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この夏のバカンスは、何処へ3


さてさて第3話は、スペイン・バスクをあとにしてフランスへ。
大西洋岸を北上してサーフィンのメッカ、ビアリッツの街へ。「L’EGOIST(レゴイスト)」のショップを取材し、ランチはムールとトゥルトー(蟹)を堪能。海沿いの旅では、欠かせない。



ここまで来たら、やはりワインの取材も欠かせない。「Chateau Fleur de Roques(シャトー・フルール・ド・ロック)」は、サンテミリオンの近く、Puisseguin(ピュイスガン)の宿泊可能なシャトーだ。庭先のテラスでモンターニュ・サンテミリオンの同名ワインとともにフォアグラと鴨のマグレを食す。




PETRVS(ペトリュス)のシャトー前でパチリ。なんとミーハーな(^-^;
以前、ホテルオークラの鉄板焼きで、Jグループ会長自らのワインをお持ちいただき会食した時が、最初で最後のペトリュスでした。



そして本命のボルドー「La Cite du Vin(ラ・シテ・デュ・ヴァン)」を訪ねた後、再び大西洋へと向かった。
映画『冒険者たち』のFort Boyard(フォール・ボヤール)を横目に見ながら、牡蠣。



少し北上してChatelaillon=Plage(シャトレイン・プラージュ)のオーベルジュ「L’Acadie(ラカディ)」へ。コート・ド・プロバンスのロゼに合わせる前菜には帆立のソテーサンドにフルイ・ド・メール、メインにはコート・ド・ブールの赤にフォーフィレのグリルをチョイス。夕景に染まる宿の美しい写真が撮れた。目の前はもちろん浜辺だ。





そこからは内陸に車を走らせ、サントル・ロワールの田舎町、Salblis(サルブリ)のオーベルジュ「LE PARC SOLOGNE(ル・パルク・ソローニュ)」へ。ワインはValencayのロゼにスモークサーモンのメダイヨンとエクルビス(ザリガニ)のサラダ、帆立と野菜のクリームソテーで海鮮さっぱり系。そう、だんだん胃が重くなってきていた。(^-^;




翌日パリへ向かう高速から少し外れて、Barmainville(バルメンビル)の村外れのちょっとしたレストラン「La Panetiere(ラ・パネティエール)」へ。住んでいた頃にはよく、village d’etape(立ち寄り村)の看板に誘われて高速を降り、ちょっとした可愛らしい村を偶然見つける楽しみがあったが、そんな感覚で見つけたレストランだった。



料理は意外にも前菜にマグロのカルパッチョがあり、また魚系をチョイス(^^)/。メインは牛肉のオングレ(横隔膜)で、ワインは運転中なのでガマンガマン(^^)/



パリを離れれば、至る所に素敵なレストランやホテルがリーズナブルな価格で存在している。田舎町を巡る食の旅も、一考の価値があるのではなかろうか。
 2017/08/02 15:00  この記事のURL  / 

この夏のバカンスは、何処へ2

サンセバスチャンの海岸

またまた昨夏の話で大変恐縮だが、たまたま今年6月のパリメンズのショーで著名なフリージャーナリストがショーの後、スペイン・バスクの美食の町、サンセバスチャンへ赴くと話していたのを思い出し、これまた今夏の旅先にいかがかと書かせていただくことにした。これまた取材旅行で、スペイン・バスクからビアリッツ、ボルドーなどを回った時の話である。


サンセバスチャンの旧市街

星付きレストランの数が世界で一番と言われているサンセバスチャン(スペインでは、ドノスティアと表記が出る)には、美食を求めて世界中から人が集まる。またあの有名な牛追い祭りの開かれるパンプローナも車で1時間ほどのところにあり、7月初めのこのエリアのホテル予約は苛烈を極める。予定が決まっていれば、早めの予約がオススメだ。
旧市街には雰囲気の良い数多くのバルが集まっているが、そこはやはり観光地。少々お高いのである。そこでオススメしたいのが、旧市街のちょっと外側のバルなのだ。こちらは、住人たちが普通に行き付けにしているところが多く、値段も驚くほど安い。バスクのバルでは、薄いバゲットの上に様々な食材を載せたピンチョスという一口料理(カナッペよりは大きいので二口かもしれない)が供される。もちろんメイン料理もあるのだが、これらのピンチョスを立ち飲みしながら、はしごするのがバルの楽しみ方。
海鮮物と合わせるなら、バスク名産の微発泡白ワイン「チャコーリ」がお勧め。細かな泡とさっぱり感がマッチする。ちなみに少し西へ向かったZARAの故郷、ガリシア地方ではチャコーリを出す店がほとんど無い。ローカリズムが強い土地柄なのかもしれない?。
さて、どれだけお安いかの具体例。このフォアグラのソテーが、わずか3ユーロ程というからコスパが良すぎる。



