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モードエコノミーとエシカルの原理主義を超克すべし


ROYAL CHIE(ロイヤルチエ)」は4月14日、帝国ホテルで恒例のファッションショーと展示会を開いた。ファーというラグジュアリーな素材とそれに見合う顧客、そしてセレブリティーによる社会貢献。この場合は知的障害者の為の「スペシャルオリンピックス」への寄付とボランティアだったのだが、デザイナーの今井千恵さんは、この活動を一ボランティアとして続けているそうで、頭の下がる思いだ。



アンチファーや動物愛護の流れでリアルファーに対する風当たりも強く、またフェイクファーの進化がファッション性という意味でも有効打となってきた点も大きく、この分野の未来に変革期が訪れている。
ロイヤルチエでもファーの部分使いやトリミング使いなど、その流れを意識してか、そうでないかは分からないが、こういったアイテムもちらほら見られた。

さて、その数日前にたまたま友人を介してオーガニック系の展示会主催者と会う機会があった。彼と話す中で、筆者が常々思っていた疑問を投げてみた。それは、「有機」を主張するバリバリなオーガニックオタクの人々は、ファッションやヘアメークに興ずる人々を蔑み、見下しているのではないかということ。まあ、そこまで極端でないとしても、生成りのゆったり服にほぼノーメイク。モードとはおよそかけ離れたところにいらっしゃる気がすると。そして、モードを求める側は、「まず、最初にファッション性ありき」で、次にオーガニックやエシカルな要素がプラスアルファの購買意欲に繋がる二次的要素だという事だ。どんなにエシカルでも、デザインや素材で納得できなければ買わないということ。
食のようにダイレクトに健康被害に繋がる産物とは少し性格を異にするのがファッションなのだと話してみた。その方は、新しい視点だと驚きながらも同意を示してくれたのだが、まさに、そこに超克せねばならない観点が潜んでいると感じている。
安い服を求めて、映画『ザ・トゥルー・コスト 〜ファストファッション 真の代償〜』のような憎むべきエコノミック(経済性優先)ファッションへと走る企業とその真実を知らない消費者。一方でアンチファーやオーガニック、エシカルを声高に主張する人々。どちらも原理主義に陥って、結果、解決を遠ざけている気がするのは筆者だけだろうか?いや数多の人々が、既にその事に気付いていると思うのだ。
中島みゆき『Nobody Is Right』の警鐘ように、「正しさゆえの争いを説く」ではいけないのだ。
今こそ、理性的に段階的に、そして着実に着地点を模索する動きを始めなければならない。リアリズムからの出発が超克を生む。
 2016/04/24 20:27  この記事のURL  / 

3月インスタグラムに載せたクリエーター秋冬のおさらいA
3月クリエーター秋冬展インスタの続き。

3月24日
#nontokyo の秋冬展へ。派手な方が売り筋で地味な色が見せ筋になるというから、確実なファンが多いのね(*^^*)
#banalchicbizarre 上はボンテージパンツやポケットに変化を付けた優しいストリートスタイル。下のウエストがアジャスタブルなパンツはネイビーとベージュのみのブランドです。
#hicorazon のアクセサリーは、メキシコのクリスチャンモチーフやアフリカ部族のモチーフの賑やかラインとシルバー、真鍮のソリッドなラインがあります!


#toga のニット、複雑で楽しい(*^^*)。今回はミトコンドリアやゾウリムシ、細菌もモチーフに;^_^A。靴もカッ飛んでます!
#plumpynuts は素敵な切替やフリンジのブルゾンが目を引きました。あとリメイクラインのミリタリー物はかなりエッジーで楽しい(*^^*)


#tomoumiono の秋冬は印象派、コローの絵画からインスパイアされて、赤が効いています!
#katim のシューズ、レディスはエレガントでありながら、薀蓄もある。メンズはカスタムメードが楽しめます。これからが楽しみなブランドですね!


