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ローカルが匂い立つからメジャーになれる!!
 昨秋に立ち上がった注目SPAの中でも私が特に惹かれるのが遊心クリエイションの“イーブス”です。イオンレイクタウンからスタートして西宮ガーデンズで一応の販売成績を叩き出したとは言え、まだ3店舗しかなく好調と言えるのは西宮ガーデンズだけですから、とても離陸したとは言えません。でも原価率を42%にしても時代の適性価格を実現せんとする心意気は可愛いではありませんか!たった3店舗のロットであの価格と品質を叩き出す血みどろの努力を評価してあげたいのです。
 “イーブス”の企画開発体制はもち自社貫徹で、安直な商社OEMなどとは一線を画しています。でも、マスに受け入れられたいと言う思いが前に出て自社貫徹開発らしからぬ薄味にまとまってしまい、“ZARA”のお仲間に見えてしまうのは残念です。遊心クリエイションが手掛ける他のブランドは皆、BOROや上田正樹が歌い上げるディープな大阪ソウルが染み付いているのに、なんで“イーブス”だけは無味無臭に個性を殺しているのか理解に苦しみます。もし“イーブス”に大阪ローカルな灰汁がどっぷり染み付いていれば、もっと人気が盛り上がっていたのでは!
 “マウジー”や“エゴイスト”は渋谷ローカル、“キットソン”や“フォーエバー21”はLAローカル、“GAP”だってSFローカルだからメジャーな人気ブランドになったのです。発祥地のローカルカルチャーが匂い立たないようではメジャーな人気ブランドにはなれません!そこんとこ森島君、早く気付いてよ!!
 2009/06/30 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)

ケータイ世代が販売手法を変える
 26日付け日本経済新聞朝刊の‘通販売上がコンビニと百貨店を抜いた’という記事の中で編集委員の石鍋仁美氏が『各時代の主役を務めた小売業には二つの共通点がある。ひとつはワンストップショッピングであり、ひとつは消費の現場が消費者の居場所に歩み寄ってきたことだ』と指摘しておられましたが、私もまったく同感です。消費の場はコンビニで半径500mに近付き、パソコンで部屋のデスクに乗り、ケータイで手の平に乗った訳です。わざわざ電車に乗ったり駐車場で入り待ちした挙げ句に人混みに揉まれ法外な価格の商品を買わねばならない百貨店など、もう4世代は前の太古の化石以外の何ものでもなく、絶滅を待つ茹で蛙でしかありません。排気ガスを撒き散らす内燃機関自動車が化石になるのも、もう時間の問題でしょう。
 それにしても恐るべきはケータイ世代のインスタントなデジタル消費感覚です。私のような団塊世代は真空管的なアナログ消費感覚が染み付いており、見ても触りも試着もしないで服を買う事など考えられません。店頭で買ってもサイズや着心地が気に入らず後悔する事も多いのですから、ネットやケータイで買うなんてとんでもありませんよ(それでも書籍の大半はアマゾンに依存しています)。ケータイ世代は店頭で買ってもジーンズの裾上げ以外はお直ししない人がほとんどですから、すごくインスタントかつアバウトに消費している訳で、ネットやケータイで買う事にもまったく抵抗がないのでしょう。
 ガリガリ君の男の子がさらにワンサイズ下をちんちくりんに着たり女の子達が年令不詳体型不詳のズルズルなレイヤードを好んだりするのを見るにつけ、彼等彼女らにはフィットという概念が欠けているのではないかと疑ってしまいます。そんな中、エロいフィットにこだわる109系の女の子はおじさんにも理解し易く救いになりますネ。
 ケータイ世代とアナログ世代の境目は40才手前ぐらいに在るようですが、年と共にアナログ世代は減少してケータイ世代が増え消費スタイルは激変してしまいそう。ネット/ケータイ販売だけでなく店頭販売の手法も一変するのは避けられないでしょう。“キットソン”のようなメディア仕掛けのイベント販売や“フォーエバー21”のようなほとんど自動販売が当たり前になって行く中、古典的な接客ばかり教育するのは能がないのかも!ビジネスエンジニアたる私は密かにケータイ世代向け店頭販売手法(もちVMDと一体)を密かに研究しているのです。
 2009/06/29 10:31  この記事のURL  /  コメント(0)

