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OEM企業の団体も加わり、幅が広がるモード・イン・フランス

AVENTURES DES TOILES

第39回モード・イン・フランス(主催・フランス婦人プレタポルテ連盟)が2015年7月22〜24日、恵比寿のウェスティンホテル東京で開かれる。今回は、同連盟の1セクションを構成する「メゾン・デュ・サボワール・フェール・エ・ドゥ・ラ・クレアシオン」がとりまとめた技術力とクオリティーレベルの高いOEM企業6社も参加し、それ以外のブランド企業で婦人服26社、服飾雑貨15社が出展する。OEM企業のグループは今年1月、JFW-IFF(インターナショナルファッションフェア)にパビリオン出展したが、今回はモード・イン・フランスに合流することになった。


OEM企業のMCD Confection

同展は、前回から場所をウェスティンに移して開催されているが、当初は「初めてのオープンスペース会場への変更」を模索していた。しかし、結果としてはヒルトンホテルと同じように客室フロアを借り切っての開催に落ち着いた。日本人のメンタルを考えると入り難い客室での展示会は避けたいものだが、発注する側は落ち着いて商談ができて良いと考える向きもあるようだ。新規客を取り込むことを主眼とするか、既存客の受注増を狙うのか。出展者の思惑に左右されての結論なのだろう。


tammy and benjamin

さて今回は、フランスからOEM6社を含む44社が出展する予定で、それ以外の国の出展者は英国、スペイン、ベルギーから各1社ずつ。新規の出展者はOEM企業を除くと7社。
また別の主催団体によるアクセサリー雑貨主体のコレクションフランセーズ展も別のフロアで同時開催される予定だ。
今年のパリ・フーズネクスト展が7月開催から9月開催へと会期変更を行ったために、サンプルアップが間に合わない企業が出て、出展者が大幅に減る懸念があったが、杞憂に終わった模様だ。一方で、前回まで参加していた日本人デザイナーは出展ゼロとなった。
また前回はヰノセントが国内代理店として出展していたが、今回は東レディプロモードが「シャコック」の代理店として国内から出展する。フランスブランドを取り扱っていて、更なる販路拡大を模索している代理店、インポーターは、もっとこの仕組みを利用して、本国から出展申請を行い、モード・イン・フランスでの商談に結び付けるという活用法もあるのではないだろうか。もっともこの展示会の支援団体はDEFIという繊維関連の組織なので、アパレル製品中心に限られるのは、どこぞの国の補助金行政と全く同じである。
http://www.presence-biz.com


chacok
 2015/06/19 15:57  この記事のURL  / 

セレクトショップ・秋冬プレビュー巡りの日々
5月下旬から6月に掛けて、大手セレクトショップのプレス向け秋冬プレビューが開かれた。
各社とも、スタイリストや編集者に向けての大切なアピールの機会とあって、担当バイヤーやディレクターが揃って熱心に説明していた。

特に目立ったのは、やはり2020年に向けて盛り上がるであろう「スポーツ」のテーマだ。シップスがスポーツの括りでラインナップを揃えたり、ユナイテッドアローズの「アンルート」ように明確にスポーツを謳ったショップブランドがお披露目をしていたりと話題には事欠かない。もっともアンルートは仕入れの部分でモードっぽさが強烈に感じられるプレゼンテーションだった。ジュンのナイキとの新業態「ナージー」も話題性抜群だ。

アンルート                             ナージー

伊勢丹メンズスポーツは、なんと女性バイヤーが担当。彼女の感性でなんともキッチュな寝袋が。
  
エストネーションのメンズ一押しは、イタリア物のアウターに使われているこのゴワゴワした素材でなんと日本製。北陸産地の大手企業によるものだ。

ベイクルーズの「エディフィス」ではマークマクナリーとのコラボのネルシャツが脇部分をキャッチーなイエローで切り替えて新しさを感じさせていた。
   
ビームスのメンズカジュアルは90年代後半をフィーチャーしてリバランスをテーマにMDを組み立てていた。

セレクトショップではないが、伊勢丹メンズのプレビューでは、コートとのセットアップが大々的に押されていた。いくつものブランドと別注を作って打ち出している。


インターナショナルギャラリービームスでは、ロンドン在住の中韓デザイナーにもフォーカス。筆者もパリの展示会でヨーロッパベースの中韓デザイナーの台頭をひしひしと肌で感じることが増えたように思う。彼らがかなり力を付けてきたという事だ。


レイ・ビームスは東京ボヘミアンがテーマで、ノマドのテーマと被って見えてくるのは筆者だけだろうか?


ビームスの中でECのみに絞って展開する「カロリナ・グレイサー」は、シンガーのMEGがディレクションするブランドで、もう古い付き合いのマゴ(南馬越一義)さんが担当しているが、一気に売れる感じが普通のセレクトのビジネスとは違うと新たな発見の日々らしい。

ビーミングライフは定番でジャパンメイドを揃えた。だが、ジャパンメイドを集めようとして、そうなった訳ではなく、ビーミングの定番を突き詰めたらジャパンメイドになったという事らしい。

アッシュペーフランスでは、今年30周年を記念したコラボアイテムの数々を仕掛けていくそうだ。
   
アダストリアホールディングスという大手の傘下での統合が進んでいくと、かつてセレクトショップというポジションだったバビロン、サロン・デュ・ラ・トリニテでもオリジナルが増えそうだ。

シップスは、プレスルームを移転してワンフロアでメンズ、レディス、キッズ全てをお披露目できるようになり、利便性が高まったと言えそうだ。

アバハウスインターナショナルのデザインワークスは、欧米からのバイイングにおける差別化が難しい中で、オリジナル商品での差別化に一段と磨きをかけていく事だろう。

シップス                              デザインワークス

ベイクルーズの「プラージュ」は、辺見えみりさんがガッツリとバイイングしているそうだ。頼もしい!


