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フォーエバー21はH&Mを超える!
 月曜の夕刻、広尾までフォーエバー21のプレス内見会を見に行きましたが、トルソーとサンプルハンガーが並ぶだけでモデルもセレブも出てこないという今時レア地味な内見会にケバ好きH&Mとは違う同社の本質を感じました。ブランドビジネスというより地に足が付いた専門店なんですネ。インタビューに応じて率直なお話を聞かせてくれたシニア・バイス・プレジデントのラリー・メイヤーさんも専門店チェーンの本部長といった体のおじさんで、モードもセレブも全然関係ない気取りの無さが感じ良かったです!
 元々、84年に韓国系米国人のチェン夫妻がロスで創業した小売店で、4月21日に開業したからとか「永遠に21才のままでありたい」とかが店名の由来と言われています。今や全米に420店(海外店舗を含んで430店)を展開して17億ドルを売り上げるファストファッションの米国最大手企業ですが、SPAのH&MやZARAとはビジネスモデルがまったく異なり、アパレルメーカーの企画提案をロット買いして自社タグで販売する企画買い型OEM調達バイイングSPAなんですよ。日本で一番近いビジネスモデルは“セシルマクビー”(ジャパンイマジネーション社)じゃないでしょうか。店舗規模もテイストの巾も全然違いますが、国内生産中心のマンションメーカー企画をファストにOEM調達する手法は似ていますネ。
 LA周辺を中心に2000社以上のアパレルメーカーから持ち込まれる企画をセレクトし、発注から店頭まで1〜6週というハイペースでファストファッションを展開するフォーエバー21ですが、大ロットのSPAと違ってカリフォルニア州の地場工場で生産される味の濃い‘メイドインUSA’商品が多いのが特徴。メーカー毎にパターンや仕様が異なって品質もサイズも統一されていませんが、それが宝探し的楽しさをもたらしている一面もあるのでしょう。
 LAのマンションメーカーが競ってクリエイトしたフォーエバー21の商品は大味でマスなH&Mと違ってLAらしいミーハーな軽さや明るさがキラキラしており、安くてもキットソンに負けない楽しさが溢れています。オーナーはもとより韓国系のスタッフが多いせいか東洋人好みのキュートな‘可愛い’感覚が通底しており、大味なH&Mより断然、日本人ギャル好み。サイズやフィットもH&Mより断然、日本人向きです!グローバルと言うよりLAローカルなファストファッション店で、H&Mよりキットソンやフリーズショップと較べたくなります(プロモーションコストが乗り過ぎたキットソンは高い!)。
 これまで米国で何度も見て来たので内見会で商品を見ても新たな感動はありませんでしたが、‘安い、速い、可愛い’三拍子揃った楽しさは変わりませんネ!日本での価格はH&Mよりちょい安で可愛さはキットソン並みですから、H&M以上のブームになるのは確実。4月29日の原宿店開店には何千人(万の桁に乗るかも)が並ぶのでしょうか!
 2009/03/24 10:19  この記事のURL  /  コメント(0)

イオンの「反省」?
 先週の朝刊の全段広告でイオンが価格と品揃えの「反省」を謳っていましたが、価格が安くなるのは歓迎ですが、その原資を品番の絞り込みでひねり出そうというのは品揃えの「反省」と真っ向から矛盾しています。もとよりGMSのような総合店は顧客を‘面’で捉えて品揃えを充実すべきですが、イオンはユニクロに影響され過ぎてか品番単位やPB単位という‘点’で成果を上げようと突っ走って来た嫌いがあります。それが品揃えの片寄りに繋がって多くの顧客を切り捨ててしまった事が売上不振の最大の要因なのに、「反省」もなくさらに絞り込もうと言うのですから、まったく解っていませんネ!!
 ユニクロのようなSPA型専門店は特定の企画という‘点’をカラーやサイズ、ディティールといったMD展開で‘線’にして多くの顧客を串刺しにする戦略を採るものですが、GMSのような総合店は多様な顧客それぞれにきめ細かな‘点’で対応するMDをモザイク状に蒔いて‘面’を構成し顧客に網を打つ戦略を採るべきです。コンセプチュアルなPBや特定企画による顧客の串刺しに片寄っては‘面’が崩れ、網から顧客がこぼれ落ちてしまうのは避けられません。
 IYは‘行革’の美名のもとに売れ筋への絞り込みを繰り返して顧客を切り捨て、かつてはドル箱だった衣料部門をすっかり凋落させてしまいましたが、それを他山の石と「反省」することもなくイオンは衣料部門をIY同様に凋落させていくのでしょうか。IYもイオンも企業最適の論理ばかり振りかざさず、ロングテール戦略で大成功したアマゾンに少しでも学び、総合小売業の原点に戻ってもっと顧客を大切にして欲しいものです。
 2009/03/23 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)

