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単なるボルドーの宣伝ではなかったラ・シテ・デュ・ヴァン


2016年5月31日に開会式が行われ、6月1日の正式オープン後は順調に訪問客数を増やす「La Cite du Vin(ラ・シテ・デュ・ヴァン)」。
この夏、南フランスから北スペインをドライブする最中、立ち寄ってみた。延べ床面積13,350平方メートルを誇る施設の中には、ボルドーだけでなく世界中のワインを紹介する博物館、ライブラリー、ワインショップ、レストランなどが並ぶ。ワークショップ・スペースもあり、知識レベル別に受講できる単発講座のほか、ラベルやコルクをテーマとした子供向けイベントも行われている。



特に目を引いたのは、徹底的にワインと歴史を学ぶことを重視していると感じた点だ。
日本語を含めた8カ国語に対応するイヤホン付きの「トラベル・コンパニオン」というiPhoneのような端末を入場口で受け取る。各所にポイントされたマークにトラベル・コンパニオンを当てるとオーディオ解説が視聴できるという仕組みだ。このオーディオ解説は全て繋ぎ合わせるとおよそ10時間分だそうで、とても1日ではすべてを堪能することはできない。(^-^;動画もトラベル・コンパニオンで触れてスタートさせ、映像上に流れる言語はきちん日本語になっている。賢い!!
世界の生産者が登場して解説してくれるコーナーには、スペイン、ドイツ、イタリア、米国、ニュージーランド、アルゼンチン、オーストラリア、ジョージア(旧グルジア)などフランス以外の紹介も沢山されている。



実体験として楽しめるのが嗅覚を刺激する装置。古本、クッキー、皮手袋などワインの香り表現に登場する様々な物質を嗅ぐ装置で、手前にあるポンプを握ってワンプッシュすると、ホーン状の先端から香りが漂ってくる。正直、嗅ぎたくない香りというか臭いもあり、まあ御愛嬌かな?



こちらは、何か聞きたいことがあるとバーチャルリアリティー(VR)でその筋の専門家が登場し、マンツーマンで答えてくれる。例えば、「安くて美味しいワインは、どこで買えるの?」などの質問に対して、結構リアルに答えてくれるのだ。例えば大手スーパーをお勧めされたりもする。
1階のワインショップには90か国・800種が揃い、棚の合間に設置されたノートパッド上で簡単に銘柄検索ができる。日本のワインもあるそうだ。もちろん興味ないので、「Chateau Le Puy」を大人買い!(^^)!


 2016/09/22 15:00  この記事のURL  / 

ボルドーの真髄はグランヴァンではない


ボルドー新世代代表×日本のワイン界のキーパーソンが語る「ボルドーワインの近未来像」と題したパネルディスカッションが、2016年9月12日に渋谷で開かれた。パネラーにはボルドーから研究、生産、販売の3分野の若手、シャトー・ラフォン=ロシェのアナイス・マイエ氏とヴィノーブル・シオザール輸出営業担当ダビッド・シオザール氏、コンサルタントのアクセル・マルシャル氏が、日本からは若手生産者の中央醸造酒・栽培醸造責任者の三澤彩奈氏と日本人初のMW(マスター・オブ・ワイン)山仁酒店・代表取締役の大橋健一氏が登壇。モデレーターにワインジャーナリストの山本昭彦氏を迎え、4つのテーマを軸に試飲を交えながら討論が進められた。



特に注目されたのが、ビオやエコロジー、サスティナブルに対するボルドーの取り組みだ。その中でも印象に残った発言が「ボルドーの真髄はグランヴァンではない」。すなわち、中小企業協同化の活動が活発で、その表れがボルドーワイン委員会の様々な啓蒙活動やボルドー大学の卓越した研究成果、そして、つい最近オープンしたワインミュージアム「ラ・シデ・デュ・ヴァン」と言える。
水や電力などのエネルギー消費削減のための集団的取り組みを進めており、その中から生まれたアイディアで「電力消費削減のため、ラフォン・ロシェでは、昨年工事を行い、醗酵室に自然光を取りいれるようになった」「除草剤を使わないことが、加速化して広まっている」とした。大橋氏からは、「ボルドーのシャトーオーナーに投資家が多いので、いつ成果が出るのか分からないことへの投資の決断は難しい。それにもかかわらず、ビオロジックやビオディナミ、統合的な栽培、減農薬農法など環境に関する何らかの認証を受けているぶどう畑が45%とフランスの全国平均を上回っていることを評価しなければならない」とした。また三澤氏は「ボルドーは、エコロジーとテクノロジーを組み合わせている。減農薬やビオロジックなど、一人でやっていくのは難しいが産地全体で取り組む強さがある」と評した。マイエ氏も「これまでは自分のワイナリーだけで行うことが多かったが、環境面については協力が必要。それ以外の面でも集団的取組みが必要であろう」とした。
いずれにしても、中小企業の協同化によって世界に向けた発信力とサスティナビリティーを持ち合わせているボルドー。我が国のファッション業界も中小企業の集まりだ。学ぶべき点はあるのかもしれない。

