« 前へ | Main | 次へ »
ゲリラショー「ハプニング」を観て、噛みしめた事


2016年3月26日土曜日。既に東コレが終わって1週間経ったが、今週は展示会ウイークで随分と沢山見て回ったものだと、ほっと一息。と行きたいところだが、この土曜日にゲリラショー「HAPPENING〜”SILENCE”-THE OCCULT-」があるという。それも、なんと東京メトロ・地下鉄銀座線の車両内でというのだから、行かない訳にいかない。



のんびりした気持ちは持ちつつ、それならと普段愛用している鹿児島の甘い醤油をまとめ買いしようと日比谷のアンテナショップ「かごしま遊楽館」へ。浅草橋でメチャクチャ美味い豚しゃぶ屋「克賢」を経営している友人に教えてもらって以降、我が家は刺身もこれ一本で、馬刺にも良く合う。機会があれば、ご賞味あれ。



そんなこんなで指定された16時02分三越前駅発の銀座線5号車へと向かった。
ハプニングは以前、表参道ヒルズとラフォーレ原宿の間の表参道沿いをウォーキングする様を観た事があるが、今回は雨に降られても大丈夫という訳だ。
届いたインビテーションには、3つの時刻の銀座線が示され、例えば第1便の16時2分にメディアは三越前駅から乗車し、最初の日本橋駅で5号車にKOSHIRO EBATAが、京橋駅で6号車にMOTOHIRO TANJIのモデルが乗車してくるという。
銀座に着くと松屋銀座寄りの改札から出たモデルとダンサーがウォーキングしながら四丁目交差点地下辺りまで、パフォーマンスするという趣向だ。
第2便は16時5分三越前駅発でKOSHIRO EBATAとTAKUMAが日本橋駅、KUNIKO KOHZAKIとTAKESHI SATOが京橋駅から乗車し、第3便は同16時08分発で日本橋駅からMEG MIURA、京橋駅からTAKUMAのモデルが乗り込むという段取りだ。



かなり混雑した車内で、カメラマンやプレスがシャッターを切り、それに乗客達が圧倒されつつ、巻き込まれながらゲリラショーのエキストラへと変貌。少々慌ただしく、また落ち着いて見られるわけでもないのだが、安全を担保しつつ、この自由な空間を享受できる事を幸せに思った。
彼の地では、こんな発想と表現が制限されたり、自制したりと困難な中で創作活動を続けている人々も数多く居ることだろう。改めて日本国憲法の偉大さと表現の自由の大切さを感じる瞬間でもあった。



