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お菓子業界では珍しいらしい

左・鎌田氏、右・松本氏/機械に入れると袋に包装される

カルビーが10月28日、ルミネエスト新宿の地下1階に約54坪の直営店「Yesterday’s tomorrow(イェスタディズ・トゥモロー)」をオープンした。同店は、日本のお菓子メーカー約120社のロングセラー商品や限定品、地元のお菓子を集めて販売するお菓子のセレクトショップだ。またその場でイートインが可能な「出来立てキッチン」では、季節ごとにコラボメーカーやメニューが変わる予定。最初は、森永製菓の一口アイス「pino(ピノ)」とカップアイス「MOW(モウ)」のスペシャルメニューとギンビス「たべっ子動物」の大きいバージョンが登場した。この売り場で年商3億6千万円を目指す。



鎌田由美子上席執行役員・事業開発本部長は、「3兆2400億円という市場規模は、日本のお菓子に魅力があることを表している。最近口にしなくなったロングセラーと地方独自のお菓子を紹介する場として買取で800アイテムを展開する」という。また松本晃代表取締役会長兼CEOは、「失敗したら、そこから学べば良い、面白い楽しいワクワクする日本を作りたい」と抱負を語った。




さて、お菓子業界のカリバー、カルビーが他社製品をセレクトして仕入れし、オリジナル商品と合わせて販売する小売事業を展開するという事は珍しいことのようだ。ファッション業界に置き換えれば、卸しかしていない大手アパレルが直営小売を出店して、そこに他のアパレルメーカーの商品も仕入販売するという図式になるのだろうが、すでに大手アパレル各社とも小売事業は展開しており、一部ではあるが、他社製品を仕入れ販売するケースも間々ある訳だから、それほど珍しい事ではない。だが、アパレル業界は菓子業界程の寡占化が進んでおらず、多くのブランドや小さなアパレルメーカーが無数にある点が特徴的な違いなのだろう。
とは言え、垂直統合の進んだ直営小売の中に、雑貨は別として小さなアパレルブランドをいくつも仕入れて販売するケースはほとんど見受けられない。つまりイェスタディズ・トゥモローにおける地方独自のお菓子の導入がアパレル業界では、実施されていないという事なのだ。そんな大胆な小売事業をどこかやってのけるような度量は無い物だろうか?
「松本会長のような大局的な観点が、もう少しこの業界に合っても良いのでは」と感想を持った次第である。




 2017/11/11 20:00  この記事のURL  / 

ビューティフルピープルからプレインピープルまでの縁(えにし)の話

東京のプレスデー/パリでのプレゼンテーション

「アマゾンファッションウイーク東京」の期間中、ショーの合間を縫って展示会も見て回る。とある昼下がり、空き時間を利用して、「ビューティフルピープル」プレスデーに出かけた。パリのプレゼンテーションは、クチュールブランドなどもショーを行うヴァンドーム広場に面したホテルエヴルー。モデルに対してスタッフが複雑なコーディネートを着付けていくというパフォーマンスも披露された。トレンチとドレスが一体化したかのようなアイテムや左右ジップで組み合わせるドレスなど、その複雑さ故、本番では嘸かし苦労したのではと思い、スタッフの方に尋ねたら「最初は大変で慌てましたが、2〜3回目には慣れてきてスムーズにできました」と微笑んだ。「慣れれば1人でも着られます。朝の忙しい時は大変かもしれませんが」としっかり笑いも取られていた。



その後ビューティフルピープルからほど近いフローリスト「スプーンビル」で開かれている写真展「Messages.U」に立ち寄った。会期中のショー会場で会ったPR女史から勧められたのだが、写真家・ 角田みどりさんのプロフィールには、2002年に宮原夢画氏に師事したと書かれている。99年2月の『senken h(アッシュ)』創刊号やその後複数回に渡って宮原さんにシャッターを押していただいていたので、きっとすれ違っていたのかもしれないと縁(えにし)を感じ、会ってみたくなった。そして、ついでだからと現在携わっている『ファッション力』の展覧会コーナーの情報提供をお願いしようとスタッフの方に尋ねると、企画を担当している方が今丁度打ち合わせに来ているので紹介するとの事。グッドタイミング!
向かうと、そこにはコンサル先企業に以前居た方が現れ、ビックリ。「ファッション以外のところでお会いするとは!」とこれまた何かの縁か?

