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パリから世界へ、お手軽に出展する方法

トラノイ2015年10月展

さて、前回のブログの続き。
次のトラノイ・ウィメンズにソレイユトーキョーのスピンオフ企画、ソレイユトーキョー@トラノイ(カルーゼル・ド・ルーブル会場)で出展する。コンセプトは少し違うが、デザイナー不在で1ラックのみは同じ。違うのは、ここでしかサンプルを見られないバイヤーが殆どなので、本気でオーダーを取ること。バリエーションのあるアイテムはルックブックとラインシートでカバーする。
さて、そもそも何でこんな事を考えたのか。遡る事2年、ファッションスナップに依頼されて2014年のキーワードで1年の締め括りの記事「ビッグマック560円時代のファッション消費を見通して」を書いた事がベースにある。
簡単に説明すると、少子高齢化で日本市場は縮小、デザインコンシャスな消費も比例して減る。なおかつバリューチェーンが市場占有率を高めていくという何とも悲しい状況。当時のノームコア流行りも逆風と感じていたが。そうなると、他の欧州諸国のデザイナーがとっくの昔から普通にやってきた海外販路開拓に活路を見出す以外にない。なおかつITによってバイヤーから消費者へと主役の移り変わりも中抜きも一定進む。バイヤーの選ぶ物が必ずしも売れるとは、つまり正しいとは限らないから、デザイナーは直接、消費者に販売する事によって、そのギャップを見出す事ができる。イベントで店頭に立っても良いし、ECでも良いから、投資の可能な範囲で直販を手掛け、市場との対話をすべき。掻い摘んで言うとそんな感じ。
話は戻るが、パリの合同展は、その市場性の高さ故、それなりに値が張る。小さなブースでも60〜80万円は掛かる。言葉が出来なければ通訳3日間で15万円。これで既に100万円近い。通訳は、安い学生なんかを使おうものなら、痛い目に合うからやめた方がいい。これに飛行機代とホテル代で120万円。3シーズン継続する位の覚悟が必要と考えると二の足を踏んでしまうのも無理はない。
だが、この間の取材でもはっきりしたのは、やはりパリが世界中で一番インターナショナルなトレードの場になっているという事。これはテロが起こって多少、渡仏人数が減った部分はあってもやはり不動の地位にあるという事を実感してきた。
そこで、前述の方法を主催者に交渉して、スタートする事にしたという訳だ。まずは3シーズン位、ライトな形で出展し、取引先ができてきたら、自らブースを構えるという計画で、ホップ・ステップ・ジャンプのまずはホップを踏み出してもらいたいとの思いだ。どんな結果になるか楽しみにしながら、自らは3月のパリ・ファッションウイーク取材で奔走しつつ、乗り切っていこうと思う。


先週代官山で開催したソレイユトーキョー
 2017/02/22 19:19  この記事のURL  / 


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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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