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「マークイズみなとみらい」は難しそう
 18日火曜日の午後、蒸し暑い中を「マークイズみなとみらい」の内覧会に出かけたが、副都心線〜東横線が直通になったおかげで明治神宮前から乗り換えなしで37分、みなとみらい駅に到着した。
 「マークイズみなとみらい」は事前のプレスリリース通り、1Fは目玉のRHCロンハーマンとACTUSを両端のサブ核にセレクト系SPAとアウトドアブランドを揃えたライフスタイル感のある構成に仕上がっていたが、2Fはユニクロを核にやや量販ぽいカジュアルSPAや生活雑貨が脈絡無く並ぶ何ともフロア名を付け難い構成。3Fはトイザらスを核にキッズ関連や生活雑貨、ファミリーカジュアルSPAが散漫に並び(どれも集積が限られる)、4Fは東京ガスのショールームがほぼ半分を占めた残りがレストランとフードコート。おまけに肝心のみなとみらい駅から上がって来るB4Fはコンビニはともかく雑貨やコスメ、サービスが不自然に混在し、B2Fはほぼスポーツオーソリティに丸貸し、B1Fは中途半端な食品とフードサービスで構成と、目玉の1Fを除いてはストーリーと緻密さ(業種構成と集積密度)を欠く不動産屋的仕事に終わっていた。
 昇降導線も複雑で解り難く、地下フロアが魅力を欠く事もあってみなとみらい駅からの導入が弱く、2Fを主導線が流れるクイーンズスクエアとも繋がらず、1Fに魅力を集中した事もあって路面からの導入を前提としているようにしか見えないが、そんなお客さんは極めて少数派だと思う。みなとみらいは2Fコンコースが主導線で、何度来ても地上を歩いている人影は疎らだからだ。
 みなとみらい地区は足元人口の希薄さの割に商業集積が過大で、既存施設が低販売効率に苦しむ中、10年3月に開業したコレットマーレも苦戦し、「マークイズ」も低販売効率が危ぶまれていた。そんな状況下で三菱地所が面子を賭けて開発したのだから‘奇跡’を期待したのだが、力が入った1Fはともかく全体の構成とみなとみらい駅からの導線はベストにはほど遠い。初年度予算は250億円と発表されているが、当社の事前予測はそれに届かず、開業した構成を見た限りではさらに下回ると推察せざるを得ない。開業景気が去れば1〜2Fを除き客数不足が懸念される。



 2013/06/20 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

街の水着は還って来ない
 地軸が傾いて常夏の「第三新東京市」を思わせる激烈な夏がやって来るのだろうが、アベノミクスも期待はずれ気味の昨今、もはやギラつく太陽の下で若者が奔放な青春を謳歌した「太陽の季節」も「太陽はひとりぼっち」も「涙の太陽」も「街の水着」も還っては来ない。
 元東京都知事の青春は「太陽の季節」だったのだろうが、私の青春はモニカ・ヴィッティの「太陽はひとりぼっち」やエミー・ジャクソンの「涙の太陽」、弘田三枝子の「涙のドライヴ」で始まり、荒井由実で終わったと記憶している。そんな60〜70年代のギラつく太陽の季節が商業化を極めて燃え尽きたバブルな80年代末期を象徴する風俗現象が「街の水着」と「お立ち台」だった。
 「お立ち台」は超ミニ丈ボディコンドレスのギャル達がディスコ音楽に乗って羽扇子片手に薄い光沢パンストから透けるTバックをこれ見よがしにチラ見せした時代風俗として知られるが、「街の水着」はバブル末期の夏、ギャルファッションに転じた渋谷109周辺に集まるギャル達がビキニ水着に僅かな衣料をまとってビーチのごとく渋谷の街を闊歩する様を、今は国会議員に転じた流行作家の田中康夫氏が揶揄したものだ。
 敗戦からの長い復興期を象徴した「太陽の季節」がバブルとともに去って「失われた20年」の果て、最後の希望たるアベノミクスまで欧米ヘッジファンドにいいように鴨にされて色褪せていく落日の敗戦国に、まさか「街の水着」は還って来ないでしょう。今時、そんな格好で渋谷の街を闊歩すれば交番に連行されかねませんが、「太陽の季節」を知る世代はアベノミクスにそこまでの勢いを期待したくなるのです。
 2013/06/19 09:25  この記事のURL  /  コメント(0)

