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究極のプライベートオリジナル
 先週末、オフィスに製品が詰め込まれたパッキンが送られて来ました。中身は10ダースのプライベートオリジナル・スポーツブリーフでした。
 振り返れば11月から何度も素材を取り寄せサンプルを検証して試作を繰り返し、ようやく仕様を決定して量産の発注をかけたのが震災のほとぼりも覚めやらぬ三月末。そこから震災で混乱する縫製工場の仕掛かり枠を確保して量産に取りかかったものの、納品は連休明けの週末になってしまいました。製品を開発するというのは結構、大変なんですネ。素材段階の風合いや物性が必ずしも製品サンプルと一致せず、洗いをかけたり縮めたりして風合いやフィット感を探るうちに何度もサンプルを作成してもらう羽目になり、結構手間取りました。物作りの現場のご苦労がほんの少し解ったような気がします。
 男のこだわりと申しますが、絶対に妥協出来ないのが下半身を包むブリーフではないでしょうか。90年代始め頃に気に入っていたCKカルバンクラインのスポーツブリーフが廃番になって久しく、世界中のデッドストックを漁って近年まで持たせたものの、それらも擦り減って日々の用途に貧するようになり、ついに業界人の宝刀を抜く決断に至ったのです。昨年春頃から、もはやプライベートオリジナルを開発するしかないと思い詰め、業界の伝を当たって製品を開発してくれる業者に辿り着いたのが昨年の11月でした。
 綿100%30/2天竺の杢グレーと定めて、ヒップの深さやレッグの切れ込みにこだわり、ようやく完成したスポーツブリーフはまさしく究極のプライベートオリジナルとなりました。10ダースもあれば残りの人生で不足する事もないでしょうから、まさしく一生ものという事になりますネ。久方ぶりに満足感というものを覚えました。
 気難しい親爺の注文に応えてくれた澤村株式会社の岩本さん、政平さん、ご紹介頂いたアパレルウェブの千金楽さん、みなさんの御蔭です。
 2011/05/17 09:03  この記事のURL  /  コメント(0)

初夏はボーイッシュに
 雨が上がった爽やかな初夏の朝、野球帽にショートパンツのボーイッシュな女の子がスポーツサイクルで颯爽と駆け抜けていきます。コンパクトなヘッドとヒップが少年ぽくて可愛いなと振り返りますが、あっという間に小さく遠ざかってしまいます。いろいろありましたが、ようやくいい季節になりましたネ。
 春先に氾濫していたフリルや花柄のスウィート/ガーリールックが、初夏になると何時の間にかシンプルで爽やかなボーイッシュルックに替わって行きます。素材は合繊系中心から綿や綿麻系へ、カラーもパステルな暖色系からライトな寒色系へと移りますが、これは毎年3月末から4月半ばにかけての話。それが今年は震災の影響で春物在庫が滞貨して初夏物や夏物の投入が抑えられ、GWが開けてようやく入れ替わったという感じでしょうか。夏物を投入出来ないままプレセールに突入しているお店も少なくありません(夏のバーゲンもうんと早くなります)。
 本来ならGW前に春物から初夏物に入れ替わり、GWが明けたら晩夏物が立ち上がるというのが毎年のシナリオなのですが(近年はもっと前倒し傾向だった)、今年は震災の影響が尾を引いてシーズン展開がすっかり崩れてしまいました。東京本社のブランドはやむを得ないにしても、関西以西に本社があるブランドも大差ないのでしょうか。ご存知の方は教えて下さい。
 2011/05/16 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

