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バッグブランド「CREEZAN」が城の崎にてオープン


志賀直哉の「城の崎にて」で知られる城崎温泉。直哉が投宿した三木屋は現存しており、日本家屋の老舗旅館として隆盛を誇っている。和風情緒豊かな温泉街は、外国人観光客にも受けているそうで、豊岡市の調べによれば、外国人宿泊者数は年間1000〜2000人程度で推移していたそうだが、2012年に約4700人に急増。2015年には約3万4000人に達した。このうち9割以上が城崎温泉で宿泊しているそうだ。これは海外の旅行ガイドで「Best Onsen Town」として紹介されたことが原因らしい。冬場のカニの季節には日本人観光客が多く訪れるのだが、その狭間の閑散期に外国人観光客を誘致することで活性化を促しているところだ。さて、そんな城崎温泉街にバッグの店がオープンした。



兵庫県豊岡で作るメードインジャパンのバッグブランド「CREEZAN(クリーザン)」を展開するコニーは、旗艦店『CREEZAN 城崎本店』を2017年6月11日にオープンさせた。
2フロア構成で、1階(約70u)はカフェカウンターを併設し、地域団体商標「豊岡鞄」として認定を受けたオリジナルブランド「CREEZAN」のバッグや小物に加え、豊岡の伝統的工芸品「出石焼(いずしやき)」の蕎麦猪口なども販売する。2階(約34u)には、ダイニングスペースがあり、革小物の製作体験ができるワークショップも定期的に開催される。
建物は情緒ある景観にマッチした和風建築で、温もりがありつつもモダンなインテリアが印象的だ。ショップのロゴは豊岡市出身の書道家、川尾朋子さんが手掛けている。



同店限定アイテムには、多彩なカラ一や素材でユニセックス仕様の軽くて旅行に携帯しやすいラインナップを揃えた。
地元食材を提供するカフェでは、但馬牛のハンバーガーや八鹿豚のホットドッグなども供される。



「メードインジャパンを世界に」は、国を挙げての課題となっている。特にファッション分野においては、一部の繊維素材を除いて明らかに入超産業だ。豊岡はバッグの産地として、様々な国内見本市に積極的に団体出展している。しかし、シュリンクする国内市場だけに目を向けていたら、ジリ貧になるのは否めない。欧米に打って出行くのも一つの方策ではあるが、それなりの投資が伴う。そんな中、今回の城崎温泉への出店は、訪日外国人観光客にアピールすることで、外に向けた一つの試みとなるに違いない。こうした取り組みやそろえた。SNSの活用、そして本家本元の見本市への出展と多様な取り組みで相乗効果を上げていくことが肝要だ。


 2017/06/18 16:41  この記事のURL  / 

日本古来の美を現代的なアート、音楽、ファッションと融合させたイベント FANTASIA


2017年11月18日に幕張メッセで開催される「FANTASIA −EPISODE.1 PRINCESS KAGUYA−」を紹介するイベント「FANTASIA −EPISODE.0 INTRODUCTION−」が5月26日、東京・渋谷のWOMBで開催され、イベントに先駆けて記者会見も行われた。「日本の美」をコンセプトに、世界に発信していく音楽、ファッション、メディアアートを融合させた新しいプロジェクトとなる。 日本古来の物語を現代風にアレンジしたストーリーに沿って日本の美を表現していくというこのイベント。記者会見では、このプロジェクトの演出を担当する小栗了が演出へのこだわりについて「現代的なものと日本の良さというか古来からのものをしっかりと伝えていきたい」と語った。また、同イベントは2018年以降、海外展開も予定しており、日本から世界に向け発信するイベントとして定着することを目指すという。小栗は「言葉を必要としないエンターテイメント。『和』がテーマなので、歌舞伎や能などをアレンジしながら取り入れていきたい」と具体的な演出ビジョンも話した。演劇、ステージ、格闘技などジャンルレスに活躍する小栗了の演出に期待がかかる。



同日深夜に開催されたパフォーマンスでは、ステージ上に疲れたサラリーマン風の男性が現れ、たくさんの巫女に囲まれたかと思うと、全員でダンスを踊ったり、アクロバティックなパフォーマンスを披露するなど、現在と伝統的な和の融合が表現されていた。特に小柄な女性による腕のみで身体を支えながらの逆立ちしたダンスパフォーマンスは圧巻だった。



併せてヘッドライナーとして、オーストラリア出身の音楽プロデューサーでもある女性2人組のDJで、国内では 安室奈美恵の「Love Story」をはじめ、数々のヒット曲を制作したNERVO(ナーボ)がDJプレイを披露し、訪れた多くの外国人観光客を沸かせていた。また世界的に活躍するDJ、ALISA UENO、ダンスミュージック誌『FLOOR』の編集長も務めるNAOKI SERIZAWA、「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN」で優勝したYAMATOもDJプレイを披露した。


ALISA UENO / NERVO

11月18日の本公演は、幕張メッセのホール9、10、11を使い、開場12時、開演13時、終演21時を予定している。
2020年に向けて、インバウンドを意識したこの種のイベントが増えてくることだろう。




