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ユニクロ興隆と引き換えた‘失われた20年’
 年末の日経の特集記事に拠れば、‘ゼロ年代’10年間のヒット商品番付は始めから終わりまでユニクロが席巻したとか。フリースブームに始まってヒートテックと激安ジーンズ(火付け役はジーユー)に終わった訳です。ユニクロは‘ゼロ年代’に最も興隆した企業であり、‘失われた20年’を通して売上を115倍(国内ユニクロ事業)に伸ばしたデフレの申し子であり、没落し生活が質素になって行く日本を象徴する企業と言うべきでしょう。
 日経平均株価は89年末ピークの3万8915円から09年末は1万円強とほぼ4分の1に下がって東京証券取引所の時価総額は半分に落ち込み、世界の名目DGPに占める日本のシェアは94年の17.9%から08年は8.1%まで下がり、国民一人当たりGDPは93年の世界第2位から08年には19位にまで転落してしまいました。まさしく落日の20年であったと言わざるを得ません。そんな‘失われた20年’と引き換えにユニクロが興隆していったという想いを否めないのです。
 こんなにも無惨に日本が凋落し生活が質素になって行く事がなければ、もっと楽しく個性的なファッション企業が多様な花を咲かせ、ユニクロに活躍の場はなかったかも知れません。でも、それは遠い過去のガラパゴス的閉鎖市場を懐かしむ老人の夢想でしかないのでしょう。否応無しにグローバル化の波に巻き込まれ価格も品質も感性さえもグローバル平準化していく今日、柳井さんの言うようにグローバルに通用する企業以外は生き残れないのかも知れません。が、ローカルな企業やアナログな企業にもリベンジのチャンスは十分に在ると思います。虎年の来年こそ、リベンジの年と致しましょう!
 明日12月30日から1月4日まで冬休みにしますので、その間はブログもお休みします。5日の朝は虎年らしく元気なメッセージを発信したいですネ。
 2009/12/29 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)

孝行娘まで売り飛ばす不埒な親!
 新聞報道に拠れば、レナウンは婦人服子会社のレリアンを来年1月、伊藤忠商事に売却するとか。議決権ベースで52.76%の株式を87億6400万円で売却し、借金の返済に当てるそうです。かつての高収益性は見る影も無くなったとは言え、レナウンの連結売上高1560億円の3分の1以上を売り上げる孝行娘(ちょっと薹が立ってますが)まで売り飛ばして食い繋ごうとは、親の風上にも置けない不埒ものですネ。
 レリアンは国内に比類のないプレタSPAとして80年代に高収益体質を確立し、90年代半ばには婦人服専門店の売上首位に立って業界の注目を集めました。メーカータイアップ型のODM調達と高質な販売組織のコストに押し上げられた法外価格で近年は低迷していますが、ちょっと手を加えれば新たな成長も期待出来るレナウン最後の‘お宝’だっただけに、「孝行娘まで売り飛ばすのか」という思いは否めません。
 レリアンのビジネスモデルは数年前まで急成長していた米国ミセスSPAチコス社のそれに極めて近く、イージークロージングやコンフォートナチュラルなど最近のミセスの等身大ウェアリングに乗せ替えてMD展開をスピードアップし、コストを抑制して出店チャネルをSCや駅ビルにシフトすればすれば、再成長に転じる可能性が高いと思います。ビジネスモデルの骨格だけ見れば、‘ミセスプレタ版のポイント’と言ってもよいでしょう。
 それにしても、原宿本社売却、五反田本社売却、大阪新町ビル売却、アクアスキュータム売却、そしてレリアン売却と、レナウンの蓑虫生活は何時まで続くのでしょう。もう売り飛ばす資産も底を尽いたのでは!
 2009/12/28 09:28  この記事のURL  /  コメント(0)

