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勘違いか魔が差したのか
 昨秋から今春直近にかけて、それぞれの分野のリーディング企業が何を勘違いしてか魔が差してか、自社の成功要因の柱となっている顧客サービスを自ら廃止・改変する動きが続いている。一社はEC関連、一社は百貨店、一社は・・・・・だが、いったい何のメリットがあって、そんな自爆行動を取るのだろうか。
 顧客や取引先としては一方的な通告に真っ青になって替わりのサービスを探しに右往左往し、そんな情報を耳にしたライバル企業はここぞチャンスと顧客の切り崩しに走るという有様を見て、当のリーディング企業は『やっぱり廃止・改変を止めます』と言い出したりと迷走するのも信頼感を損ない、どちらに転んでも失うものが多いとしか思えない。
 それぞれの分野で頂点に立つと思い上がって見えるものも見えなくなり、社内の統治も崩れて顧客も取引先も収奪の対象にしか見えなくなり、目先の利益に目が眩んで墓穴を掘ってしまうものなのだろう。魔が差したとしか言いようがないが、そんな事が市場リーダー交代の契機となるのかも知れない。
 貴社の企業統治は大丈夫だろうか。顧客本位・取引先大事と言いながら、何時の間にか思い上がって顧客を小馬鹿にし取引先は収奪するものと勘違いしてはいないだろうか。そんな状態に陥ると何時か魔が差して墓穴を掘る事になる。
 2015/02/26 10:21  この記事のURL  /  コメント(0)

メンズ優位の背景は?
 全国百貨店でも都内百貨店でも14年1月以来、13ヶ月連続して紳士服の前年比が婦人服を上回り続けており、直近1月の都内百貨店では格差が9.9ポイントと10ポイントに迫った。それは駅ビルやSCでも同様で、当社の調査では14年度12ヶ月間の単純平均でメンズブランドはレディスブランドを2.3ポイント上回っていた。春直近のレディスルックでもビッグボーイやノームコア、ミリタリーやワークといったメンズ震源のパワートレンドが目立っているし、秋冬もメンズの影響が強いと予測される。
 その要因としてノームコア志向でメンズ商品を着る女性の増加、景気の浮揚やメンズ特有の3年サイクルの買い替え需要などが挙げられるが、より本質的な要因として正価買上率の高さ、長期に縮小して婦人服対比で小さくなり過ぎた紳士服市場がノームコアなお洒落に目覚めた男達の消費で急回復している事を指摘したい。
 売れ筋後追いの期中企画が氾濫して同質化し、タイムセールなど値引き販売が主流となって正価買上率が激減したレディスに較べ、未だ自社開発の計画生産が主流で値崩れの少ないメンズは正価買上率が高く、既存店前年比を下支えしている。加えて91年の4兆3000億円から2兆5500億円と23年間で6掛け弱に減少し、婦人服の四掛け強まで縮小した紳士服市場が底を打って回復に転じたと見られる。
 世界的に見て紳士服市場は婦人服市場の三分の二が平均で、米国では七掛け、イタリアでは八掛け以上と聞く。日本でも1971年頃までは極端な格差はなかったが、ファッション化とともに婦人服市場が拡大して91年頃には倍以上に開き、バブル崩壊以降は婦人服を上回るペースで縮小して行った。百貨店市場では79年の59掛けから2014年には32掛けまで格差が広がり、大都市の大型店では婦人服3フロアに紳士服1フロアという姿が定着するに至った。諸外国と較べて幾らなんでも女尊男卑も行き過ぎで、ノームコアとクールジャパンの潮流下で日本の男達がお洒落になる中、紳士服市場が急回復しているという訳だ。
 洋服文化が定着した欧米ではクリエイションに較べてユーティリティの比重が低く、着こなし着崩しのセンスは今ひとつだが、江戸の意気なキモノ文化を何処かに引き継いだTOKYOの男達は着こなし着崩しのユーティリティに長け、ちんちくりんに服に着られた欧米の男達に較べれば断然、カッコイイ!欧米ランウェイのモデルたちは足が長いだけのマネキンロボットにしか見えないし、雑誌「LEON」に出て来るイタリア親父など不細工な‘腸詰め男’と揶揄したくなる。元祖ノームコアたるTOKTOストリートの男達は今や世界一カッコイイのだ!!!
 2015/02/24 09:55  この記事のURL  /  コメント(0)

