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ドナルド・フィッシャー氏逝く
 29日付けの日本経済新聞に拠れば、米国ギャップ社の創業オーナーで元CEOのドナルド・フィッシャー氏が27日、81才で死去されたとの事。69年にリーバイスを軸としたジーンズショップを創業してヒッピーブームとともに急成長を遂げ、83年にはミッキー・ドレクスラーを招聘してSPA化に踏み切り、87年には世界に先駆けて自社をSPA事業と宣言。90年代には米国の‘国民服’の座を確立してVOGUEやBUSINESS WEEKの表紙を飾り、95年には日本にも進出。99年にはリミテッド社を抜いて世界最大のSPA企業となったギャップ社も05年以降は失速し、08年には世界最大のSPAの座をインディテックス社に奪われ、今年中にはH&M社にも抜かれようとしています。そんな中でのフィッシャー氏の死去は自社開発ベーシックSPAからファストSPAへの世代交替を印象付けました。その意味ではユニクロも旧世代型に位置付けられるのですが・・・・・・
 フィッシャー氏とは95年当時、SFのギャップ本社の社食でランチを御一緒した事があります。気さくでストレートにものを言う専門店チェーンの親爺といった印象でしたネ。御冥福をお祈りするとともに、ギャップ社の復活も祈願しましょう。
 2009/09/30 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

ユニクロ栄えて国滅ぶ?
 「文芸春秋」10月号に載った同志社大学大学院教授の浜矩子氏の『ユニクロ栄えて国滅ぶ』という論文が物議を醸しているようですが、本末転倒の幼稚な論展と一蹴するしかありません。女史の論展は『低価格品がデフレスパイラルを加速して消費がさらに収縮する』というものですが、低価格品が登場したから消費が収縮したのではなく、『経済の衰退による所得の減少と雇用不安、デジタル世代のエコ低温消費体質がマーケットの発展途上国的退化をもたらし、低価格なボリュームゾーン商品の氾濫を招いた』というのが本質でしょう。鶏と卵の因果関係は明らかですが、低価格化がいったん始まってしまうと競争原理から値崩れが加速してしまうのが資本主義の現実。結果として消費が萎縮してしまうのは間違いありません。
 鶏と卵話はどうでもいいから、消費拡大への反転メカニズムこそ、学者は研究して欲しいものです。一番ストレートなのは貯蓄税の新設と消費税の廃止だと思いますが、それは政治家の仕事であって経営者の仕事ではありません。経営者としてはひたすらビジネスのスピードを上げてコストを圧縮し、低価格競争を勝ち抜く事しか考えられないでしょう。よって、デフレスパイラルは加速こそすれ収まる事はないのです。
 ここは経済の復調を祈るしかありませんが、パニック的な収縮は収まるにしても日本経済の長期低落傾向に歯止めがかかる事はもうないでしょう。亜細亜の中で日本だけ突出した高所得を享受して贅沢を続けるなんて非現実的だと思います。今日の朝日新聞に載っていた貧困家庭子女の実情を読めば、退化し貧困化していく日本の現実を実感させられます。亜細亜の生活水準が平準化していく中、皆がエコ低温体質になって所得と堅実な消費がバランスするデフレ均衡社会が実現する。そんなエコな選択も賢明な社会的帰結なのかも知れませんよ。
 2009/09/29 09:16  この記事のURL  /  コメント(0)

即時売上向上の優れ技を教えます
 売上が低迷する中、手を拱いていては在庫が積み上がってますます売場が腐ってしまいます。手っ取り早く鮮度を回復させて売上を稼ぐのが玄人の技でしょう。即時売上向上の秘訣は売場在庫の再編集訴求にあるのです! 
 小手先で済む技から大仕掛けの力技まで48手どころでは済みませんが、極め手は以下の6手でしょう。1)腐った死に筋を売場から撤収する。蠅がたかるような商品はせいぜい2〜3%なので捨ててもいいくらい。2)鮮度ある商品を強調増幅陳列する。ストック分も全量出して多重露出させ(同じ商品を色別に分けたりコーディネイト相手を替えて何カ所も見せる)、フェイスアウトや大畳み、ルック組みなど駆使して広げてみせる。3)まだ腐ってはいない不鮮商品は売れ筋商品とコーディネイトして分散処理する(所謂抱き合わせです)。4)解り易く売り易い定形ルック陳列やモノコーディネイト陳列のシングルハンガーを幾つも仕掛ける。5)トルソーによるルックVPやT字などによるIPを増やして訴求チャンスを広げ、ルックVPは毎日替える。6)壁面ラックの在庫を出来るだけ少なくし、島什器の在庫を増やす(島什器在庫は壁面什器在庫の3〜4倍で回転するのです。知ってた?)。
 こう列記して見ても、具体的な手法をビジュアルで見せたり実際に売場でやって見せないと解らないと思います。ですから毎年春秋2回、この秘技を懇切丁寧にビジュアル資料で解説する『‘即時売上向上’再編集陳列運用VMDゼミ』を開催しているのです。今秋は10月8日開催ですから、お急ぎお申し込み下さい!※セミナーの詳細はこちら
 この再編集技法は技術体系としては確立しているので手取り足取り教えられるのですが、実際に使いこなすには周辺の競合関係やトレンドの流れを見て仕掛け方を判断する営業センスが不可欠です。ブリッジブランドやセレクトショップからファストSPAまで30年以上、技を磨いて来た私は売場に入れば即、営業センスと最新のスタイリング情報を駆使してテキパキと再編集し、確実に売上を回復させる事が出来ます。残念ながら仕掛けた商品が売り切れてしまえばその効果も消えてしまうので、売場スタッフが技を身に付けて仕掛け続ける必要があるのです。ですから何も隠さず総べてを教えようとしているのですよ。貴方も‘神業’を身に付けて頼りになる逸材に変身しては!
 2009/09/28 09:02  この記事のURL  /  コメント(0)

