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中国・寧波で熱血授業!! 「ファッションビジネス」編

集中講義を受ける60人ほどの学生

5月末から6月初めに掛けて、杉野服飾大学と提携している中国・寧波市の浙江紡織服装職業技術学院・国際学院(インターナショナルスクール)の日中専門課程で1週間の集中講義を行なう為に出張した。タイトルは「世界のファッションビジネス」。ファッション産業の全般的理解〜素材から世界の歴史と産地まで、世界の流通リサーチ、日本のファッション産業の歴史と今、取引条件と流通構造の変化 & 店舗指標の基本、日本のセレクトショップとは、ファッション産業の職種、トレードショーと輸出入の7つの大きなテーマに基づいて講義を組み立て、それ以外に各自で「ブランドポジショニングマップを作ってみよう」などの宿題も与えてみた。基本的には技術習得を目標とした学生たちが多いのだが、なかにはビジネス系へと進むことを考えている学生たちも居た。この他にも「See now buy nowとメンズ・レディスの融合」といった世界的なテーマや日本独自の慣習と世界の違いをテーマにした「オープンプライスと参考上代」などのトピックスも織り交ぜて構成した。
学生たちは20歳前後なのだが、日本と比べるとやや幼く素朴だと感じた。試験にビビるのは、どちらも同じだが。
授業は朝8時15分にスタート、100分授業を1日3回、月〜金の5日間で15コマとハードスケジュールだが、あっという間の1週間だった


一番右が学食


噴水がきれいな天一広場

さて折角だから、午後空いた時間を使って、寧波のファッションスポットを見てみようと、地下鉄で街へ出て、天一広場とラッフルズシティをリサーチしてきた。
まず天一広場には、大きな広場を取り囲むようにいくつかのファッションビルが立ち並んでおり、セミラグジュアリーラインの揃う館から、ドメスティックのSPAと日系のショップが並ぶ館など様々なグレードが揃う。もちろん家賃が高いため、所謂安物を売る店は見受けられない。



「GXG」と「ピースバード」はどちらもドメスティック高感度SPAで、ポロシャツ8000円台という価格帯だ。ピースバードでは、入店するとすぐに温かいお茶がもてなされた。これらドメスティックSPAの店舗は、天一広場内だけでも複数出店しており、テナントが見つからないのか、もしくは出せば売れると次々に押さえてしまうのか? 日本なら、差し詰め丸ビル、新丸ビル、キッテ全てに同じ店を出しているようなものだ。



この他グローバルSPAの「H&M」「ユニクロ」「無印良品」も揃い、また日本ブランドとしては「EVISU」や「マウジー」「スライ」の複合店、「マジェスティク・レゴン」が同じ館に入居していた。



ラッフルズシティは市中心部の鼓楼から北東へ1駅の外灘大橋駅に直結している。規模は天一広場とは比べ物にならないほど小さいが、コンパクトに見られる点が心地良かった。こちらの日系店舗は「アクシーズ・ファム」、眼鏡の「ジンズ」、無印良品などが入居している。また恐らくドメスティックヤング系SPAなのだろう「ワンモア」も入りっており、このブランドは天一広場にも店舗を構えていた。




なかなか特筆すべきセレクトショップのような店を見つけられなかったのが残念だが、次回出張時には、事前調査も含め、深堀していきたいと思う。
また1週間という短い期間ではあったが、中国の学生たちと触れ合い、貴重な経験をさせてもらった。人類皆兄弟、国境を超えて人と人との繋がりで、人生を豊かに、社会を良い方向に進める仲間として付き合っていきたいものだと深く心に刻んだ。
 2016/06/21 21:05  この記事のURL  / 

中国・寧波で熱血授業!! 「旅と食」編2

中山公園

5月末から6月初めに掛けて、杉野服飾大学と提携している中国・寧波市の浙江紡織服装職業技術学院・国際学院(インターナショナルスクール)の日中専門課程で1週間の集中講義を行なう為に出張した。



