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バギー族殺到
 ジュンがモデルの梨花さんをディレクターに起用して4月12日に代官山駅前に開業した「メゾンドリーファー」に、梨花さんのライフスタイルに憧れるバギー族が殺到している。開店直後は来店客の殺到で整理券を発行して入店を制限する騒ぎが続き、当社のコーディネーターも入店を諦めて帰って来たほど。そんな開店景気も一巡した今週の平日、ようやく店内を覗く事が出来ました。
 ビルの1〜2階に位置するものの店内は部屋毎に区切られたハウス感覚で、二階はカフェになっている。一階のブティックはリビング、ダイニング、ベッドルーム、子供部屋などで構成され、ナチュラルなリラックス感で統一されている。ベッドリネンやルームフレグランスなど生活雑貨が過半を占め、衣料品はセレクト主体で、オリジナルの「リーファー」はホームウエアとディリーウェアがラック3〜4本というささやかな展開。予約制のウエディングサロンではドレスのセミオーダーを受けるそうだが、ライフスタイルブランドだけに主役は生活雑貨とホームウエア。そんな世界に共感するアラサーのバギー族が殺到し、子供を乗せたバギーが狭い店内に溢れて混雑を過熱させていた。そんな混雑を回避するためか、店頭右側のオープンスペースをバギー専用駐輪場にしていたのが目を惹いた。
 「メゾンドリーファー」に限らず、最近は生活雑貨主体で衣料品がおまけのようなブランドが急増している。渋谷ヒカリエの四階、五階にはそんなブランドが幾つも並んでいたし、B1Fの百貨店的コスメとは別に1Fをナチュラルコスメのフロアとしていた事が印象的だった。20年続いたデフレを脱して衣料消費は回復基調にあるとは言え、消費マインドはファッションよりライフスタイルに移り、よりナチュラルでリラックスしたマインドを志向しているように思われる。
 2012/04/27 10:11  この記事のURL  /  コメント(0)

掲載を断念
 シンクスの内覧会で撮って来た写真をひとつひとつ確認し全館のフロアレイアウトを検証した結果、今回は雑誌への掲載を断念する事にしました。百貨店ともファッションビルともつかない中途半端な構成もともかく、衣料品では絵になる店舗も話題性のある店舗も限られ、カラーページの構成が困難だったからです。生活雑貨関連ではザ・コンランショップキッチンとかオクタホテルとかまだ目玉があるのですが、衣料品では話題性があって絵になる店舗が見当たらなかったのです。
 話題性もともかく「絵になる」店舗が見当たらなかった要因として、シンクスがファッションビルではなく百貨店型の環境を志向してインショップ的な内装規制をかけた事が挙げられます。このためテナントショップがファサードや壁面上部を構成出来ず、絵になるビジュアルを創り難かったと推察されます。同じ指摘は大丸の心斎橋北館にも言えますから、百貨店とファッションビルのハイブリッドって技術的にも何かと難しいようです。
 ハイブリッドは異なる業態間のいいとこ取りを志向するものですが、過去の実験を見る限り、過渡期の役割に終わって新たな業態として確立出来ないケースがほとんどでした。逆に言えば、「過渡期の役割」に徹してこそ面白いのであり、短期間の営業を前提とするのでない限り、お勧め出来る手法ではありません。渋谷を再生する文化拠点たるヒカリエの商業施設がそんな中途半端なもので良かったのか、あるいはもっと徹底して実験的な構成であるべきだったのか、議論されるべきだと思います。その意味でも、開業寸前まで構成をかたくなに守秘して事前の評価や論議を拒否した姿勢には疑問を感じます。渋谷を魅力的な街に再生するには、もっとオープンな議論が必要なのではありませんか!
 2012/04/26 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)

極秘計画を開けてみれば
 徹底した箝口令を敷いて極秘で開発を進めて来た渋谷ヒカリエのシンクスがようやく鋼鉄のベールを脱いだが、開けてみれば百貨店とファッションビルのハイブリッドでしかなかった。
 副都心線の改札を出て地下三階から入ると、そこは疑うべくもないデパ地下食品の世界。これが地下二階まで続き、地下一階はそのまんま百貨店の化粧品フロア。一階はちょっと駅ビルっぽいナチュラルコスメの集積で、化粧品関連がツーフロア続く。二階は百貨店の洋品雑貨売場を核に服飾雑貨と化粧品などのテナントで構成されており、帽子売場にはCA4LAが組み込まれていた。三階四階はファッションビル的なテナント構成で衣料品主体のフロアとなっているが、三階のシューズ平場にはオデット・エ・オディールやダイアナ・ロマーシュが組み込まれていた。五階はまったくのファッションビル的生活雑貨テナント構成だったが、ザ・コンランショップ・キッチンやオクタホテルなどは目玉テナントなのだろう。二〜五階は総じて百貨店的オープン環境下にテナントショップが並ぶという、内装規制的にもハイブリッドが志向されていた。
 地下三階から地上一階までが百貨店、二階以上はファッションビルというハイブリッド構成と総括されるが、善し悪しは別として二階三階の一部でテナントブランドを平場に組み込む試みが見られた事は面白い。ただし、百貨店ともファッションビルとも見定まらない1万6000平米の商業施設が安定した集客が出来るかどうかは相当なギャンブル。みなとみらいクィーンズイーストの前歴がある東急百貨店だけに、雑貨軸クロスMDを駆使してファッションビルに百貨店的アイテム平場を組み込んだシンクスの解り難さは不安要因だ。
 開けてみれば、たったこれだけのハイブリッド構成に過ぎなかったのかと思うと、何の為にあれほど極秘に徹したのか理解に苦しむ。解り難い構成をますます解り難くしただけだと思うのだが・・・・
 2012/04/25 09:26  この記事のURL  /  コメント(0)