誰も溝に金を捨てたくない
 訳の解らぬシルバーウィークのせいでSPAC月例会の準備が押せ押せになり、連休中も月曜から毎日仕事してました(スタッフは水曜日から出社でしたが)。ようやく準備が間に合ったとは言え、今週のウィークデーは木金の2日間しかなく、なんだかんだと仕事が集中して忙しない限り。昨日は夕刻から始まったクライアントへのプレゼンが9時近くまで及び、SPACの準備と重なってちょっと疲れました。当社は日頃、残業が極めて限られているので、たまに早出や長めの残業(それでも8時を過ぎる事はまずない)があると翌日に響きますネ。
 シルバーウィークがあろうがなかろうが業界では幾つも溝金プロジェクトが進んでいるようで、遠くで内情を聞き及んでは『馬鹿じゃない!』などと揶揄していますが、関係先でも下手すると溝金になりそうなプロジェクトもありますから他人事ではありません。外野からのアドバイスでは離陸出来そうもないプロジェクトは現場に乗り込んで力技で引っ張るしかないのかも、などと思案しています。
 今日は午後から『出店戦略総点検』をテーマにSPAC月例会を開催します。来春以降に開設される商業施設の売上を予測して出店の可否を提言するとともに、メンバー企業がこの1年間に出店した店舗の出店条件と採算を検証して警鐘を鳴らす、という半期に一度のお役立ちテーマです。メンバーの出席予約も既に満杯で、いつもながら人気の高いテーマですネ。だって誰も溝に金を捨てたくはありませんから!
 2009/09/25 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

アナログ親爺の八つ当たり

 朝のフレッシュな気分を損なう嫌なものが二つあります。ひとつは朝刊に挟み込まれたスーパーのケバい色彩のチラシ、ひとつは朝のお散歩中に目に入ってしまう井の頭通りの住宅販売会社の下品な看板。どちらも赤やオレンジ、ピンクといった暖色が交錯し、ピンクチラシ紛いのどぎつさに吐き気をもよおします。そんな気持ち悪さはユニクロの店頭も同様で、ケバい暖色中心に色彩の韻律を無視して並べられた様はスーパーのチラシと大差ありませんよ。
 朝の気分を損なうのは色彩だけではありません。たまに乗る通勤電車の中で交錯する体臭や口臭、安手の香水やダウニーの強い香りもたまりませんから、こちらも防衛的に薔薇の香りを振りまく事にしています(マスクにも振り掛けてます!)。最近は香りを流すブティックもありますが、某ランジェリーショップのそれは安っぽくてダメですネ。
 偏見なのかも知れませんが、日々店舗を見たり人と接していると若い人は色彩や香り、造形に鈍感なのではと疑ってしまいます。ファストSPAに並ぶ商品はトレードオフが露骨で完成度や品質が著しく劣るのに、若い人が嬉々として殺到している様は文明の退化を実感させます。大人(アナログ世代)向けの高級ブランドなどで時に見られる美しい色彩やフォルムの韻律も若向けのブランドではまったく無視されており、写真に撮っても絵になりません。最近は新設商業施設を取材しても洗練された陳列がまったく無く、VMDセミナーで使う好例写真が更新出来ず困っています(洗練された好例写真は80年代〜90年代のものが多い)。やはり文明はバブルとともに崩壊したのでしょう。
 私の『デジタル世代退化論』には若い人たちから反発も多いようですが、経済的にも文化的にも恵まれて感性が磨かれたアナログ世代と経済が衰退して何もかもが圧縮されて行ったデジタル世代との間には明らかに感性の落差が存在します。業界はこの事実を正視し、デジタル世代には等身大なトレードオフ商品で対応して低価格のボリュームゾーンビジネスを成功させるべきですし、アナログ文明を支えるセレクトショップなどはもっと感性を磨いて商品開発に注力し、デジタル世代の圧縮平準化された感性を目覚めさせて欲しいものです。
 デジタル音楽や写メ、ファストフードやファストファッションなどのコミック的に圧縮された世界に籠っていては、見えるもの感じるものが限られてしまいます。若者は感性豊かなアナログ文明に謙虚に目を開くべきでしょう。これをアナログ親爺の八つ当たりとして蔑視するのは逃げでしかないと思うのですが・・・・・
 2009/09/24 09:15  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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