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意味不明な企業広告
 最近、新聞やTVでテンションは高いが意味不明の企業広告が増えて来て、何だかメセナ全盛だったバブル期みたいな状況を呈している。かつてはそんな意味不明ハイテンション広告を打つのは消費者金融かパチンコ屋か公営ギャンブルと相場は決まっていたが、最近は百貨店や駅ビルまで広がって来たから驚きだ。
 長いデフレ期が終わって懐に余裕が出来たせいもあろうが、何よりリストラ渋ちん続きからの開放感が大きいと推察される。だからと言って飛んだり跳ねたり踊ったり意味不明なスローガンを掲げたりは費用対効果が疑わしいから、かなりの部分は自己満足なのだろう。そんな冗費があるのなら、長いデフレ期で抑制されていた設備投資や人材投資に回すべきだと思うが、そこまでの余裕も先の見通しもないというのが実情なのだろう。
 久方振りに景気が浮揚して来たのだから、一時の勢いで冗費を使うのではなく、歴史観に立って先を見据えた戦略を構築し、適切に投資していくべきだと思うが、花酔い気分に水を差すのも憚られる業界村の空気を察して、婉曲な嫌みに留めておこう。
 2014/07/23 10:10  この記事のURL  /  コメント(0)

業界人挙ってのコックリさん
 ファッショントレンドは時代の世相とシーズンの光と空気を反映するものだと思うが、コレクション報道を見る限り、東京のクリエーターはもちろん欧米のクリエーターもあまり時代の世相やシーズンの光と空気に敏感とは思えない。既に来春夏の欧米メンズコレクションは一巡したが、ユーティリティ重視のノームコアはともかく、ディティールパクリのジャポニスムはいかがなものかと思うし(ルミネの花魁も芸者も舞子もごっちゃの広告はもっと酷いが)、あいも変らぬ着せ替え人形のようなちんちくりんなモデルの着こなしは芸も洗練も感じられない。
 来春夏の世相はトレンドを見る限りイケイケでもなく真っ暗でもない落ち着いたものだから、景気の加速もなければ極端な暗転もないまま不安な中で日常が過ぎて行くという業界のコックリさんが見て取れる。所詮、ファッショントレンドなんてテキスタイルからアパレルまで世界の業界人達がコックリさんを積み重ねた結果でしかないのだから、精度や信憑性を期待しても仕方がないが、せめてシーズンの光と空気についてはキラッ!という提案を見せて欲しいと思う。
 世界については解らないが日本市場の来春夏については、業界のコックリさんより消費者のコックリさんの方がまだ信用出来る。今春夏のブランド別の既存店伸び率やタイプ別のスタイリング変化を追って行くと、来春夏に市場が求めるスタイリングやユーティリティ、ひいてはシーズンの光と空気も大方は見えて来る。そんな手間のかかる手順を踏んでスタイリングテーマ別に繊細なユーティリティ(着こなし)と素材構成、カラーパレットをビジュアルに構成したのが当社の『MDディレクション』で、来春夏版は近年でも出色の出来と自負しているが、業界ではほとんど知られてないのは残念だ。
 この手のものは作るのに大変な手間がかかる割に賞味期限は短く、素材構成からMDを構築する先行企画型のブランドにとっては遅くとも9月半ばまでに活用しないと使い出がなくなってしまう。マーケットのスタイリング動向/売上動向を検証しての製作ゆえ完成が7月下旬(秋冬版は12月末)になってしまうから、賞味期間はわずか二ヶ月ほどと限られる。まるで夏の蝉のように儚いものだ。
 2014/07/22 11:10  この記事のURL  /  コメント(0)

15年春夏MDディレクションが完成!
 今年の春夏が終わろうとするタイミングで来春夏を予測するのが最も正確にマーケットの実勢を反映出来るゆえ、秋に開催される欧米コレクションに先行して5月末から組み立てて来た当社の「15年春夏MDディレクション」がようやく完成しました。客層マップの作成からスタートしてスタイリングテーマを設定し、テーマ毎にカラーパレット/素材ボードをビジュアルに作成。全体傾向を総括したマップと解説文を仕上げるまで、ほぼ二ヶ月の長丁場でした。
 来春夏の最大のポイントは3年続いたグローバル&モードシフトからローカル&ナチュラルシフトへの一転で、カジュアルではストリートからサーフサイドまで多彩な柄や染めが広がる一方で洗い加工やヴィンテージ加工が復活。OL〜キャリアではガーデンからリゾートまで多彩な織りや柄が広がる一方でデリケートな表面加工やハンドメイドなクラフトワークも台頭します。大気や光と遊ぶ織りや加工、柄や織りの対比が重要になり、服と身体の間合いが問われますが、そんなデリケートなリミックスや着こなしは欧米コレクションシーンには求めるべくもありません。当社の繊細なディレクションを是非、ご覧下さい。
 来週後半からクライアント各社へのディレクションが始まりますが、それが一巡した8月7日(木)には一般向けのダイジェストセミナーを人数限定で行います。御興味ある方はこちらまで。
 2014/07/18 09:12  この記事のURL  /  コメント(0)

