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VMDの王道へ回帰せよ
 以前から業界のVMDはディスプレイに流れて『MDを展開訴求する』という本質から乖離する傾向があったが、ファストファッション上陸以降はその派手なディスプレイに煽られてチャラチャラしたディスプレイを競うばかりで、MDの組み立てもその陳列表現も崩れっ放しだ。ナチュラルテイストのブランドが赤や黒に塗ったマネキンに金髪のウィッグを乗せて意気がるなど、笑えない戯れ事があちこちで見られるが、ビジュアルマーチャンダイザーと言われる専門家がそんな仕事を競う様は文明の退化としか言いようない。
 『MDの水平的/時系列的展開計画を店内のレイアウトと陳列に表現して出前/LP/IPで購買誘導し、投入サイクル毎に再編集して在庫を計画的に回転させて行くのがビジュアルマーチャンダイジングの王道で、配分・投入・店間移動などのロジスティクスと同期する実務体系だ』と訴えるのは私ぐらいなもので、はっきり異端児扱いされて来た。しかしながら欧米の大手SPAはベーシック系はデジタル型/モードトレンド系はアナログ型という違いはあっても、大半がこのようなVMD体系で運用されており、中国で急速多店化している韓国系や香港系のSPAも同様なVMD体系を確立している。ちょっと大味で粗っぽいが、ユニクロもギャップと同じく棚割り商品企画を軸としたデジタル型ロジスティクスVMDの典型だ。
 日本では異端なのかも知れないがSPAのMD展開には不可欠な技術体系だから、私は何が何でも業界に広めようと悪戦苦闘して来た。その集大成として10月6日に開催するのが
COOのための組織ぐるみロジスティクスVMDゼミ』なのです。この機会に是非とも真剣に学んで欲しいものです。
 とは言え、私はディスプレイを否定するものではありません。VMDの仕上げとして、あるいはブランディングのメッセージとして、不可欠な商業美術の華だとさえ思うのです。H&Mやフォーエバー21のチャラチャラしたディスプレイは頂けませんが、ヘンリー・ベンデルやバーグドルフ・グッドマンのディスプレイには芸術性さえ感じます。商品展開を適確に表現するVMDとブランドのキャラをメッセージするディスプレイが揃ってこそ、売上もブランドイメージも向上するというものでしょう。

 2011/08/31 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

ファストリが朝7時始業に
 今朝の日経に拠ると、ファーストリテイリングは9月から就業時間を二時間前倒して午前7時〜午後4時にするそうだ。アフターワークの時間を自己育成の学習に使ってもらうためとしているが、早朝のプレワークタイムを有効に使っている人も多いから、一方的な屁理屈としか聞こえない。そもそも柳井さんは還暦過ぎの高齢で早起きなのは解るが、夜型の若い社員や遠隔地から通勤している社員にとってはブーイングもいいとこだろう。
 柳井邸は我が家と同じ通りの斜向かいにあって毎朝、私がスヌーピーお嬢ちゃんのお散歩に出かける頃、柳井さんが黒塗りのレクサスで出かけて行くから、6時35分に出て7時から早朝会議の指揮をとっているのでしょう。私なんか、5時起きでも表参道の会社に着くのは8時を過ぎてしまいますから、柳井さんはいったい何時に起きているのでしょうか。
 運転手付きのレクサスで20分ほどでミッドタウンの本社に着ける柳井さんは良いとしても、遠くから通勤している社員は相当に早起きしないと間に合いませんし、共稼ぎ夫婦のすれ違いや子供の通学などで途方に暮れる社員も少なくないでしょう。ちょっとワンマン過ぎる決断だと思いますが、そんな極端なリーダーシップがファーストリテイリングの奇跡を実現して来たというのも事実なのです。善くも悪くも柳井さんは戦国武将的な異次元の経営者なのだと改めて思い知らされました。民主的な政治では国難は乗り切れないのかも知れませんネ。
 2011/08/30 09:21  この記事のURL  /  コメント(0)

