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岡山の商店街は消滅する
 先週末は商圏調査のため、岡山・倉敷を飛び回っていた。その印象は、ダウンタウンの衰退加速と駅前、郊外への移動、岡山から倉敷への重心移動であった。とりわけ表町商店街の凋落は著しく、天満屋前さえ人通りは限られ、ひとブロック離れた三丁目ともなれば空き店舗や最寄り店ばかりが目立つ死臭漂う状況だった。天満屋こそそこそこ賑わっていたが、この5年間で二割り強も売上を落としており、もはや外堀も埋まった感が在る。表町の衰退と引き換えに人の流れが増えているのがバスターミナル前のロッソからクレドへと繋がる県庁通りだ。ビジネス地区寄りで2プライススーツ店が目立ちクレドもやや閑散としていたが、中心商業地区は加速度的に萎縮しており、県庁通りと表町二丁目に限定されるに至ったようだ。
 表町の凋落に較べれば駅前地区はまだましだが、セントラルビルやOPA方向が衰退する一方でビックカメラ側に重心が移り、地下街の岡山一番街はエスト化して賑わっているように見えるが、来店客数も売上も減少が止まっていない。一番勢いが在るのは改札前のさんすて南館ではないか。駅前商圏も次第に駅上駅下に集中していくのだろう。
 倉敷駅前には三越が撤退した跡に入居した天満屋を除けばチボリ公園跡が広がるだけだが、今年11月頃にはチボリ公園跡にイトーヨーカ堂核の倉敷SC(店舗面積28000平米、以下同)と三井アウトレットパーク(19800平米)が開業する。これに対抗してイオンモール倉敷も71000平米から80000平米に増床するから、倉敷地区の大型店店舗面積は5割り増の140926平米となって表町地区の51029平米も岡山駅前地区の52919平米もその合計も大きく凌駕してしまう。イオンモール倉敷の売上は今回の増床で天満屋本店を大きく上回り、駅前地区主要施設合計(ビックカメラ除く)も凌駕してしまう。これに新設される倉敷SCと三井アウトレットパークの売上が加わるのだから、県南地区商業の重心は岡山から倉敷へ移ってしまう。人混みの熱気溢れるイオンモール倉敷の勢いと較べれば、表町は死臭漂う墓場のようだし、岡山駅前地区の賑わいも駅上駅下に限定されている。地下鉄網が発達した札幌や名古屋でさえ旧中心商業の凋落が止まらないのだから、バスと路面電車だけに依存する表町の消滅は避けられない。乗用車普及率の高さも考慮すれば、数年後には県南商業の中心は倉敷から倉敷IC/早島ICの岡山よりロードサイドに移動し、岡山の商店街は消滅するだろう。
 2011/01/24 10:06  この記事のURL  /  コメント(0)

『脱ジーパン宣言』
 今朝の繊研新聞第一面に『チノパン用生地玉不足』と大きく報道されていたが、今SSはもちろんAWのトレンドを見ても、ツイルや綿クロスなどのチノ素材を中核にコーデュロイや別珍などの綿素材、ヘリンボンやツイードなどのウール混素材が強く、デニムは70’Sなリジッドタイプがわずかに期待されるのみで加工デニムにはまったく芽が無い。来年のトレンドはまだ読めないが、わずかながらも消費回復の兆しが広がり、垂直統合開発型のオリジナル商品が見直される中、ワークイメージの強い加工デニムが復活するとは思えない。プレップ、クラシック、アウトドアが継続する中、コッパンやカラーデニムには芽が在るが、加工デニムにはまったく芽が無いのだ。
 既存店売上の二桁減が続くライトオンなどのジーンズカジュアル店に加え、ユニクロも大差ない既存店売上水準に落ちて来た。ジーンズカジュアル店という業態そのものが時代とともに終わったのに、どうして彼らは看板を下ろさないのだろうか。ジーンズカジュアル店もユニクロも、ジーンズにこだわる限りは衰退を免れない。いっそ、『脱ジーパン宣言』でもしてチノ軸やコッパン軸の新たなウェアリングに切り替え、出直してはどうか。ギャップの70年代からの長い歴史を振り返っても、ほとんどチノパンだらけになった時代もありましたよ!
 2011/01/21 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)

表参道から紫煙を追放しよう
 ランチの行き帰りに表参道を歩くと、指定された喫煙所以外の至る所で紫煙が燻らされているし、オフィスがある裏通りなど歩き煙草に路上ポイ捨てが蔓延している。喫煙所にしても隔壁があるわけではないから紫煙は周囲に広がり放題だし、表参道はまさに喫煙解放区と化している。
 私も未だ喫煙者だから毛嫌いしている訳ではないが、あまりに所構わずの歩行喫煙と路上ポイ捨てには怒りを禁じ得ない。あまりに目につく方には『渋谷区は路上禁煙ですよ!』と一言、注意しているが、素直に『すいません』と止める人もいれば『うるせえな』と毒づく人もいる。先日もオフィスの前で火をつけたままポイ捨てする人を見とがめて注意したら、注意の仕方が気に入らないと反撃されてしまった。これでは喫煙者は皆、無法者という印象が強くなるばかりだ。喫煙者は皆、社会的犯罪者と言ってもよいだろう。ということで、ついに医者の手を借りて禁煙に踏み切る事にした。節分までには何が何でも禁煙して犯罪者の仲間から足を洗う決意です。
 それにしても、美しい表参道が喫煙解放区のままでよいのだろうか。所構わず路上喫煙して吸い殻をポイ捨てする犯罪者達を警官は取り締まろうともしない(区条例では警察による取り締まりは出来ないそうです)。ここは原宿商店会に働き掛けて表参道全面禁煙を断行するしかない。そう決意した還暦親爺はさっそく、原宿神宮前商店会会長の八木原保氏に訴えかけたのであります。さあ八木原さんはどう動くのでしょうか・・・・・
 2011/01/20 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

