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いつか来た道
 イオンやイトーヨーカ堂は衣食住三部門編成ワンストップショッピングのGMSを解体してカテゴリー別の大型専門店編成に組み替えようとしているが、これは米国でも国内でも何度かトライされて来た「いつか来た道」であり、80年代のモンゴメリーワードやマイカルを思い出させる。どちらもカテゴリー特化編成でGMS解体の果て、モンゴメリーワードは2000年12月、マイカルは2001年9月に破綻している。「いつか来た道・・・・」と言いたくなる訳だ。
 運営コストが高く最大公約数的な品揃えのGMSは品揃えでも価格でもカテゴリーキラーに対抗できず、衣料も生活雑貨も家具も家電もズルズルとシェアを奪われて来た。もはや後がない所まで追い詰められ、カテゴリーキラーの集合体に変身して活路を開こうと決断したのであろうが、商品開発力も運営体制も顧客サービスもカテゴリーキラーとは格段の差がある中、形だけカテゴリーキラー複合に変身しても各個撃破されるのは目に見えている。大手商社と組んでユニクロ型垂直統合SPAを志向する衣料売場を見ても、事業組織がリアルマインドに徹せぬまま商品は水平分業的完成度に留まり、VMDは量販平場を一歩も出ていないし、小奇麗に陳列した生活雑貨売場もベンダーブランド編集に留まって商品開発を欠き、価値も価格もまったく訴求出来ていない。これではプロのカテゴリーキラーには到底、太刀打ち出来るはずがない。
 GMS解体は不可避の課題とは言え、リアルマインドとR&D体制を欠いたままでは「いつか来た道」は「いつか見た破局」に帰結するのは明白だ。渥美先生も草葉の陰で怒っておられるのではないか。
 2010/09/22 10:02  この記事のURL  /  コメント(0)

ジーンズに固執するユニクロ
 「UJ」が大空振りしたにも拘らず、低価格から一転して9990円純国産ジーンズを発売したユニクロの戦略意図がまったく解らない。「UJ」でジーユーとも重複する1990円ジーンズを投入した意図も解らなかったが、今度はNBと真っ向からぶつかる9990円ジーンズを投入するなど、低価格から高価格までジーンズ市場を制覇し尽くしたいという執念さえ感じられる。
 プレッピーシフトによるチノ人気を無視して市場ニーズと乖離したジーンズ追求を続けるのは無謀なプロダクトアウトとしか言いようがないし、価格帯の拡大は『高品質低価格』というユニクロの存在命題まで脅かしかねない。ジーニングに立脚するチェーンは何処も売上の長期低迷に苦しんでおり、ジーンズメイトは3〜8月期の最終損益が前期比7倍の22億円の赤字となり、ライトオンは10年8月決算予想を売上で5.9%、営業利益で66%下方修正して9.8億円の最終赤字に転落している。もはやジーンズに市場ニーズがないのは明白なのに、どうしてユニクロはのめり込み続けるのだろうか。素材からの垂直統合生産で射程距離が1年にも及ぶとは言え、半年もかければ多少の修正は可能なはずで、どんなにチノ人気でもジーンズに賭けるという執念は理解しかねる。
 私は07年まで裾はGAPの7900円から上はドルガバの10余万円まで少なからぬジーンズを購入して来たが、08年以降はチノパンツしか購入していない。とりわけINCOTEXのオフィサーチノが気に入っている。振り返ってみれば、それは時代の変化を本能的に察知したからなのだと思う。マーケッターにも経営者にも時代の空気を読むセンスが不可欠だが、柳井さんにそれが欠けているとも思えない。いい加減に頑迷さを捨て、チノに注力するのが賢明であろう。ユニクロの素材からの垂直統合生産なら、しっかりとしたチノパンツの丈/デザインバリエーションが2900円〜4900円ぐらいで揃うのではないか。来春の店頭にズラリとチノパンツが並ばないようなら、ユニクロの低迷は相当長期化する事になるだろう。
 2010/09/21 08:54  この記事のURL  /  コメント(0)

上海和僑の方々に有り難う
 昨日の夕刻、三泊四日の上海視察から成田に返って来ましたが、強行軍のせいか成田エクスプレスに乗ろうとしたところで俄に意識が遠のき、すぐそばの空港診療所に駆け込みました。ちょっとした疲労のようで、点滴を打ってもらってなんとか最終のエクスプレスでお家にたどり着きました。還暦親爺には無理は禁物のようです。
 そんなに頑張っちゃったのは上海和僑の方々に熱烈歓待されたからで、車の手配から商業施設案内、講演や会食会の設定まで何から何まで至れり尽くせりのVIP待遇でした。国内では煙たがられる事の多い私としては、あんなに歓待されるとちょっと舞い上がってしまいます。六月のSEOUL視察もVIP待遇でしたが、上海和僑の方々が手弁当で駆け回ってくれた上海視察は心温まるものがありました。上海オリーブの渡邉さん、伊藤忠ファッションシステムの薮さん、そして上海和僑の方々、ホントに有り難うございました。日本企業が中国市場を理解して進出が進むよう、微力ながらお役に立てれば幸いです。
 2010/09/17 17:31  この記事のURL  /  コメント(0)

メーターズボンウィは酷かった
 上海視察も予定通り一巡し、確認したかったブランドは全てチェック出来ました。上海の活気は万博が終わっても衰えそうもなく、高島屋やPARCOの進出に加えて伊勢丹も久光も大型の新店舗を計画しており、現地のデベロッパーも大型商業施設の開発を進めています。そんな上海では世界中のブランドが溢れ、飽きられるのも速いとか。
 ジョルダーノやエスプリが席巻したのはもう一昔も前の話で、ベストセラー系やメーターズボンウィも飽きられ、今は韓国系SPAと欧州ファストSPA、ユニクロが競っている状況です。ユニクロを意識しても品質に大差があるメーターズボンウィは飽きられるのも早かったけど、ユニクロとて大枚の広告費をかけて集客しているうちはともかく、高品質お手頃価格だけでは上昇志向の激しい中国沿海都市部の若者に飽きられるのは時間の問題かも。こっちの若者は等身大なんて地味い感覚は全くないですからね。それにしてもメーターズボンウィは品質も感性も劣悪の極みでした。ユニクロが格段の高品質に感じられましたよ!
 2010/09/16 11:30  この記事のURL  /  コメント(0)

上海講演は盛会でした
 昨日夕刻、上海マートの会議室で開催された講演会には70名を超える現地アパレル関係者が参集され、講演後の質疑や名刺交換会、会食会も異様に盛り上がりました。上海のアパレル和僑会の結束力はさすがですね。
 色々な方とお話しする中で興味を惹かれたのが、現地で活躍する若い女性達の大胆な転身ぶりでした。日本の大手デベロッパーから現地デベロッパーの開発部長に転じたOL、大手アパレルのMDからフリーに転じたキャリア女性など、やる気と勇気さえあればチャンスが溢れる今の中国の活力が実感されました。 八方塞がりの日本を飛び出す元気のある若い人は中国に賭けても良いのでは!
 2010/09/15 08:55  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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