 2017/06/17 19:06  この記事のURL  / 

映像と写真で綴る日本とドイツ 原美術館

泉太郎「溶けたソルベの足跡」2017年

東京・品川の原美術館「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2015-2017 漂泊する想像力」が開かれている。出品作家は、泉太郎、メンヤ・ステヴェンソン、佐藤時啓の3氏で、映像や写真を通じて訴えかけてくる。
このメルセデス・ベンツ アート・スコープは、日本とドイツの間で現代美術アーティストを交換して交流をはかるメルセデス・ベンツ日本の文化芸術支援活動として1991年から続いており、同館が2003 年からパートナーをつとめている。
今回は日本から2名、ドイツから1 名が新作を発表することとなり、1〜2階の各ギャラリーや階段踊り場などに作品の数々が設置されている。
泉太郎(いずみ・たろう/2016 年ベルリンへ派遣)は、どこか不思議な映像インスタレーションを、メンヤ・ステヴェンソン(Menja Stevenson/2015 年東京へ招聘)は「Japan」の現在と伝統の中から着想を得た写真やモノタイプなど多彩な作品を、そして招待出品の佐藤時啓(さとう・ときひろ/1993 年「アート・スコープ」に参加)は、90年代に一度作品化した東京の街を再び違う手法で撮影した写真作品で、過去と現在を対置している。


佐藤時啓「An hour exposure 1990/2017 Tokyo-Shibuya」2017年

特筆すべきは、この佐藤の作品で、90年代初頭と今を活写した風景写真には、東京に住む者にノスタルジーと甘酸っぱい感情を呼び覚ます。


飛行機の機内にいるようなインスタレーション
泉太郎「浮き尻(彫刻の夢を見る12人以上の徘徊マニア)」2017年

本展のカタログには展示の記録写真(インスタレーションビュー)も掲載され、会期中に発行されるそうだ。オールカラー、日本語・英語併記。
また土日祝日には、JR品川駅高輪口から無料送迎シャトルとしてメルセデス・ベンツV クラス(定員6名)が運行される。メルセデス・ベンツの企画ならではの取り組みといえよう。後援は、ドイツ連邦共和国大使館で、企画協力とレジデンス・プログラムがNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]。
開館時間は11〜17時(水曜は20時まで・入館は閉館時刻の30分前まで)で、月曜(祝日にあたる7月17 日は開館)と7月18日が休館となる。入館料は 一般1,100 円、大高生700 円、小中生500 円。会期は8月27日まで。

泉太郎「雲(夢の流れを変えるための反転ストレッチ)」2017年 泉太郎「パレ・ド・トーキョー(パリ)での個展 2017年(参考図版)
 2017/06/11 18:49  この記事のURL  / 

永遠に残したい植物の美 ニコライ・バーグマンのジュエリー


フローリストのニコライ・バーグマンが2017 年5 月26 日、東京・南青山の本店向かいに初のジュエリーブランド旗艦店「NATUR & NICOLAI BERGMANN(ナチュア & ニコライ バーグマン)」をオープンした。3 階建ての132 uに「カジュアル」「ファイン」「ブライダル」の 3 コレクション、各約20〜50 アイテムを揃える。



記者会見に登場したバーグマン氏は、流暢な日本語で経緯を語った。
そもそも、植物は日持ちしないという条件の中での美の追求だが、それを半永久的なものに落とし込みたいという衝動からの発想だったという。そうなるとドライフラワー、プリザーブドフラワーとなっていくが、もっと取って置けるものとしてジュエリーにという結論に至ったそうだ。「花の世界に携わってきた25 年間、自分が手掛けた作品の美しさが失われない方法について常に考えてきました。花の命ははかないものですが、ジュエリーには植物の美しさと自分の自然に対する愛と情熱を封じ込めることができ、身に着ける人も自分が美しいと感じるかけがえのない芸術品です。ジュエリー業界への進出は、フラワーアーティストとしての仕事が自然に延長されたものだと考えています。これからも花とジュエリーの世界を結び付けていきたいと思っています」と想いを語った。
そして日本の独自品種の植物からも多くのインスピレーションを受けたという。
またモチーフとなるものが花の形という単純なものではなく、ヒヤシンスの球根やクリスマスローズの雄しべ・雌しべ、ゼンマイのようなつるものや枝もの、果実の中身などディテールや部分からの着想も多いようだ。



カジュアルコレクションでは、シルバーを使った日常使いのジュエリーで、重ね着けができる指輪やチャームを着け替えられるブレスレットなども展開。マグノリアの花やスイレンの葉、アリウムの花にインスピレーションを得たジュエリーを展開する。



ファインコレクションでは、18K のゴールドを使って仕上げたジュエリーに、厳選したパールやダイヤモンドの装飾を施し、シンプルでエレガントな自然界の流れがテーマとなった「ツイスト」と見え隠れするパールを施した鮮やかでフェミニンな「ペタル」という2つのラインで構成する。



またブライダルコレクションは、職人がカップルのために作るオーダーメイドで指輪を製作し、クラシックなデザインの中に自然のぬくもりが感じられるジュエリーだ。
日本に根付いて19年、デンマーク王国親善大使も務める同氏は、日本国内に11 店舗のフラワーブティック、2 つのプライベートアトリエ、3つのフラワーカフェ、そしてニコライ・バーグマン・インターナショナル・スクール・オブ・フロリストリーを展開し、韓国・ソウルにフラワーブティックもオープンしている。

 2017/06/01 23:00  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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