« 前へ | Main | 次へ »
トレードショーやショールームとの付き合い方

トラノイ(パレ・ド・ラ・ブルス会場内)

この3月、パリ・ファッションウイーク中のトレードショー取材で面白いことを話してくれた日本企業の出展者が居た。それは主催者に対し、「不明点があったら何度も連絡しないと駄目。日本人は引っ込み思案だが、しつこいのではなく、これが海外では誠実なのだと思わないといけない」というものだった。ついつい日本人はそのDNAのせいか、チャンスを逃してしまうケースが多いような気がする。ダメもとでも言ってみるのが、海外勢だ。大体、海外バイヤーは値引きや「DDPにできないか」とか、結構無理なことを言ってくるのだが、「無理」と言うと案外あっさり引き下がる。海外は日本と違い、「忖度してくれる」文化が少ない。積極的にアプローチしていかないと存在している事すら気付かれないという側面がある。まずは言ってみる事をお勧めする。
それから「パリは世界中からバイヤーが来るので、出てみて反応の良い国を把握して、その国のトレードショーに出ても良いと思う」という出展者も居た。なるほど、世界レベルで一気にマーケティングできるのは、確かにパリしかないだろう。NYでもここまではインターナショナルではない。その点でのパリの優位性は微塵も揺らいではいない気がした。
そして悩ましいのがショールームにするかどうかだ。「本気でビジネス拡大するなら、最終的にはショールームが必要。ただ自身のブランドと似た傾向のショールームで、しかも欠けているアイテムかどうかが潜り込める条件になる」と語ってくれたのは既にショールームと契約して、同時にトレードショーにも出展しているメーカーだ。確かにテーストに合ったショールームに入れれば、確実に来場したショップに見てもらえ、受注の確率は高くなる。しかしフィックスを取られるショールームも多く、トレードショーの出展料と同じようなものだ。更に販売手数料が上乗せされ、高いものが更に高くなるという面もある。一方で海外のブランドは普通にトレードショーでビジネスを成立させている。この事実は誰も否定できない。どちらを選択するかはそのブランドの戦略次第だが、契約できるショールームの伝手や当てがない場合、まずはトレードショーからスタートしていくのが一般的と言えるだろう。


プルミエールクラス               ウーマン



 2017/03/18 17:18  この記事のURL  / 


« 前へ | Main | 次へ »
名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