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感動の共有がブランド価値を高める


子供服ブランドの「frankygrow(フランキーグロウ)」が2017年7月22日、山梨県北杜市にある中村キースへリング美術館でファッションショーを開いた。
フランキーグロウといえば、6年前からパリの子供服合同展「プレイタイム・パリ」に出展し、小さいながらも海外販路開拓を進めるクリエイター系ブランドとして知られている。今年7月には、4年ぶりにパリの子供服展「kid(キッド)」に出展した。現在は国内外に70店舗の卸先を持ち、東京・表参道に直営店も構えている。



今回は「HIKARI(ヒカリ)」をテーマに現代アートの旗手、キースへリングのプライベートコレクションを披露する八ヶ岳の自然豊かなコンテンポラリー建築の同館を開催場所に選んだ。因みに同館の植栽を担当したのはヤードワークスの天野慶で、表参道直営店の内外装も担っているという縁がある。
さてキースは、自身がエイズになったことを公開することで作品とともに現代社会に「命と性」について問いかけてきた一人だ。デザイナーの高井千寿子は、「この恵まれた時代・情報化社会で生きる子供たちへ『生と性に対する尊さ』を今こそ考えてもらいたい」とメッセージを込めたという。
黒のシリーズから始まったコレクションは、段々と高井の得意とするポップでカラフルなショーピースへと変化。漆黒の闇から夜明けを迎えるような、或いは時代の黎明を表現したのか。メンズ、レディスも含め、時折ジェンダーレスなアイテムも登場。




MAISON”SEEK”(左)のライブとともにショーは進行した。また午後のフレンズ向けのショーでは無人島レコード(右)のライブも中庭で開かれた。



フレンズ向けは天気に恵まれたが、夕方のプレス向けは一転にわかにかき曇り、生憎の雨模様に。そんな中でも凛として堂々とウォークキングしたキッズモデルたちを見て、デザイナーの目には熱いものがこみ上げてきたようだ。ブランドの世界観を見せることも重要なのだが、さらに感動を共有することで、消費の大きな後押しやブランド価値の向上に繋がることは間違いないと実感する場面でもあった。
アートディレクションは、「CATTLEYA TOKYO(カトレヤトウキョウ)」 、スタイリングはミキティこと相澤樹


雨の中でも堂々としたキッズモデル(左)、先頭がデザイナーの高井(右)
 2017/08/04 12:49  この記事のURL  / 


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名前:久保 雅裕
Masahiro KUBO

アナログフィルター『ジュルナル・クボッチ』編集長

ファッションジャーナリスト・ファッションビジネスコンサルタント。繊研新聞社に22年間在籍。『senken h』を立ち上げ、アッシュ編集室長・パリ支局長を務めるとともに、子供服団体の事務局長、IFF・プラグインなど展示会事業も担当し、2012年に退社。

大手セレクトショップのマーケティングディレクターを経て、2013年からウェブメディア『Journal Cubocci』を運営。共同通信やFashionsnap.comなどにも執筆・寄稿している。杉野服飾大学特任准教授の傍ら、コンサルティングや講演活動を行っている。また別会社で、パリに出展するブランドのサポートや日本ブランドの合同ポップアップストアなども実施し、日本のクリエーター支援をライフワークとして活動している。
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