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グローバル平準化という現実
 2月4日に開催するSPACビッグコンベンションで発表するレポートを作成していますが、アパレル各社の決算/販売統計では市場の加速度的縮小と外資SPAのシェア拡大が顕著に見られます。
 年商10億円以上のアパレルメーカー/アパレル専門店の決算を集計すると09年度の合計売上は5兆5632億円と前期比6.3%減少しましたが、うちグローバルSPA4社(国内ユニクロ、ギャップジャパン、ザラジャパン、H&Mジャパン)の売上は前期から約900億円増えて6536億円となり、全社売上に占めるシェアは11.9%まで上昇しました。10年度の全社売上は5兆2110億円と6.3%減少し、グローバルSPAの売上は国内ユニクロの伸びにH&Mの急速な多店化やフォーエバー21の売上が加わって7666億円前後に増えると推計されますから、グローバルSPAのシェアは14.7%強まで上昇する事になります。このペースで進むと12年までにはグローバルSPAの売上シェアは20%を超えてしまいますが、恐らくはもっと加速するに違い在りません。
 97年から09年にかけ、アパレル製品の平均輸入単価は44.4%下落し、同期間に平均購入単価も34.1%低下し、日本の衣料品市場は17兆6200億円から11兆8500億円へと32.7%も縮小してしまいました。輸入単価の下落が購入単価の下落を招いて市場が萎縮して行くという、まさにグローバル平準化を絵に描いたようなドラマが現実に進行したのです。ユニクロが価格と品質の常識を変えた98〜00年間にも輸入単価は約7掛けに急落しましたが、ファストSPAが上陸してブームが盛り上がった08〜09年間でも輸入単価は8掛けに急落しています。ファストSPAは日本の品質神話を崩壊させ価格の常識も一変させました。彼等が急速な多店化に移る今年は価格/品質/感性のグローバル平準化が加速し、東京もソウルも上海もホーチミンも同価格/同品質/同感性(シリアスですが同所得も加わります)に収斂して行く契機の年となるでしょう。
 『覆水盆に帰らず』と申します。時代の歯車が逆転するのを祈っても仕方ありません。グローバル平準化という現実を受け入れ、自分なりの生き方を模索すべきではありませんか。
 2010/01/25 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

『ソニーウォークマンの逆襲』は茶番劇でした
 昨晩のTV東京の「ルビコンの決断」で『ソニーウォークマンの逆襲』という企画をやっていましたが、‘逆襲’というたてまえとは裏腹にアップルにやられっ放しの茶番劇に終始して苦笑してしまいました。
 05年当時の新型ウォークマン発売で旧式なディスクドライブ型を出して最新のフラッシュメモリー型で出て来たアップルのiPodに完敗したのは化石的茶番と言うしかありませんし、その後の09年の新型発売でやっと一瞬だけシェアを奪回したという‘逆襲’話も低価格多品種攻勢でゴリ押しした戦術的勝利に過ぎません。それにしても、09年新型ウォークマン群のデザインのローカルっぽいダサさは絶望的でしたネ。どう見ても「AIWA」としか見えない玩具っぽいセンスはトーキョーローカルの若者にしか通用しない悲しいもので、ミニマルに洗練されグローバルに通用するiPodのデザインとは雲泥の格差がありました。今や大半の自社工場を売却してファブレスメーカーに堕落したSONYの製品開発力は韓国や台湾のEMSに依存する危ういもので、基本的な回路基盤開発力を社内に持たないゆえ独創的なデザインも出せなくなったのでしょう。「BRAVIA」だって中身はサムスン電子製ですよ。
 そんなSONYのデザインとアップルのデザインを較べてユニクロはどっちかなと考えると、どう贔屓目に見てもアジアローカル感覚でシャープさを欠き、SONY的ローカルポジションと言わざるを得ません。これでホントにグローバルに売っていけるのでしょうか。「+J」だけはミニマルに洗練されてアップル水準に近付いていますから、やはりジル・サンダー氏との契約は「ユニクロ」グローバル化の決定打だったのでしょう。
 2010/01/22 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

