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テロとプレインピープル


東京・丸の内仲通りを歩いていて、ふと目に留まったディスプレーがあった。ビギグループのワン・ビー・ワンが展開する「PLAIN PEOPLE(プレインピープル)」の路面店だ。正面左右のメインディスプレーには、コピー用紙にワープロの普通のフォントで打ち出されたメッセージやワードが、上からクリップとワイヤーでぶら下げられていた。
「PEACE」「PAIX」「PACE」「FRIEDEN」。英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語の「平和」の文字が飛び込んできた。その他に平和を求める文章も。
スタッフに尋ねるとバイヤーや担当責任者が考案して、全店で行っているものという。
パリで起こった衝撃的な無差別テロ事件から今日で1ヶ月を迎えた。
この事件をはじめとして、世界各地で起こるテロや戦争の惨禍を目の前にして、何ができるのか。その一つの答えでもあるだろう。



来年1月のパリ・メンズコレクシクョン、レディスプレコレクション、そして合同展。キッズの合同展やインテリアライフスタイルの巨大な見本市「メゾン・エ・オブジェ」も控えている。既に大手セレクトショップの2社がパリへの出張禁止を打ち出し、外せないバイヤーのみに限定することを決めている。
現地に住む友人たちの話では、今だ、夜のレストランに客足が戻らず、観光客の大幅な減少により、右岸の百貨店は、6掛けとも半減とも言われているそうだ。
各種の大型見本市は、従来の手荷物検査に加えてボディーチェックも行なうと発表し、テロへの警戒を強めているが、そのチェックポイントの手前が一番危険なのではないだろうか。チェック体制が強化されればされるほど、ショー会場前や見本市会場入口の人だかりが膨らむことになる。経験者には容易に想像つくことだが、ただでさえ入場に手間取るのに、それが更にひどくなることが予想されるのだ。その虚を突いたテロが起こらないか心配でならない。
さて、前述したVPに話を戻すが、お金を掛けなくとも伝わるプレゼンテーションがあるのだという事を示してくれたプレインピープルのディスプレー。現場の心意気と想いに共感の拍手を送りたい。大切なのは、「何を伝えたいか」なのだ。
 2015/12/13 13:23  この記事のURL  / 


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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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