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子供が壊した玩具を捨てるように
 ファーストリテイリングは06年に出資して07年に完全子会社化したキャビンの婦人服専門店事業から撤退し、来春を目処に全198店をグループ内の他ブランドに転換するか閉鎖するそうです。300億円もかけて買収し、柳井さんが自ら乗り込んで幹部全員を面接査定してユニクロ流を強要し、結果として多くを退職に追い込んだ流転の悲劇を振り返れば、『上手くいかなかったから止めます』では済まされないと思うのは私だけでしょうか。
 「アンラシーネ」も「e.a.p」もキャビンらしいナチュラルマインドな良いブランドで顧客もついていたのに、素材も生産背景も強引にユニクロ化して平板な量販商品にしてしまい、顧客が離れてダメになってしまいました。顧客もスタッフも無視して企業文化もブランドも破壊した柳井さんの無神経さは、玩具を乱暴に弄って壊してしまう子供のようですネ。
  私の会社にも取引先にもキャビンを辞めた人たちが何人も流れ込み、そして多くは再び流転していきました。平明前オーナーの下で平和に働いていた彼ら彼女らの多くは環境の激変に適応しきれず退職し、未だ安住の地を見つけられないで苦悩している人も多いと聞きます。平明前オーナーとは私が大学生だった頃からの付き合いで(まだ東京カジュアルウェアという社名でした)、和気あいあいとした社風は心地よいものでしたから、シビアな柳井流マネジメントに耐えられない人が多かったのでしょう。
 それほどの悲劇を引き起こして結果、成功したならともかく、子供が壊した玩具を捨てるように放り出すなど、社会通念上、許されるとは到底思えません。ファーストリテイリングは買収した国内企業のいずれも再建できないままですから、柳井さんは名経営者という称号を返上すべきでしょう。
 2010/07/23 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)

巨星墜つ
 昨日、日本の流通業育成に多大な貢献を果たされた神格的コンサルタント、渥美俊一氏が83歳の長寿を全うされました。チェーンストアやビッグストアというコンセプトとビジネスモデルを提じて流通革命を指揮された功績は比類ないものと賞賛されるべきでしょう。
 私がこの職業を選んだのも、高校生の時に渥美俊一氏の講演に触れた事が契機でした。大企業のトップを叱り飛ばす姿に憧れてこの道に入ったのですが、今日では彼のような神格化されたコンサルタントの時代は遠い過去のものとなり、ソリューションサービス業の一種に堕してしまったのは残念と言うしかありません。私など、化石化した教祖的コンサルタントの最後の末裔なのでしょう。幼児的に退化していく業界の若者にお遊戯を教える如才なさもなく、クライアントに進化を強要しては煙たがられているのが実情なのかも知れません。
 力不足ながら偉大な巨星の軌跡を継承し、興隆するアジアに追い抜かれていく業界の指南役を果たしたいと願うばかりです。幼稚園の保父さんだけはご容赦下さいネ。
 2010/07/22 09:15  この記事のURL  /  コメント(0)

MDディレクションゼミは8月25日開催
 二ヶ月以上かけ多くのステップを積み上げて仕上げたレディス版『11年春夏MDディレクション』を8月25日、ようやく一般公開します。ローカル対応からグローバル対応まで厳選した11テーマをスタイリング/カラーリング/素材構成までビジュアルに組み上げ、繊細なディティールまで解説します。当社のディレクションは客層別のスタイリング変化とブランド別の販売動向を精緻に検証して構成するもので、コレクションのまとめや素材開発動向から組み上げる多くのトレンドディレクションとは次元を画した市場性の確かさを誇っています。
 今回のMDディレクションでは客層スタイリングマップを再構築してマーケットの変化を検証し、等身大のローカル対応とモードなグローバル対応のバランスに留意してヤングからキャリアまで市場性の確実な11のMDテーマにまとめました。素材ボードもイメージが一発で掴めるよう、デリケートに仕上げましたよ。会場も狭いのでお早めにお申し込みくださいネ。
※セミナーの御案内はこちら
 2010/07/21 09:22  この記事のURL  /  コメント(0)

夏休みまで頑張ります
巨大駅ビルの構成企画も一段落して『11春夏MDディレクション』の素材ボード作成にもようやく目処がつき、ホッとしたところで、オフィスに二週遅れで自宅もMacBook Proに切り替えました。MacBook Proは旧式iBookとは桁違いの快速でスイスイ仕事が進みますし、モニターの解像度も格段にキレイです。作業環境も整いWordにもようやく慣れたので、仕事もバリバリこなせるでしょう。
 巨大駅ビルの業務も、後は設定したテナント毎に類似駅ビル/FAビルでの実績から予測した売上を積算し、マクロ商圏解析から割り出した全館売上との擦り合わせを残すだけとなりました。建築レイアウトや昇降導線設定まで介入して賃貸有効率を元計画より13ポイントも引き上げたのですから、その分がまるまる乗って凄い売上になりそうですよ!やったぞ!!
 夏休みまであと三週間しかなく、あと二週で7月SPACレポートを仕上げて『11春夏MDディレクション』も完成させ、夏休み前までには8月26日に迫るSPACビッグコンベンションのレポートにも目処をつけねばなりません。当社は残業が少なく夕刻7時には皆、帰ってしまうのが常ですが、この期間だけは8時過ぎまで頑張らざるを得ないでしょう。山積した仕事をなんとか片せば、後は夏休みが待っています。軽井沢でのんびり過ごす事に致しましょう。
 2010/07/20 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

レナウンの中国構想は白髪三千丈的誇張
 山東如意科技集団の傘下で経営再建を目指すレナウンが同社との合弁で中国に三年後、300店/売上100億円以上、十年後、2000店/売上1000億円以上という遠大な構想を打ち上げましたネ。「シンプルライフ」「チャージ」「エンスウィート」「マーノ」の4ブランドをFC中心に拡大するとしています。この4ブランドが中国市場でどれほど成長性があるか定かではありませんが、たとえ予定通りに店舗が増やせたとしても売上の達成は相当に難しいと思われます。
 中国の百貨店やSCの販売効率は毎年のように1割前後伸びているとはいえ日本の5〜6分の1と極めて低く、上海など沿海大都市に4店舗を布陣する伊勢丹でさえ販売効率は年坪73万円に過ぎません。中国に1017の直営店を布陣するジョルダーノ・インターナショナル社の店舗平均売上は1880万円、同じく3247の直営店を布陣するイ・ランド社の店舗平均売上は1830万円、路面の大型店も展開するMeters/Bonwe社の直営店平均売上でも3430万円ですから、レナウンの目論む300店で100億円(店舗平均3333万円)、2000店で1000億円(店舗平均5000万円)という数字は相当に希望的観測というか、机上の空論というしかありません。
 前述の4ブランドはせいぜい20坪程度のインショップ展開ですし、直営店中心ならともかく大半を代理商のFCに依存するというレナウンの構想では、直営展開各社より販売効率は低位に留まると見なければなりません。販売効率が遥かに高い日本でもレナウン全社で2500ショップを布陣して690億円(店舗平均2760万円)ですから、どんなに希望的に見てもその六掛け程度が上限と思われます。となれば、三年後の300店で50億円、販売効率水準が上昇すると期待される十年後でも2000店で500億円程度と見るのが妥当な見識でしょう。いくら中国とはいえ白髪三千丈的誇張も過ぎるのではありませんか!
 2010/07/16 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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