百貨店もアウトレットに活路を
 博多、大阪とターミナル百貨店の新設や増床が相次いだが、これは例外中の例外で、新設より閉店の方が遥かに多い。ブランド側はターミナルの一等立地や有力郊外SCに加え、したたかにアウトレットモールへの布石を広げているが、百貨店は郊外SC店舗が悉く失敗して新規開発計画が霧散し、アウトレットモールには手も出せないでいる。
 日本の百貨店はそうだが、目を米国に移せば百貨店のアウトレットモール進出は急加速している。75年から先行したノードストロムの「RACK」は89店舗に達してなお毎年二桁出店を続けているし、サックスフィフスの「Off5th」は後発ながら57店舗に達している。どちらも初期はプロパー店の売れ残り在庫処分を主目的としたクローズアウト(アウトレット)店舗から始まったと思われるが、多店化するにつれてその比率が低下し、アウトレット店用に開発したり仕入れたりした商品が主流となっていった。主戦場たるメトロエリアから離れ購買客層も異なるアウトレット店はセールが頻発するプロパー店より確実に儲かると解ったからだ。ノードストロムはプロパー115店に対して アウトレット店が89店と迫り、サックスフィフスはプロパーの47店よりアウトレット店が57店と凌駕しているから、売れ残り在庫を処分しているのではない事は明白だ。
 日本の百貨店は消化仕入れがほとんどだから売れ残り在庫は自主売場商品やオリジナル商品の一部に限られ、アウトレット店を多店化するほどの商品供給は元より困難だが、米国の百貨店のようにブランドメーカーから売れ残り品や持ち越し在庫を仕入れたりODM業者から企画買いすれば、立派にバリュー訴求力のあるアウトレット店が成り立つはずだ(ビームスやバーニーズのアウトレットをご参考に)。ブランドメーカーがアウトレット店を広げるのを地団駄踏んで見送るぐらいなら、自らアウトレット店舗を積極展開してはどうか。
 2011/05/13 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

夏のバーゲンは大幅早期化
 毎年のように早期化して来た夏のバーゲンだが、今年は一段と早期化するようだ。イオン系やアトレ系は6月1日からプレセールに突入、ルミネも16日からバーゲンが始まる。
 今年は震災による春物実需期の空白で在庫がダブついた事から4月からセールが頻発し、初夏物こそGWの山があったものの春物残もあって在庫が積み上がり、夏物(メンズのクールビズ関連を除けば晩夏物が主流)は仕掛かりが極端に抑制され、GW明け以降の店頭鮮度が維持できなくなって早くもセール待ち状態に陥っている。そんな実情を反映してバーゲンが早期化するのだろう。
 ルミネを例に挙げれば、08年は7月2日から、09年は6月29日から、10年は7月1日からだったから、今年の6月16日立ち上げは極端な早期化と言わざるを得ない。ルミネのバーゲン通達文書によれば『お客様の集中による体感温度上昇の不快感を回避するため、夏の節電期間に入る前から開始してお客様を分散する』としているが、6月16日〜7月31日の46日間と長期化しても開始直後の集中は避けられないだろう。在庫の積み上がりとそれによる新規投入抑制がもたらす店頭の陳腐化でバーゲンを早めざるを得なくなった、というのが実態ではないか。
 4月22日のブログで『売上回復も傷は深い』と指摘したが、やはり震災の爪痕は深く、在庫回転のシナリオが崩れて尾を引く結果となったようだ。震災直後の地域間在庫移動、4月以降投入品の傾斜配分を徹底出来たか否かが傷の深浅を分けたのではないか。
 2011/05/12 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

西梅田と心斎橋は干上がる
 大阪駅はサウスゲートビル(梅田大丸)が増床開業、ノースゲートビル(JR三越伊勢丹とルクア)が竣工開業したが、さらに2013年春には北口広場の前にABC三棟からなる複合コンプレックス(商業施設80,700平米/オフィス・ホテル・アパートメント・分譲住宅他で430,500平米)が開業する。これによって梅田商業は北へ広がり、駅から広い通りを隔てた(延々と地下通路が繋がっている)西梅田地区の地盤沈下が予測される。
 西梅田地区は阪神梅田駅上の阪神百貨店に始まって、その裏のイーマ、西へ向かってヒルトンプラザのEASTとWEST、ハービスプラザ・エント、ブリーゼブリーゼ、ハービスプラザと駅から離れていく。00年代に開発が進んだ西梅田地区だが、ステーションシティから北口、阪急側に客流が集中するにつれ、商業地区としては寂れて行くのではないか。
 大阪ステーションシティの開店景気を目の当たりにすれば顧客は限りなく存在すると錯覚しがちだが、西は阪神間の、北東は京都の、南は難波や阿倍野の商業集積に阻まれて広がりを欠き、一巡すれば熱気の醒めるのも早いのが大阪商業の特質だ。西梅田地区はもちろん、梅田と難波に挟まれた心斎橋地区の地盤沈下は深刻なものとなるだろう。心斎橋筋のシャッター街化は避けられないのではないか。
 2011/05/11 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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