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アウトレットモール人気ランキング
 今日は午後から『最新アウトレット活用総研究』をテーマにSPAC月例研究会を開催するが、アウトレット市場の変質に対応する新たなビジネスモデルの提唱に加え、11年秋以来、二年半ぶりにメンバー投票によるアウトレットモール人気ランキングを発表する。そのさわりをご紹介しておこう。
 ベスト5は 1)御殿場プレミアムアウトレット(年商652億円)
       2)三井アウトレットパークジャズドリーム長島(年商458億円)
       3)軽井沢プリンスショッピングプラザ(年商358億円)
       4)三井アウトレットパーク入間(年商345億円)
       5)佐野プレミアムアウトレット(年商373億円)
 ベスト3は前回と変らなかったが、4位の三井アウトレットパーク入間は前回の7位から、5位の佐野プレミアムアウトレットは同8位からランクアップ。6位には新たに開業した三井アウトレットパーク木更津(322億円)、7位にも同じく酒々井プレミアムアウトレット(231億円)が食い込んだ。売上だけ見れば8位の神戸三田プレミアムアウトレットは433億円、9位の三井アウトレットパーク滋賀竜王も354億円を売り上げているが、販売効率などもメンバーの評価を左右しているのだろう。
 軽井沢プリンスショッピングプラザを除く上位16施設まで三菱地所・サイモン系と三井不動産系が独占し、今世紀に入っての米国同様、増床を繰り返して大型化する有力施設に売上が集中し下位施設が脱落する傾向が加速している。
 ワースト5はあからさまに公表しかねるが、共倒れ状態の仙台の二つの施設と9位から28位に転落した埼玉の巨大モール併設アウトレットなど、なるほどと思わせる施設が並んでいる。詳しくは会場でお話ししたい。
 2014/06/26 09:22  この記事のURL  /  コメント(0)

外資SPAの安過ぎる家賃
 外資SPAが郊外SCにまで大量出店する中、かつて90年代の百貨店業界で起こったと同じ内外格差が切実な問題となりつつある。
 外資SPAは商業施設への出店条件が極めてシビアで、かろうじて漏れ伝わるところに拠る限り(契約内容や売上情報の守秘を契約書で義務づけている)、有力SPAなど家賃から共益費・販促費などオール込みの歩率一本で8%前後の攻防のようだ。当社の調査に拠る国内チェーンの平均は17.5%だから、その半分以下という事になる。「ユニクロ」もそんなものだと聞くから、グローバル勢の常識なのだろう。集客の目玉にしたい以上、そんな条件になるのもやむを得ず、空き区画が目立つ負けSCが起死回生を図って導入する場合など、歩率がさらに切り下げられるのに加えて半年間は家賃ゼロなどのおまけまで付く。
 売上が伴う限り、それも致し方ないだろうが、漏れ伝わる郊外SCでの販売効率は到底、そんな歩率では割りが合わないものだ。郊外SCでもコンスタントに三十数万円の月坪効率を稼ぐ「ユニクロ」はともかく、ファストな外資SPAはその半分程度だと聞く。
 問題は、外資SPAの法外な条件を飲む分、デベとしては全体の採算を確保すべく国内テナントの家賃にしわ寄せせざるを得ず、外資SPAの導入が増えるに連れジリジリと家賃条件が高騰している事だ。
 90年代の百貨店業界でも同様な外優内搾が進み、外資ラグジュアリーブランドが法外な優遇条件で売場を拡大する一方、国内ブランドは歩率の高騰と売場の圧縮に苦しんだ。スーパーブランドともなれば8〜10%の攻防に坪当たり200万円近い内装費の負担まで加わるが、月坪200万円以上の売上が確実に稼げるのだから何とか元は取れる。それに較べれば、外資SPAの販売効率は法外な優遇条件に到底、見合わない。
 目玉テナントが喉から手が出るほど欲しいデベにとっては交渉の余地もないのだろうが、販売効率の裏付けを欠く外資SPAを優遇する分、国内テナントの家賃に上乗せするのは如何なものかと思う。国内勢でも「ユニクロ」のように外資SPA並みの優遇条件を勝ち取っている者もあるのだから、販売効率を稼ぐ魅力的な業態を開発するのが先決だというご指摘ももっともだが、やはり腹に据えかねるものがある。
 外資SPAにとっては日本は笑いが止まらないほど美味しい市場だが、それを許している国内テナント企業の不勉強と不甲斐なさには怒りを通り越して悲しくなるし、不公平に目を瞑るデベの不見識にも失望を隠せない(ルミネなどJR系デベは外資を特別優遇していないのはご立派)。戦後70年にして未だ我が国は欧米の占領下に在るのだろうか。
 2014/06/25 09:15  この記事のURL  /  コメント(0)

