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ギンザ・シックス、私見を交えてご紹介2
<1の続き>



JOTARO SAITO(ジョウタロウ サイトウ) は気鋭のきものデザイナー、斉藤上太郎のコンセプトショップで内装の象嵌は見事。アイスバーもテイクアウトできるスイーツカフェも併設する。



ヨウジヤマモトのGround Y(グラウンド ワイ) は、同社のフィルターを通し、ジェンダーレス・エイジレスなスタイルを提案するコンセプトショップ。様々なカルチャーとコラボレーションを提案し、『ファイナルファンタジー』とのコラボアイテムも登場。



PARIGOT(パリゴ) は広島のセレクトショップで、丸の内店に続く都内2店舗目。世界で活躍中の日本人デザイナーの限定品やデニム集積など100ブランド以上の最先端ファッションを提案。



Theatre H.P.FRANCE(テアトル アッシュ・ペー・フランス) は、欧州のクリエーションを紹介するという同社の源流。舞台のようなラグジュアリーな空間とソファでもてなしてくれる。



#0107 PLAZA(オトナプラザ)は、PLAZAが「オトナのための、新しいPLAZA」としてオープンさせた。ニューヨークの街角をイメージした店内には、「Stand Bar」を設置し、コールドプレスジュースやコーヒーも提供。またアンファーによる「ドクターズ・ナチュラル・レシピ」シリーズ(写真右)もラインナップ。クレンズフードで内側からボディメイクを目指せるのが特徴だ。

<5階>



輸入卸の三喜商事によるHYDROGEN(ハイドロゲン)は、アジア最大級のフラッグシップショップ。フルラインナップを取り揃え、ジャケットスタイルから大人の休日スタイルまでを提案する。スカルモチーフが随所に散りばめられ、ゴルフバッグは注目商品だ。



英国物の輸入卸、渡辺産業のセレクト業態BRITISH MADE(ブリティッシュメイド) は、人気のラベンハムも揃えるが、同店では「Drake's」のフルラインナップを取り揃えるインショップも展開。



アーバンリサーチのFREEMANS SPORTING CLUB(フリーマンズ スポーティング クラブ)は、ウェアとバーバーが1フロアで展開される国内初のショップで、整髪から洋服までトータルに、クラシカルかつ現代のニーズを反映したスタイルを提案する。またミントグリーンの壁面とファサードは他店との違いで大いに差をつけた。



Paraboot(パラブーツ)は1908年フランス創業の「価値ある歩き」をコンセプトとする靴ブランド。世界で唯一、自社でラバーソールを生産する靴メーカーであり、ブランドの歴史とモデルに精通したスタッフが抜群の歩行性とフィッティングを提供する。照明がかなり明るいのが印象的だ。



メル・ローズのCONVERSE TOKYO(コンバース トウキョウ)は、カルチャー寄りの提案を強化している。ファセッタズムの落合宏理やクラネとのカプセルコレクションも展開する。また1500本限定のテディベアキーリングを発売し、4月29日にはクレア・シュタイフさんが来日して記念サイン会を行う予定。



lululemon(ルルレモン) は、カナダ発祥のスポーツウェアブランドで、ラグジュアリーかつ高品質なフィットネスウェアを展開。ヨガやフィットネスのコミュニティーが集まるショップとして、店内でコミュニティークラスを実施予定。ノリの良い店舗スタッフが面白い。



文具メーカー、マークスによるMARK'STYLE TOKYO(マークスタイル トーキョー)は、ハレの日に贈る特別な一品。ケの場に寄り添う日常の一品を提案するプレミアム・デザインギフトストア。「日本の素敵で世界に快適を」を具現化する場として、マークス製品のみならず、モダンヘリテージ(=伝統に根ざしながらもモダンをまとった日本の逸品)をセレクト。昨年末にはパリのマレ地区にも店舗を出している。



アッシュ・ペー・フランスが輸入するOSKLEN(オスクレン) は、ブラジルを代表するリオデジャネイロのニューラグジュアリーブランド。コレクションラインを中心にリラックスしたモードを感じるラインナップでブランドの世界観を表現し、アマゾン川の淡水魚ピラルクの革を使った商品も展開。



