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ユニクロ指数
 日経金曜夕刊のコラム「ウォール街ラウンドアップ」で「ユニクロ指数」なるものが紹介されていた。それによると5番街に開店したユニクロの価格は連日最高値を更新している円相場と違わず、1ドル=76円で日本国内価格と米国価格がピッタリ一致するそうだ。ちなみにヒートテックの紳士長袖Tは19ドル90セントだが、同レートで換算すると1512円で日本価格の1500円とほぼ同じ。軽量ダウンジャケットは79ドル90セントだが、これも同レートで6072円と国内価格の5990円と1%しか違わない。ユニクロ製品を基準にみる限り今のドル円相場は釣り合っている。各国で微妙に異なる「ビックマック指数」より世界同一仕様の「ユニクロ指数」の方が信頼度が高い。と報告していました。
 これは「ユニクロ指数」の信頼度が高いと言うより、ユニクロが戦略的に低価格を設定しているというのが正確でしょう。事実、そのコラムでも990円ジーンズは9ドル90セント(同レートで752円)の出血価格だったと伝えています。米国から日本に進出したアバクロが米国価格の倍近いバブルプライスを付け、あのギャップさえ大差ない法外価格を付けているのに対し、ユニクロの米国価格は極めてフェアプライスと評価すべきです。とは言え日本と同価格では38%と推計される国内での原価率を数ポイント上回るはずで、高額なマンハッタンの家賃を負担して収益を確保するのは大変なギャンブルになりかねません。柳井さんは余程の自信があるのでしょう。
 アェアプライスなのは米国だけではありません。急拡大している中国でもユニクロの価格は日本価格に10%程度乗せただけで、やたらと経費がかかる中国で採算が採れるのかと心配になりますが、営業利益率はうなぎ上りで国内水準に近づいているとか。詳しく調べた訳ではありませんが、他のアジア諸国でもユニクロは大差ないフェアプライスを付けているようです。ご立派と言うしかありませんネ。
 実はそのフェアプライスが中国やアジアでの急成長の原動力になっているのです。以前にも「チャイナシンドローム」と紹介したように中国やアジアのブランド商売は割高な掛け値を付けて煩雑に値引き訴求するのが定石で、原価率は16〜18%程度と吹っ掛けています。そんなアジアで原価率38%という真摯なフェアプライスを付けたユニクロは例外的な「フェアマーチャント」(誠実な商人)と認められ、一気に市場の支持を獲得したのです。今や中国ではユニクロの品質と価格がデフェクトスタンダードとなり、フェアか否かの目安にさえなっているようです。日本式の誠実商法がアジアはおろか世界中で評価されるのは嬉しい限りです。
 2011/10/31 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

ルミネ有楽町は東京ローカル等身大
 昨日の午後一でルミネ有楽町のプレス内覧会があり、注目の全貌を目にする事が出来ました。その第一印象は『東京ローカルの等身大』。テナントリスト公表段階でサプライズの無い事は解っていましたが、実際に見た印象は東京ローカルのお姉さん/お兄さんのちょっと上質な等身大そのもので、ルミネの実績テナントを中心に日常のライフスタイル提案を加味した手堅くコンサバなものでした。あのルミネがやるんだから目新しいテナントが続々!と期待した向きには肩透かしもいいとこでしょうが、西武百貨店が一度も黒字にならなかったというあの高家賃ビルで確実に売りを取って家賃を稼ぐには実績テナントで手堅くまとめるしかなかったと推察されます。
 ちなみに初年度の売上予算は200億円(西武の末期はピーク時半分の138億円)と発表されていますから、坪販売効率は584万円と新宿ルミネの8掛けに見ている計算になります。ルミネの歩率賃料から推察される営業収入と西武時代の支払家賃を比較すれば180億円が営業損益の分岐点ですから、初期投資や開業宣伝費を考えれば200億円ではかつかつで、本音はもう少し上を狙っているのでしょう。
 目玉と言えばLAライフスタイルセレクトの「ロンハーマン」と尾道発のローカルエレガンスセレクト「PARIGOT」ぐらいですが、前者は既に玉川高島屋SC、神戸BALにあって11月にはテラスモール湘南にも出店する状況でインパクトは薄く、後者もローカルならではのブランドミックスが東京で鮮度があるか極めて疑問です。何かと鮮度とシャープさが問われる都心商業施設では、どちらもミスマッチに思えるのですが・・・・
 お隣の阪急が『世界を舞台に活躍する男のジェットセッタースタイルストア』と大見得を切って目一杯バブリーに背伸びをしアジア全域を狙っているのに対し、ルミネ有楽町は『ちょっと大人の上質ライフ』をテーマに東京ローカルの等身大に徹して手堅く稼ごうとしています。この対極的な戦略を採る両者が並ぶ様はまさしく有楽町・銀座商圏の二面性を体現しているのではないでしょうか。
 2011/10/28 09:38  この記事のURL  /  コメント(0)