ハイブリッドはいいね!
 車のバブリッド化は加速度的に進みBMWのi8なんてスーパーカーまで登場する過熱振りだが、我らファッション業界でも国の際を超えたハイブリッドブランドが注目される。
 このほど日本にも上陸した香港のバッグブランド「78%」はデザインはイスラエル人、レザーはイタリア、キャンバス地は日本の倉敷から取り寄せ、香港近くの中国で製品化しているそうだが、同一デザインでA4W/A4/A5サイズがあって、それぞれ20もの色と素材の組み合わせバリエーションがあり、中の収納がこれ以上は無いというぐらい親切に計算され尽くしている(スマホ入れがふたつ、UBSメモリー入れらしいものまである)。五月に新宿伊勢丹のメンズ館で目にして早速、二つ購入したが、色&素材とサイズを違えてもう二つ三つ手に入れたいと思っている。
 欧州のファクトリーブランドでも、デニムやパイルなどの綿素材は日本、レザーはトルコ、縫製はチェコやハンガリーなどの東欧、デザインと仕上げ加工はイタリアやフランスといったハイブリッドブランドが増えているし、ベンツやBMWだって多国籍生産の車種が増えている。ちなみに私の乗っている4MATICのEクラスワゴンもパワートレインはチェコで組み付けられていると聞いた。
 そんな世界のハイブリッド化に較べれば、我ら日本のファッション業界はコストを追求して中国、さらには南アジアと素材や工場を移動するか、国粋的に国内素材・国内工場にこだわるかで、合理的に世界の技と知恵をハイブリッドしようという柔軟性に欠けている。「78%」のバッグを手にして頭を切り替えてはどうか!
 2014/06/24 09:17  この記事のURL  /  コメント(0)

欧米コレクションは芸がない?
 早くも来年春夏のメンズコレクションが始まっているが、日々、ウェブで紹介されるランウェイのスタイリングは何れもフィットがシンプルに過ぎ、着崩しの芸がないように見える。
 別に今シーズンに限った事ではないが、メンズに限らずレディスも欧米コレクションシーンのスタイリングはギリシャ/ローマ以来の美意識がそうさせるのか病的な完成度追求がそうさせるのか、ボディとコスチュームの両極に振れるだけで、‘人が服を纏う’という間合いの感覚が欠けている。欧米モードの美意識はあくまで服の完成度と肉体の賛美という作る側の‘クリエイション’に在り、使う側の気分やライフスタイルで ‘身体と衣装の間合いを粧す’という‘ユーティリティ’の芸はほとんど視野にないからなのだろう。
 大正期以降は洋装が定着し戦後は和装が祝祭の場の民族衣装に追いやられて行った我が国だが、モードの欧米志向が強まり欧米ブランド/SPAが氾濫する中も、ストリートな若者たちや洗練された大人たちの着こなしには‘身体と衣装の間合いを粧す’着崩しの技が脈々と生きている。ストリートの若者がぎりぎりまでパンツを緩く落とし履いて意気がるのも、江戸後期の洒落者達が地味な縞や小紋の着物をぎりぎりまで合わせを浅くして‘小股の切れ上がった’着こなしを競ったのに通ずるものが在る。どちらも‘身体と衣装の間合いを粧す’着物文化がもたらす‘ユーティリティ’の芸だと思う。
 そんな事を今思うのは丁度、当社の来春夏『MDディレクション』のスタイリングテーマ設定が大詰めを迎えているからだ。欧米コレクショントレンド以前に、国内の各客層はどんな着回し方・着崩し方を志向しているか正確に掌握しないとトレンド情報を売れるスタイリングとMDに落とせないからだ。今春夏の国内スタイリング変化を見る限り、11年春夏から6シーズン(3年)続いたグローバル&モードシフトが終わり、14年春夏から恐らくは6シーズン続くローカル&ナチュラルシフトが始まったと認識している。そんな来春夏では作る側の‘クリエイション’より使う側の‘ユーティリティ’の比重が高まる。だから欧米コレクションのスタイリングが芸の無いものに見えてしまうのだろう。

  小股の切れ上がった色女(鈴木春信の「夕立」)
 2014/06/23 09:15  この記事のURL  /  コメント(0)

踊るデパート
 佐川男子が踊るCMが評判のようだが、デパート業界でも伊勢丹はTANTAN♪とリズミカルに踊っている。踊るCMと言えば武富士が元祖みたいで連想される事を躊躇する企業も多かったが、AKBとかHKTとか踊る若者集団の人気が広がるに連れ、元気なところを見てもらおうと‘踊る宅配便’‘踊るデパート’など踊るCMが増えて来たのだと思う。
 踊ると言っても武富士と佐川、伊勢丹では企業イメージも違うし、それぞれに企業特有のリズムがある。阪急なら宝塚風のラインダンス、高島屋ならワルツの輪舞、かつての三越なら東をどりとでもなるのだろうか。
 久方振りの消費景気に浮かれ過ぎという感もないではないが、80年代末バブル期のボディコンダンス狂乱は国民的に盛り上がったし、震災後昭和モダンのカジノフォーリーや東京音頭の狂乱とも繋がるものがある。狂乱のパーティーはやがてお開きになり、思わぬ暗転がやって来るものだ。80年代末バブル期の後には失われた20年の凋落、昭和モダン期の後には軍靴の響きが待っていた。
 2014/06/20 10:40  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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