JR三越伊勢丹の再生は神々の領域
 ルクアとJR三越伊勢丹の年度末(三月末)までの売上が確定したが、ルクアが250億円の予算に対して36.4%積み増しの341億円、JR三越伊勢丹が550億円の予算に対して56.3%に留まる310億円となった。どちらも五月四日の開店だから、年間トータルなら日割り計算でルクアは375億円、JR三越伊勢丹は340億円前後が年間売上になるはずだ。そこから坪効率を読むと、ルクアは619万円、JR三越伊勢丹は224万円と三倍近い(2.76倍)開きがある。
 ルクアが大幅積み増しでもJR三越伊勢丹の未達額があまりに大きく、両者合計売上は予算の800億円に対して実績650億円と150億円もショートしている。どちらも同じJR西日本の投資事業だからJR三越伊勢丹を何とか浮上させないと収支計画に響いて来る。とは言え、百貨店の弾(ブランド)は阪急と大丸で使い切られ、駅ビルの弾もグランフロント大阪で出払ってしまうから、もう売場を構成しようにも使える弾がない。それでもJR三越伊勢丹を立て直して150億円のショートを埋める事が出来るとすれば、それはもう神業の世界だ。さすがのプロフェッサーも策が見えないから、もはや神々の領域なのだろう。
 2012/04/24 09:08  この記事のURL  /  コメント(1)

享楽的消費回復のシナリオ
 三月の都内百貨店売上は前々年比で若干の未達、婦人服は98、紳士服は103ぐらいが実勢だったと推計されるが、四月はもう少し上向いているようだ。加えて3.11以降、客数はともかく客単価は安定した伸びを継続しており、年率5%強というインフレは衣料消費の20年振りの底打ちを明示している。
 振り返ってみれば3.11以降、ランジェリーショップの活況や紳士服の回復など説明のし難い消費の盛り上がりが断片的に見られたが、此処へ来てそれらの点がつながって面の広がりになろうとしている。経済は底這い状態で一段の空洞化と衰退が避けられないというのに、消費は何故、回復基調を強めているのだろうか。私は日本の経済と消費の関係が米国型に変質しつつあると予感している。
 米国は経済が衰退して行く中も三つ子の赤字を垂れ流して借金を重ね、消費だけは勢いを保って来た。すなわち、貿易赤字、財政赤字、家計赤字の三つ子、近年はこれに所得収支の赤字が加わって経常収支まで赤字転落して四つ子の赤字となり、巨大なギリシャと化している。日本は米国に較べるとまだ健全なバランスを保って来たが、2011年度は震災もあって31年振りの貿易赤字に転落し、震災以降の空洞化加速や原発停止による燃料輸入増大を考えると12年度以降も貿易赤字が定着する公算が高い。財政は既に大幅赤字であるから、これで家計赤字が揃うと米国型の三つ子の赤字構造に陥る。
 米国では家計がほとんど所得以上に消費し続けて経済のバランスを保って来たが、日本では年金などの将来不安から貯蓄性向が高止まりして消費が抑制され経済が停滞して来た。しかし、客観的に見れば社会保障の手薄な米国はもっと将来不安が大きく、裏付けの無い楽観が消費を拡大して来たと言うしかない。日本人がそんな楽観的な消費に走る事はないと思われて来たが、震災後の一部の突出した消費を見るにつけ、31年振りの貿易赤字転落という現実を見るにつけ、想像を超えたターニングポイントが来ているという予感がする。
 将来不安の果てに大震災に直面して人生観が一変し、家計収支がほとんど赤字になっても日々の消費を楽しみたいという人々が増えているとしたら、もしかして米国型の三つ子の赤字(当分は双子の赤字)を垂れ流しての消費拡大という享楽的なシナリオが見えて来るのかも。米国に較べればまだまだゆとりのある日本ですから、仕掛け方によってはすごい消費が盛り上がるのかも知れませんネ。
 2012/04/23 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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