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世界で伍して戦うには、ニュートラルな姿勢が必要


随分以前から知っているような気分にさせる不思議な人がいる。有松鳴海絞り「SUZUSAN(スズサン)」の村瀬弘行さんだ。デュッセルドルフに住む美術学校出身の彼は、いつもひょうひょうとしていて自然体。人をリラックスさせる不思議な力を持っている。ある意味ニュートラルなのだろう。だから、いつの間にかスズサンを有松から出た世界ブランドに育ててしまった。
最初の出会いはパリのインテリア・ライフスタイル大型見本市「メゾン・エ・オブジェ」だったと思う。絞りの照明器具とストールで多くの来場者の関心を集めていた。その後「トラノイ」に出展すると瞬く間にファッション流通にも販売先を広げ、現在はニットウェアも始めている。
村瀬さんは、絞り職人の家に生まれ、一時はアートを志して、英国に留学。その後、学費に苦労する中、無償で学べるドイツへ渡り、デュッセルドルフの美術アカデミーで学んだ。当初は家業の絞りにあまり関心も無かったそうだが、職人が減っていく現状を見て、この技術を伝承していくには、世界のラグジュアリーブランドに伍して売っていかねばと2008年にデュッセルドルフでブランドを立ち上げた。
そんなスズサンが初めて日本でのショールームを開くという。2018年春夏シーズンのテーマは「Garden」。昨年ローンチしたホーム&リビングコレクションでは、ペルーのベビーアルパカを手織りした素材を使いクッション、スローケットを様々な絞り技法で染め上げた。
またデュッセルドルフでは、70年代以降ドイツの新しい音楽を模索し牽引してきた背景があり、「Neu!(ノイ!)」「Hauschka(ハウシュカ)」などのミュージシャンを生み出してきたが、彼の周りで活動するミュージシャンの協力を得て、彼らの音楽を流しながらコレクションを紹介するそうだ。
会期は10月16〜21日、会場はベルサール渋谷ファーストの裏手にある(プレイス)・バイ・メソッド(東京都渋谷区東1-3-1 #14)。
 2017/10/07 12:21  この記事のURL  / 


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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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