騙されないぞ!
 会社にも自宅にも時折、公的団体やNPOを名乗る組織から寄付を募るダイレクトメールが届きます。そのままゴミ箱に捨てる訳にもいかず一応は中身をきちんと読みますが、途上国の子供達や病人の窮状を訴える内容にはつい心が動いてしまいます。しかし、「待てよ」という理性が働いて、その団体の実態や評判をネットで調べてみたりもします。公的団体を騙った詐欺ではないかと疑った次には(振り込み口座番号を確認しましょう)、天下り役人がピンハネしているのではないかと決算書の経費項目をまじに精査したりもしますが、たいがいはそこで「止めとこ!」という事になってしまいます。詐欺ではなくても、日本ユニセフ協会のように寄付金の19%(33億円5500万円)も運営経費に消えているのを見ると、やっぱ天下り役人がピンハネする仕掛けなんだと察してしまうのです。
 考えてみれば、法人税、所得税、住民税、消費税などなどで大枚を収奪されている身となれば、何をわざわざ身銭を切る必要があるのか考えてしまいます。そんな余裕があるのなら、実情が見える身内の人々に回してあげるべきでしょう。民主党政権になってお代官様の徴税もすこしは緩むと期待していたのですが、まったくの期待外れでしたネ。不景気風が身に凍みる冬空の下、爪に火を灯してささやかな暮らしを維持するしかないのでしょう。
 2009/12/25 09:23  この記事のURL  /  コメント(0)

ユニクロ的国民車が登場する?
 日本経済新聞に拠れば、トヨタ自動車は系列部品メーカーに部品価格を3割以上引き下げるよう要請したとか。これまで高級車も大衆車も同様に高品質部品を使っていたのを、2012年以降に発売する新車からは先進国向け高価格車と新興国向け低価格車で部品の質も差をつけて一段のコスト圧縮を図る方針との事。まさしくボリュームゾーンシフトと言うべき大決断ですが、機能や品質を抑えて低価格化した車を欲しがっているのは新興国市場だけではありません。自動車メーカーは発展途上国的に退化する日本市場でも“ナノ”的低価格車が希求されている事に気付くべきです。ファストSPAにあれほどの人々が殺到する現実を見てください。作り手が思うほど消費者はもう品質にこだわってはいないのですよ!
 かつてのスバル360やパブリカのような国民車がユニクロ的な適正機能(必要にして十分で過剰でない)商品開発で格安に売り出されば、ユニクロ同様、一人勝ちの大ヒットになるに違いありません。先進国市場の低価格限定機能車は“ナノ”と違って保安基準も厳しくナビもエアコンも必装備となるでしょうが、お値段は100万円を大きく下回るべきだと思います。自動車メーカーが抜本的な低価格化に躊躇している内に、家電メーカーや自転車メーカーが‘モーター付き四輪自転車’感覚のとんでもプライス車を売り出すかも知れませんよ!EV化で乗用車はパソコン同様、誰でも作れるコンポーネンツ商品になってしまうのですからネ。
 2009/12/24 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

2010年の経営課題は?
 日本経済新聞の経営者アンケートに拠れば、2010年の経営課題の首位はコスト削減と新収益源の確立が並び、営業・販売体制の強化、新興市場の開拓、高付加価値化が続いたとか。当社のSPACメンバーアンケートはまだ集計途中ですが、価値創造力の強化とブランド再生、在庫運用精度向上や不採算店スクラップなどが目立つ反面、価格競争力強化という声は限られています。際限なき低価格化とはもう縁を切りたいというのが本音のようですが、残念ながら低コスト生産地へのさらなる移転は避けられず、低価格化は2周目、3周目と続く事が確実でしょう。
 私が提言したい2010年の経営課題は1)R&D(企画・開発)体制強化と生産現場への回帰、またはメーカーの企画・開発力を活用するODMの徹底、2)衰退チャネルから成長チャネルへのドメイン移動(ネット販売も含む)、3)店舗網の集約拠点化と路面フラッグシップの布陣、4)ロジスティクスとVMD運用のロジック革新と精度向上、の4点です。本来なら5)アジア新興市場の開発、を加えるべきですが、中国嫌いなので敢えて挙げませんでした。詳しくは当社ホームページに掲載している私の提言を参照してください。
 2009/12/22 09:28  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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