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フランス映画祭にカトリーヌ・ドヌーヴが来日

『The Midwife(英題)』(c) photo Michael Crotto (c) Patrick Swirc / modds

今年もフランス映画祭が執り行われる。25年の節目となる今年度は、団長としてカトリーヌ・ドヌーヴが「フランス映画祭2017親善大使」として来日する。会期は6月22〜25日の4日間、有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ、日劇で開催される。


『Raw』(c)DR

全12作品で、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されるジャック・ドワイヨン最新作『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』や、今年でデビュー60年を迎えるアラン・ドロンの大特集「アラン・ドロンがいっぱい」(スターチャンネル)の協賛で、70年代の代表作『チェイサー』を上映する。さらに、各地の映画祭で失神者が続出したと言われる新世代の女性監督が描くフレンチ・カニバリズム・ホラー『Raw(英題)』も上映決定。


『ELLE』(c)2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINÉMA – ENTRE CHIEN ET LOUP

また本年度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『エル ELLE』のイザベル・ユペールと監督 ポール・ヴァーホーヴェン(『氷の微笑』)、『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』の監督ジャック・ドワイヨン(『ポネット』)、新作『エタニティ 永遠の花たちへ』を携えた『ノルウェイの森』の監督トラン・アン・ユンなど13名の豪華ゲストがフランスから来日予定だ。


『ロダン カミーユと永遠のアトリエ(Rodin)』(c)Les Films du Lendemain / Shanna Besson

『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』は、天才彫刻家ロダン没後100年を記念して作られた彼の知られざる半生の物語。「考える人」「地獄の門」で名高い彫刻の巨匠、オーギュスト・ロダン。パリ・ロダン美術館の全面協力のもと、カミーユ・クローデルと出会ってからの愛と苦悩に満ちた彼の半生を描く。演技派ヴァンサン・ランドンがロダンを演じる為に8ヶ月間、彫刻とデッサンに没頭し、ロダンの魂までも演じきり、イジア・イジュランがカミーユを好演。2017年11月、新宿ピカデリーほか全国ロードショー予定。


Star Channel Presents 『チェイサー』(c)1977 - PATHE RENN PRODUCTION

『チェイサー』は、アラン・ドロン演じるグザヴィエが親友フィリップから、セラノという議員を殺してしまったことを打ち明けられ、アリバイ工作に協力することを承諾する。セラノ議員殺害の背景に、政界を揺るがす「セラノ文書」が関わっていることを知ったグザヴィエにも魔の手が忍び寄る。アラン・ドロンが友情のために政治腐敗という巨悪に挑む男を演じたハードボイルドサスペンスだ。

来日ゲストは以下の通り。『The Midwife (英題) 』カトリーヌ・ドヌーヴ、マルタン・プロヴォ監督、『セザンヌと過ごした時間』ダニエル・トンプソン監督、『エル ELLE』イザベル・ユペール、ポール・ヴァーホーヴェン監督、『エタニティ 永遠の花たちへ』トラン・アン・ユン監督、『夜明けの祈り』アンヌ・フォンテーヌ監督、『愛を綴る女』ニコール・ガルシア監督、『パリは今夜も開演中』エドゥアール・ベール監督、『ポリーナ、私を踊る』ヴァレリー・ミュラー監督、アンジュラン・プレルジョカージュ監督、『あさがくるまえに』カテル・キレヴェレ監督、『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』ジャック・ドワイヨン監督。

フレンチのエスプリを感じられる映画の数々にひと時、身を任せてみては、いかがだろうか。
 2017/05/18 22:51  この記事のURL  / 

真のソーシャライジングを目指してほしいTRUNK(HOTEL)