#pr01tradeshow にて、 #kohaction 。素敵な素材作ってますが、引き算も大切です。
#pr01tradeshow で、まさかの #gilet 発見!たくさん持ってますよ(*^^*)
#pr01tradeshow にて、 #coatl 。リボンで繋ぐ裾が可愛いね!


3月25日
#ensorcivet アンソールは、ディテールの凝り方が楽しい!エストネーションでも売れてますね(*^^*)
#oeau は今回、カラーパールとのコンビネーション。ペールトーンのグリーンやグレーでクールな雰囲気でした!
#misaharada さんが英国から来日!秋冬のコレクションを披露しました!


#writtenafterwards の展示会は、新生 #galleryrocket で。西洋が妖怪を理解する日は来るのか?という話で #山縣良和 さんと盛り上がりました;^_^A


#cloudlobby はパリ在住のデザイナー、大浦雲平さんのコレクション。これから関西、福岡にも展示会開催の為、遠征します(*^^*)アシスタントに頼もしい彼女も入りました!


#yohjiyamamoto の秋冬展へ。右のニットは、#ragnekikas によるテクニックが盛り込まれ、左の猫の下にはヨウジさん本人が隠れています!
#thereracs はメルトンのシリーズが豊富。でもこのキルティングとモコモコ切替が気になりました;^_^A海外販売も絶好調です!


#sise 初のレディスでは左のジャカードに見える溶解系のフロッキーみたいなテクニックの素材がメンズ共用で素敵でした。右はメンズのオーバーサイズのワンピース!トリッキーです;^_^A


3月28日
#fakeshowroom と #stylem のコラボで誕生したバリバリロックな大人のエレガンス、 #donnahmabel 。このくらいパンチ効いてると気持ち良い(*^^*)


3月30日
#kazukinagayama はテーラー出身のメンズ。尾州の機屋さんで織った素敵なジャカードが超繊細で素敵でした(*^^*) #esteempress
#mikiosakabe の秋冬展へ。#lvmhaward を経て、いよいよ来季は 本格的にパリでのセールスに入るそう。着実に進んでいますね(*^^*)そして今日のアンリアレイジの後は、 #vinick #kenjihikino #bansan #creationamour と回って、さてラストはルミネへ。


3月31日
#motohirotanji の秋冬展へ。やっぱりショーより展示会の方が良く分かるね;^_^A
#ujoh も展示会最終盤!東コレ卒業組なんて言わないで!って困り顔でした;^_^A しかし、海外進出、良いスタートダッシュを切ったようです!


 2016/04/07 14:35  この記事のURL  / 

3月インスタグラムに載せたクリエーター秋冬のおさらい@
3月に回った16-17年秋冬展示会でSNSにアップしたデザイナーをみつくろってみた。
メルセデスベンツ・ファッションウィーク東京のショーやプレゼンテーションは除いた。

3月3日
#soleiltokyo に出展した #mnlast の秋冬展へ。切替パターンやパンツのカーブが独特でシルエットも楽しいです。


3月7日
#belper の秋冬展へ。ギミックの効いたアイテムの数々。特にアウターの変化が楽しめます!
#suzz の秋冬展へ。袖の上下に切替や丈変化を付けたり、パターンの複雑さが魅力的なデビューコレクションです。
#rpko の秋冬展へ。刺繍やジャカードのインパクトがあるレディスウェア。女性デザイナーらしく、可愛らしさが漂います(*^^*)


#bonil で開かれていた #池之端銀革店 の展示会へ。こだわりの革小物たちが並んでいます。写真は #cramp の財布です!


3月10日私の誕生日
#plugin に来ました。懐かしい顔にもお目にかかれて嬉しい限りです。左は #kino で、チェックのコートのポケットの縁がクロスというのがポイント!。右は #hidenobuyasui で、ニードルパンチの変化が楽しく、袖はプリーツでリブにしてる(*^^*)
因みにプラグインは初回、プラグイン・プラグアウトという名前でのスタートでした!;^_^A プラグインあるある?