帰り道の骨董通りで、「犬も歩けば棒に当たるだな」などと納得していると、「プレインピープル」の店が目に留まった。そういえば先日このコーナーで書いた「スズサン」がポップアップをやっていたなと思い出し、店内へ。ポップアップは既に終わっていたが、買取商品がまだ少し残っていた。そしてレジカウンターの背後に「PAIX」の文字が。そう、あのパリ同時多発テロ事件の直後、丸の内仲通りのプレインピープルのVMDを取り上げた事があったのだが、まだ複数言語で「平和」と書かれたA4の紙を置き続けているという。あれから2年が経とうとしているが、未だに続けているという点で、このブランドのストアロイヤリティー向上の確かさを感じた。とても安くて簡単な手法だが、簡単には続けられない事だから、なお一層感銘を受けた。店頭スタッフと、そんな話をして盛り上がり、ほっこりとした気分で、次のショー会場へと向かった。その足取りは幾分か軽かったかもしれない。人(ピープル)から人(ピープル)へと縁(えにし)は繋がっていく。ダジャレですんません(^-^;
 2017/10/29 11:00  この記事のURL  / 

明日から東コレですが、衆院選とファッション業界の行く末は?

総務省のホームページより

明日から「アマゾンファッションウイーク東京」がスタートする。連日、ヒカリエと表参道ヒルズを中心に朝から晩まで駆け抜ける日々が続く。生憎の雨模様のようで少し気も重いが、若手のデビューショーもあり、また合同展や個展も来週にかけて続々と開かれるので、老体に鞭打って回ることにしよう。

さてそんな中、衆議院選挙も真っ盛りだ。東京コレクション終了後の日曜日、10月22日が投票日となる。たとえ疲れていたとしても選挙には行かねばと、こちらも固く決意を持っていこう。
「やれ3極だ。いや実際は2極だ」と様々な意見が飛び交うが、果たしてファッション業界にとって有用な政策は何なのだろう。トリクルダウンを謳って早何年? 一向にその気配も無く、アベノミクスにかなり懐疑的にならざるを得ない。金融政策頼みばかりで、円安に誘導されても、個人消費が回復しなければ、市場の価格指向は減らないから、アジアからの製品輸入が主な入超産業の我が業界は、輸入価格の上昇と小売価格の下押し圧力の狭間で、苦しむところとなっている。もちろん輸出にとって円安は歓迎すべきことだが、ファッション業界では、まだ緒についたばかりだから、その恩恵は少ない。個人消費を回復させるには、将来不安の解消や国民の懐を温める政策が必須と言える。広く薄く取る消費税増税の是非も問われる。

憲法改正もファッションと決して無縁ではない。多くの国々で戦乱が続くが、そこにファッションを楽しむ余裕はあるだろうか。一日一日を生き延びるので精一杯の彼らに、そんな余裕はない。平和であってこそ成り立つのがファッション産業。この国は悲惨な戦争体験から立ち上がってきた唯一の被爆国。武器や失敗した原発技術を輸出する事が、世界を平和にすることになるのだろうか。北朝鮮問題をネタに本当は別の意図を狙っていないだろうかと今一度、立ち止まって日本国憲法の平和に対する理念が世界に果たしてきた役割を考えてみても良いと思う。

最後にひと言。「しっかりと」「愚直に」「丁寧に」など個人の主観によって如何ようにも解釈できる曖昧な言葉で語られるのは困る。「しっかり丁寧にやりました」「いやいや全然足りていませんよ」という何の結論も得られない無駄な議論になってしまう。政治家には「コレコレをやります」「これには賛成もしくは反対です」と明快な政策を述べてもらいたいとつくづくテレビ討論を見ていて思った次第だ。では皆さん、次の日曜日には選挙に行きましょう。

 2017/10/15 13:20  この記事のURL  / 

スタイリッシュなピンクボトルで社会貢献「ソラン・デ・カブラス」


この夏、スペイン北西部、巡礼の最終地点として知られるサンチアゴ・デ・コンポステーラを訪ねた。気温30度を超える真夏日、徒歩や自転車で辿り着いた巡礼者たちが大聖堂前で記念写真に納まっていたが、欠かせないのが水分補給だ。近くのスーペルメルカード(スーパーマーケット)で地元の食材などを物色していると見つけたのが馴染みのあるブルーボトルのミネラルウォーター(コーヒーではない)「ソラン・デ・カブラス(SOLAN DE CABRAS)」。しかも日本では見たことのない1.5リットルペットボトルだ。あのまま大きくしたものでスタイリッシュなところは変わらない。
さて、このソラン・デ・カブラスを輸入販売するスリーボンド貿易は、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える「ピンクリボン運動」を支援するピンク色の限定ボトルを2017年10月1日から全国の小売店およびオンラインショップにて数量限定で販売する。