ガラガラポンが迫る
 トマ・ピケティ氏の労作には悪いが、資本の利潤が労働者の分配を上回るのは資本主義の基本構造であって四百年も遡って検証する意味も無い。貧富差の拡大は資本主義の必然であり、ガラガラポンなリセットが起こらない限り、貧富差の是正はあり得ない。
 近代の日本でもその真理通りに貧富差が拡大して行ったが、明治維新と太平洋戦争の敗戦という二回のガラガラポンによって貧富差は強制的に解消された。欧米でも二回の世界大戦が無ければ、治安が崩壊するほどの貧富差になっていただろう。ゆえに、貧富差が限界を超えた文明では戦争に期待するポピュリズムか労働者革命の願望が盛り上がらざるを得ない。関東大震災から昭和恐慌という暗転で大正デモクラシーが軍国主義に一変して行った昭和初期の我が国、第一次大戦の賠償金負担に世界恐慌が重なってナチスに国民の期待が集中した30年代の独逸などその典型だ。
 欧米流の階級搾取資本主義がグローバル化した今日では国民国家の枠を超えた地域的貧富差拡大も加わり、欧米社会の既得利権秩序側のルールが通用しないガラガラポン願望がどうしようもない勢いで増殖して行くのはもはや止め難い。中東やアフリカ、ウクライナなどで起こっている事の本質はそんなガラガラポン願望なのだろう。
 グローバル化した今日ではリーマンショックのような金で済むガラガラポンでは収まりがつかない矛盾の鬱積が限界を超えつつ在り、もはや1930年代的様相を呈している。世界の資本家階級が贖罪的慈善行為の枠を超えた自腹を切る階級格差是正に動くはずもないから、戦争か革命かというガラガラポンはもはや避け難い必然だ。何処からどんな形で発火するかは知る由もないが、個人も企業も遠からず降り掛かるカタルシスに備えるべきだろう。
 我ら極東の島国のファッション業界もようやく浮ついた宴から覚めて現実に気付き始めているが、経営者の頭は切り替わっているだろうか。今問われているのはガラガラポンな激変に備えるリスク管理と社内や取引先の貧富差を是正する統治の革命なのかも知れない。
 2015/02/23 11:22  この記事のURL  /  コメント(0)

虚飾と陰謀の罠
 今朝の東証株価は14年9ヶ月振りという高値に沸いたようだが、長年に渡って多数の上場企業のアニュアルレポートを検証し、M&Aやデューデリに関わる機会も少なくない私としては、株に投資するなど虚飾と陰謀の罠をすり抜けるギャンブルとしか思えない。
 アニュアルレポートは期末在庫評価や減価償却など大なり小なり意図的な粉飾が臭うし、監査法人が適正に会計監査をしているとも信じ難いから(問題を指摘すると即、契約を打ち切られる)、業績を正しく掴むのは不可能に近いし、ディスクロージャーされていない進行中の案件など知る由もない。その一方で、株価の動きにはインサイダー情報が強く疑われる予兆が少なからず見られるから、アウトサイダーな一般投資家は鴨にされるしかないと推察される。
 ビギナーズラックを契機にのめり込むなど恐ろしい事で、ラシアン・ルーレット(6分の一)の何倍もの確率でクラッシュはやって来る。不要不急の余剰資金で遊ぶのはともかく、虎の子を突っ込むなんてとんでもない。ましてや国民から徴収した年金資金を株で運用しようなど狂気の沙汰だと思う。
 2015/02/19 13:50  この記事のURL  /  コメント(0)

勘違いしてませんか!
 インバウンド効果とかで百貨店株が高騰しているようだが、インバウンドは環境要因であって百貨店というビジネスモデル自体は何にも進化していない。個店帳合の消化仕入れではオムニチャネルも掛け声だけに終わるしかなく、将来性はまったく見出せない。それでもインバウンド効果で都心店の売上は好調だから、経営側も投資家も勝手に勘違いして浮ついている。
 もしもインバウンド売上がなかったら、少子高齢化・総給与所得減少下でオムニチャネル消費が急拡大する中、都心店とて凋落は避けられなかった。高額消費を支えるラグジュアリーブランドの越境ECがいよいよ本格化するこれから、勝手に勘違いしたままでは『殿、お覚悟を!』という事態が来ないとも限らない。ラックネスを実力と勘違いしないで、ビジネスモデルの抜本革新を急ぐべきだと思う。
 2015/02/18 10:10  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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