SOMES SADDLE(ソメスサドル)は、1964年創業の日本唯一の総合馬具メーカーとして、伝統と技術に基づくハンドメイドの革製品を提案。驚くほど軽量なのが限定商品のドライカーボンのアタッシュケース。もちろん内装はコードバンだ。また同店ではカスタムオーダー対応やメンテナンスコーナーも設置し、多様なリクエストからアフターケアまで革製品のプロが対応する。

 2017/04/16 13:10  この記事のURL  / 

ギンザ・シックス、私見を交えてご紹介1


J.フロント リテイリング、森ビル、L キャタルトン リアルエステート、住友商事の4社による商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」が4月20日に開業する。旧松坂屋跡地とその裏側を一体的に再開発したプロジェクトで間口約115m、奥行約100m、商業施設延べ床面積約47,000uというスケールだが、外周に店舗を配置した関係で、中に入ってみると意外とこじんまりとして導線も悪くなく、コンパクトに回れる気がした。これは、2階の中央吹き抜けにより各フロアの面積がさほど大きくならなかったことと、吹き抜けがある事で見通しが良くなり、位置関係も分かりやすいといった点が奏功しているようだ。ただ、この吹き抜け、どこかで見たような。そう、もう既に多くの人たちがSNSで呟いているようにパリの左岸にある老舗百貨店「ル・ボンマルシェ」に限りなく似ている。ましてや、こけら落としのインスタレーションが草間彌生となると2014年の「Le Japon Rive Gauche(ル・ジャポン・リヴ・ゴーシュ)」を彷彿させる。
さて、241ブランド・ショップが出店するが、うち121が旗艦店。すべては紹介しきれないが、一部を簡単に紹介していこう。



<地下3階>



全480席の「観世能楽堂」がオープン。4月20〜29日には開場記念公演『祝賀能』『日賀寿能』が開かれる



<1階>

中央通りには、世界を代表するラグジュアリーブランドがメゾネット店舗を構え、「のれん」をイメージしたファサードで迎えてくれる。House of Dior (ハウス オブ ディオール)、 CELINE(セリーヌ)、 SAINT LAURENT(サンローラン) 、Van Cleef & Arpels(ヴァンクリーフ & アーペル)、VALENTINO(ヴァレンティノ) 、そしてFENDI(フェンディ)で、写真は割愛。




CITIZEN FLAGSHIP STORE TOKYO(シチズン フラッグシップ ストア トウキョウ)は、シチズンウオッチグループの全ブランドを世界最大級のコレクションで展開。修理工房や世界初の「アーノルド&サン」ブティックも併設し、中央にはトゥールビヨンを搭載した機械式モデル(2200万円)も。

<2階>



SIXIEME GINZA(シジェ−ム ギンザ)は、大丸松坂屋百貨店の自主編集売り場でレディスのバッグ&シューズ、ジュエリー&ウォッチ、ファッショングッズ、ライフスタイル雑貨など国内外からセレクトした雑貨をライフスタイルシーンに合わせて、6つの展開で提案。一部ウェアは、トゥモローランドの「knot(ノット)」が入っているが、この売り場を監修したのは、元アクアガールのバイヤー・笠原安代さんと香りのセレクトショップ「エルムタージュ」を主宰する佐々木みみおさん。彼は元トゥモローランドの名物バイヤーにして社長室長だったので、納得。



Y-3(ワイスリー) は、「adidas(アディダス)」のスポーツ専門技術や機能と山本耀司のデザインが融合したスポーツファッションブランド。メンズ・レディスウェアとフットウェア、バッグなどを展開。



H.P.FRANCE BIJOUX(アッシュ・ペー・フランス ビジュー)は、感度の高い大人の女性にむけた「私のため」のジュエリーショップ。ヨーロッパのクリエイターたちが手がける作品的なコレクションや銀座店でしか出会えない1点ものなどを提案する。写真右の手前は映画「メットガラ」とのコラボアイテム。