「乳がん患者やその家族、そしてすべての女性に健康的でポジティブに過ごしてほしい」という思いで、2014年から本国スペインでこのピンクリボン運動への支援をスタートした。日本でも本国の思いを受け継ぎ、昨年からピンクリボン運動の支援を本格的にスタート。 ボトルの形状とデザインはそのままで、アイコニックな青い色のボトルを特別にピンク色に変え、メタリック箔のネックラベル部分にはシルバーのラインを施し、温かみや優しさが感じられるとともに、引き続きスタイリッシュなイメージのボトルに仕上がっている。330ml入りペットボトルで120円(税別)。
売上の一部を公益財団法人日本対がん協会の「乳がんをなくす ほほえみ基金」に寄付し、ピンクリボン運動に役立ててもらう。また、ピンクリボン関連の様々なイベントでも、このピンクボトルを配布予定だ。
ソラン・デ・カブラスは、スペインのベテタ(クエンカ)にある源泉から採水された純粋で口当たりがやわらかなナチュラル・ミネラル・ウォーターだ。地表に降った雨水が、遥か400年の時を経て、限りなくピュアな水となってソラン・デ・カブラスの泉に湧きあがる。2000年以上前のローマ時代からこの水の治癒力を求め、多くの王族が訪れたと伝えられている由緒正しい名水のひとつだ。またレアル・マドリードの公式ウォーターとしても知られている。


 2017/09/24 11:38  この記事のURL  / 

日本古来の美を現代的なアート、音楽、ファッションと融合させたイベント FANTASIA


2017年11月18日に幕張メッセで開催される「FANTASIA −EPISODE.1 PRINCESS KAGUYA−」を紹介するイベント「FANTASIA −EPISODE.0 INTRODUCTION−」が5月26日、東京・渋谷のWOMBで開催され、イベントに先駆けて記者会見も行われた。「日本の美」をコンセプトに、世界に発信していく音楽、ファッション、メディアアートを融合させた新しいプロジェクトとなる。 日本古来の物語を現代風にアレンジしたストーリーに沿って日本の美を表現していくというこのイベント。記者会見では、このプロジェクトの演出を担当する小栗了が演出へのこだわりについて「現代的なものと日本の良さというか古来からのものをしっかりと伝えていきたい」と語った。また、同イベントは2018年以降、海外展開も予定しており、日本から世界に向け発信するイベントとして定着することを目指すという。小栗は「言葉を必要としないエンターテイメント。『和』がテーマなので、歌舞伎や能などをアレンジしながら取り入れていきたい」と具体的な演出ビジョンも話した。演劇、ステージ、格闘技などジャンルレスに活躍する小栗了の演出に期待がかかる。



同日深夜に開催されたパフォーマンスでは、ステージ上に疲れたサラリーマン風の男性が現れ、たくさんの巫女に囲まれたかと思うと、全員でダンスを踊ったり、アクロバティックなパフォーマンスを披露するなど、現在と伝統的な和の融合が表現されていた。特に小柄な女性による腕のみで身体を支えながらの逆立ちしたダンスパフォーマンスは圧巻だった。



併せてヘッドライナーとして、オーストラリア出身の音楽プロデューサーでもある女性2人組のDJで、国内では 安室奈美恵の「Love Story」をはじめ、数々のヒット曲を制作したNERVO(ナーボ)がDJプレイを披露し、訪れた多くの外国人観光客を沸かせていた。また世界的に活躍するDJ、ALISA UENO、ダンスミュージック誌『FLOOR』の編集長も務めるNAOKI SERIZAWA、「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN」で優勝したYAMATOもDJプレイを披露した。


ALISA UENO / NERVO

11月18日の本公演は、幕張メッセのホール9、10、11を使い、開場12時、開演13時、終演21時を予定している。
2020年に向けて、インバウンドを意識したこの種のイベントが増えてくることだろう。




 2017/06/17 19:06  この記事のURL  / 

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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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