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ソレイユをJTBグループに移管した理由


いつもは記者会見に出席する立場だったが、今回初めて、説明する側に立った。貴重な経験だった。それは、5回に渡って細々と続けてきた合同展「SOLEIL TOKYO(ソレイユトーキョー)」をJTBコミュニケーションデザイン(JCD)に譲り、更なる発展を期しての会見だった。詳細は読売新聞産経ニュースなど一般メディア、WWDファッションスナップなど専門メディアにも数多く取り上げられたので、ご覧いただきたい。
そもそもソレイユトーキョーを「何故始めたのか」についてだ。国内外の合同展・トレードショーを長らく取材し、また繊研新聞社時代には、IFF、プラグインの2つのトレードショーの立ち上げに参画してきた経験から、この厳しい現況の下、出展者、来場者双方の不満が存在することを痛切に感じていた。もちろん100%の展示会など在り得ない訳で、どこかを削れば、どこかに歪が起こり、あっちを立てれば、こっちが立たなくなるのは世の常。しかし、どこかに比重を移すことで、新しい仕組みやスタイルの合同展になるなら、多少のマイナスがあっても、プラスの新しい価値が加わることで、新たな地平が見えるのでは。そう思って思い切って始めてみたのだ。それが2015年10月の事。お陰様で、「小さいながらもキラリと光る展示会になったのでは」と自負している。
この事業はカシュ・カシュが行っているもので、私自身は独立と同時に加わったのだが、もともと輸入ビジネスを30年前から行ってきており、特にこの10年は、日本から海外へ進出するブランドのサポートを展示会と輸出の両面から支援してきた実績があった。バイヤー、出展者、オーガナイザー(実は子供服のトレードショー「プレイタイム東京」も立上げている)の3者の立場を経験して、3者にとって理想的な展示会を目指すために、新しいタイプの展示会に辿り着いたところだった。またカシュ・カシュの事業として、パリの展示会に30回以上の出展経験を積み、そこで感じた問題点を改善しつつ、小さなブランドも海外へ出ていく可能性が見い出せるような座組みを考案した次第だ。
しかし、所詮は個人事業レベル。慣れないパワポを駆使して、素人仕事に毛が生えたような手作り展示会でもあった。それでも多くの古くからの知り合いが助けてくれて、出展者にアドバイスをくれたり、展示会を紹介してくれたりと盛り立てていただいた。この場をお借りして、支えてくださった皆様に御礼を申し上げたい。
そして、安い出展投資で負担感が少なく、気軽に参加できる仕組みをもっと多くのブランドに享受してもらうためには、プロフェッショナルな企業にお願いすべきと決断した。更には、「海外に出ていくことが、市場拡大にとって不可欠である」と『ファッションスナップ』や『アパレルウェブ』の記事で書いてきたこともあり、これも小さなブランドが投資額が少なくても参加できる仕組みを早急に作らねばと考えていた。そして、そこに共感してくれる企業であることも重要な点であった。
こうしてカシュ・カシュからJCDにこの事業を移管することとなった。
実はこのシステム、旅費をかけずに出展できるという点で地方の日本ブランドだけでなく、海外ブランドにとっても有効なものなのだ。
9月22日(金)14:30から、東京・渋谷の文化ファッションインキュベーションで開く「出展者向け説明会」で色々とお話したいと思う。興味のある方は、ご参加いただければ幸いだ。
 2017/09/18 21:20  この記事のURL  / 


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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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