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文化革命か国体の変革か
 20日発売の英誌エコノミストは日本の止まらぬ「穏やかな衰退」を食い止めるには「文化的革命」が不可欠と結論づけていた。
 当社が25日(木)に開催するSPAC月例研究会では衣食住遊29カテゴリーの中期的消費動向推移に加えて国民総給与所得(国税庁統計)の推移も検証しているが、97年のピークから07年を除いて減少し続け、12年間で13.5%も減少してしまった。その主要因は経済の長期低迷に加えて高給与な高齢層の退職と非正規雇用が肥大する若年層の給与水準低下による平均所得の低下であったが(同期間に13.1%減少)、団塊世代のリタイアが加速する今後は給与所得者総数の減少も加速する事になる。加えて、商品の交流による労働価値のグローバル平準化は一段と加速せざるを得ないから(途上国の給与水準は向上し、先進国の給与水準は低下して行く)、平均所得の減少も止まるとは思えない。
 消費低迷の本質的背景は国民総給与所得の長期に渡る減少であり、それを財政支出で穴埋めして来たのが実情だ。平均所得の減少に給与所得者総数の減少加速が加わる今後、国内消費のさらなる萎縮は避けがたく、財政支出による下支えにも限界がある。財政悪化が極まる中で自動車や家電のエコ減税も打ち切られ、現政権は増税路線を強めつつある。その先に来るのはスウェーデン型の国民社会主義型平等福祉社会(超高税負担社会でもある)なのだろうか・・・・・
 エコノミスト誌は「文化的革命」が不可欠と提じていたが、明治維新による富国強兵天皇制国体は77年で破綻し、戦後65年が過ぎて経済至上官僚制国体も限界を露呈している。「龍馬伝」や「坂の上の雲」が異様な人気を博するのも、止まらぬ茹で蛙的衰退に喘ぐ国民の国体変革願望の吐露なのかも知れない。女性が社会や経済をリードする薔薇色革命か、はたまた社会主義労働党一党独裁か、自衛隊青年将校の決起か(海上保安官の個人的決起では済みませんよ)、いずれにせよ国体の変革は避けられないだろう。
 2010/11/22 10:02  この記事のURL  /  コメント(0)

SC化する高速道PA
 軽井沢の帰りに寄居PAに立ち寄って、あまりの変貌ぶりにビックリ。施設デザインから案内サインまでどこから見てもおフランスはプロバンス地方のPAで、日本語の表示は「お手洗い」と「喫煙所」以外、一切ありませんでした。これがNEXCO東日本がサン・テクジュペリ権利者と正式契約して今年の6月30日に開業したテーマ型PA「寄居 星の王子様PA」なのです。
 フレンチブッフェレストランの「ル・プチ・フランス」、日本で二店目という星の王子様グッズ専門店の「サンク・サン・ミリオン・ドゥ・グルロ」、フレンチベーカリーの「シュブー・トゥ・ドレ」、カフェ「サン・テクジュペリ」、オムライスの「シャセー・レ・ブル」などがこじんまりと並んでいますが、何処も内外装のみならずスタッフの制服やメニューまでおフランスに拘っており、お味も本格的でしたよ!難点はすべてがこじんまりと作られている事で、パーキングは大型47台、小型78台しかなく、ブッフェレストランなど20席しかなく、何処も行列だらけでした。
 最近のPAはスタバやコンビニはもちろん、ホテルや温浴施設、ドッグランなどまで揃ってSC化しつつありますが、隣接する一般道の駐車場からも入れる「ぷらっとパーク」やテーマパーク型PAまで登場するに及んで、高速道路各社のSC化戦略は無視出来なくなりました。敷地の制約が在る既存PAのリモデルは限界がありますが、新設PAでは衣料品や服飾雑貨、生活雑貨やペット関連の物販店、フードコートやレストラン街まで揃えた本格的商業施設が計画されているようです。ユニクロや無印良品などが並ぶショッピングモール級PAが登場するのももはや時間の問題でしょう(東名高速遠州磐田PA直結のららぽーと磐田はその姿を暗示していますよ)。専門店各社にとっては空港に続く有望立地として、商業施設デベにとっては無視出来ないライバルとして、PAの進化から目が離せませんネ。
 2010/11/19 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

