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新博多駅ビルの売上が1300億円!?
 日本政策投資銀行の試算に拠れば新博多駅ビルの商業施設10万平米の売上は1300億円にも昇り、その余波で天神地区の売上は300億円ほど減少してしまうそうです。ハフモデル手法にJR京都伊勢丹、JR名古屋高島屋の事例検証を加えて算出したようですが、当社が同様にJR京都伊勢丹、JR名古屋高島屋の事例検証をベースに広域北九州圏百貨店売場面積に占める占拠率から計算した結果は阪急百貨店413億円(4万平米)+専門店ゾーン434億円(6万平米)の計847億円に留まります。まだ景気が良かった04年当時のデータで計算しても最大957億円にしかならず、1300億円という数字が何処から出て来たのか想像がつきません。国策銀行のエリートが計算して公表した数字とは言え、こんな数字がひとり歩きしたら関係者のミスジャッジを招きかねませんよ。
 新たに開業する商業施設の売上を推計するには、ハフモデル手法をベースに層状またはメッシュ状に消費支出×占拠率を積算するか類似施設の実績から推計しますが、ハフモデル境界が設定し易い郊外ならともかく、多くの商業施設が複雑に絡み合うダウンタウン/ターミナルではハフモデル手法をベースにしては見当違いの数字が出てしまう事も多く、類似施設の比較検証による補正が欠かせません。日本政策投資銀行による試算もターミナル立地でハフモデル手法をベースにした見当違いと思われます。ちなみにターミナル施設で最大のラゾーナ川崎でも691億円(他にビックカメラが約250億円)、新宿のルミネとエストの合計が865.5億円ですから、新博多駅ビルがどんなに化けても開業5年後で1000億円に届くかどうかでしょう。とは言え新博多駅ビルは最期の超優良物件である事は間違い無く、まともな予測売上から見ても是非、出店すべきと思われます。
 2009/11/24 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

六本木ミッドタウンに輝くファーストリテイリング
 ファーストリテイリングは先代の小郡商事から数えて創業60周年に当る事を記念して11月21日から年末まで特別セールを開催するそうだ。初日はユニクロ創業時代の早朝開店を再現して約400店で午前6時に開店し、並んだ顧客に当時と同じくアンパンと牛乳を振る舞うとか。今やグローバル化してちょっとは洗練されたユニクロも当時はホント貪臭かったのですよ。アンパンと牛乳はともかく、ヒートテックが600円、紳士靴下が10円など、勢いに乗って仕掛ける目玉セールがまた衣料品のデフレに油を注ぐかと思うと、公取委にダンピング調査を訴えたくなります。一人勝ちの強者が仕掛ける価格競争に業界中が振り回される様は、もはや公平とも民主的とも言えませんネ。
 『この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることも無しと思へば』という破竹の勢いのファーストリテイリングは近々、あの六本木ミッドタウンに本社を移転するとか。トヨタやソニーと並ぶグローバル企業として六本木の高みから東京を見下ろす事になるのでしょう。もはや零細なアパレル業界が楯突ける相手ではなくなってしまいましたネ。世の中ホントにこれでいいのでしょうか・・・・
 2009/11/21 08:31  この記事のURL  /  コメント(0)

“She loves SUITS”が可愛いよネ!

 どこか似たようなブランドの開発に関わっている事もあってオンリーの“She loves SUITS”に注目していますが、客層を狭める事を恐れず大胆にフォーカスを絞り、低価格なのに細かい仕様までこだわる物づくりは可愛いですネ。
 まず目に付くのはキュートなギャル体型の5号/7号/9号/11号とスリムボデイ対応を重視したサイズ展開。ジャケットの肩巾の小ささなど見るからに可愛いのですが、レディススーツ専門ブランドとして、ここまで顧客のフォーカスを絞るのは大胆と言うしかありません。ギャルなシルエットにテーラリングの物づくりを追求した仕様も可愛く、裏地の色・柄やボタンまで凝ってますよ。
 すべてウォッシャブルのクラシックラインスーツでパンツスーツが19000円、スカートスーツが18000円という価格設定もインパクトがありますが、洗濯方法を説明したリーフレットや洗剤と専用洗濯ネットなどをパックしたウォッシュキット(840円)まで用意する真面目さにも好感が持てます。加えてシーズン前の受注生産なら19000円のパンツスーツが15000円に、18000円のスカートスーツが14000円になるという「ネクストメイド」で買う事も出来ます。納品は3ヶ月先になるとは言え、このプライスは魅力でしょう。
 セットアップもジャケット19000円、パンツ9000円、スカート8000円で、上下で27000円/28000円に収まります。低価格とは言え「きれいなスーツ」をコンセプトに丁寧に作られたスーツ/セットアップは、キュートなギャル体型やカラフルな裏地使いもあって「可愛い」が先に立ってしまいそう。
 きめ細かい仕様まで詰めた商品ももちろん、フォーカスをとことん絞って販売手法まで真摯に組み立てたブランド開発の大胆かつ真面目な姿勢が私に「可愛い」と言わせてしまいました。ブランド開発とはかくあるべきではありませんか!まだお店は骨董通りの路面となんばCITY、心斎橋大丸北館にしかありませんが、そのうちマルイの中なんかにも拡がるのでしょう。一度、その真面目な可愛さを見てやって下さい。
 2009/11/20 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)