<3階>



ALEXANDER WANG(アレキサンダー・ワン)を運営するのは、三越伊勢丹グループのクラブ21ジャパン。都内2店舗目のレディス、メンズ両方のコレクション取扱店。



UNDERCOVER(アンダーカバー)はブランドが展開する複数のラインを総合的に展開し、世界観をフルラインナップで楽しめる。



輸入卸グルッポタナカによるN°21(ヌメロ ヴェントゥーノ) は、アレッサンドロ・デラクアの真骨頂とも言えるシャープなテーラーリングとスポーティーでウェアラブルな魅力が満載。



アーバンリサーチが輸入するBY MALENE BIRGER(バイ マレーネ ビルガー)は、デンマークのアフォーダブル・ラグジュアリー。クリスティーナ・エスティーンのアイデアからエレガントかつモダンな雰囲気の空間で、同店先行発売の「アラビックフラワー」プリントのトートバッグも登場。



アオイが輸入するHERNO(ヘルノ)と言えばダウン、というイメージだが、伝統的な技術と新素材の融合により進化した斬新なアウターコレクションを展開し、レディス、メンズ、キッズの全てが揃うフラッグシップショップ。



イトキンが運営するTARA JARMON(タラ ジャーモン)は、パリ旗艦店のイメージを導入し、ソファ、什器、マネキンもパリからという気合いの入れようだ。エレガント&フェミニンをベースに、常に今の気分を取り入れた洗練されたリアルクローズを提案する。

<4階>



BEAMS HOUSE WOMEN(ビームス ハウス ウィメン)は、エッフェ・ビームスを中心とした展開で、上質で洗練されたアイテムと品格あるスタイルを提案する。写真右の絵画とセットで掛けると絵の一部になるバッグは全国限定各5点なので、早い者勝ち。



ワールドのDRESSTERIOR(ドレステリア)は、英国の伝統的な物、イタリアの職人気質やバランスの良いモダン、そしてフランスのエスプリなどをミックスした上品なコーディネートを提案。都内唯一のメンズ・レディス取扱店舗となる。

<2に続く>
 2017/04/16 13:00  この記事のURL  / 

サスティナブルやCSRとファッションブランド


前回もパタゴニアのリサイクルポリエステルの話を採り上げたが、今回もそんなお話。
様々なブランドが、エコやリサイクル、フェアトレードといったサスティナブルな取り組みを広げている。また商品そのものの作り方や流通だけでなく、チャリティーといった形でCSR(企業の社会的責任)を果たそうとする試みも大切なことだ。最近取材に回っていて、こうした取り組みの広がりを如実に感じる。それは、作る側も買う側も、そのことを意識せざるを得ないほど、人類が立ち行かなくなっていることの証左でもある。



ブラジルのブランド「OSKLEN(オスクレン)」は、アマゾン川に生息する魚、ピラルクの皮を使ったアイテムを作っている。ピラルクは大型の淡水魚でアマゾン川流域の原住民が食用としているのだが、その皮が大量に捨てられ、また皮そのものが硬く、処分に困り環境汚染にもなるという厄介なものだったそうだ。それに手を加えて材料としての革へと変化させ、バッグや靴に応用した。鱗の雰囲気はスネークレザーのようにも見え、独特な凹凸感とワイルド感が面白い。当然ワシントン条約対象物のため、手続きは面倒だが、その手間を掛けても原住民の生活の糧と環境保全になる側面から取り組んでいるという。このピラルクの取り組みを素敵なビジュアルとともに見せる企画展「A21 【Practice #1】」が駐日ブラジル大使館で4月23日まで開かれている。


