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瓢箪から駒
 昨日の新聞報道によれば、ファーストリテイリングは「ジーユー」の最大店舗を10月中旬、大阪の心斎橋に開設するそうです。1650平米(500坪)という規模は500平米級標準店の三倍以上ですから、柳井さんもいよいよ「ジーユー」を「ユニクロ」に並ぶ第二の基幹業態に育てる腹を固めたのでしょう。
 高品質神話のプロダクトアウト型SPAゆえ開発期間が長くマーケットインの機動性を欠く「ユニクロ」はトレードオフな低価格トレンド商品は不得意ですから(下手に手を出せば品質神話が揺らいでしまう)、品質の縛りが緩く開発期間も短い「ジーユー」でカバーしようとするのは当然の帰結です。拙著「ユニクロ症候群 退化する消費文明」の中でも『ジーユーはファストリのOLD NAVYになる』『500坪級スーパーストアに化けたら凄い成長エンジンになる』などと指摘しましたが、柳井さんも当然、同じ可能性に気づいていたのでしょう。最近の「ユニクロ」の伸び率鈍化(3〜5月の既存店売上は92.1、6〜7月は97.3)を見て、第二の成長エンジンと期待するようになったと思われます。
 拙著では『5兆円構想を実現するには良品計画を買収すべき』と力説しましたが、これも柳井さんはとっくにお気づきになっていたに違いありません。となれば、「ジーユー」の成長エンジン化同様、瓢箪から駒になって『ファストリが良品計画を買収』なんて新聞に載るのも時間の問題かも知れませんネ。拙著では他にも幾つか柳井さんに提案していますから、次々と現実すると面白くなりますよ。まだ拙著をお読みでない方は是非、そのへんをチェックしてみて下さい。
 2010/08/31 09:28  この記事のURL  /  コメント(0)

誰でもSPA時代への決別は・・・・
 90年代以降、衣料生産の海外(ほとんどが中国)移転が急進して生産現場が遠く離れていくにつれ、多くのブランドが生産管理やソーシングを商社やOEM業者に依存するようになり、マーケットインへのQR重視とともに仕様開発や素資材調達まで依存するOEMが蔓延。アウトソーシングが定着するとともに社内の企画・開発組織も細り、今や企画までアウトソーシングする丸投げODMが主流となった感さえある。それと平行するようにテキスタイルコンバーターから企画会社まで様々なニーズに応えるOEM/ODM業者が雨後の筍のように氾濫し、小売店でも手軽にオリジナル商品が開発できるようになって『誰でもSPA時代』が到来し十余年が過ぎた。
 しかるに、OEM/ODMによる安易なものづくりが広がるにつれ同質化も極まって行き、値崩れが値崩れを呼ぶデフレスパイラルを招いた事も否めない。売れ筋追いは値崩れが避けられず、市場感覚のLAカジュアルなど結局、誰も儲からないという喜劇となってしまった。そんな悪循環を断ち切るにはOEM/ODMを脱し、手間暇かけたものづくりに回帰するしかないだろう。『誰でもSPA時代』への決別が今、業界に問われているのではないか。
 とは言え、生産現場が遠く海外に移転して久しい今日では、それは同時に企画現場の海外移転に繋がる。事実、今年になって上海や広州に転勤する企画・開発スタッフが急増しているという。生産に続いて企画まで空洞化する事になれば日本は本当にロストワールドになりかねないが、文明の生産地移転は歴史の必然であり、選択の余地はないだろう。我ら業界人は何時、転勤辞令が出ても対応できるよう、中国語や英語を学んでおくしかない。恐ろしい時代になったものだ・・・・・・
 2010/08/30 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