メトロなガイはアウト!
 メンズ担当コーディネーターが蒸けたあおりで、久しぶりに自ら来SSのディレクション組み上げる羽目になってしまいました。ここ1週間ほど暇を見て国内外のメンズ誌に隅から隅まで眼を通し、海外のコレクションブックやFirstViewの来SSコレクション速報までチェックしてみましたが、国内風俗雑誌は今年限りのスタイルばかりで明日に繋がるものが無く、海外コレクションシーンは時代ズレしたメトロなスタイルばかりでマインドが噛み合わず、途方に暮れています。編集者やクリエイターは時代の空気を先き読む力量があるはずなのに、来シーズンに関する限り丸っきり読めていないとしか思えません。そんな中、ようやく掴めたキーワードが『田舎ダサいヴィンテージ』と『発展途上国臭いレトロ・エキゾチシズム』。
 都会や先進国、現代といったモダンな格好良さが皆、昨日の価値観に思え、田舎や後進国、忘れられた青臭い時代の野暮な格好がキラキラと感じられるのです。メトロやクールといった洗練されたフィーリングやモードなシルエットが空々しく、ローカルで洗練を欠くダサく外したX脚O脚な崩しが可愛く見えてしまうのです。時代に取り残された田舎の商店街の化石化したメンズショップの親爺が語る独りよがりな蘊蓄が、もう眩しいほど渋いのかも。ロケーションで言えば50年代の横須賀ドブ板通り、あるいは小林明がギター片手に闊歩した焼津銀座あたりなのでしょうか。
 問題はそんなマインドを如実に現すスタイル写真が何処の雑誌にも見当たらない事。ディレクションとしてのヴィジュアルをどう組み立てたら良いのか、やっぱ途方に暮れますネ。
 2009/06/26 09:02  この記事のURL  /  コメント(0)

来SSの『MDディレクション』に乞う御期待!
 コーディネーター達の直近店頭スタイリング動向報告によれば、立ち上がったばかりの初秋物で目立っているのは80'Sとヴィンテージ・ロマンティック。80'Sと言ってもポップなクラビングルックからグラム&ゴシックなロリータルックやフェティッシュ&パンクなモードスタイルまで様々。ヴィンテージ・ロマンティックの方も、ダサ可愛いガーリーなオールドアメカジからキュート&ハードな甘辛ロマンティック、ノーブルなレトロフェミニンモードまで様々です。と言う事は、この二つは今AWで消費し尽くされると見て来SSのディレクションには不要という判断になるのでしょうか。
 マーケットと乖離したクリエイターが発信するコレクション情報などより、現実のマーケットに登場して消費されて行く様々なファクターを消えるもの、拡がるもの、次に繋がるもの、と判定して行く方が次シーズンを予測する確実な手法だと思います。ブランド/タイプ別の販売数字を検証すれば、判断はもっと確実になります。という訳で、スタイリング/ディティールの消長とブランド/タイプ別の販売動向を検証し、新たに登場し始めたスタイリング/ディティールの中から来シーズンで期待出来そうなものを独自のマーケット観(社会経済的歴史観とカルチャー史観が基本)からフォーカスしてマーチャンダイジングに落とせる構成に組んで行くのが当社の『MDディレクション』なのです。
 来SS版は今春夏の検証が終わってようやくテーマが出揃ったところで、これからカラーパレットや素材ボードを組み上げて7月中旬の完成を目指します。来SSに通底するのは皆、何処かダサく外した懐かしい青臭さや親近感でしょうか。クールな格好良さはアウトのようですネ。
 エコな社会情況が来年はどうなるのか。劇安SPAが席巻する市場は次に何を求めるのか。出来る限り明快な回答を現したいと鋭意努力しております。来SSの『MDディレクション』に乞う御期待!
 2009/06/25 09:27  この記事のURL  /  コメント(0)

“フォーエバー21”が首位に立った注目業態ランキング
 今週木曜日(25日)に開催するSPAC研究会に先立ってメンバー企業に注目する業態を聞いたところ、断突トップは14票を集めた“フォーエバー21”でした。“ユニクロ”が11票で続きますが、“gu”の6票を加えれば実質首位でしょう。“H&M”が9票で続き、“ZARA”“GAP”“キットソン”が各6票で並びました。“ユニクロ”とグローバルSPA勢が上位を占め、最近のマーケットを如実に反映した結果となりました。
 トップの“フォーエバー21”は開店1ヶ月の来客数が43万人を数え、軽く10億円以上を売り上げたと見られます。その後も人気は鰻上りで、最近の平均日商は4000万円と噂されるほど。昨12月〜2月の“H&M”の売上は銀座と原宿合わせて28億円程度ですから原宿店の月商はせいぜい5億円ほどで、“フォーエバー21”との格差は倍以上に開いているようです。
 先行した大味な“H&M”から劇安可愛い“フォーエバー21”に人気が移った訳ですが、“フリーズマート”が参戦する今秋、そして国内系の新手劇安SPAが勢ぞろいする来春にはマーケットはどう動くのでしょうか。加えて12月15日にはいよいよあの“アバクロ”も上陸。“ビクトリアズ・シークレット”の上陸も間近に迫っています。もはや百貨店や旧態依然のブランドが生き残れる情況ではなくなりましたネ!
 2009/06/24 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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