ファストファッションは終わった!
 コーディネーターの店頭スタイリング報告を見ても自分で店頭を巡回しても、ファストファッションの息切れが月を追って酷くなるのがヒシヒシと解ります。売れ筋アイテムの焼き直しばかりが目立って新鮮なスタイリング提案は限られ、シーズンが深まるにつれ売れ残りのセール品が積み上がって行く様は空恐ろしいほどです。まだしもH&Mはコレクショントレンド先取りのスタイルが時折目を惹きますが、ODM業者の企画仕入れに依存するフォーエバー21は売れ筋単品の追いかけに終始して新鮮スタイルが途絶えがちで、開発力の貧困さが露呈しています。確かに安いけど、欲しいと思わせるアイテムは次第に限られて来たように感じます。日本に先行して進出した韓国でも中国でも未だ二号店を開設出来ないままですから、既に4店舗に広がった日本市場のミーハーさは突出したものと言うしかありません。
 とは言えH&Mの販売効率は多店化とともに急激に低下していますし、数字を公表しないフォーエバー21の効率低下はもっと加速度的なものと推察されます。アジアで一番ミーハーに退化した日本市場でも、ようやく消費者はファストファッションの安っぽさに気が付いたのかも知れません。ファストファッションブームに乗って開発された国内のODM依存ファストブランドは皆転けていますし、ファストファッションと同質化した109系のファストブランドも皆低迷しています。その一方で、長く続いたデフレにもファストファッションブームにも流されず自社開発体制を維持して来た一部の大手アパレルやキャラクターブランドは、時間をかけたしっかりした物作りやトレンドの先取り感度が再評価され、着実に数字を回復しています。ファストからリアルへとマーケットは反転し、ファストファッションブームは終わりました!
 2010/11/18 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)

新ブランド開発の極意
 今秋冬〜来春夏デビュー新ブランドの傾向を見ると、ターゲット的にも開発手法的にも新旧の両流が交錯しています。今更OL狙いのブランドがデフレと水平分業の一昔前の残滓を強く感じさせる一方、アラフォー狙いのブランドはリアルマインドな垂直統合手法かと思いきや、OLブランドと大差ないミーハー狙いの水平分業手法のブランドも混じっています。この違いを見抜けないとデベの開発や百貨店のバイヤーは勤まりませんよ。狙いも手法もズレを感じさせるのは××社系や○○社系(非難するとしっぺ返しが酷いので伏せます)、さすがに解ってらっしゃるのはO社系でしょうか・・・・S社系は玉石混淆ですネ。商業施設の目利きで言えばルミネはさすがですが(それでも目利き違いはあるけど)、うふふガールズや渋谷109は如何なものかと思います。流行の販促手法に目を眩まされる事なく、ターゲットやコンセプトだけでなく開発手法や商品の味付け、組織のリアルマインドが本物かどうかまで嗅ぎ分ける技量と見識が問われますよ!
 アラフォー狙いブランドではファクトリー感覚の垂直統合開発が不可欠ですし、アダルトブランドではそれらに加えてライフスタイルマインドと凝った味付けが求められます。ライフスタイルの切り口ではルーミー&コージーなインドアコンセプト、タフ&カントリーなアウトドアコンセプトの両極が有望だと思いますが、トラベルコンセプトも根強いですネ。すべてに共通する成功条件は作り手が見えるファクトリー感覚、組織の熱意が見えるリアルマインドの二点ではないでしょうか。
 2010/11/17 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)

他山の石
 港北東急SCに10月7日に開店したしまむらが好調だと今朝の繊研新聞に載っていたが、予想通りの結果と言えよう。なぜなら、同SCも隣駅のモザイクモールも低所得ニューファミリー層が集中する横浜市営地下鉄線沿線だからだ。当初は百貨店核のアップスケールSCとして開発された港北東急SCもモザイクモール(都筑阪急百貨店が核)もまったく当てが外れ、閑古鳥が鳴く状態が続いていた。港北東急SCは百貨店が撤退して低価格テナントに入れ替え、今秋のリモデルで大衆向けSCへの転換がほぼ終わった。その象徴がしまむらなのだ。
 当初の勘違いの要因は単純な立地マーケティングミスで、円形商圏で見た平均所得が極めて高かったからだ。単純に円形商圏を設定すると5kmほど離れた田園都市線沿線が半分近く含まれてしまうが、横浜市営地下鉄沿線とは246で分断される全く別の商圏で、両者の平均所得は実に倍以上も違う。既に80年代の金妻時代から成熟文化が栄えていた高所得な田園都市線沿線なら百貨店が十分に成立するが、不動産費負担の重い発展途上低所得ニューファミリー主体の横浜市営地下鉄沿線では百貨店はもちろん通常の大型SCも成立が難しく、低価格テナントで構成する大衆向けSCでないと成立は困難だった。にもかかわらず、東急と阪急は単純な円形商圏を設定して高所得地域と勘違いするという大ミスを犯してしまった。商業施設開発史に残る大ミスであり、開発担当者は他山の石として記憶に残すべきであろう。
 2010/11/16 09:24  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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