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愛と誕生と死の意味を求める映画『エタニティ 永遠の花たちへ』

(c)Nord-Ouest

映画『エタニティ 永遠の花たちへ』(原題:Eternite) は、子孫へと続く系譜が何を意味し、どんな想いを綴っていくのかという問い掛けに答えを出そうとした作品だ。



『アメリ』で一躍有名になったオドレイ・トトゥ演じるヴァランティーヌは、19世紀末フランスのブルジョワ家庭に育ち、一度は断った縁談の相手の誠実な求婚に応え、子供に恵まれ家庭を築いていく。しかし戦争や病で失う命もある。かくして、3世代に渡る系譜の有り様がクラシック音楽と美しい映像、ナレーションとほんの僅かな台詞によってのみ構成される。そう、セリフは殆どといって良いほど無いのだ。淀みのない女性のナレーションが、静かに語り掛けるだけだ。まるで細やかな叙事詩を映像美と共に辿っているかのような感覚。なんと精緻な感情表現。唇、頬の筋肉、肩の震え。役者にとってのミニマルな表現手法しか許さないトラン・アン・ユン監督の凄みが伝わってくる。



人は決して死から免れない。だから、あらゆる哲学、小説、そして神話や寓話も、このテーマを追い続けているものが多い。誰かの死に接しては、自身の死と死後のことを考えさせられ、生の意味を探ろうとする。若いうちは、それがあまりにも身近でないが故に、深く洞察する事もなく、或いは潜在的に避けるように心の奥底に仕舞い込んでしまう。だが、いつの間にか人は老い、死を意識し始める。死してすべてが終わると寂寥感にかられるより、その命が連綿と繋がっていく未来に想いを馳せることで、幾ばくか救われるものがあるのかもしれぬ。それを確実にするための手段が性愛だったのだと気付くはずだ。9月30日よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー。



またアッシュペーフランスは、結婚や誕生により受け継がれるエタニティ(永遠)を描いたこの映画の世界観に共感し、記念日に寄り添えるエタニティとの出会いが生まれることを願って、「H.P.FRANCE BIJOUX」でフェアを開催している。展開店舗は、同店銀座(GINZA SIX)、表参道(表参道ヒルズ)、大阪、丸の内、新宿、、梅田、名古屋、福岡の各店。期間中エタニティリングを成約するとペア鑑賞券がプレゼントされる。



LOQUET LONDONより新作エタニティーリングも登場


 2017/09/23 16:00  この記事のURL  / 


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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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