#amok 大好きなブランドです。今回はラウンドした切替の裏に、全く別のシャツが埋まっていたり、ポケットが切れていたり!レーザーカットした瘡蓋みたいな柄がボンディングされていたり、楽し過ぎます\(^o^)/


3月11日
このビルに来ると色々小さなブランドに出会える。 #jacobi の #革切子 バッグ。軽くてインパクト大!実用新案だそうです。
#梅田ニット の #wrapinknot 秋冬。メーカーの強みを発揮してパリ展への挑戦も続けています!


#desperado にて、森はいいぞ巡回展が開かれています。#gentahonno の段ボールアート、 #emiiwakiri や #21% のアクセサリーなど。楽しいイベントです(*^^*)


3月15日
ショーの合間に、 #kicsdocument の秋冬展へ。このパンツ欲しい!;^_^A 太いプリーツがインパクトありますが広がりませ〜ん。女性デザイナーによるジェンダーレスなキレイめカジュアルです。 #fs16aw


3月17日
#muvail の秋冬展へ。モコモコの襟、狐とウサギ、キャッチーですね(*^^*) #fs16aw


#ambiance にて、#tage のコート、裏を使って3Dっぽく表現。流石ね!
#petal の帽子を被り照れるインターンの gishiko0 さん。
#ambiance 出展中の #ventriloquist は、レースとの切替が素敵!ジャケット欲しいな〜、メンズ作らないかな〜? #fs16aw


#luciolejeanpierre の秋冬展へ。デザイナーとは、同時期のパリの空の下に居たことが判明!懐かしい話で盛り上がりました!ターコイズの革ジャンが斬新です。#fs16aw


3月18日
#yantol の秋冬展へ。服と体の空間を意識しているブランドが今回は#tempus 時間軸をテーマにアプローチ。同じ距離感に設置された4枚のディスプレイの中を2人のモデルが着替えたり行ったり来たり(*^^*) #fs16aw
#lokitho の秋冬展へ。左のカットジャカードが素敵過ぎ\(^o^)/ エレガントな素材が得意ですね(*^^*)#fs16aw


3月19日
#divka の展示会へ。この後、恵比寿で個展、4月中旬に上海のショールーム、その後は香港のセールスへとバトンタッチして、生地の仕込みを先行しつつ、オーダーも追いかける姿勢。やっぱり伸びてるところは違うね(*^^*)


3月21日
#bobson が #sise の#松井征心、 #doctordenimhonzawa により、生まれ変わった #wheirbobson へ。値頃でオシャレ(*^^*) #whiteroomdaikanyama


3月23日
#nestpluspassage にて、初シーズンの #naifu 。付箋がテーマで、ペロリとしたディテールが!デザイナーは #toga 出身です。
#nestpluspassage で #20000000fragments を拝見。胸元のカッティングのラウンドが綺麗に収まってますね!ニットはフグと鮭がモチーフとか、;^_^A
新ブランド、 #haque が #nestpluspassage に登場!デザイナーは、以前パリでディネをご一緒したクルーンアソングの元バイヤー、土井さんです。頑張って下さい。