学校の西門前にある地下鉄2号線の三官堂駅から市内中心部へと向かうのだが、その地下鉄のセキュリティーが凄い!! バッグは空港同様の荷物チェックレーン、体はハンディタイプの金属探知機で検査される。ペットボトルの水は、実際に飲むように指示された。これが全ての駅で実施されているようで、市民は面倒臭いせいで地下鉄を敬遠しているのか??混んでいる様子が無い。
新しい地下鉄なのでホームドアも完備され、それぞれの乗車口にはテレビ画面があり、バラエティー番組のようなものが流されていた。車内案内もディスプレイに詳しく駅名表示され、まず迷う事は無い。



地下鉄1号線と2号線が交差する鼓楼駅まで20分ほどで到着。
永豊庫遺址公園(左上)を経て鼓楼(左から2番目)と鼓楼歩行街(右側)へ。
歩行街には、飲食のほか土産物やファッション、雑貨の店も数多く立ち並び、観光名所的な賑わいを見せていた。
下の写真は、カリントウのような伝統的なお菓子。手でひょいひょいと引き延ばして、ものすごいスピードで器用に作っていた。




そこから更に北に上がると中山公園がある。中国式の庭園と建物があり、市民の憩いの場となっている。大きな建物の軒先では、多くの男性たちが大きな声で怒鳴り合っている。これは怒鳴り合っているのではなく、大きな声で話を弾ませているだけだとすぐに分かったが、日本人からすると喧嘩腰に見えるから、文化の違いというのは面白い。
さて、そこから東へ地下鉄で1駅の寧波で一番のショッピングゾーン「天一広場」へ。ファッションの話は第3話に譲るとして、その晩は、これまた杉野学園の先生たちと程近いビルにある中華料理店で食事をいただいた。



一番左上の海老の塩味の炒め物は、やはり無類の甲殻類好きとしては外せない。その隣は、なんと山芋のスライス・ブルーベリーソース掛け。これがなかなか行ける。魚や揚げ物や小さなアワビみたいなもの、巨大なナスに春雨が入った美味な料理、そして鉢植えのティラミスで締めくくった。




帰国前日は、やはり市内中心部にある川沿いのおしゃれなビル「1844」にある高級な中華料理店へ。一番最後の鶏の脚は、コラーゲンたっぷりなのだろう。食べるところは少なかったが。
こうして、学食の朝食とランチはもちろん中華、夜も中華料理屋で、まさにこの国の食文化三昧な1週間だった。
現地で長期に渡って教鞭を執られる先生方は、日本との風習の違いや不便な点なども多々あるだろう中で、素晴らしい貢献をされているのだな〜と感服した。
さて、第3話はやっとファッションと学校の話をしよう。
 2016/06/20 11:47  この記事のURL  / 

中国・寧波で熱血授業!! 「旅と食」編1



5月末から6月初めに掛けて、杉野服飾大学と提携している中国・寧波(ニンポー)市の浙江紡織服装職業技術学院・国際学院(インターナショナルスクール)の日中専門課程で1週間の集中講義を行なう為に出張した。成田から直行便で杭州まで3時間ほど。そこから車で東へ約2時間、寧波市に辿り着く。約780万人が住む比較的裕福な街で、海外からの投資も多く、高層ビルが立ち並び、街中は様々なインフラ整備のための工事があちらこちらで進められている。
学校は街の中心部から東へ車や地下鉄でも20分程の郊外にあり、近くには寧波大学もある学生街だ。
日曜日の夕刻に到着し、まずは宿舎へ。昭和の日本の団地のような佇まいだが、内部は快適なシャワー付きの2LDKでwifiルーターも置かれている。スピードもまあまあだった。
広大な敷地に校舎がいくつもあり、宿舎と学食棟は道路を隔てて校舎と反対側にある。なので反対側へ出るために、地下道をくぐり、運動場脇を通って10分程歩いて講義室へ。
実は最近、2路線目の地下鉄も学校の西門前にできたのだが、そこまでは宿舎から15分以上かかる。兎に角広い。
さて、明日からの授業を前に杉野学園から派遣されている先生たちと地元の中華料理屋へ晩御飯に。上のメニューは、ザリガニのニンニク炒め、木耳の卵炒め、キャベツと何かの炒め物、豚肉、ナスといんげんの炒め物、そして空芯菜炒め。なんと炒め物の多い事か。しかし、辛いものが苦手な筆者の為に、辛くない仕様に変更してもらったり、至れり尽くせりで、どれも美味しく初日から素敵なディナーとなった。