気分良く騙されているのかも
 昨日のMAXREさんのブログではJ.CREWが新たに始めたスモールサイズがVANITY SIZING(実際よりスリムなサイズ表記で購買を喚起している)ではないかと米国で物議を醸していると伝えていたが、欧米の業界ではかなり前から蔓延しているらしく、GAPのサイズ表記なんかも試着していてエッ?と思う事がある。一般に卸ブランドはサイズに厳密だが、SPAは相当にVANITY SIZINGが疑われる。
 他にも「ブティックでは細く見える鏡を使っている」などの都市伝説も根強いが、私の知る限り業界で使われている形跡はなく、傾斜のある移動式の鏡でそのような効果が結果的に得られると言う程度。スタッフスナップなどでは、わざわざ写メ撮りしてデカ頭短足に見せるのがカワイイという美意識?もあるから、スリムに見せる事に業界が拘泥しているとも思えない。欧米に較べれば、日本はそれだけ美意識が多様なのだろう。
 化粧品業界では「顔色がよく見える鏡」が使われているとは聞くが、どちらの業界でも鏡に仕掛けするより照明で美しく、あるいはリアルに見えるよう配慮するのが常識のようで、行き違いを避けるために試着室内の照明を色温度可変型にしている百貨店さえ在る。気分抑揚を狙った照明としては試着室前の高輝度ライト(買上げ率が確実に上がる)が挙げられるが、これとて一般的とは言い難い。
 業界の騙しテクなどサイズ表記のVANITY SIZINGぐらいなもので、健康食品やサプリのような「個人の感想です」的誇大広告とは縁遠く、せいぜいステマなSNSで持ち上げたり派手なディスプレイや接客トークで買い気をくすぐる程度の可愛いもののようだ。たまには気分良く騙されてあげるのもショッピングの楽しみのひとつなのかも知れない。根絶すべきは原産地や素材の誤?表記、当初から偽装した二重価格表示などだが、館側も含めて業界の‘犯罪’意識が未だ薄いのは残念だ。
 2014/07/17 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

ショールームストアに目覚めよ!
 オムニチャネル販売が広がる中、EC事業者からも店舗事業者からもショールームストアが突破口になると幾度も訴え、「ショールーム型ストア開発セミナー」まで開催してみたものの、業界の反応は極めて鈍い。そんな中、心強く思う事がふたつ在った。
 ひとつは、今朝の繊研新聞の「パーソン」でEC売上比率が30%を超えるというANAP(エイエヌエイピー)社長の家高利康さんが『リアルショップはショールーム化していく』と言い切っていた事。ひとつは、昨日の某百貨店へのプレゼンで先方の専務さんが『アパレル部門のように派遣店員が得られないリビング部門では運営コストが高く付く』と指摘されていた事。ならば、同一商品の多点買いや反復買いが多いリビング部門はショールーム型陳列&販売システムで画期的に運営を効率化出来るのでは、と閃いた事。
 オムニチャネル分野ではエッ!と思うほど画期的なテクノロジーやビジネスモデルが次々と登場して目紛しいほどで、忙しさにかまけて米国情報に背を向けていると一月で見識が化石化してしまうほどだが、オムニチャネル&ショールーム革命が現実に波及して炎上している眼鏡業界(米ウォービーパーカー→日オーマイグラスVS.メガネスーパーでJIN’Sが苦境に)に較べれば、ファッション業界は未だO2Oに留まって茹で蛙を決め込んでいる企業がほとんどだ。
 急拡大するECへのストア側の反撃から始まったオムニチャネル戦略はショールームストアの台頭でE・S(ECとストア)交錯する主戦場になろうとしている。眼鏡業界では既に現実の脅威となっているのに、ファッション業界の経営者達は未だパーティーの夢を見ているのだろうか。
 2014/07/16 10:18  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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