ニットもくっついてる、ジャケットもしがみついている。相変わらずギミック効き過ぎの #enfold 。#baroquejapanlimited


 2016/04/07 14:30  この記事のURL  / 

ストーリーの一貫性とリーシングの変革を


銀座・数寄屋橋交差点に3月31日、「東急プラザ銀座」がオープンした。「ロッテ免税店」や東急ハンズの新業態「HANS EXPO(ハンズ・エキスポ)」、そして6階の「FIND JAPAN MARKET(ファインド・ジャパン・マーケット)」などインバウンドを大きく意識したテナント構成で、ある意味、今の銀座の立ち位置を象徴的に表した構成となっている。7階のハンズ・エキスポの屋台的なノリは、それはそれとしてお土産屋感覚なのだろうから、割り切るとして、6階は「和」を意識するなら、もう少し内装にその要素を取り込んでも良いのではなかろうかと思った。
一方で1〜2階のメゾネットスタイルの売り場は旗艦店扱いのグローバルブランドやセレクトショップの「ストラスブルゴ」などを取り揃えたが、ディベロッパー側が思い描いていたラクジュアリーブランドの集積には辿り着けなかったのかもしれない。それは4丁目交差点側との銀座内落差が原因なのだろうか。
東急百貨店の新業態セレクトストア「ヒンカリンカ」を3〜5階の縦構成にして、あたかも館のような回遊性を狙ったのかもしれないが、それにしては専門店側への開口部が広過ぎる気がした。繋がりを持って買い回りしてもらい、ひとつの世界観の中に表現していくというなら、ドアを付けても良かったのではなかろうか。フロア毎にヒンカリンカ外に出て行き、ショッピングの頭脳が途切れてしまう。もったいない。ワンフロアで展開するという方法もあったのでは。
全体的にはエスカレーターの位置が複雑に感じられたが、キリコ・ラウンジや屋上は、空間的にも優れたものだ。銀座に立ち寄る楽しみの一つとなるだろう。
さて、時をほぼ同じくしてオープンした新宿駅新南口の「ニュウマン」と比較されるケースも多いだろう。徹底して新業態にこだわったようだ。プロから見ると新味を出すという視点が大切になるのだが、消費者から見た時に、その差異が果たして分かるのだろうか。というか大きな意味があるのだろうかと、もう一度問い直してみても良さそうだ。出店している企業はかなりの部分でダブっている。そして企業だけ並べてみるなら、準郊外SCと都心型商業施設の顔ぶれは、いつも一緒だ。リーシングの軸を大きく振ってみることはできないのだろうか。例えば思い切って地方の企業だけにする。或いは中小企業だけにする。当然切り口に一貫性は必要だが、一度リセットしてみる勇気あるディベロッパーが出てこないものかと、ふと思ったりした。
 2016/04/01 00:30  この記事のURL  / 

映画との密接な関係に嫉妬する


FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルス)ジャパンが展開するイタリアのアルファロメオは、「I LOVE CINEMA 2016(アイ・ラブ・シネマ2016)」と題した映画にまつわるキャンペーンを実施している。注目は若手監督によるショートムービーの祭典「I LOVE CINEMA AWARD(アイ・ラブ・シネマ・アワード)」で、今回は一般の投票によってグランプリが決定する。出展作品は、全4本で「Alfa Romeo Giulietta(アルファロメオ・ジュリエッタ)」をモチーフにした5分ほどの作品がラインナップされた。その中から気に入った作品に1票を投じ、4月5日にウェブサイト上でグランプリが発表される。



それに先立ち、3月31日から4月3日まで、東京・青山のスパイラルガーデンで4作品を観覧できるスペシャルイベントを開催中だ。会場には、ショートムービーに登場したジュリエッタをはじめ、「MITO(ミト)」「4C・Spider(スパイダー)」の各モデルも展示している。
4作品はいずれも若手によるもので、必ず赤いジュリエッタが登場する。紅一点、安川有果監督の作品『秘密』は、知られざる妻の秘密をオカルト的に描いた。山口ヒロキ監督の『助手席にジュリエッタ』は、クルマを擬人化したコメディーで笑いを誘う。中里洋一監督の『好雨、時節を知る』は、笑わなくなった少女の心のひだに優しくアプローチ。平林克理監督の『サクマくんはママのカレシ』は、恋人の娘との心のキャッチボールをほっこりと描いた。どの作品も5分という短い時間の中で、時に軽妙に、時に思い出のパーツとして、時に話題の中心に、そして時に狂気の道具としてジュリエッタを用いて表現している。
イベント開催のキックオフとして、4若手監督と「なら国際映画祭」を主宰する河P直美監督も登壇。地方から元気になるという視点の重要性を強調していた。



ファッション分野でも、しばしば映画とのコラボレーションはあるのだが、まだまだ足りない気がする。身近な文化としての映画とファッションは、もっともっと近い関係であってほしいと切に思うのだった。


 2016/04/01 00:01  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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