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春立ち上げの傾向は・・・
 コーディネーターの春立ち上げスタイリング動向報告を見ると、プレップ、マリン、クラシック、フェミニン、カントリー、アウトドアなどが継続する一方、ライトデニムのベルボトムやテンセルデニムのフレアパンツを軸に70’Sが台頭し、フレアスカート軸のキュートな50’Sもまだ残っています。ボーダーが根強い人気を継続し花柄がリバティ風やガーデン風、あるいは70’Sヒッピー風で継続する一方、小振りな水玉柄が台頭しています。ヤングやセレクトでは早くもマキシワンピ軸のリゾートルックが出始めていますから、今年もシーズンの前倒しで実需期とのズレが広がりそう。春節が明けた後の二月後半の店頭は前倒しが一層、顕著になるに違いありません。
 春のパワーアイテムとしては継続人気のチノ系丈パンツ/ジョッパーズに加えてキレイ目デニムやダンガリーのベルボトム〜フレアパンツ、同シルエットのサロペットが期待される他、ショート丈ゆるニットPOやジャージのジャケットも強そう。総じて継続性が強く70’Sを除いては目新しい傾向は限られ、力強さを欠いています。
 トレンドをリードしているのはセレクトと先行開発型のキャラクターブランドで、ファスト系は売れ筋焼き直しを脱せず109系はそのまた焼き直しの域を出ず、コンサバOL系やトランスキャリア系の先行開発ブランドの方が鮮度があるぐらいですから、後出しジャンケン商法はもう完全に行き詰まっています。引きつけるより開発期間を長く取って完成度を高めた方が値段も通るし鮮度も出せる、そんな状況が刻一刻と強まっているという印象ですよ。
 2011/01/31 09:26  この記事のURL  /  コメント(0)

調達戦略の転換はスローペース
 中国産地の一変で調達戦略は20年振りの転換を迫られているが、パニック騒ぎの割には業界の調達戦略は一変とまではいかないようだ。
 SPACメンバーの生産地アンケートを見ても、今年は中国シェアを平均一割前後低下させると考えているが、それでもアパレルメンバー平均は69%弱、リテイラーメンバー平均も55%弱にしか下がらず、突出したシェアは変わらない。アパレルメンバーでは南アジアシフト、リテイラーメンバーでは国内回帰が見られるが、前者は6.7ポイント増の11.5%、後者は4.1ポイント増の20.9%に過ぎず、一変というにはほど遠い。為替安と短納期メリットの大きい韓国を増やすという動きも見られない。これで中国産地の急変に対応出来るのかと心配になってしまう。ドラスティックな戦略転換を繰り返して来たユニクロでさえ、現在85%の中国生産シェアを徐々に70%まで落とすというペースだから、生産地の移転は時間のかかる難問なのだろう。ただし、国内生産回帰のペースはアパレルメンバーでは微増だがリテイラーメンバーでは25%近い伸びが期待されるから、産地の崩壊も崖っぷちで止められるかもと期待してしまう。
 同調達手法アンケートを見ても、アパレルメンバーでは『工場直接調達』と『自社工場生産』が計2.6ポイント、リテイラーメンバーでも『工場直接調達』が5.2ポイント増えるだけで、OEM/ODMは前者で平均28.4%、後者では同53.7%も残る事になる。これも遅々たる対応であって一変にはほど遠い。自社開発体制を確立するにはデザイナーやパターンナー、生産管理要員を揃えねばならず固定費の大幅上昇は避けられないし、工場のソーシングや生産仕様の擦り合わせにも時間がかかる。それゆえ徐々の転換とならざるを得ないのだろう。調達戦略の短期全面転換を決意している企業はまだ少数派なのかも知れない。それも春節明けのパニック次第で認識が変わるのではないか。半年後のサマーコンベンションのアンケート回答を見てみたいものだ。
 2011/01/28 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