5月13日、東京・渋谷に新しい形のホテル「TRUNK( HOTEL)(トランク(ホテル)) 」が開業した。「ソーシャライジング」をメインコンセプトに掲げ、「環境」「ローカル優先主義」「多様性」「健康」「文化」を軸にブライダルのテイクアンド・ギブニーズが運営する。
オープンの案内状とともに届いた報道資料には驚かされた。A4版64ページにも及ぶ見事な冊子だった。チャプター1「TRUNK(HOTEL)が生まれるまで」2「TRUNK(HOTEL)が描く未来」3「The World of TRUNK(HOTEL)」4「価値創造都市・シブヤの今とこれから」で構成され、世界のホテルの進化やシアトルのエースホテルに始まるホテルトレンドの変化、ホテルの構成や細部、扱い商品に関する解説、穏田との関係性や渋谷地区再開発との関連まで、多岐に渡って解説されている。
オープン前に開かれた内覧会で館内を案内してもらった。



客室は全15室。特に目を引いたのが14人宿泊可能な1泊57万円のテラススイート。キッチンや大きなダイニングを備え、テラスにはバーベキューキッチンと小さな温水プールが備え付けられている。誰しもこんなところでパーティーでも開いてみたいと思うだろう。



プロジェクターが設置されシアターも楽しめるリビングスイートにはバーカウンターがあり、女子会にはもってこいの6人宿泊可能。



屋上にはチャペルがあり、この日は館内で使用され、販売もされるアメニティーをお披露目していた。蛍光管をリサイクルして作ったグラスなどこだわりの逸品だ。



バンケットはタイプとイメージ、雰囲気の全く違う大小4室があり、ウェディングから企業のセミナー、ショールーム、展示会にも活用できそうだ。広いテラスを持つ部屋もあり、ちょっとした異空間を味わえる。



内覧会とパーティーでは、「アンリアレイジ」の2017-18年秋冬コレクションを展示していた。



本館1階には、様々なパブリックスペースがある。
中心には大きなラウンジがあり、夜は照明を落としてバーとなるが、昼間はテーブルセンターにコンセントのあるノマドワーカーに嬉しいカフェラウンジとなっている。



レストランは個室も備えており、コジーな雰囲気だ。



大きなテラスの前にはショップがあり、ホテルで扱う渋谷産にこだわった商品や国内各地のリユースプロジェクトとコラボして作ったオリジナルアメニティーが取り揃えられている。
正面玄関横には串焼き屋があり、ちょっと一杯ひっかけたくなる。

さて、ソーシャライジングという地域社会共存還元型のコンセンプトで、先進国経済の精神性に一石を投じる試みが、この東京・渋谷でスタートしたことは、まずもって喜ばしいことだ。しかし、それが勝ち組の為の自己満足ツールとならないよう、さらに広く深くソーシャルを汲み上げていく取り組みまで発展させていくビジョンが無ければ、単なる小金持ちのエセおしゃれライフスタイルになりかねない。真のソーシャライジングを目指す覚悟を期待したい。




 2017/05/14 18:01  この記事のURL  / 

ファクトリエがCHIVAS VENTURE日本代表に


スコッチウイスキー「シーバスリーガル」は、若手起業家を支援するグローバル・コンペティション「CHIVAS VENTURE」を開催している。今年は3回目で、世界各国のファイナリスト30名が、総額100万ドルの助成金をめぐり、オンライン一般投票と7月にロサンゼルスで行うファイナルイベントで競っていく。今年の日本代表には、「Factelier(ファクトリエ)」代表、山田敏夫氏が選ばれた。
ファクトリエは、日本の工場直結ファッションブランドで、EC販売を行っている。2010年にスタートしたサンフランシスコの「EVERLANE(エバーレーン)」のビジネスモデルとよく似ている。代表の山田敏夫氏は「日本のアパレル工場は世界から信頼される高い技術を持っているにも関わらず、様々な理由で過剰な原価抑制を強いられ、廃業・倒産が相次ぎ、世界に誇る日本の技術は途絶える寸前です。この危機感から、工場と直接提携して余計な中間マージンを省き、工場には適正な利益を、消費者には最高品質の商品をリーズナブルな価格で提供しています」とその仕組みと立ち上げた理由を述べている。そして自ら全国各地の工場を年間100以上訪ね歩き、その中でもレベルの高い技術と志をもつ45工場と提携し、こだわりの詰まったベーシックだが「語れるもの」を作っている。小売価格は工場側が決めるという工場の自主性を育む発想を持ち、ファクトリエが無くなっても自社で直営やECができるようになるために、在庫を持ちながら運営することも推奨しているという。現在は、自社ECサイトの他、銀座、熊本、横浜、名古屋の4店舗と1月から台湾に海外1号店をオープンし海外進出も開始した。
特筆すべきは、工場と組んで地元で新卒獲得のための就活イベントなども開催していることだ。実際、平均2人の新卒採用が実現できているそうだ。
一般投票は下記のサイトからできる。
https://www.chivas.com/en/the-venture/finalists/people/jp-factelier
中間流通マージンの排除、ECによる実店舗コストの削減、スーツとシャツは受注生産し、定番の在庫は、工場とファクトリエで持つなどの在庫ロスの低減といった仕組みで、新たなビジネスモデルを創造している点は高く評価できる。一方でデザイン性の高いものへの挑戦が難しい。この点を克服できれば、さらに付加価値を上げることができる。そんな取り組みも考えみてはどうだろうかとふと思った次第だ。