サプライズが続きますネ
 先週末はサプライズな社長交代のニュースが飛び込んで来ました。9月1日付けでオンワードホールディングスの水野健太郎社長が代表権のない副会長に退いて広内武会長が社長を兼務し、水野氏は事業会社のオンワード樫山の社長も退いて若干43才の馬場昭典常務執行役員が社長に昇格するというものです。皆さんも新聞報道を見てびっくりされた事でしょう。
 オンワードの社長は05年3月に就任した上村茂氏が「健康上の理由」で任期途中で退任し、代わって就任した水野健太郎氏も任期途中で交代する事になります。上村茂氏も末席常務からの抜擢でしたが今度の馬場昭典氏も先輩取締役達を飛び越しての抜擢ですから、38歳の最年少取締役から抜擢された現名誉会長の馬場彰氏が同社を百貨店アパレルのトップ企業に発展させたサプライズの再現を期待してしまうのでしょう。それだけオンワードの社長は大きな期待を背負う重責であり、任期途中での交代が続くという結果となったのかも知れません。ちなみに馬場昭典氏はオンワードホールディングス取締役副社長の馬場和哉氏同様、現名誉会長の馬場彰氏とは姻戚関係はありません。たまたま同性というだけです。
 上村茂氏は「23区」などの開発に携わった開発畑でしたが、水野健太郎氏は支店長などを歴任した営業畑、そして新社長の馬場昭典氏は「23区」や「ICB」を担当した企画畑ですから、オンワードの経営リーダーは再び開発畑に戻る事になります。それだけ今日の状況は国内も国外もブランド開発力、商品開発力が問われているのでしょう。
 それにしても最近はサプライズな人事が続きますネ。昨年3月のポイントの石井社長の退任にもびっくりしましたが、今回のオンワードの社長交代も相当にサプライズです。東京スタイルとサンエーインターナショナルの経営統合劇も衝撃的でしたが、某大手アパレルと某大手アパレルにも合併の噂が出ていますし、まだ未公表な情報ですが某大手アパレルでもサプライズな・・・・・・
 2011/08/29 10:23  この記事のURL  /  コメント(0)

ファストファッションの呪縛を断ち切れ
 今日は夕刻からSPAC研究会の半期に一度のビッグコンベンションを開催します。ODMとQRに終始して同質化と値崩れの悪循環に陥ったばかりか、ファストSPAに影響されて商品展開もVMDも浮ついてブランドのアイデンティティを損ない、運営コストと値下げロスの肥大を調達原価の切り下げで穴埋めして品質とバリューを瀬戸際まで下落させて来た付けが3.11以降、一気に露呈したSPA業界に、原点回帰の戦略転換を迫ります。
 グローバルSPAとて同様で、低調達原価率の水平分業でファストなMDを展開するH&Mに急ブレーキがかかる一方、高調達原価率の垂直統合で計画MDを展開するユニクロの優位が際立って来ました。時代はファストな短サイクル水平分業から時間をかけて丁寧に開発する垂直統合へ、原価率を切り詰め高マーケティングコストで暴利を貪る厚化粧商法から高原価率低マーケティングコストで良品を安価で提供する薄化粧商法へ、大きく転じつつあるのです。
 H&Mが上陸した08年9月を契機に加速した衣料品の低価格化とMDのファスト化の流れが3.11と前後して大きく反転し、人々はファストの悪夢から醒めて良い品を選んで大切に使う質実な消費に転じ、株式上場アパレル専門店企業14社の平均客単価は7ヶ月連続して前年を上回っています。未だファストファッションの呪縛を断ち切れない事業者は一刻も早く目覚めるべきでしょう。
 2011/08/26 10:04  この記事のURL  /  コメント(0)

109にロンドンガール旋風
 コーディネーターの秋物立ち上げ報告を見ると、レトロクラシック、レトロモダン、バナルレディといったレトロスタイルやウェスタン〜ノルディックなカントリースタイル、楽ちんなゆるピタスタイルが氾濫する一方、109中心に60’SモダンからUKパンクまでロンドンガールスタイルが一気に台頭している。セレクトやグローバルSPAの一部にもロンドンガールスタイルが散見されるから、トレンドの一端を担っているのだろう。
 ファストファッションに振り回された挙げ句に駅ビルOLトレンドや渋原カジュアルトレンドと同質化し、秋立ち上げでもOLっぽいレトロクラシックやロマンチックバナルが目立っていた109だが、活きのよいロンドンガールスタイルが広がればギャルっぽさを取り戻してくれるかも、などと期待してしまう。いくら落ち目とは言え、109はアジアのファッションキャピタルたるトーキョーの宝ですからね。9月に入って新ブランドと秋物が出揃ったらじっくり見定めに行きましょう。
 2011/08/25 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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