マテ貝(NAVAJAS)のソテーは絶品。揚げ物も多い


生ハムなら、JAMON IBERICO BELLOTA をチョイス。ハブーゴ村産ならベストだ

サンセバスチャンから西へ車を1時間ほど走らすとバスクの主要都市、ビルバオに行きつく。20年以上前に、「ミリアム・オカリス」を取材しに訪れて以来の訪問だ。まずは現代アートを中心に集めたGuggenheim Museum(グッゲンハイム)美術館へ。もちろんフランク・ゲーリー建築の外観は20年経っても変わらない。



そしてケーブルカーを吊るしたようなデッキが川を渡る世界最古の運搬橋、ビスカヤ橋も見ておきたいスポットの一つ。エッフェル塔で有名なギュスターヴ・エッフェルの弟子の一人、建築家のアルベルト・パラシオによって設計されたもので世界遺産でもある。
次はフランスに戻りながらの食中心の話を第3話で。
 2017/07/23 17:00  この記事のURL  / 

この夏のバカンスは、何処へ1

星付きレストラン「ミシェル・ブラス」から見渡す限りの高原台地

昨夏、取材で訪れた魅惑の南仏アヴェロン県で、いくつか素敵なツーリスト・スポットに出会った。
このエリアでは何といってもミシュランの星付きレストラン「Michel Bras(ミシェル・ブラス)」が頭に浮かぶ。残念ながら、この時は予約していなかったのと別件の用事が入っていたため、前で写真を撮るに留めて店をあとにしたが、アヴェロン県の美しい高原台地が眼前に広がり、ゆったりと寛げそうな環境であることが分かった。次回は是非とも味わってみたいものだ。


全面ガラス張りのミシェル・ブラス

さて、オーブラック牛でも有名な当地の村、ST.URCIZE(サンウルシズ)に立ち寄った。村の小さなレストラン「REMISE(ロミーズ)」にて、ランチに。ホロホロ鶏をメインに選んで、濃厚なブラウンソースを堪能。



すぐ近くには奇妙だが興味深いシャンブルドット(民宿)「La Fontaine de Gregoire(ラ・フォンテーヌ・ド・グレゴワール)」を見つけた。大きな屋根裏部屋を持ち、エキシビションが開かれており、古い厨房や重厚なリビングで寛げる。奇妙さの真骨頂は部屋にある独房。檻があり、なんとも奇怪な部屋ばかりだ。もちろん新たに作り付けたものではなく元々この館に備わっていたものらしい。




アヴェロン県の中でのちょっとした観光地と言えば、Belcastel(ベルカステル)城だ。小さな川のほとりに立つ、中世の城でしばし浮世を忘れるのも良い。



晩には、宿泊先の近くの町、Entraygues-sur-Truyere(アントエギュ・シュル・トリュイエール)のピザ屋で、当地の名物、アリゴを添えたお肉料理を戴いた。このアリゴ、マッシュポテトにチーズをたっぷり練り込んだもので、コクとまろやかさが相まって肉とのハーモニーも素晴らしい。エスペラック村に住む友人宅でも郷土料理としてこのアリゴを付け合わせにしていた。


左はピザ屋のアリゴ、中央と右はエスペラック村に住む友人宅で供されたステーキとアリゴ

パリからは車で約6時間と行きづらいエリアだが、それだけに素朴な自然と美しい村々、独特の食文化も楽しめる。飛行機だとトゥルーズまで飛んで、そこから車で2時間半の旅となる。
今夏のバカンス、こんな田舎町でのんびりと過ごしてみるのは、いかがだろうか。
 2017/07/18 02:57  この記事のURL  / 

レベルアップする非日常体験


旅は非日常体験を得られ、インスパイアされるモノ・コトとの出会いや心身のリフレッシュに役立つ。しかし、その非日常体験のレベルは人により違い、体験レベルに合わせた感動が必要になる。成熟化した消費者にとっては最早、見た事もない景色やハイレベルな「おもてなし」が必須ということだろう。
さて筆者のレベルは常人並みか、それ以下だと思うが、少しばかり食い意地が、いや、かなり食い意地が張っているせいか、晩御飯とアルコールのマリアージュにはうるさいかもしれない。
そこで最近訪れた二つの宿の話。