国民と業界の失ったもの
 2月4日のSPACビッグコンベンションで発表する恒例のメンバーアンケートがまとまったが、それには長年続いた市場萎縮から抜け出せない悲観論が色濃く現れていた。20年近くも続いた衣料生産の中国依存とOEM/ODM依存の流れがようやく逆転し始め、衣料品価格も限りないデフレからインフレに転じようとする今なのに、メンバーのアンケート回答は羹に懲りて過去を引き摺りすぎているように感じられた。
 11年の家計消費はほぼ落ち止まると見ているのに、衣料消費に関しては縮小が続くという見方が圧倒的で、その平均水準は98.0と昨年下半期のペースを0.3下回っている。メンバー予測に従えばファッション係数は3.75%まで低下してしまうが、70年代前半は9%台、90年代前半でも7%台を維持していた事を振り返れば隔世の感が在る。国民のライフスタイルに占める衣料消費の地位は釣瓶落としに低下したのだ。それもこれも元凶は生産の中国依存とOEM/ODM依存による同質化がもたらす果てしなきデフレにあったのではないか。80年代までのブランドものや専門店の衣料品は皆、自社開発の国産品で、それぞれにこだわったキャラや味付けがあって、消費者もまたファッションへの憧れがあった。国民と業界の失ったものの大きさに胸が痛む。
 中国産地のコスト急騰やキャパ逼迫、綿花や羊毛の急騰で衣料品価格は92年以来19年振りにインフレに転ずると思われるが、メンバー回答はやや悲観的だ。紳士服こそデフレが止まると見ているが、婦人服は緩和するもののまだデフレが続くと見ている。それでも前年はインフレ予測が一社もなかったのに今年は七社に増えたのが印象的だった。コスト急騰も小売価格転嫁は難しいという悲観論が強いのかも知れない。
 中国産地の一変で注目される生産戦略については、明日の続きにご期待を・・・・・
 2011/01/27 09:24  この記事のURL  /  コメント(0)

本日休診
 先週末の岡山出張と報告レポートのまとめ、連日のMDディレクション解説セミナーなどでスタミナを使い果たしてしまいました。今朝もこれから幕張まで行ってMDディレクション解説セミナーを行います。お疲れなので、今日のブログはお休みしますネ。
 2011/01/26 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

脱ジーンズのドメイン転換
 ジーンズカジュアル店が軒並み二桁減を続ける中、ジーンズカジュアル主体からアウトドア・アクションスポーツへの転換を果たして全米最大のアパレルメーカーの座を堅持しているのがVFコーポレーションです。
 02年度は「Lee」「ラングラー」などのジーンズ部門が売上の55%も占めていましたが、00年の「ザ・ノースフェイス」の買収に始まって「ヴァンズ」「ナパピリ」「リーフ」など13ブランドもの買収を断行し、10年度はアウトドア・アクションスポーツ部門が売上の42%を占めるに至っています(ジーンズ部門は33%に縮小)。また07年に「セブン・フォー・オール・マンカインド」とアスリートカジュアルの「ルーシー」を買収して新設したコンテンポラリーブランド部門も09年にMOインダストリーを買収して「エラ・モス」などを加えています。この両部門のブランドをライフスタイルブランドと称し、12年度には全社売上に占めるシェアを60%にまで高める方針です。
 VFコーポレーションの‘VF’とはかつての主力部門だったインティメイトの「ヴァニティ・フェア」ブランドを冠したものですが、07年にはインティメイト部門を売却しています。VFコーポレーションはインティメイトからジーンズへ、ジーンズからアウトドア・アクションスポーツへ、二度も戦略ドメインを転換してトップ企業の座を堅持して来たのです。かつては全米最大のアパレルチェーンだったリミテッド・ブランズだって、アパレル事業をすべて売却/撤退し、今日では「ビクトリアズ・シークレット」を中核としたインティメイトとコスメティックの企業へと変貌してしまいました。ユニクロやライトオンが『脱ジーンズ宣言』をしてジーンズと縁を切るなど、別に何でもないドメイン転換だと思うのですよ!
 2011/01/25 09:12  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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