 2016/03/26 19:17  この記事のURL  / 

東コレ取材エッセイのような寄稿で、すみません


このところ毎シーズン、Fashionsnap.com(ファッションスナップ・ドットコム)でメルセデスベンツ・ファッションウィーク期間中「The Posts」というコーナーに寄稿させてもらっている。ほぼ1日に1本というペースで、テーマを立てながら書くのだが、楽しくもあり、大変でもある。この1週間は一挙に平均睡眠時間が3〜4時間になって、後半は目もトロトロになりそうだ。6日間で36本のショーとプレゼンテーションを見て回り、合間を縫って展示会回り。その隙間でインスタグラムやフェイスブックのアップとその日のネタを考えるという日々の繰り返しだった。
見たコレクションについて、つらつらと解説しても、他の媒体と差異は無いだろうし、そこは他に任せて、独自で、ある意味、独善的な主張を展開しないと面白くないだろうと考えながら、回っている。
初日はまだそれほどショーも多くなく、なかなかテーマが思いつかない。そこでひねり出したのが、「イレギュラーがあるから面白い」という、まるでイレギュラーなタイトル。 東コレでは、なかなか無かったことを個人的なエピソードも交えて、ほとんど日記かエッセイのような仕立てでクリアした。
2日目は、いつも回りながら感じているデジャヴのことを綴ってみた「既視感との戦い」。サムシングニューを求めるが故の「もっと刺激を」的な志向を辛さや焼酎に例えるという乱暴な論理展開へと昇華させた(^-^; そんな視点から「ツカサミカミ」「ミントデザインズ」「ディウカ」「ハナエモリマニュスクリ」「ディスカバード」「まとふ」を採り上げた。
3日目は、夜に行われたオーストリアのアートとファッションのイベントを題材に「ファッションは、アートともっと交流すべき」というタイトルで、以前、欧州の小国を取材して回っていた時のデザイン萌芽期の話をぶち込んで、少しだけ提言調にまとめてみた。
4日目の「『和』が出ているかを探して」は、これも長年に渡って感じている事を採り上げたもので、特に日本人が多く持つ「不安遺伝子」の件は、良く学生たちにも講義で話すことだ。この視点はもちろん随分以前から持っていたが、いや誰しも思っている事だと思うが、2008年に渡仏して以降、特に強く意識するテーマとなった。この辺りになると見たショーもかなり蓄積されてきて、ネタに添って紹介できるコレクションが増えてくる。 「ラマルク」「ドレスアンドレスド」「モトヒロタンジ」「ミュベール」「シアタープロダクツ」「インプロセス」「ヨシオクボ」と一気に紹介した。
あと残すところ2日と踏ん張りを利かせる5日目のテーマは「アジアのファッションキャピタルを目指して」。JFWの招聘で、このところアジア各国からのデザイナーのショーが行われ、以前から参加してくれている「ヨハン・クー」やDHLのサポートでの欧州からの参加もあり、国際色が豊かになっていく事への期待を込めた。
さて千秋楽を迎え、睡眠欲求が最高潮に達したところで、やはりこのシーズン一番のテーマとなる「すぐ買えるコレクション」問題と絡めて、「開催時期と目的の大変化がやってくる」というタイトルを付けた。最終日は「東京ファッションアワードウィナーズデー」として、1月にパリの「ショールームトーキョー」に参加したデザイナーたちがショーやインスタレーションを行なったのだが、既にパリで見てしまっていることもあり、「その順番はどうなの?」という問い掛けからスタートした。ヨシオクボなども受注は終わっており、ショーはPRと顧客サービスの場みたいなものだし、開催時期の問題は生産スケジュールと絡んで、微妙な問題になってきている。万が一「パリコレが1月に移動したら?」なんてことが起これば、東京も動くのだろうけど。不透明感漂う開催時期問題だが、早晩霧が晴れて、どこへ向かうのかが、はっきりくっきり見えるようになるのではと思う。最終日の夜に宮下公園で観た「KBF」こそ「すぐ買える」コレクションにしたら良いのにと思った次第だ。
 2016/03/26 12:44  この記事のURL  / 

ランチキ・前川社長が兵庫レザーをパリで応援

左・パリ兵庫県事務所のプレゼンテーション  右・マレ地区のコーネリアンタウラスのギャラリー

兵庫県皮革産業協同組合連合会は「兵庫天然皮革海外展示会進出事業プロジェクト」を通じて、2016年1月のパリメンズファッションウィーク中に参加した個展や合同展出展者に支援を実施し、同時にパリ兵庫県事務所でプレゼンテーションを行った。
支援を受けたのは、バッグで既に9年の輸出実績を築いている個展の「コーネリアンタウラス・バイ・ダイスケイワナガ(cornelien taurus by daisuke iwanaga)」、「カプセル(capsule)」に出展し、海外進出実績のあるバッグの「エムエスピーシー(MSPC)」、「マン(MAN)」にレザーウェアを出展した「ア・ボンタージ(A VONTADE)」の3社で、それぞれ兵庫レザーを使ったバッグやレザージャケットを披露していた。また同プロジェクトのディレクターをセレクトショップ「ランチキ」を展開するワークトゥギャザーロックトゥギャザーの前川拓史代表取締役が務めた。