今更百貨店
 今朝の新聞各社は10年度の百貨店売上が13年連続(既存店売上は14年連続)で減少し、ピークの91年の65%にまで落ち込んだ事を伝えていたが、衣料品に限れば同56%に落ち込んでしまった。百貨店凋落の要因は、第一に国民総給与所得の減少と高所得層の激減、第二に衣料品の長期にわたる低価格化、第三にカテゴリーキラーやネット通販/TVショッピングなどへの消費流出、第四にネット/ケータイ通信費や各種サービスなど百貨店が取り扱わない分野への消費流出、があげられるが、何より致命的だったのは百貨店自体がほとんど進化せず、戦略転換も出来なかった事だ。
 ピークの91年から今日まで、百貨店は1)コストとバリューの革新、2)提供方法の革新、3)立地の革新、4)調達とディストリビューションの革新、を果たすべきであったが、一部の百貨店でコスト革新が行われたに留まり、他はほとんど進まなかった。
 1)コストとバリューの革新とは、運営コストを圧縮して駅ビル並み歩率を実現する一方でSPA的オリジナル開発でバリュー競争力を高める事、2)提供方法の革新とは、ゾーニングや編集手法、VMDやネット/TVとの連携、フィッティングからラッピングやレジ処理まで一貫する販売プロセスの革新で販売効率を向上させ運営コストを削減するとともに顧客満足度を高める事、3)立地の革新とは、ダウンタウンから駅上/駅前、郊外SCへの立地移動、4)調達とディストリビューションの革新とは、SPA的オリジナル開発や品番指定買い取りを軸とした本部集中調達とチェーンロジスティクス(店間移動体制が要)であったと思われるが、先進ノウハウを学ぶ事に熱心でなかった百貨店人は内輪のお遊戯に無駄な投資を繰り返すだけで本質的革新に踏み切れず、いずれもほとんど進まなかった。
 今更、死んだ子の年を数えても致し方ないが、返す返す残念でならない。これらの革新を果たす戦略も手法も皆、ノードストロムやJCペニー、コールズなどの米国事例に揃っていたのに、百貨店人は表層だけを真似るに留まって真剣に学ばず、今日の凋落を招いてしまった。以前のブログにも書いたように、90年代には当社はこれら米国百貨店の成功事例を大枚かけて子細に研究していたが百貨店業界からの売上が望めず、やむなく研究から撤退した事が返す返す悔やまれる。まさしく馬に念仏、猫に小判だったのだ。
 新年からのオフィス大掃除の仕上げに80年代から積み上げた数万枚のスライドも整理したが、米国百貨店のスライドには今日も参考になるものが含まれるのに対し、国内百貨店のスライドには一枚たりとも残すべきものが見当たらなかった。大枚を投じた90年代以降の改装や新店など、今日の視点で見ればバラック同然の稚拙なものばかりだった。百貨店人はもちろん店舗設計者やVMD関係者も、過去の作品を当時の写真で振り返ってみるべきだ。そこには顔から火が出るような駄作しかない事に少しは反省しても良いのではないか。
 日本の百貨店は学ばず進化せず、凋落の一途を辿って来た。今更その責を問うても仕方の無い事だが、返す返す残念と言うしか無い。広く流通/アパレル業界の方々は他山の石として欲しい。
 2011/01/19 10:27  この記事のURL  /  コメント(0)

『MDディレクション』は大好評
 年明けからクライアント各社に伺ったり御来社頂いたりして『11AW版MDディレクション』の解説セミナーを行っていますが、素材スワッチの提供サービスを加えた事もあってか何処でも大好評です。中国産地の一変で垂直統合志向が強まり、素材開発の機運が高まっている事も関心の高さに繋がっているのでしょう。11AWではレイト60’S〜70’Sトレンドが台頭して当時のロンドンやミラノのスタイリングが注目されますが、どのテーマもプリントやジャカードを中心としたオリジナル素材がコアで後加工は影を潜めていますから、素材開発が急がれるのは当然だと思います。
 『11AW版MDディレクション』では有望テーマのスタイリングボードに加えてインターストッフのアーカイブをふんだんに使った素材ボードを作成しました。もはや何処でも手に入らない当時のプリントやジャカード、ニットソーやジャージにリアルに触れる事が出来るメリットは小さくありません。商品企画を前倒してオリジナル素材を開発しようという方々には必見のディレクションだと自負しております。クライアント各社のディレクションが一巡した2月9日にはささやかな公開セミナーも開催しますので、ご関心のある方はお早めにお申し込みください(会場が小さく定員に限りがあります)。
 それにしても、素材ボード作成には分類整理された大量の素材アーカイブが不可欠で、当社ではA3ボックス162に分類された素材アーカイブがオフィスのかなりの部分を占めています。毎シーズンのディレクションが終わる度に分類整理して不要な素材を捨てていますが、今回は膨大な作業になりました。随時、テキスタイスラーさんや産地のアーカイブを収集しておりますので、置き場に困った素材アーカイブがありましたら是非、ご一報ください。とりわけ、ニットやニットソーが不足しています。
 2011/01/18 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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