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QRを止めよう!
 欧米、香港、上海、SEOULで目に付くブランドと日本のブランドを見較べると、決定的な違いが4つあります。ひとつはMD展開の建築的設計の有無、ひとつはOEM/ODM乱用の有無、ひとつは確立されたVMD手法の有無、ひとつはQRによる同質化の有無、と言ってよいでしょう。
 欧米でもアジアでもブランドとは『コンセプチュアルに構造設計されたMDを自ら生産管理して計画的に展開し、ブランド(会社)固有の確立されたVMD手法で明確にブランディングするもの』と生真面目に信じられているようですが、日本のブランドのほとんどはMD設計が曖昧で建築的構造性がなくOEMやODMを乱用し(柔軟と言えばよいのかな)、VMDも独自性を欠く一般的手法に留まり(ディスプレイと現場の工夫に依存している)、ブランドのキャラが見えません。それに輪をかけているのが売れ筋のQRで、ボケたキャラをさらに暈して同質化に陥るばかりか、計画的なフェイス切り替えまで妨げています。
 欧米やアジアのキャラが見えるブランドでOEM/ODMやQRをやっているブランドは、ファスト系を除けば恐らく皆無でしょう。それらはブランディングと計画的MD展開を妨げるタブーとして、やってはならない事と考えられているようです。『小技を労して多少の売上を稼ぐより、ブランディングと計画MDの遂行に徹すべき』、という見識が伺えます。それが欧米でもアジアでもブランドビジネスの常識なのです。
 リスク回避の曖昧MDとQRによる前月踏襲に陥ってブランドのキャラが見えない日本のファッション屋さんたち。皆さんが常識と思っている事は極東ローカルのガラパゴス村だけの常識なのですよ!小売系SPAならともかく、ブランドがブランドであるために、いっそQRを止めたら如何でしょうか!さすれば、MDの計画性も商品の完成度も高まり、店頭フェイスの鮮度も保たれ、同質化を回避してキャラも立つのでは!!
 2010/04/21 09:01  この記事のURL  /  コメント(0)

109の復活は・・・・
 昨日の繊研新聞で『渋谷109に活気が戻った』という記事を目にしたので、月度の定期巡回のついでに確かめに寄りました。記事に寄れば活気の原動力は8Fに改装オープンした若槻千夏プロデュースの「WC」(古着系SPAのウィゴーが始めたポップキャラなブランドでダブルシーと読む)、7Fに2月末開店した松本恵奈プロデュースの「EMODA」(マークスタイラーが始めた姉OL系モードギャルブランド)だそうですが、前者はぶっ飛び原宿ストリートギャル系、後者はかなり姉っぽいグラマラスOL系で、どちらも109文明では辺境に位置するものです。
 109文明の中核を占めるバロック系やギルド系は相変わらずのマンネリ状態ですし、『花柄ロングワンピース+Gジャン/ダンガリーシャツ』の氾濫に見るように館全体の同質化は一段と極まっていますから、こんな辺境のブランドが一時的に売れたからと言って109に活気が戻るとはとても思えません。それどころか、原宿ストリート系や駅ビル・モードミックス系との交錯が進んで109の独自性が一段と希薄化する恐れさえ指摘されます。
 春が来て冬期の8掛け状態を脱し3月は前比95まで戻した109ですが、本流ブランドが勢いを取り戻さない限り浮上は難しそう。4月の売上は何処まで戻すのでしょうか・・・・
 2010/04/20 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

春の雪が融けて・・・・
 先週は暫く引き摺って来た課題が次々と片付いて新たな展望も開け、ようやく雪が融けて陽春が来た思いがしました。週末の春の雪も土曜の朝には上がり、午後にはカラリと晴れ上がりましたネ。これで業界の景気も回復してくれると嬉しいのですが・・・・『春の雪』と言えば、三島由紀夫の描いた華族子女の幼児性ゆえの儚い顛末を思い出します。私は幼児性が文学的に美しいとも社会的に有用とも思いませんが・・・・
 今週は『在庫強制回転・再編集陳列VMDゼミ』(残席わずか!お急ぎ下さい)と月例の『販売データ交換会』、来週は某ファストブランドのプロトタイプ店開店設営(新宿ルミネエストB1)、フォーエバー21銀座店の取材、SPAC月例会『出店戦略総点検』と続き、29日からは7日間のGW休暇に入ります。当社はお休みが多いのですよ。
 GWの前半は軽井沢に遊び、後半は遅れている出版原稿『○○○○症候群』の仕上げに集中します。世に出るのは7月半ばぐらいでしょうか。GWの後半には我が家の薔薇も咲き揃いますから、親しい方々を招いて薔薇見の午餐会でもやりたいものです。もう初夏の陽気になるでしょうから、香しいピノ・ノワールと爽やかなシャンパンを用意致しましょう。
 2010/04/19 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