店頭は死んでいる
 今日夕刻に月例の『販売データ交換会』を開催するので、当社のコ−ディネ−タ−達は先週末から、私も今週に入って暇を見て都内店頭を一周していますが、残念ながら大半の店頭は死んでますネ。109から百貨店までごく一部のブランドを除いては新たなルックやアイテムがほとんど登場せず、10月店頭と大差ないばかりか去年の持ち越し品と見られても致し方ないような陳腐な商品ばかりが並んでいます。
 今週末の連休が期待される防寒アウターはカジュアル系ではモッズコートやダウンジャケット、Pコート、ドレス系ではウールや薄手ナイロンダウンのファー付きAラインコートなんかが並んでいますが、どう見ても去年と大差なく、価格を下げたウールコートなど素材の手抜きが露骨です。これで「買え」と言われても「セールを待ちます」という客声が返って来るだけなのでは。という訳なのか、今週末の連休戦では20%程度のオフに踏み切るお店が多いようです。
 売場が死んでいるもう1つの原因は、例年にないほど梅春企画が見られない事。投入が遅れているのか売上不振で梅春企画そのものを飛ばしてしまったのか、例年なら既に投入されているはずのパステルカラーや白黒企画の獣毛混ニット/コートがほとんど見当たらないのです。例年、11月8日の立冬を過ぎれば小春日和感覚が出て来て春めいた色合いの獣毛混アイテムが拡がり、秋冬のディープな色合いに食傷した売場が多少は蘇るものですが、今年はそれさえ出来ないほど売上不振に苦しんでいるのでしょう。12月になったらラメやスパンコールに飾られたパーティアイテム、赤やゴールドがアクセントされたクリスマスモチーフニットなんかが投入されて、少しは売場も生き還るのでしょうか・・・・
 販売不振下で前年踏襲の安全パイ企画や露骨に質を落とした値頃企画に走り、右往左往して季節展開の定石も崩してしまった今の店頭は鮮度も魅力もなく、まさにギョーカイぐるみの‘自爆’と言うしかありません。12月も半ばになれば五月雨式にセールに突入する事になるのでしょう。
 2009/11/19 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

来秋冬『MDディレクション』製作が進行中
 10月末から取りかかっていた来秋冬『MDディレクション』の製作が佳境に入っています。当社の『MDディレクション』は客層別スタイリング動向/ブランド別販売動向を検証して来期の有望スタイリングをビジュアルに提示するもので、マーケットの実態を正確に反映する信頼性の高いディレクションと自負しています。業界には様々なディレクションがありますが、多くはテキスタイル業界の開発動向やコレクションシーンのまとめを出ず、マーケットの等身大な実態に立脚するものは極めて限られるのが実情です。当社の『MDディレクション』は恐らく業界唯一の等身大マーケット対応型であり、緻密な手順を追って検証しスタイリング/カラーリング/素材構成と組み立てて行く極めて精度の高いものです。
 製作手順は1)今シーズンのブランドツリー作成(2400余ブランドを位置付け)⇒2)タイプ別ブランド別販売成績検証(約5500ショップ採録)⇒3)客層別スタイリングボード作成(09AWはレディス47タイプ/メンズ39タイプ)⇒4)来期の客層別有望スタイリング検証⇒5)スタイリングテーマボード作成⇒6)テーマ別カラーリング設定⇒7)テーマ別素材構成ボード作成⇒8)全体総括レポートとMD戦略提言を作成、というもので完成まで2ヶ月半ほどかけています。現在はテーマボードが終わってカラーリングに入ったところで、レディス版は予定通り12月中旬には完成出来るでしょう(メンズ版は1月上旬予定)。そこから契約企業へのディレクションを経て2月5日に公開セミナー開催というスケジュールです。
 商品企画やMD実務に即活用出来る優れものですから、完成したら改めて御案内します。ファストファッション席巻後の新市場を占う10AWは私のリキも入りスタッフの質も揃っていますから画期的完成度が望めそう。乞う御期待でしょう。
 2009/11/18 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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