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高島屋がユニクロの軍門に下る
 今朝の日経に大手百貨店がユニクロを一斉導入するという記事が出ていましたが、郊外店の西武東戸塚店(今秋/1000平米)はともかく、高島屋新宿店への導入には唖然とさせられました。同店は07年4月の全面リモデルでNBやOLブランドを圧縮して上層階へ追いやり、インポートブランドやブリッジブランドを大量導入するというバブル劇を演じて心在る業界人の批判を呼んだ事がまだ記憶に新しく、今さらユニクロ導入という右往左往振りには唖然とするしかありません。
 記事によれば年明け早々にも2000平米級の大型店を導入して集客の目玉とする計画で、高島屋はユニクロとの業務提携まで検討しているといいますから、形振り構わぬ節操の無さがまたまた批判を呼びそうです。130億円という巨費を投じた07年のバブリーなリモデル劇はいったい何だったのでしょうか、‘薔薇の包みの高島屋’のアイデンティティってそんなにどうでもいいものなのですか!怒りを通り越して悲しくなってしまいます。
 07年のバブリーリモデルが強行された時も高島屋の意志決定プロセスや企業統治に疑問を感じましたが、今回のユニクロ導入も同様な疑念を感じざるを得ません。これで話が業務提携まで進むようなら、もはや‘薔薇の包みの高島屋’のブランドも経営の独自性も泥に塗れてしまいます。‘腐っても鯛’と申しますから、どんなに追い詰められても名門百貨店の心意気まで捨てて欲しくないと思うのは私だけでしょうか・・・・
 2009/07/24 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)

喉元過ぎれば
 リーマンショック以降の金融恐慌が未だ実体経済を低迷させる中、元凶だった米国金融業界の一角はもう急回復に湧いています。そんな米国系証券大手日本支社に勤める知人から聞く所によれば、リーマンショック以降の半年で社員の三人に一人がリストラされる大パニックだったのに、もう人手不足になって新規採用に動きだしているとか。リストラを生き抜いた社員達は『あのリストラは何だったの!』と、あまりの急変ぶりに怒るやらホッとするやら。喉元過ぎれば・・・・という事なのでしょう。
 景気の回復局面では証券業界は実体経済に半年先駆けて回復し、消費は実体経済に半年遅れて回復する、と言われますから、実体経済も年末までには回復が本格化し、消費も来春か遅くとも来夏には回復する、という論理になるのですが、目前の消費動向を見ているとそんな実感はとても持てません。消費スタイルは可塑変型してしまい、実体経済が回復しても容易に元には戻らないと思うのです。
 百貨店やラグジュアリーブランドに日本の消費者が戻る事はもうないでしょうし(中国人観光客は増えるでしょうが)、一端、急落した価格常識が元に戻るとも思えません。消費者のウェアリングが退行するはずもありませんから、デザイナーがもてはやされる事も60年代の10%台から4%を切るまで凋落したファッション係数が上向く事も有り得ないでしょう。と言う事は、景気の回復局面でもファッション業界だけは置いて行かれ、‘喉元過ぎれば’という事にはならない様ですネ。
 消費者進化と低コスト生産地への移動で衣料品の価格は一段と低下していく事が避けられませんから、ファッションビジネスは開発・調達手法と流通手法を一変させてコストとスピードを飛躍的に革新しないと生き残りは難しそう。旧態なビジネスモデルが生き残る可能性は完全にゼロだと思います。でも金融業界はもう金余りに転じていますから、低コスト/ハイスピードな有望ブランドビジネスには資金が流れ込んでいくのでは!
 2009/07/23 09:02  この記事のURL  /  コメント(0)

駆け込み寺になりましょう!
 消費の冷え込みと値崩れで売上が急落し、投資余力を失ったり資金繰りが苦しくなるアパレルが急増しているようで、『ボ−ナス出なかった』『店を半分閉めるそうだ』『支払いが遅れてる』なんて噂が毎日のように飛び交っています。一時は結構人気だったブランドが資金繰りに窮してバタバタと店を閉めたり、人気が盛り上がりかけているのに資金に窮して出店が進まないブランドなど、厳しい現実を耳にしますネ。もうちょっと上手に経営できないのかと思うのですが、それぞれに苦しい事情があるのでしょう。
 でも、世の中にはお金が余って困っているファンドやお金はいっぱいあるけど売上減に苦しんでる大手企業なんかもあるのです。そんなファンドやお金持ち会社は成長性のあるブランドや魅力的な店舗網を持ってるけど資金に乏しい会社に投資したいのですが、なかなか上手くマッチングしないのが現実なのでしょう。私のところにもそんなファンドやお金持ち会社がよく相談に見えるのですが、困っている会社のほうはあんまり相談に来ませんネ。どうしてなのでしょうか。
 今まで内外のファンドと組んで買収審査や再建計画策定など幾つか手掛けて来ましたが、やはり買収や出資のポイントはブランドの将来性に尽きますネ。そこが魅力なら再建はどうにでもなるというのが実感です。せっかくフアンが付いてるブランドがダメになっていくのは悲しいものです。私なんかで手助け出来るものなら何時でも駆け込み寺になりますよ!
 2009/07/22 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

