できる仕組みを早急に作らねばと考えていた。そして、そこに共感してくれる企業であることも重要な点であった。
こうしてカシュ・カシュからJCDにこの事業を移管することとなった。
実はこのシステム、旅費をかけずに出展できるという点で地方の日本ブランドだけでなく、海外ブランドにとっても有効なものなのだ。
9月22日(金)14:30から、東京・渋谷の文化ファッションインキュベーションで開く「出展者向け説明会」で色々とお話したいと思う。興味のある方は、ご参加いただければ幸いだ。
 2017/09/18 21:20  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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