HMV渋谷店跡はフォーエバー21
 今朝の日経によると、HMV渋谷店の跡にフォーエバー21が来年1月、国内最大規模の4000平米で出店するとか。HMV渋谷店の閉店については様々な論評が見られるが、今朝の日経MJのコラム「おとな行動学」ではCD店不振の理由としてネット通販によるCD購入と音楽配信の急増に加え、CD店から反体制のにおいが消えた事をあげていた。いかにも団塊世代的発想と取られるに違いないが、音楽から反体制の主張が消えて単なるトレンド商品となるにつれストリートに位置するCD店の役割が薄れ、便利なネット購入に流れて行ったという一面は否めないだろう。
 反体制はともかく、なかよし社会主義下で主張する事が疎まれ、みんなで同じトレンドに流されて行くのが心地よいという風潮が若年世代を支配しているのは空恐ろしい。そんな今時の若者気性に乗ってブームとなったファストファッションが、今や遠い過去の遺物となった反体制?ストリート文明の殿堂たるHMVの跡に出店するというのも時代の変化を象徴している。寂れきった裏原ストリートを歩く度、そんな若者文化の退化を痛感するのは私だけだろうか。
 それにしても、最近の業界誌紙の主張を避けた時流迎合は愚かとしか言いようがない。なかよし社会主義好みの若年世代に迎合しているのだろうが、主張や提言のないジャーナリズムに存在意義があるとは思えない。そんな苦言を提ずれば『自己主張の強い団塊世代など早く引退しろ』との暴言が返ってくるだけで、意見を聞き入れてはもらえないのが現実だ。わたしの『ユニクロ症候群 退化する消費文明』にしても、『みんながヨイショしているユニクロ様にケチをつけるなど不快だ』的な反論を聞くが、ちゃんと中身の論点を読んで欲しい。真摯に検証して疑念を提ずる事が疎まれる今日の世相は、なかよし社会主義と言うより衆愚全体主義に陥りつつあるのではないか。
 2010/08/27 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

スタッフを募集しています
 メンズ担当のコーディネーターが11月で退社する事になり、後任を探しています。当社のコーディネーターは毎月、店頭を一巡してタイプ別のスタイリング変化をカラーイラストで報告するのをベースに、テーマ別にスタイル/素材/カラーをビジュアルに構成して来シーズンの『MDディレクション』を作成したり、クライアントのブランド政策やMD計画、商業施設のテナント構成を提案するのがお仕事で、感性と知性の両面が求められます。素材や色彩、服飾史などの基本知識に加え、アパレルでの企画かバイヤーのキャリアが不可欠です。私や先輩コーディネーターが手取り足取り教えますので、意欲ある方は是非、チャレンジして下さい。
 刻々と変化する欧米亜日のマーケットを広い視野で捉えて明日のマーチャンダイジングとビジネスモデルを提唱する当社の活動に参画すれば、貴方の将来も大きく開くのではないでしょうか。クライアントは錚々たる一流企業ばかりですから、業務を通してデリケートに鍛えられると思いますよ。  
※詳しくは今、ウェブに上がっているエンジャパンの募集要項をご覧下さいネ。
 2010/08/26 09:00  この記事のURL  /  コメント(0)

明日に迫ったSPACビッグコンベンション
 着々と準備を進めてきたSPACビッグコンベンションがいよいよ明日に迫っています。振り返れば三月末の上海取材、六月初めのSEOUL取材、七月に入ってのアジア各国市場データの収集と解析、関係者への取材など、一歩一歩積み上げた成果が分厚いレポートとなって今、私の机上に置かれています。あとは当日までに量産を済ますだけとなりました。
 それにしても、今回のパネラーは豪華と言うしかありません。中国百貨店業界の山田長政たる正大百貨店正大広場総裁、斉藤克久さん、中国アパレル市場に精通する上海オリーブ総経理、渡邉兼久さん、アジアへのジャパンブランド売り込みに奔走するアパレルウェブ社長、千金楽健司さんと、ほとんど三国志の世界になってしまいそう。中国市場の最新状況から商売の現実まで話は尽きず、とても60分では収まりそうもありません。上っ面で終わりがちな中国市場がらみのセミナーでは例外的に役に立つ、現実的なデータとアドバイスが満載のコンベンションになるでしょう。
 中国やアジアのお話だけではありません。毎回恒例の米国アパレルチェーン&アパレルメーカーの決算動向/戦略展開報告は他では絶対に揃わないものと自負しています。洋の東西を知り、国内情勢を総括し、来年に向けての戦略を提ずるのがビッグコンベンションなのです。乞うご期待と言うしかありませんよ!
 2010/08/25 08:55  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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