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『ユニクロ症候群』がやっと世に出ます
 年明けから執筆にとりかかった久しぶりの私の新著『ユニクロ症候群』(東洋経済新報社)が来月末にやっと世に出ます。『なんで「ユニクロ」なんかがこんなに成功したの?!』という素直な疑問が‘退化する消費文明’という結論に辿り着き、デジタルに感性を圧縮された若者から幼稚園的社会主義に陥って競争力を失って行く企業まで、何もかもが退化して新興国に追い抜かれて行く落日の日本を嘆く一冊にまとめました。
 「ユニクロ」進化の歴史をギャップ社と比較して検証し、第一世代から第3世代までSPAの進化を体系的に論証して垂直統合によるプロダクト・アウトと水平分業によるマーケット・インの優劣を論じるとともに、ファーストリテイリング社が壮大な2020年5兆円構想を実現出来るのか、欧米からアジア新興諸国まで売上を予測してはっきりと数字で答を出しましたよ。
 世に溢れる多くのユニクロ本のように「ユニクロ」に学ぶのではなく、「ユニクロ」のリスクとチャンスを検証して未来を占い、欧米はもちろんアジアのSPAとも比較して新興国市場の進化と日本市場の退化を対比し、退化の隘路に陥った我が国ファッションビジネスに突破口を提じています。ファッション業界はもちろん家電業界や自動車業界まで、グローバル平準化の波に飲み込まれてアジアの新興国に追い落とされて行く近未来の日本を描き、儚い抵抗を呼び掛けました。
 調べれば調べるほど、アジアを知れば知るほど、日本の落日は避け難いと痛感するばかりでした。愚かで貧しい若者とともに文明さえ退化して行く落日の日本をどう建て直すのか、その答はアジアに打って出るしかありません。若者も老人も大東亜の可能性に賭けるのは昭和も平成も大差ありませんネ。未来在る人々は落日の日本を捨て、彼の地に骨を埋める覚悟で赴くべきでしょう。『俺も行くから君も行け中国へ』という時代なのです!
 2010/06/23 09:36  この記事のURL  /  コメント(0)

貧乏が若者を退化させている!
 今朝の繊研新聞に毎年好例の『全国ファッションスクール学生のファッション意識調査』の報告が載っていましたが、生活苦からデザイナーブランドを諦めて安いファストファッションやSPAブランド、古着やフリマに走る悲惨な姿が浮き彫りになっていましたよ。驚くべきは月間の衣料支出が1万円以下という学生が前回の2倍に急増して過半に達した事で、最もファッション好きなはずの服飾専門学校生ですらこの有り様ですから、一般の若者はもっと衣料消費に消極的なのでしょう。業界は貧乏な若者ばかりを狙うのを止め、お金も感性も豊かなオジサンオバサンに投資を集中するしかありませんネ。
 若者の感性退化が著しいと感じる事が少なくありませんが、その要因はデジタルな感性圧縮やヘッドホン的孤立化だけでなく、先立つものがない貧しさが重くのしかかっているようです。近年の新興アジア諸国に較べての著しい教育水準の低下も家庭に教育投資の余裕がない事が大きな要因のようで、繊研新聞の報告も学費の分割納入や延滞、学費が払えずに退学するケースが増えている事に言及しています。
 ‘失われた20年’の果てにリーマンショック以降の深刻な不況に沈む日本は興隆するアジア諸国に経済でも教育でも若者の感性でも次々と追い抜かれ、辺境のロストワールドとなりつつあります。若者に教育機会はもちろん、感性を磨く消費体験を積ませないと、築き上げた文明さえ退化してしまいます。日本が砂漠に沈むエジプト文明やジャングルに覆われたマヤ文明の轍を踏まないとは、もはや言い切れない段階になって来ましたネ。追い詰められた企業が家庭と若者を犠牲にして生き残ろうとする今日の日本を、いったいどうしたら良いのでしょうか。
 2010/06/22 08:58  この記事のURL  /  コメント(0)

