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新宿マルイ本館はイケてますよ!
 ファストファッションという前口上が空振ったカレンには失望しましたが、新宿マルイ本館は結構イケてました。効率至上のMDを追求するお向かいの百貨店とは異なってゆったりとレイアウトされ、衣食バランスの採れた和めるライフスタイル提案と走り過ぎず遅れもとらない等身大のファッション提案がしっくり来ましたネ。美味しいものが随所に配置され、変にハイファツションを気取ったり尖っていないのが好感されます。有楽町店と同様、百貨店と言うよりファッションビル的構成ですが、コアはしっかり自主売場で押さえている事が特筆されます。
 注目すべきは自主売場の進化で、ちょっと前までは仕入れ主体だったのがすっかりSPAに化けましたネ。“アールユージーンズ”はサイズ補給もあって消化仕入れやバイイング中心ですが、“クルール”や“アールユー”はデザイナーまで抱えてOEMのオリジナルで構成していますし、“ラペルギャラリー”はちょっと艶のある“スーツカンパニー”みたいなクロージングSPAで価格も同クラスに抑えています。“ヌフ・メランジュール”はノーリーズと見紛うセレクトSPAで、気の利いたセレクトと手頃な駅ビル価格が好感されます。ブランドショップではエスシステムの“キスミス・インザルーム”(5F/キスミスのルームウェア)がマカロンみたいな色調で可愛かったし、遊心クリエイションの“グランデベーネ”(3F)は大阪ソウル感覚のちょっとドロいリミックスと洗練されたルック回転VMDのバランスが絶妙でした。
 大半の百貨店自主売場が買い取りに徹する事も出来ないで進化が停滞する中、マルイの自主売場の加速度的な進化には正直、驚かされます。旧態な消化仕入れに依存して法外な価格でブランド商品を並べるだけの他百貨店に較べ、自主売場のSPA化で駅ビルに張れる価格と品揃えを実現せんとするマルイの姿勢は高く評価されるべきでしょう。このまま進化が続けば日本のOL版“ノードストロム”みたいになって脱百貨店を実現してしまうかも!私にしては誉め過ぎですかネ。



 2009/04/23 10:14  この記事のURL  /  コメント(0)

百貨店は不滅?
 丸井今井の支援企業に決定するのと前後して高島屋の鈴木社長が「百貨店は不滅です!」という主旨の発言をしていますが、9兆円が7兆円になりやがて5兆円台にシュリンクしていく現実は認識しているようです。その中で賢明な百貨店は進化して生き残るという事なのでしょうか?。
 米国の例を見ても百貨店の経営統合は大幅なコスト削減には繋がらず、量を頼みの調達コスト圧縮は納入業界の疲弊と商品価値の低下を招いて一段の苦境をもたらす結果となりました。最近の我が国百貨店の経営統合ブームも実効は疑わしく、調達コストを抑制すれば納入業界の他チャネル脱出が拡がるだけ。このままでは米国同様、経営統合の果てに供給業者の破綻や撤退が続出して業界が壊死してしまいます。既に寝装品や子供服は供給業界が崩壊しており、婦人服や紳士服でも破綻や撤退が相次いでいるではありませんか。そんな中、より歩率を取れる百貨店が優秀だという時代錯誤な発想が未だ横行する村社会にはもはや絶望するしかありません。
 ほとんど場所貸し業という実態を考えればルミネやイオンモール並みの経費率で運営出来るはずで(イオンモールの売上対比家賃収入は約11.4%/経費率は約8%/営業利益率は約3.3%)、わずかな自主売場や営業催事機能をどんなに勘案しても歩率20%、経費率15%、営業利益率5%というのが上限と思われます。百貨店では派遣店員と業務が重複したり(レジ打ちや包装要員)、現業に一切貢献せずに意味のない仕事を創造している方々が多数、存在しており、これら不要な人々を放り出すせば前述したバランスに帰着出来るはずです。現状の百貨店はGM(ゼネラルモーターズ)並みに既得利権に固執する労組支配が実態で、合理的なコスト革新が著しく停滞しています。いっそ会社更生法でも申請して一気にしがらみを断ち切るべきではありませんか。
 2009/04/22 09:51  この記事のURL  /  コメント(0)