後編は「単なるボルドーの宣伝ではなかったラ・シテ・デュ・ヴァン」に続く


 2016/09/20 16:30  この記事のURL  / 

ピンクボトルでピンクリボンを支援 ソラン・デ・カブラス


最近、ファッションイベントやブランドのローンチパーティー、ショップオープニングなどで良く見かけるブルーのすっきりとしたデザインボトルのミネラルウォーターがある。その名は「SOLAN DE CABRAS(ソラン・デ・カブラス)」。見たことがある人も多いだろう。スペイン・マドリードを拠点とするサッカーチーム、あのクリスチアーノ・ロナウドが居る「レアル・マドリード」の公式ミネラルウォーターとしても知られている。ロナウドはポルトガル人だが・・・。閑話休題



国内発売元のスリーボンド貿易は、2016年10月1日から乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える「ピンクリボン運動」を支援するピンク色の限定ボトルを全国の輸入生活雑貨店「PLAZA」で先行販売を始める。また11月1日より全国の小売店およびオンラインショップにて販売が始まる予定だ。
ソラン・デ・カブラスは、乳がん患者やその家族、そしてすべての女性に健康的でポジティブに過ごしてほしいという思いで、2014年から本国スペインでピンクリボン運動への支援をスタートしている。日本においても本国のその思いを受け継ぎ、今年からピンクリボン運動の支援を本格的にスタートすることになった。
ボトルの形状とデザインはそのままに、アイコニックな青い色のボトルを特別にピンク色に変え、メタリック箔のネックラベル部分にはシルバーのラインが施され、温かみや優しさが感じられるとともに、スタイリッシュなイメージのボトルに仕上げられている。
売上げの一部は、ピンクリボン関連団体に寄付され、ピンクリボン運動に役立てられる。また、ピンクリボン関連の各イベントでも配布予定だ。
同社は「これからもピンク色の限定ボトルを通じて、乳がんの啓発・支援を行なうピンクリボン運動に取り組んでいく」としている。
ソラン・デ・カブラスは、スペインのベテタ(クエンカ)にある源泉から採水された純粋で口当たりがやわらかなナチュラルミネラルウォーターで、地表に降った雨水が、遥か400年の時を経て、限りなくピュアな水となって泉に湧き上がっている。2000年以上前のローマ時代からこの水の治癒力を求め、多くの王族が訪れたと伝えられている由緒正しい名水のひとつだ。
この機会に、ピンクリボンへの支援も含め、ピンクのボトルで美味しい水を楽しんでほしい。



 2016/09/18 11:51  この記事のURL  / 

AI利き酒師の次は、AIソムリエ


人工知能(AI)を搭載したファッションアプリ「SENSY(センシー)」については、このブログでも一度紹介したことがあるが、所謂、人間の五感を数値化して、アルゴリズムにより傾向を分析し導き出すという点では、ファッションに限らず、あらゆるライフスタイル分野に応用が効くだろう。例えば、デザイナーズマンションを好む人かどうかをAIが判断して、賃貸住宅検索サイト内で、最適な物件を表示するとか、その人のAIを成熟させることで、飲食店も含めた生活全般において「探す手間の短縮化」を実現できる。
そんな事をこのところ良く考えるのだが、8月24〜29日、伊勢丹新宿本店でITと絡めたいくつかの試みが催された。
1つは、センシーを使った「AI利き酒師」の取り組みだ。地下の日本酒売り場で用意されたタブレットにセンシーが組み込まれ、今回は30種類の日本酒がインプットされているという。出された3種類の日本酒を飲み比べながら、そのテイスト感と印象を入力する。



甘味や酸味、旨味や余韻などの項目があり、「感じない」から「強く感じる」までの5段階から選ぶ。その結果に基づいて「あなたの人工知能が生まれました」とレーダーチャートが表示され、更に「どんなアテと一緒に飲みたいか」を聞かれる。そしてAI利き酒師がお薦めする1本が提案されるという仕組みだ。

まずは世界一おいしい日本酒を決める「SAKE COMPETITION2016」でプレゼンターを務めた元『CanCam』モデルの梨衣名さんが試してみた。「酒好きの美人は、モテるだろうな」というのが印象。余計なお世話か?



同店の中本光昭食品・レストラン営業部計画担当マネージャーは、「30本の日本酒をスタッフで利き酒して、それぞれ感想を話し合ったが、まちまちだった事も分かった。またこの取り組みを通じてスタッフのモチベーションアップにも繋がった点が良かった」と話す。売り場には300本の日本酒が在庫してあり、このデータを網羅して本格導入の可能性もある。


伊勢丹本店の中本マネージャー


またセンシーを運営するカラフル・ボードの渡辺祐樹社長は「アプリを作り、より広く感想を集める事で精度が上がる」と期待感を滲ませた。
9月14日からはワイン売り場で好みに合うワインを提案するという。こちらの方は、個人的にもっと興味がある。是非とも行ってみたい。
他にも2階の解放区で、VRを活用してあたかも、そばに商品が並んでいるかのように見える疑似体験を楽しめるイベントが開かれていた。
どんどん身近になるITやAIの活用。オジサンも頑張って、ついて行かねばね!!



 2016/09/05 17:30  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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