地軸が傾いた?
 まだ6月も半ばだというのに真夏のような蒸し暑さが恨めしくなるが、最近の気象推移は旧来の秋津洲の暦とは大きく乖離した感がある。実際、夏は暑く長く冬も寒く長くなって狭間の秋や春が駆け足で過ぎて行き、四季の趣が薄れていくのは浅ましいだけでなく、衣料や食品のMDや在庫運用にも無視し難い影を落としている。現実的な対応としては、春夏期は夏物を引き摺らず晩夏物を大きく仕掛けて旧盆まで引っ張る、秋冬期は冬物を引き摺らず梅春物を大きく仕掛けて一月投入の日本的クルーズにバトンタッチする、というのが基本だと思う。
 春秋が短く夏冬が長く厳しい最近の四季の移ろいは亜熱帯に近い古来の日本と言うより緯度の高い欧州型で、地軸が傾いたんじゃないかと疑いたくなる。先日も某大手百貨店の役員の方が『地軸が傾いたのでは?』とシーズンMD変化の実感を語っておられたが、毎朝見ていると太陽が昇る方角が異様に北にズレており(東ではなくかなり北東)、地軸の傾きの変化が実感される。心配になってネットで検索するとNOAA(アメリカ海洋大気局)が北極点の加速度的移動を報告しており、米国の研究者は07年夏至以降、地軸が26度も傾いたと警告しているではないか。NASAや気象庁は公式に認めてはいないからネット上の流言飛語の類いと打ち捨てても良いのだが、毎朝の日の出を見る度に地軸の異変を疑ってしまう。
 元々、地軸は太陽に対する公転軸から23.4度傾いており、それが四季の変化をもたらすのだが、一般の人が日常生活で気付くほど地軸の傾きが変化すれば四季は激変し、遠からず破滅的な天変地変がやって来る。いずれNASAや気象庁が「不都合な真実」を公表する日が来るのだろうか。
 2013/06/18 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

性善説が裏切られては・・・・・・
 当社では様々な商業施設をほぼ開業一年前に検証して売上を予測し、テナント企業の出店判断に役立て頂いているが、稀とは言え近年、予測売上を極端に下回る商業施設が出て来て困惑している。立地や競合関係、施設の規模や構成から緻密に計算する当社の売上予測は郊外SCでは3%以内の精度を確立しているが、ターミナル施設では戦略や構成の善し悪しで予測から大きく上下するケースがある。上にズレるのは良いのだが、大きく下回るようだとテナント企業など関係者の利害を損ないかねない。
 当社の予測は『開発関係者はベストを尽くす』という性善説に立っており、極端な失策や手抜きは想定していない。そこまで想定すれば予測売上が下ブレしてしまい、『シビア過ぎる』と開発デベからブーイングが出かねないので、『開発関係者がベストを尽くせばここまで売れる』という数字を出すようにしている。しかし、近年の新規開業施設の中には、明らかな商圏の見間違いや絵空事の企画倒れ、業種業態の重複や欠落、スカスカに手抜いたテナント配置や安易に妥協したリーシングなど、ベストを尽くさず詰めが甘く、酷い構成となって予測売上(もちろんデベの目標売上も)を大きく下回るケースが見られる。
 『プロなんだからベストを尽くす』と外野は思うのだが、開発期間や投資損益の制約、関係企業や親会社の利害、さらには組織内の面子の立て合いや足の引っ張り合いなどが絡めば企画は迷走し、釦の掛け違いがじりじりと広がってリーシングも混乱し、素人でも酷いと解る構成になってしまう。『そんな障害を超えて着地させるのがプロでしょ!』とは思うが、誰もが謙虚に学んで誠実に職務を遂行する‘善人’という訳でもない。面子や慢心に流れたり平目君を演ずれば、いとも簡単に‘ベスト’から乖離してしまうから、デベ関係者は慢心を戒め誠実に研鑽してベストを尽くして欲しい。
 当社も予測精度を疑われては困るから、そんな‘前科’のあるデベの開発する施設はリスクを割り引いて売上を予測せざるを得ないが、さすがに企業名は明かせない。日々のブログから想像して頂くしかないでしょう。
 2013/06/17 09:26  この記事のURL  /  コメント(0)

あべのハルカスとMONKI/WEEKDAY
 月曜は「あべのハルカス」のプレス内覧会に出かけたが、公開されたのはタワー館の2F以上で1F以下もウィング館も工事中で入れず、意外にコンパクトな空間に拍子抜けしてしまった。かつての大丸心斎橋北館や昨年の大丸東京店にせよ、未完成な段階で部分的にお披露目するという関西人の感覚は東京人には理解し難いものがある。
 そのタワー館にしても、婦人服/紳士服とも大手アパレルのNBが立派な箱を並べる密度感も鮮度も無い超コンサバな構成にまた拍子抜け。伊勢丹本店に較べれば密度は四分の一にも満たず、時代感覚は20年はズレている。「あべのハルカス タワー館」のスカスカ感と新鮮ブランドの欠落は大阪駅の「JR大阪三越伊勢丹」を見るようで、プラザ館を刷新したお向かいの「天王寺MIO」が「ルクア」に見えてしまう。あべのの一番店たる近鉄なら、もっと新鮮ブランドを集積出来たはずで、市場認識とマーチャンダイジング技術の格差を見る思いがした。
 ついでに戎橋の「MONKI」と「WEEKDAY」もチェック。「MONKI」はポップなミックス感が売りのストリート系ファストファッションで、価格は「H&M」とほぼ同じ。「WEEKDAY」は自社ブランド複合に一部、セレクトも加えたハイストリートストアだがモノトーン中心でソリッド感が強く、大阪では享けないと思った。価格は「MONKI」より一割強高めで、メンズはさらに一割高く、セレクトブランドは一回り高価格だ。
 「タイガー」の人気沸騰に触発されてか欧州ブランドが大阪を初上陸地点に選ぶケースが増えているが、大阪は独特のコテコテミックス好みと時間が止まったようなコンサバ好みの両極が並存する特異なローカル市場であり、大阪で享けても全国市場で受け入れられるとは限らない。テストマーケティングには不向きな市場だと思うのだが・・・・・・
 2013/06/11 13:27  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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