衝撃!の‘祭り’ビジネス
 1号店の開店に3000人のギャルを並ばせたという某LA系セレクトショップのキーマンにその仕掛けを直伝してもらいましたが、アパレルビジネスの常識を遥かに逸脱した発想に衝撃!を受けました。読者モデルやタレントを広告塔に雑誌やTV、芸能プロダクションを巻き込んで‘欲しい’を仕掛ける手練手管はともかく、商売を‘祭り’、店舗を‘催事’と言い切る刹那なビジネス感覚に脳天を打ち割られちゃいました。
 アパレルビジネスの常識たる月度週度の品揃えストーリーや在庫バランスなどまったく無視して話題アイテムに集中したキャンペーンを仕掛け、メディア操作で‘欲しい’を極限まで煽った挙げ句に一気に商品を投入して爆発的な売上を創るという手口をイベント屋の発想と言い捨てる事は出来ません。なぜなら、ユニクロのやっている事も大差ないからです。
 ユニクロの場合は真摯に開発した機能単品を需要予測に基づいて山ほど手当てし、それを売り切るべくキャンペーンを張る訳ですが、‘祭り’ビジネスではメディア操作で‘欲しい’を煽った商品を一気蒸発的に‘催事’販売するのです。スパンコールのショッピングバッグを1日で2000万円(1店舗でです!)売った手口など、その最たるものでしょう。LA本店の在庫まで買い占めて枯渇感を極限まで煽った挙げ句の瞬間蒸発的売上でした。もちろん売り切り御免で、ヤフオクなんかでとんでもないプライスが付いてしまいます(それがまた‘欲しい’を煽る)。考えてみればTVショッピングのタレントを使った煽りも夜店のテキ屋のサクラによる煽りも似たようなものですネ。
 これは催眠商法に通ずる社会心理学的手法で、‘祭り’ビジネスにせよ催眠商法にせよ手練手管で‘欲しい’を煽る手口は大差ないのです。まっとうな‘商い’に埋没しているビジネスマンにとって‘祭り’ビジネスの手口は衝撃的と言うしかありません。学ぶべきか無視すべきか一晩悩む価値はあるでしょう!
 2009/04/21 09:10  この記事のURL  /  コメント(0)

売上が急回復!!
 先週木曜金曜と月例の『販売情報交換会』を行いましたが、目立った売れ筋はないものの予想に反して売上の回復が著しく、正直びっくりしました。年度末で雇用が打ち切られたり残業手当がカットされたりで消費は一段と冷え込むと見ていたのですが、百貨店/専門店とも4月に入って客数が目に見えて回復し、単価ダウンは進んでいるものの売上は3月から6〜10ポイントも改善されています。要因は夏日を思わせる暖かく爽やかな天候と行政の大判振るまいで、定額給付金効果も確かにあるようです。4月計でもこのペースが続くという見方が大半ですが、それでも水面に浮上するところまでは行きません。
 産業界でも3月が底で4月以降は回復していくという見方が主流のようで、株価も回復を先取りして急騰していますが、果たして百年に一度という大恐慌がそんな短期で収束するものでしょうか。出店や改装、新ブランド開発といった業界の新規投資は未だ凍結したままで、人員削減や給与カットなどのリストラもこれから本格化しますから、急回復という実感はまったくありません。不動産市況などは一段と冷却しており、回復は早くても秋口以降と言われています。
 行政の景気対策が効いて急回復していくのか、はたまたGMの経営破綻か何かをきっかけに再び急冷却するのか、解散総選挙と同様、まったく予断が出来ない情勢です。4月の神風が束の間の幻で終わる事のないよう祈るしかありませんネ。
 2009/04/20 09:46  この記事のURL  /  コメント(0)

ホントに「反省!」してんの?
 総合スーパー(GMS)の不振とりわけ衣料部門の低迷、専門店子会社の不振とりわけ米国タルボットの大赤字でイオンは7期ぶりの純損益赤字に転落しましたが、口先の「反省!」の弁とはうらはらに業績悪化をもたらした元凶である‘企業最適’の論理をゴリ押し続けているように感じます。
 ユニクロ・コンプレックス剥き出しのSPA化政策が品揃えのバラエティを損なって顧客の離反を招いた事が衣料不振の大きな要因なのに、口先の「反省!」の弁とはうらはらにMD政策を変える気配はまったくありませんし(バイイングSPA方式でバラエティと鮮度を訴求すべきと思うのですが)、大都市圏のコンビニ立地にミニスーパーを大量出店するという新戦略でも品番数を絞り込んで効率を追求すると言いますから、コンビニ成功の原点であるきめ細かいロングテールMDを真っ向から否定しています。何をやっても‘企業最適’の効率論理が先行するイオンリテールの経営思想は‘顧客最適’とは懸け離れており、資本力でゴリ押しても市場に受け入れられるとは思えません。それはPBがフェイスの大半を占めてNBが隅っこに追いやられているグロサリー食品売場で一番実感されます。無理を承知で開発したレイクタウンのMORIからは撤退が続出しているのに、隣接地に新たな商業施設を企画するという強気ぶりにもビックリ。イオンはホントに「反省!」しているのでしょうか?
 2009/04/17 09:12  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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