新作の今治タオル地をかなり薄くしたリネン見えするシャツは、ソフトな手触りで心地よい感触だ。



5月8日の記者会見では、カクテルコンペティション「THE CHIVAS MASTERS 2016」日本チャンピオンのバーテンダー、水岸直也氏による「Factelier」と日本のクラフトマンシップを表現したスペシャルカクテルが振舞われた。

 2017/05/12 15:08  この記事のURL  / 

古舘伊知郎の実況中継と篠原ともえとの掛け合いに笑い


以前、このコーナーでCtoCハンドメイドマーケットの拡大について書いたことがある。また今月発行の『Fashion力』も、サスティナビリティーを底流に編集してきた中で、たまたまこのテーマを持ってきたところだった。そんな折、芸能分野の古館プロジェクトが北参道にファッションFAB「andMade(アンドメイド)」を開設するというので記者会見に赴いた。オープン日は4月28日。



待たされること30分、やっと古舘伊知郎さんが実況中継風に入場。カメラが1〜2階へと古館さんを追いかけながら一通り施設を紹介してくれた。簡単なキッチンと大型冷蔵庫も備え、都内の有名スイーツを定価で購入して、そのまま買えるようにしたり、女性用トイレは大きいなど痒い所に手が届く施設との解説に好感が持てた。



さて、この施設には服作りの様々な機械が用意されており、オリジナルのプリントテキスタイルやボタンも作れる。JUKIのサポートを受け、工業用ミシンからフリーハンドで使用できるキルトミシンまで揃え、革小物やアクセサリーなどの副資材制作が可能となるUVプリンター、アクリルなど布以外の素材加工も可能なレーザーカッターや3Dプリンターなど様々なデジタルファブリケーションマシンも導入している。
施設の利用料は、1時間600円から日、月、年間までプランがあり、オプションや機器によっては別料金が必要となる。例えばレーザーカッターやUVプリンターは1時間1000円、テキスタイルプリンターは1時間4000円など。



また古館さんとのトークショーに登壇した今やハンドメイド界のカリスマといっても過言ではない篠原ともえさんも、ワークショップを行う予定だ。トークショーでは、ここでは書けない「ピー」トークが炸裂。それに引っ掛けて、古館さんのピーコートを作るという「ピーコート・リデザイン・コンテスト」も開かれる。
ややBに寄っているデザイナーのFAB兼支援施設の「コロモザ」(これも『Fashion力』2017年2月号で取材)とは一味違って、シノラーイベントがある点などから、どちらかというとC向けのようにも見えるが、結構プロ仕様の機器が揃っており、インディペンデントなデザイナーにとっては使える施設となってくるかもしれない。
折しも東京ビッグサイトでホビーショーが開かれている時期だったが、あの凄まじい賑わいを考えるとハンドメイド人口の広がりを容易に想像できる。地方や海外にまで、この施設を出していきたいとの意向もあるようで、まずはこの北参道がその試金石となる。
 2017/05/01 16:36  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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