老齢年金見込み額に目が点!
 還暦になったからなのか、日本年金機構から「ねんきん定期便」なるものが送られて来ました。記録の漏れがないかを問う御親切な内容でしたが、65才からの老齢年金見込み額を見てガックリ!たったの二百十数万円あまりという金額に目が点になりました。毎月あんなに払って来たのに、これでは生活費どころかお小遣いにもなりません。記録一覧を見る限り漏れはないようでしたから、年金なんてこの程度のものなのでしょう。
 幸い私はバブル期に生命保険会社の一括払い年金保険を買っていたので(地価高騰で自宅購入を一旦あきらめ、住宅資金の一部で買った)JALのOB並みの年金が加わりますから、細々とは生活していけそうです。とは言え、そんな年金暮しではセレブなルン妻に三行半を突き付けられてしまいますから、当分は頑張って稼ぐしかないと腹を括りました。65才でのリタイヤを夢見ていたのですが、諸般の事情もあって勤労生活が伸びる事になるのかも。老骨に労働者暮らしはきついですネ。トホホ・・・・
 2010/01/21 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

JAL状態の百貨店各社
 すったもんだの末に19日、日本航空が会社更生法の適用を申請して経営破綻し、即日、更正手続きに入ったとか。負債総額はグループ3社計で2兆3221億円と2000年のそごうグループの1兆8700億円を上回り、金融会社を除く事業会社としては過去最大の破綻となったそうだ。だいぶん前から超過債務状態だったのに抜本的なリストラを先延ばしにして来たつけは大きく、結局は国民の血税を注ぎ込む事になってしまった。
 リーマンショック以降の販売低迷が2周目に入った百貨店各社も未だ抜本的な浮揚策を見出せないでおり、長いダッチロールの果てに破綻した日本航空と重なって見える。ファッションビルとのハイブリッド構成を目指すにしても巨大オフプライスストアを目指すにしても、運営コストの徹底した圧縮が不可避で抜本的な人員整理が急がれるが、全社員の4分の1という大量の希望退職に踏み切った三越を除けば、各社とも遅々として進んでいないのが実態だ。不採算店舗の閉鎖も昨年中わずか9店と遅々として進んでおらず、このままでは手遅れになって破綻する百貨店が続出する事になる。大手とて破綻寸前に追い込まれた下位百貨店や地方百貨店を救済合併する余裕はもはやなく、救い手のないまま破綻するケースも出て来るだろう。断末魔が迫る中、茹で蛙を決め込む百貨店各社は正にJAL状態で、絶望的な結末が懸念される。まさか、国民の血税で救済する事にはならないでしょうネ。
 2010/01/20 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)

的外れな指摘に反論します
 もう遠い事になった06年10月13日の私のブログに対して今頃、『990円ジーンズを契機に業績が急浮揚しているが、小島氏は“g.u.”の将来を見誤ったのではないか』という指摘をメールして来た人がいたので、『それは的外れな指摘だ』と反論しておきます。
 06年10月の1号店開設当時の“g.u.”は様々な業者のODM調達に依存する低価格低品質な『安かろう悪かろう』というカジュアル業態で、価格も“ユニクロ”のマークダウン品と大差ない中途半端な設定でした。ゆえに『“g.u.”は日本に不用です』と断じ、「販売革新」06年11月号で『“ユニクロ”成功の文法に従った自社企画自社開発自社生産管理の低価格中品質カジュアルSPA業態に転じない限り離陸は難しい』と指摘した訳です。事実、その後“g.u.”は予算比5〜6掛けという売上で長く低迷していました。それを柳井正会長が見かねて“ユニクロ”流の自社企画自社開発自社生産管理の低価格中品質カジュアルSPA業態への転換を決断し、価格も“ユニクロ”の半額まで落として990円ジーンズで打って出たのが業績浮揚の契機となったのです。まさしく私が当時、指摘した通りの結果となった訳で、『小島氏は“g.u.”の将来を見誤ったのではないか』という指摘はまったくの的外れと言うしかありません。指摘された方は「販売革新」の論文をお読みになっていなかったのでしょう。ここにきちんと反論させて頂きました。
 2010/01/19 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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