という事で、この時期一気に見て回るセレクトショップのプレスプレビュー。やはり担当者の熱のこもった解説が、どれだけ心に響くかによって掲載の多寡が決まるではないだろうか。
 2015/06/18 20:33  この記事のURL  / 

避けて通れない越境ECの構築 あなたならどうする?


多くの企業がネット通販サイトを開いているが、圧倒的に日本語対応のみである。しかし、今や言語の壁を乗り越えて(おそらくグーグル翻訳などで)、主にアジア地域からオーダーが入ってくるようになった。その中には下記にあるようなアドレス貸借サービスを通じて国内販売された商品が海外へと転送されるケースもある。
小さな企業でも、トラブルを避けるために、いよいよ越境ECに本腰を入れなければならない時代になってきたと言えそうだ。

そんな中、国際ファッションセンターは6月10日、越境EC無料特別講座「ゼロから始める海外販売−転送コムサービスのECへの活用法−(第一部)」「インターネットショッピングモール【Qoo10(キューテン)】で始める越境EC(第二部)」を開いた。

テンソーの本間哲平さん


第一部では、海外購入者と国内通販業者の間を取り持ち、海外発送代行サービスを行うテンソーの本間哲平社長室長が、越境ECを取り巻く環境と同社のサービス概要を説明。海外クレジットカードやペイパル、銀聯カードなど課金決済システム、カスタマー対応、マーケティング、物流、言語翻訳、ポリシーなど、越境ECを行なう上でのポイントを指摘し、始められる点から徐々にスタートしていく事が肝要と述べた。また海外の消費者に替わって購入代行サービスを行う「Buyee(バイイー)」の導入例も紹介した。

ジオシスの城戸健さん

第二部では、ジオシスの城戸健広報宣伝担当が、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどで現地のYAHOO!(ヤフー)と提携して展開する同社のECモール「Qoo10(キユーテン)」の優位性とその活用法を説明。同社のグループ本社はシンガポールにあり、米国eBay(イーベイ)が49%出資するジョイントベンチャーということもあり、ネットワークの強さがウリとなっているようだ。また購買意欲を高めるプロモーションを旺盛に実施している点も強調された。
参加者からは、海外クレジットカードの不正利用に関する対策や機械翻訳の困難性などについて質問が出され、熱心にメモを取る受講者が目立った。
国内市場の縮小を受け、越境ECとインバウンドの両睨みの日々が暫く続きそうだ。
 2015/06/14 16:06  この記事のURL  / 

パリのメンズ合同展「マン東京」が開催を中止、その先に見えるトレードショーの未来とは

2014年6月・パリのマン

パリの合同展MAN/WOMAN(マン・ウーマン)が東京で開催してきたメンズ合同展「マン東京」の今年7月の開催を中止すると昨日発表した。
明治記念館、代々木第二体育館と2回開催してきたが、欧州からの出展者にとって、すぐにはオーダーに繋がらない点や日本の出展者においては、サンプルアップが間に合わないなどが理由となって出展者確保がままならなかったようだ。
海外の展示会が日本に上陸したケースは、かつていくつもあった。
米国のd&a、フランスのワークショップなど、いずれも複数回行った後に撤退している。現在続いているのは、モードインフランスやモーダイタリアなど国の公的機関が絡んだホテルでの展示会のみで、私的な展示会オーガナイザーが主宰するものは唯一、パリの子供服展のプレイタイムのみとなった。
しかし、展示会そのものの魅力が全く無くなったわけではない。
勢いのあるカプセルやリバティー、そしてトラノイなどが、購買力のある魅力的な東京市場を視野に入れてくる可能性は決して少なくはない。またマンもレディス展のウーマン東京の開催を諦めた訳ではないだろう。
従来の卸販売を基調としたトレードビジネスの在り方が、ECやSPAの進展で大きく変化していることは否定できないが、一方でより差別化された品揃えを目指して卸ビジネスの在り方の変化も必然的に起こってくるはずだ。
その答えがショールームなのか、エージェントなのか、はたまたITを使ったバーチャルトレードショーなのか。あるいはもっとアナログな取り組みなのかもしれない。
そのパラダイムシフトの有り様を捉えたトレードショーの変化の兆しを見逃してはならないと思う。
私自身は、かつてパリのランデブー展オーガナイザーの一人だったマンの主催者とは、繊研新聞パリ支局長時代から交流があり、展示会立ち上げ以降も取材を通じて意見も交換してきた。引き続き、彼らの展望を聞きつつ、他の展示会主催者の東京市場への熱い思いも聞き取りながら、彼らから見る日本のファッションビジネスに対する見解やアプローチを報道していきたいと思う。
マンの声明詳細はこちら>>http://cubocci.com/topics/8372/
 2015/06/04 10:14  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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