ひとつは、福島ハイテクプラザでの講演の前夜泊った「信夫温泉のんびり館」。駐車場にクルマを停めて、吊り橋を渡ると宿がある。このアプローチは、導入部としては可笑しみがある。温泉はツルツルで枡酒を愉しめる気持ち良い露天もあるのだが、何よりも夕食の創作会席メニューが素晴らしかった。まず食べたことの無い食材と味付けの組み合わせで、新しい味覚体験。「南瓜のビシソワーズ」「フグ皮柚子下ろし」「ずわい柚子」「海老ずんだ和え」「ほやの牛蒡味噌」と本田耕二総料理長の腕前が凄い。料理に合うのは、やはり日本酒。福島の地酒「飛露喜」と山形プレミアム級の酒「十四代」にあともう1種類を頼める「自慢の銘酒・利き酒セット」が嬉しい。そして女将の気さくな接遇も愉快だった。



もう一つは、伊豆大川にある「御宿・風月無辺」。こちらも駐車場にクルマを停めて、小さなケーブルカーで受付棟へ。チェックインを済ませると今度は自動運転のゴルフカートのようなビークルに乗り込み、離れの宿へと導く。まだ新しい建屋の為、室内も綺麗で快適だ。ベランダに露天風呂が付いており、遠く伊豆大島が望める。




こちらも夕食の懐石コースが素晴らしかった。まずは金目鯛の握り、そして刺身の「地魚の盛り合わせ」もレベルが高い。「伊勢海老・和風ブイヤベース」は日本酒でも白ワインでもいける。「活鮑の踊り焼き」も付いてコスパの良さを感じさせる。食事部屋からも遠く相模湾を眺められた。料理のタイミングやスタッフとの会話にもホスピタリティーを感じる。マニュアルでなく、接客の極意、人としての会話を心掛けている様子が窺えた。
共通して言えるのは、まずはアプローチでワクワク感を高め、落胆させない風呂と料理。そして人間味あるホスピタリティー。これでリピート間違いなしだ。
翻って我が業界に当てはめるなら、店への導入部としての驚きのディスプレイ、満足感と良い意味での意外性のある品揃え、そして人間味ある接客。異業種からも学ぶべき点は、色々ある。さあ、また旅に出よう。

 2016/11/01 21:30  この記事のURL  / 

単なるボルドーの宣伝ではなかったラ・シテ・デュ・ヴァン


2016年5月31日に開会式が行われ、6月1日の正式オープン後は順調に訪問客数を増やす「La Cite du Vin(ラ・シテ・デュ・ヴァン)」。
この夏、南フランスから北スペインをドライブする最中、立ち寄ってみた。延べ床面積13,350平方メートルを誇る施設の中には、ボルドーだけでなく世界中のワインを紹介する博物館、ライブラリー、ワインショップ、レストランなどが並ぶ。ワークショップ・スペースもあり、知識レベル別に受講できる単発講座のほか、ラベルやコルクをテーマとした子供向けイベントも行われている。



特に目を引いたのは、徹底的にワインと歴史を学ぶことを重視していると感じた点だ。
日本語を含めた8カ国語に対応するイヤホン付きの「トラベル・コンパニオン」というiPhoneのような端末を入場口で受け取る。各所にポイントされたマークにトラベル・コンパニオンを当てるとオーディオ解説が視聴できるという仕組みだ。このオーディオ解説は全て繋ぎ合わせるとおよそ10時間分だそうで、とても1日ではすべてを堪能することはできない。(^-^;動画もトラベル・コンパニオンで触れてスタートさせ、映像上に流れる言語はきちん日本語になっている。賢い!!
世界の生産者が登場して解説してくれるコーナーには、スペイン、ドイツ、イタリア、米国、ニュージーランド、アルゼンチン、オーストラリア、ジョージア(旧グルジア)などフランス以外の紹介も沢山されている。



実体験として楽しめるのが嗅覚を刺激する装置。古本、クッキー、皮手袋などワインの香り表現に登場する様々な物質を嗅ぐ装置で、手前にあるポンプを握ってワンプッシュすると、ホーン状の先端から香りが漂ってくる。正直、嗅ぎたくない香りというか臭いもあり、まあ御愛嬌かな?



こちらは、何か聞きたいことがあるとバーチャルリアリティー(VR)でその筋の専門家が登場し、マンツーマンで答えてくれる。例えば、「安くて美味しいワインは、どこで買えるの?」などの質問に対して、結構リアルに答えてくれるのだ。例えば大手スーパーをお勧めされたりもする。
1階のワインショップには90か国・800種が揃い、棚の合間に設置されたノートパッド上で簡単に銘柄検索ができる。日本のワインもあるそうだ。もちろん興味ないので、「Chateau Le Puy」を大人買い!(^^)!


 2016/09/22 15:00  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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