その後、近くの一春市場をそぞろ歩き。中国らしい雑然とした食と衣料・雑貨の市場を楽しんだ。たまたまローソンが新店をオープンしていたが、品揃えには日本の商品も多く見られた。別の日にも訪れたのだが、寧波大学も近いことから、同大の学生寮もそばにあったのだが、上の写真のように巨大なマンションなのだ。流石に人の多さが違うと実感。
2日目の晩御飯はワンタンの美味しい近所の店に。点心、ワンタン、レバーのスープを軽く食べて、一春市場で巨大な唐揚げ(左下)を一口サイズにハサミでチョキチョキしてもらってテイクアウトした。また好きな野菜や肉を指定して、クレープのように丸めてくれるファストフード(右下)もあったのだが、もう食べきれないので、またにした。




宿舎の周りの木々に洗濯物が干してある。これもまた中国ならではなのか??
まだまだ旅と食の話は次へと続く。




 2016/06/19 22:00  この記事のURL  / 

海外VIP1000人を感動させる接待


シャルルジョルダンやカッシーナイクスシーなど有力ジャパン社の社長を経験した高橋克典さんが今年3月にダイヤモンド社から上梓した本が面白い。タイトルは『海外VIP1000人を感動させた外資系企業社長の「おもてなし」術』
かつて、繊研新聞社パリ支局立ち上げに際して、2001年に出版された彼の著作『パリの裏通り』には随分助けられた。意外と知らないパリの正負の側面、パリ人との付き合い方や暮らし辛さなど、駐在するにあたっての心構えを学んだものだ。そんな縁もあり、当時携わっていた媒体『senken h(アッシュ)』では著者と『パリの裏通り』を紙面で紹介させていただいたこともあり、その後も親しくさせていただいている。
さて、本書は所謂ガイドブックではない。例えば「中国人の場合は、こんなところに気を付けて」とか、「ベジタリアンだからこんな対応をしたら、見事失敗だった」など実践的な心構えと店の選び方や、異なる習慣を知ることの大切さなどを指南してくれる。
意外にも時間の無い時には、ラーメン屋や回転寿司、居酒屋の1000円ランチでも満足を与えられる。必ずしも高級だったり、値が張る接待ばかりが成功事例ではないという。
また時には、彼らの不得手な箸で和食というのも、「日本文化を体験してもらう」という視点から、使い方を教えながら食事し、帰国前に箸をお土産にプレゼントするという粋な計らいも。高橋さんの実体験に基づくエピソードが満載で、ついつい読み進んでしまった。
しかし彼が言いたいのは、様々な食事マナーや食習慣、果ては宗教上の違いはあれど、それ以上に「おもてなし」の精神を重視すれば、大概はクリアできるということ。相手の気持ちに寄り添って、望んでいるツボを押さえて店選び、料理選び、時間演出をすべきだと語っていると感じた。もう一つは、接待することを自ら楽しんで、その失敗も含め、成長し、自信が付いてくるよというポジティブなスタンスに居ることが大事だと語っていた。
出版社はダイヤモンド社で、価格は1500円(税別)、全192ページ。

 2016/06/01 19:03  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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