 
「MONTBLANC(モンブラン)」は、東日本大震災で残った「奇跡の一本松」で作った万年筆で陸前高田市に寄付を行なう活動も実施したが、2004年から続けているユニセフへの支援もユニークな活動だ。万年筆メーカーならではのこだわりで、識字率向上のための活動に寄付を行っている。世界では約5900万人の子供たち学校に通えず、成人の字が読めない人の数は約7.8億人とも言われている。子供たちが最初に学ぶ文字を6ヶ国語でデザイン。日本語は「あ」となる。ロゼッタストーンをモチーフに仕上げ、特にスケルトンのモデルは爽やかなブルーにインクの量が一目で分かる仕様になっている。このマイスターシュテックは未だに回転式スポイトなのだから、手巻きの時計のようなものだ。愛着が湧くのも無理はない。この辺りに老舗のこだわりを感じる。筆記具以外の腕時計、文具なども含めた2017年4月〜2018年3月までの売上げから少なくとも1500万USドルをユニセフに寄付するそうだ。 
さて、こうした取り組みが随所で見られるようになったことは喜ばしいことだが、これら点と点を結び付け、大きな潮流にしていくとともに、国家レベルでのしょうもないエゴを叩く取り組みも強めていかねば真の解決には至らない。そのことも肝に命じて頑張ろう。


 2017/04/15 16:13  この記事のURL  / 

サスティナビリティーとパタゴニア


「サスティナビリティー」について、弊誌『Fashion力』の昨年8月号で取り上げたことがある。純粋に環境や科学的視点からのサスティナビリティーと文化・文明的側面からの視点の2面性から捉える試みだった。その後もサスティナブルという視点は、言葉に表さないでも誌面の底部に流れる継続的テーマとして位置づけてきたつもりだ。その後も「ファッションテックが業界の持続可能性を高めてくれるツールとなるか」といった視座や今月末発行の次号は、「CtoCハンドメードマーケット」に着目して、大量生産大量消費との対比で捉えてみた。
さてファッション企業でも、この視点に立って、なおかつファッションとしてのポジションを確立できている企業はそれほど多くはない。アウトドア・アパレルのパタゴニア(本社:米国カリフォルニア州ベンチュラ、日本支社:神奈川県横浜市)はその数少ない代表例と言えるだろう。3月末に東京・表参道で同社がこの春発売するウィメンズ・スイムウェアの中で最もズレにくい機能的なビキニ「ナノグリップ」 の「ウィメンズ・ナノグリップ・トライアングル・トップ」に関するローンチイベントを開いた。



イベントには同社のアンバサダーでプロサーファーの武知実波さんが登壇し、トークショーが行われた。武知さんは徳島大学院生で現役のプロサーファー、2020年東京五輪の強化指定選手でもある。彼女の口からは「トレーサビリティーなどを含め、考える機会にしてもらえたら嬉しい」としっかりとした意思が語られた。
2016年に登場した「ナノグリップ」は、革新的なマイクロファイバーを使った裏地により、濡れると素肌に密着し、激しいスポーツでもぴったりとフィットし、ズレにくい水着としてサーファーやビーチバレー選手などから高い支持を得ているそうだ。
今回の新製品は更にコンパクトなバストにも対応し、面積の小さい生地ながらも高い密着度を備えている。調節可能なクロスバックのストラップにより、優れたフィット感を実現し、素材にはリサイクル・ポリエステルとリサイクル・ナイロンを使用。縫製はフェアトレードUSAの認証済み工場で行われている。ついにスイムウェア全製品がフェアトレード・サーティファイドとなったそうだ。



これら製造される各ウェアに対し、労働者が生活水準の改善のために使うことのできる賞与をパタゴニアが労働者に直接支払い、それらはプライベート・ヘルスケアや託児所などの社会的、経済的、環境的な地域事業のために使用、あるいは労働者にボーナスとして支給されるそうだ。またフェアトレード・サーティファイド製品の売上の一部が直接、その製品を縫製した人たちの手に渡る仕組みで、2014 年の10 製品から284 製品にまで増えた。このプログラムは拡大しつづけ、現在までに7000人以上の労働者がフェアトレードの恩恵を受けているという。
ナノグリップの価格はトップが8964〜9720円、ボトムが7884〜8316円。
全国のパタゴニアの直営店、通信販売、オンラインショップ、正規取扱店(一部を除く)で販売されている。
特に注目してほしいのは、フェアトレード・サーティファイドのプログラムを紹介したビデオ映像『フェアトレード:最初の一歩』だ。このビデオを学生たちにも授業で是非見せたいと心に留めた。


 2017/04/08 16:42  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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