左2点・コーネリアンタウラス、右2点・MSPC

目的は、兵庫県の地場産業である兵庫天然皮革の活性化、並びにデザイナーと天然皮革の産地(姫路市、たつの市)がひとつになり、世界へ発信することにあった。そこで兵庫県に縁のあるデザイナー、ブランドが、兵庫天然皮革を使用しデザイン、プロダクトされたアイテムでサンプルを作り、出展していくという形を取ったという。
兵庫県の皮革産業は国内産のうち、牛革では約70%近くを、馬革では約80%を生産しており、集積産地を形成している。バッグ、シューズ、衣料小物などの量的需要に合う本物のレザーをオリジナルで製造できる特徴があり、主力製品は牛馬革だが、鹿、羊などや複製品ゼラチン、コラーゲンなどもレパートリーに含まれている。
昭和初期には480あったタンナーが現在では274社となり、10年ほど前にイタリアの皮革素材展「リネアペッレ」への出展を中止するなど厳しい状況が続いている。欧州と比べても品質に差は無く、むしろ色落ちなどの面では技術的にも兵庫産が勝っているという評価もあるという。白鞣しやタンニン鞣しはもちろんの事、本藍染めや鈴鹿墨染めなどにも取り組み、色の定着技術も進んでいる。
今回は、展示会の出展料、輸送費、什器備品費、装飾品費、カタログ制作、革素材開発費、サンプル製作費などの中から一部支援を「ひょうご天然皮革」を使用したアイテムを3点以上制作し出品することを条件に行った。更に支援の枠を広げて、製品からタンナーへと誘導する形での海外進出を強めていく成功事例を作ってほしい。


ア・ボンタージ
 2016/03/04 14:36  この記事のURL  / 

ロリータファッションの訴求力に脱帽

(c)Angelic Pretty

昨年12月7日と少し古い話で恐縮だが、ロリータファッション「Angelic Pretty(アンジェリック・プリティー)」のディナーショーイベント「Angelic Pretty 星煌めく Luminous Night Festival〜Angelic Pretty 15th Anniversary〜」に招待され、東京・お台場のホテルへと向かった。
実は昨年7月にパリ・シャングリラホテルでの同ブランドの茶話会を取材し、FASHIONSNAP.COMに掲載した際に、なんと掲載1時間で4000ツイートという物凄い数字を叩き出したことがある。ジャパンエキスポ開催時期であったこともあるかもしれないが、これほどまでにコアで熱烈なファンが居ることに驚きを覚えただけでなく、通常のコレクションブランドのネタでも、なかなかここまでの反応は取れないだろうなと今更ながら、ロリータオタクとファッションオタクの地位の入れ替わりを感じたものだ。もはやファッションはオタクの領域なのだ。



さて、日本で行われたイベントの話に戻るが、まずは17時からという早い時間からのディナーだ。下の写真上から「カニと赤ピーマンのムース仕立て・プチサラダ添え」「マッシュルームスープ・カプチーノ風」「ハーブマリネしたスコッチサーモンのオーブン焼き・バターソース添え」「牛ロースのピエス・季節野菜添え」「プレミアムプリンセスプレート」というラインナップ。ドレスで着飾ったロリータ女子たちが一番盛り上がったのは、やはりこのイベントの為に特別に用意されたデザートだったのだろう。



そしてブランドの15周年を記念したメモリアルステージでは、かつてのアーカイブ作品と歴史がプロジェクターで披露され、16年新作のショーへと繋がっていく。
メインゲストには、はるな愛が登場。神田沙也加(TRUSTRICK)、でんぱ組.incの相沢梨紗などアイキャッチなゲストが次々と現れた。他には、中村里砂、ハナエ、上坂すみれ、浜崎容子(アーバンギャルド)、ゆら、西もなか、木村優、やのあんな、阿知波妃皇、恋汐りんご(バンドじゃないもん!)、河野マリナ、水玉らむね、RinRin、Mimmamらが登場し、ブランド創設時からのコンセプトとなる「小さな頃に憧れた絵本の中のお姫様」をテーマにしたライン「PINK LABEL(ピンクレーベル)」と「ちょっぴり大人ぽい色使いや繊細なディテールが魅力」の新ライン「LAVENDER LABEL(ラベンダーレーベル)」の16年春夏の眩しいほどのドレスアイテムを披露し、盛り上がりを見せた。




 2016/03/02 20:50  この記事のURL  / 

« 前へ | Main | 次へ »
名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