三連休の軽井沢
 三連休はルン妻と子息、スヌーピーを積み込んで軽井沢に出掛けましたが、土曜の8時半発では出遅れで渋滞に巻き込まれてしまい、幾つか事故渋滞も重なってトロトロとしか進まず、疲れ切って途中で二回も休憩してしまいました。ようやく松井田妙義ICから出て峠の湯に辿り着いた時は家を出てから5時間もたっていましたよ。絶景の露天風呂で疲れを癒してひと休みし(町営ですからワンコインで済むお勧めの穴場です)、旧道碓井峠をグルグルと抜けて4時前にはハーヴェストに着きました。旧道なんて35年ぶりに通りましたが、これを使うとプリンス側の渋滞を回避して大賀公園前に直行出来るメリットがあります。碓井峠を越えて通った青春の軽井沢をちょっぴり思い出してしまいました(バイパスも出来てたけど、裏道に使っていた)。
 軽井沢行きの渋滞が激しくなったのは景気が冷却した昨年秋頃からで、アウトレット目当ての客が急増したのが原因のようです。それに最近の千円高速(実際には首都圏近郊区間の850円が加わる)の人出が加わり、もう気楽に行ける所ではなくなりました。
 渋滞の疲れは翌日まで残り、自転車の前篭にスヌーピーを乗せて旧軽の別荘地をフラフラしたり木陰のカフェでお茶したりして時間を過ごし、ゆっくり昼寝してから遠御のヴィラデストへ向かいましたが、18号は西行きも東行きも大渋滞!そこで通い慣れた離れ山の裏道を抜けて星野へ回って1000m林道を通ってすべての渋滞を回避し、スイスイと浅間サンラインをドライブしてヴィラデストに到着したのです。
 ヴィラデストはサパータイムにはまだ時間があるのに何時にない人出で、玉村さんの奥さんや妹さんに聞くと日経の土曜版でカントリーレストラン全国ベスト3(関東圏ではベスト1)に紹介されたからのようでした。人出もサパータイムの頃にはようやく退き、いつものようにゆったりと玉ちゃんの料理と暮れ行く眺望を満喫し(ここは文句無しに旨い!ミシュランでも星が付くのでは)、ハーヴェストへと帰りました。
 翌日は渋滞を恐れて7時半に出発したところ超空き空きで、1時間40分で大山町の自宅に到着しました。これからは行きも帰りも朝7時台の出発に徹する事に致しましょう。

 2009/07/21 09:39  この記事のURL  /  コメント(0)

悲しい現実
 劇安SPAが人気を集め衣料品の価格がどんどん下がる中、コストを抑えて機敏に市場対応すべくOEMやODMが肥大し、90年代初期まではあたりまえだったブランドビジネスが自ら商品開発を貫徹する体制はマイナーになってしまいました。その背景には生産の中国移転や若者のファッション業界離れ(3Kが嫌われた)もあったでしょうが、何より企業が開発組織コストを圧縮して行った事が大きいと思われます。
 かつてはブランドビジネスが多くのデザイナーやパターンナー、生産管理スタッフを抱えていましたが、開発・生産の商社依存やOEM/ODMの一般化にともなって社内の開発要員はジリジリと削減され、多くの開発スタッフがOEM/ODMアパレルや企画会社に移動して行きました。これに伴ってブランドビジネス側の3Kはかなり解消され手を汚さない仕事になったのですが、その分、3Kもアウトソーシングされ、仕様の同質化で商品の個性も損なわれたのではないでしょうか。
 問題とすべきは、それだけではありません。この流れの中でブランドビジネスでも開発スタッフの契約化が進み雇用が不安定化する一方、OEM/ODMアパレルや企画会社のスタッフは厳しい労働条件と低給与、不安定な雇用という3Kに追い込まれていきました。かつては比較的好待遇なブランドビジネスへの就職機会も多かった企画・開発職も今日では待遇の劣るOEM/ODMアパレルや企画会社に職を求める事が多くなり、企画・開発職の待遇が劣化していったのです。
 モード系専門学校は今日もなおクリエイション信仰を掲げ多くの若者に幻影を振りまいて入学を募っていますが、一生懸命勉強して夢を見た挙げ句に業界の現実に直面した若者の落胆は想像に難くありません。若者に現実を教えればますます業界志望者は減ってしまうでしょうし、販売不振と値崩れが加速する現状ではアウトソーシングも企画・開発職の待遇劣化も一段と進まざるを得ないでしょう。悲しい現実を変える方法はないのでしょうか。
 2009/07/17 09:33  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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