WWDに引っ越します
 先週は来客や打ち合わせこそ少なかったものの(中国から突然の賓客がありましたが)、24日開催のSPAC研究会『SPAのビジネスモデル総研究』の準備や出版原稿の最終修正に追われ、クライアントの新店のレイアウト図面作成も加わって疲れ果ててしまいました。なのに週末はSPAC研究会用原稿の修正作業でろくに休めず、合間を縫ってシェイプアップのトレイニングに抜けるのが精一杯でした。ちょっと忙しいとすぐに疲れがたまってしまうのは、やはり歳のせいなのでしょうか。10年前ならもう20〜30%は多く仕事がこなせたのに、無理が出来なくなりましたネ。
 24日のSPAC研究会では近年の研究蓄積に3月末の香港/上海視察、6月上旬のSEOUL取材の成果も加え、グローバルSPAたれる条件は何か、徹底して追求します。既存グローバルSPAの比較検証に加え、韓流SPAや中国/香港SPAの業績とビジネスモデルを検証してアジア市場の競争構造を明らかにし、ローカルブランドからグローバルブランドに化ける必須要件を探ります。「ユニクロ」と「○○○・○○○」を除けば、日本ブランドがアジア市場でグローバルブランドと認知されるのは不可能に近い事が解ると思います。アジア市場、とりわけ中国市場への進出や拡大を目論む企業は24日のSPAC研究会は必見ですよ!
 ところで、26年半も続いた繊研新聞連載の『全国有力100SC/百貨店ブランド別販売動向報告』が09年冬商戦で終了し、10年春商戦から「WWDジャパン」に引っ越す事になりました。6月28日号に第1回が掲載されますから、これまで繊研新聞で親しんでいた方は「WWDジャパン」を見て下さいネ。
 2010/06/21 08:57  この記事のURL  /  コメント(0)

期待のニューフェイスはちょ〜可愛いよ!
 先週からアパログに新登場したテキスタイルデザイナーの堀内映子ちゃんはルックスも彼女のイラストもちょ〜可愛いよ!
 自分コーディネイト報告のナイスバディな奥山江里ちゃんがいなくなって寂しくなったアパログの女性陣に、ようやく期待のニューフェイスが登場しましたネ。武蔵美出身というのも何だか親しみが持てます。84年1月生まれのまだ26才なのにテキスタイルデザインにもキラリと光るアートがあって必見ですよ(これは使える!)、これからが愉しみですネ。
 2010/06/18 08:58  この記事のURL  /  コメント(0)

奇跡も現実になる?
 今朝の繊研新聞に拠れば、あのイ・ランドグループ傘下のニューコア百貨店が6月3日、SEOUL文井洞のガ−デンパイプSC内に買い取り方式の超大型百貨店(6万9000平米)をオープンしたとか。韓国の百貨店は部門構成もビジネスモデルも日本の百貨店と大差なく、大半をコンセッショナリーに依存している事は先に報告した通りで、全館まるごと買い取り方式というのは韓国でも空前絶後の画期的なチャレンジと言えるでしょう。04年にイ・ランド傘下となったニューコア百貨店は昨年末で百貨店2店舗、アウトレット百貨店17店舗を展開しており、ロッテ、新世界、現代の三大百貨店チェーンとは毛色の変わった存在のようです。
 百貨店業界では買い取り方式へのチャレンジが幾度も行なわれて来ましたが、未だ5%未満に留まっているのは何故でしょうか。その理由は以下の3点と思われます。
 1)仕入れや販売の経費がかかるのに利幅が薄く、営業利益はコンセの歩合手数料を遥かに下回る。
 2)セレクトショップ同様、調達サイクルが限定されて鮮度が保てず、期中の補給も難しく(コンセなら業者が補給する)、売り減らし一辺倒になって売上も伸びない。
 3)個店消化に依存する百貨店では多店舗間在庫運用を行なうチェーンのようには消化が進まず、マークダウンロスや残品が粗利益を圧迫してしまう。
 この壁を超えるにはオリジナル商品(メーカー別注かODMでしょう)を短サイクルに投入し、販売機会を拡大するとともに売場の鮮度を保ち、運営経費とマークダウンロスを吸収してコンセ歩率並みの利益が残る値入れ率(60%以上)を確保するしかありませんが、数店舗といった零細なロットでは不可能ですから、いつもチャレンジで終わってしまうのです。やるならブランドとしてのキャラを立てて百貨店の外にも出店し、少なくとも4ダース程度の展開ロットは確保して、多店舗ロジスティクスのノウハウを確立すべきと思われます。
 我が国百貨店の体質を考えれば有り得ない奇跡でしかなく、買い取り商法は永遠のチャレンジに終わるのでしょう。イ・ランドグループのようにアパレル企業が百貨店を買収するなら、奇跡も現実になるのかも知れませんネ!
 2010/06/17 09:49  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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