日韓SPA戦争に注目
 今朝の繊研新聞に東レの繊維産業シンポジウムにおける石倉洋子一橋大学大学院教授の発言主旨が載っていましたが、『ルールメーカーが一番強く、それに振り回されるルールテイカーはいつまでも後塵を拝し、ルールブレイカーが新たな世界を創る』、という指摘は極めて解り易いものでした。近年の『ユニクロがルールを創り、皆が追従する』という業界の体たらくには反吐が出そうでしたが、そろそろルールブレイカーが出て来てルールを変えても良い頃でしょう。
 先日、紹介した韓国E・LAND社が打倒「ユニクロ」の低価格グロ−バルSPA業態として昨秋、韓国でデビューさせた「SPAO」なんか、ルールブレイカーになりそうですよ!「ユニクロ」の6〜7掛けと劇安で遥かに若々しくカラフルで、昨年11月25日に明洞の「ユニクロ」の隣にオープンさせた旗艦店など3層2875平米と、「ユニクロ」(2314平米)をスケールで圧倒しています。
 「SPAO」がもうひとつ注目されるのは東方神起やBoAで知られる韓国の大手芸能プロダクションSMエンタテイメントとの提携プロジェクトという点で、明洞店のオープニングにも少女時代(モ−娘みたいなもの)やスーパージュニア(ジャニーズジュニアみたいなもの)など、SMエンタテイメントのタレントや俳優が多数出席して群集が押し掛け、大混雑となったそうです。「SPAO」のホームページや広告にもSMエンタテイメントの人気タレントをふんだんに登場させ、一気に国民的人気ブランドに押し上げてしまいました。
 こんなルールブレイカーが日本市場に進出すれば「ユニクロ」もルールメイカーの座から転落するかも知れませんね。「ユニクロ」VS.「SPAO」の日韓SPA戦争がどんな攻守になっているのか、6月頭のSEOUL視察が待ち望まれます。
 2010/04/16 09:58  この記事のURL  /  コメント(0)

H&Mの売上効率が急落している
 昨日の繊研新聞にH&Mの10年第1四半期(09年12月〜10年2月)決算が載っていました。全社売上は出店ペースが落ちて前年同期から6.6%増と減速しましたが、既存店売上は2%増と回復して純利益は45.2%も伸びたそうです。気になるのが日本での売上ですが、09秋開設の4店も含めて6店舗がフル可動したにもかかわらず3億5300万クローネ(約46億円)に留まりました。
 前期の第1四半期売上比率(23%)から推計すれば年間売上ペースは約200億円で、一店当りでは33.3億円に留まります。上陸初年度の09年上半期では2店舗で年間119.6億円ペース(1店舗当り59.8億円)でしたから、約56掛けペースまで減速した事になります。月坪効率も09年上半期の131.6万円から10年第1四半期では45.8万円と35掛けに急落してしまいました。
 ららぽーと新三郷店やランドマークプラザ店のような郊外ターミナル店舗も加わって販売効率が低下したと推察されますが、多店化による人気の分散も否めないでしょう。急速多店化とともにさらに販売効率が落ちて行けば、在庫が滞ってファストな商品回転(実態は4.2回転と遅いが)も台無しになってしまいそう。既に何処の店頭でも売れ残り処分品が積み上がっていますから、このまま順調に多店化していけるとはちょっと思えません。ZARAみたいにアウトレット店舗を並走させた方が良いのでは(7月8日開業の三井アウトレットパークに日本初のアウトレット店を出店する)。
 2010/04/15 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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