いざルミネ有楽町へ!
 明日開催する月例のSPAC研究会の準備に加えて某ブランドの市場戦略検証やVMDクリニック、雑誌の座談会やクライアントとの打ち合わせが重なって時間が無く、ブログを書く暇がありません。早朝のVMDクリニックを終えて午後一番でルミネ有楽町のプレス内覧会へ出かけるまで、ちょこっと時間が取れたのでMacBookに向かっています。ルミネ有楽町取材の後は池袋に回ってクライアントの店頭をチェックし、オフィスに帰って某TV局のインタビューに対応します。その合間に明日のSPACレポートを読み込み、論展シナリオを整理しておきましょう。
 今日の本命はもちルミネ有楽町の取材で、レディス/メンズのスタッフを引き連れて出陣します。テナントミックスを見る限りサプライズはあまり期待出来ませんが、飛ぶ鳥落とすルミネのやる事ですから何かサプライズがあるはず。じっくり拝見させて頂きましょう。いざルミネ有楽町へ!
 2011/10/27 11:52  この記事のURL  /  コメント(0)

カワイイTVは中国に燃える
 日曜の夕刻、ちょっとTVを点けてみたらNHKの東京カワイイTVで「アフター中国ドリームプロジェクト」と題して9万人が挑戦する中国最大のモデルコンテストを密着取材していました。日本からも唯一、咲元エリちゃんが参加していましたが、中国のモデルさんたちも結構可愛かった。プロポーションはいいのにウォーキングとポーズがいまいちの慣れてない娘が多かったけど、磨けば光りそうな娘がいっぱい。KARAの娘たちも結構カワイイし、アジアは一体というか、何でもアジアと競争しなければならない現実を改めて痛感させられました。
 今週末(土曜日)のカワイイTVは「白熱!中国‘可愛い’ウォーズ」。上海のショッピングモールに潜入してアゲハ系からエロカワ系まで上海カワイイファッションとメイクを徹底紹介するとか。あのTOKYO PANDAさんも出るそうです。11月初めに上海出張を控えるプロフェッサーとしては必見なのですが、何せ深夜23時からの放送ですから朝型のおじさんにはキビシー。「アフター中国ドリームプロジェクト」も再放送だから見れたので、210円払ってオンデマンドで見る事にしましょう。
 それにしても、もはやアジアは一体で、日本に引っ込んでいたらホント置いて行かれそう。老体に鞭打って来月初は上海、月末はシンガポールに出かけます。『俺も行くから君も行け満州へ』ではありませんが、若者は大東亜の未来に賭けるしかありませんネ。
 2011/10/25 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

7%になりました
 久しぶりに新宿某百貨店で買い物をしたら割引率が7%に落ちていました。春までは10%だったのに、7月からの年度更新で7%に格下げされたのでしょう。夏の間は軽井沢のアウトレットばかりで都心の百貨店に行く事もなかったので、まったく気付きませんでした。何せ、新宿某百貨店からはルン妻ご愛顧のドルチェ&ガッバーナが逃げ出すわ子息ご愛顧のY−3も靴売場から消えるわ、私が買いたいブランドの品揃えは皆、去年の残り物のようなコンサバ商品ばかりと、買うに買えない状況でしたからやむを得ないでしょう。
 それにしても、新宿某百貨店からはどうして人気ブランドが逃げ出すのでしょうか。まず、販売効率を追うあまりブランドを詰め込み過ぎてひとつひとつのブランドの品揃えが薄く、入門時はともかく慣れて来ればブランドの直営店に客が流れてしまう。下手に編集するせいかブランドの顔が見え辛く品揃えも限定され、欲しい商品が見つけ難い。要は百貨店側の思い込みの編集でブランドの魅力が削がれてしまい、顧客が欲求不満になってブランドの直営店に流れてしまう悪循環でブランドの撤退が止まらないという事なのだろう。新宿ではある程度ブランドを引き止められても大阪ではライバル百貨店の締め付けもあって悉く人気ブランドに逃げられたという結果を見ても、某百貨店のブランドの詰め込みと編集志向が壁に当たっているのは明らかだ。
 それでも百貨店側は自分の編集力を過信しているから、ブランド側の意向を圧殺して退店に至ってしまうケースが出て来る。それで迷惑するのはブランドの顧客で、直営店に流れるしかない。直営店はインショップに較べて品揃えが豊富でブランドの世界が徹底表現されているが、立地が不便で百貨店のような割引もない。どっちが良いかは顧客が決める事だが、百貨店が人気ブランドを結果的に追い出す風潮は迷惑な話だ。
 2011/10/24 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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