これでファストファッション?
 月例の『販売情報交換会』を控えて都内の主要商業施設を一周しがてら、もう並ぶ人もいなくなった原宿のH&Mを覗いてみました。並ばなくなったといっても潮が引いた訳ではなく、店内は3Fに至るまで若い人たちが溢れており、低価格なカジュアルが一定の支持を得ているのだなと実感しました。銀座店はグローバルモードの大味なコピー商品やレイヤード感を欠くミッシーぽいコーディネイトが野暮ったく、畳み皺も露骨で腰が引けましたが、原宿店はグローバルモード臭が薄くナチュラルなストリート感もあって今の日本市場の等身大感覚と違和感がなく、コーディネイトも今風にレイヤードが意識されており、畳み皺も解消されています。短期間に一生懸命学習したのですネ。
 店内の商品をチェックしてみると、カットソーやシャツ、ミニボトムスはデザインも楽しく柄も仕上げ面も日本市場にマッチしており、価格もユニクロの下を潜るものもあって割安感があり、コーディネイトのアクセントにチョコっと買っておこうかなと思わせるアイテムが沢山ありましたが、アウターはワーク系を除いて仕上げ面が平板で必ずしも割安とは言えず、今一つという印象。デザインも東京市場の流れを外した空振り必定アイテムが目立ち、グローバル企画の限界を感じました。やっぱファッションはローカルなものなんだなと再認識した次第です。
 店内の陳列で目立つのが同じ商品の色違いを何ケ所にも分けて陳列する多重露出手法。グローバルSPAでは一般的な陳列手法で、ZARAなどはウォーム系/クール系/モノトーン系のウォールに分けるだけですが、H&Mはもっと多様にゴチャゴチャと展開していました。多重露出がゴチャゴチャに感じるのは同じ商品の色違いだけでなく素材違いや柄違いを展開しているからで、陳列手法は違いますが109系でよく見られる定型ルックの柄/ディティール展開によく似ています。
 但し、109系と違うのは展開サイクルで、109系では週を追って時系列に柄違いやディティール違いの商品が投入されて行くの対し、どうやらH&Mは同時に展開したり月を追って展開したりとサイクルが109系よりトロいようです。生産ロットの桁が違うのでしょうが、これでファストファッションと言えるの?
 2009/03/20 12:35  この記事のURL  /  コメント(0)

ビジネスモデル丸パクリ!!
 昨日の日本経済新聞に小さいコラムで「凸版印刷がファッションショー事業に参入」と報道されていましたが、タレント事務所などと組んでショーに絡む雑誌やDVDを販売し携帯電話サイトで洋服や雑貨を販売するというビジネスモデルはなんだか「東京ガールズコレクション」(ブランディング社)のパクリみたい。「原宿スタイルコレクション」と謳っていますからTGCとはターゲットが異なるようですが、似たような仕掛けを狙っているのでしょう。ならばTGCのミセス版なんかも成り立ちそうで、ケータイに替わってTVショッピングが注文手段になるのかも。 
 ビジネスモデル丸パクリはかつては量販店資本の専売特許で、無印良品(元々は西友のPBでした)が台頭した当時はユニーからジャスコまでそっくりさんのオンパレードになりましたが、最近のライフスタイル雑貨編集ストア流行りではユニー系の木糸土やイオン系のLBCが注目されちゃって元のオリジナルはどこかに消し飛んでしまいました。味の濃さではメイプルファームなんかいち押しですが、数の力でパクリ組がメジャーになってしまった感があります。
 ビジネスモデル丸パクリで大切なのは商品だけでなく開発・調達手法から提供方法まで徹底してパクり切る事。御本家より徹底すればパクリが元祖を凌駕する事も十分あり得るのです。ユニクロはベネトンとジョルダーノとGAPのいいとこ取りから進化して比類なきグローバルSPAに化けてしまいましたが、徹底して追求した者が勝ちという事でしょう。「青は藍より出でて藍より青し」と言うではありませんか。
 2009/03/19 09:14  この記事のURL  /  コメント(0)

ユニクロがジル・サンダーと契約!!
 今朝一番のニュースはファーストリテイリングがジル・サンダーとデザイン・コンサルティング契約を結んだ事でしょう。プラダ・グループに会社を譲渡して以来、孤高を保って来た最後の大物デザイナー、ジル・サンダーにユニクロ全商品のデザイン監修とオリジナルラインのデザインを委嘱したという報道です。「低価格上質ベーシック」をテーゼとするユニクロにとって、トレンドに流されず洗練されたフォルムと完成度を追求して来たジル・サンダーは最良の選択であった事は間違いありません。チャラチャラとしたファストファッションを売物にするH&Mなどとは次元が違うのだ、という強烈なブランディング効果にちょっとショックを受けました。
 一番ショックを受けたのは大枚叩いて抜け殻のジル・サンダー社を買収したオンワード・ホールディングでしょう。これから拡大して投資を回収しようという矢先に低価格イメージの強いユニクロに本家のイメージを持って行かれるのですから、青くなるのも当然。ブランドビジネスのM&Aってホントに難しいものですね。
 2009/03/18 09:45  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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