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丘の上の百貨店が大変!!

 恐慌が現実化して消費が冷え込む中、12月の都内百貨店は9掛けを割り込む店が目立ちましたが、最も落ち込んだのがあの丘の上の百貨店。心配なので成人の日の連休にルンルン妻につき合って売場を一周してみました。
 ここ一年ほどの間に丘の上の百貨店はファッション部門のリモデルに力を入れ、3F婦人服のエスカレーターサイドにセレクト風平場の「ザ・セレクション」を開設するなど、大きく変化しました。結果、保守的な老人向けばかりだった以前の姿からは一新され、コンテンポラリーな40代も取り込めるようになりました。でも「ザ・セレクション」に限らず新たに導入されたのは皆、欧州インポートブランドやブリッジブランドばかりで、多少は若返ったもののお金持ち特化が一段とエスカレートし、今回の恐慌に直撃されてしまったのです。
 売場を一周して見ると以前とは異なり、レディスでもメンズでも目を惹く魅力的な商品がチラホラ見つかるのですが、想像の倍はする値札に腰が引けてしまいます。欧米でのショッピングに慣れた私の価格観がずれているのかとルンルン妻に聞いてみた所、『スーパーブランドなら許せるにしても欧米B級ブランドやブリッジブランドであの価格は馬鹿じゃないの!』とのコメント。今だドルガバを大人買いするルンルン妻をしてこの見解ですから、丘の上の百貨店が売上不振に苦しむのは当然でしょう。
 「ザ・セレクション」の中身も三崎とか三喜とかブルーベルとかインポーターからの消化仕入れ品ばかりで(すべてブランド揃えで自主編集は皆無!)、年2回のコレクション発注の在庫リスクに百貨店の法外な歩率が乗った価格は目を剥くほど。周囲の大手アパレル系ブリッジブランドの価格も同様に法外で、これでは溝に捨てるほど金が余っている人でない限り財布は開かないでしょう。恐慌下で価値と価格の常識が一変する中、もはやリスク負担なき法外な歩率が乗った百貨店流通は崩壊するしかありません。
 個人的には丘の上の百貨店はゆったりと買い物出来て気分のいい大好きな百貨店なのですが、高コストな百貨店流通に乗ったまま高級化を続けるなら破綻は避けられないでしょう。丘の上の百貨店を愛顧するお金持ち達も価値と価格の合理性は無視出来ません。直買い付けの自主編集とかファクトリーブランド別注とか、もっと価格を抑えて価値を革新する努力をしないとお金持ち達も見放してしまうのでは!!
 2009/01/13 10:06  この記事のURL  /  コメント(0)

スタッフを募集します!!

 世の中はリストラの嵐ですが、当社では欠員を埋めるべく新規にスタッフを募集します。レディス担当MDコーディネーター(トランスキャリア〜ミッシーと郊外SPA担当)が寿退社するのと某社から出向していたメンズ担当MDコーディネーターが期限到来で元職復帰するのに伴い、この2ポストを担ってくれる適切な人材を探しています。
 バイヤー、MD、商品企画、コーディネーター、ファッションライターいずれかの経験があり、ショップ巡りが大好きでブランドに詳しい方、近代服飾史やカルチャー史に精通しカラーや素材の基本を身に付けた方が適任です。仕事は毎月のスタイリング&MD展開動向レポートの作成(カラーのスタイル画が不可欠です)をベースに、半期毎のブランドツリー更新(7〜800ブランドを位置付けます)、来シーズンのスタイリング提案MDディレクションの作成がローテーション業務で、クライアントへのブランド政策提案や新ブランド企画、SCのテナントミックス企画などがスポットで加わります。 綿密な市場調査に基づく精度が要求される業務で、感性と表現力に加えて構成力や文章力も必要です。日々研鑽を積み上げて精度を高め続けなければならない高度な専門職ですが、何シーズンも積み重ねて行けば驚くほどマーケットが見えるようになり、MD展開も容易に組めるようになります。2〜3年も頑張ればマーチャンダイザーやディレクターへの路も開けるでしょう。事実、当社で研鑽を積んで第一線のマーチャンダイザーやバイヤー、ディレクターとして活躍している人が何人もいます。
 簡単な仕事とは決して言えませんが、先輩コーディネーターや私が一つ一つ教えて行きますし、トレンドセミナーや展示会/コレクション巡り、海外視察などを通じて知識と視野を広めてもらいます。カリキュラムが詰まったビジネススクールみたいな会社ですが、ちゃんと真っ当なお給料も出ますし土日祝日は全部お休みで社会保険も完備しています。キャリアアップを狙う意欲的な方のチャレンジをお待ちしています。
 ※興味のある方はこちらを参照下さい。
 2009/01/09 09:49  この記事のURL  /  コメント(0)

スーツカンパニーに見る新たな接客神話

 令息の成人式用スーツの裾丈を再調整する為に新宿のスーツカンパニーを再訪しましたが、多くの来客で混雑する中も機敏な対応で25分後には裾丈直しが完了したのは驚きでした。カジュアルパンツならともかくウールスーツの裾上げが25分とは奇跡の領域に入ると思いますが、他店でこのようなサービスに接した経験は皆無です。
 世には接客サービスの神話なるものが流布しているようですが、それら神話に祭り上げられた店で納得の行く接客を受けた記憶はまったくございません。神話の最たるものとされるリッツカールトンホテルには幾度も宿泊しましたが、擦れっ枯らしたスタッフの態度には何度も唖然とさせられました。元商業界社長の丸木伊参氏が神話として本にまでしたセレクト某社の接客サービスなど、創業来顧客の私が苦汁切るしかない体たらくで、世に神話と言われるものの内情はお寒いもののようです。『名物に旨い物なし』という事でしょう。それに較べればスーツカンパニーの爽やかな活気に満ちた親切一杯の接客は新たな神話と言うべきです。パンツ姿の可愛いお嬢ちゃん達がお客様をお待たせしないよう必死で走る姿を貴方も是非、一見して下さい!!
 かつてのプライスライン・スーツストア特有のケバいテーラリング仕立てや過度に高い衿腰も消えてメジャーに通用する高品質なバリューが確立され、百貨店の御四家ブランドや大手セレクトショップから顧客が流れて来るようになったスーツカンパニーは、ユニクロとは役割の異なるもうひとつの国民服ブランドになりつつあります。店内には御四家ブランドや大手セレクトショップの顧客だと一目で解る服装のお客さん(フレッシャーから団塊Jrまで)が溢れていますよ!!
 2009/01/07 09:07  この記事のURL  /  コメント(0)

昭和恐慌に学べ!!

 麻生お坊っちゃま内閣総理大臣は『日本経済は全治3年』と発言していますが、その根拠は昭和恐慌の歴史的事実に因るものと思われます。今日の経済学説では『日本経済は27年の震災手形処理に関わる片岡蔵相の失言に端を発して既に金融恐慌に陥っていたが、浜口内閣の井上準之助蔵相は超緊縮財政による中小企業の淘汰で国際競争力を高めて旧平価での金解禁を目論み、29年末に予告し30年1月に施行した。しかし、旧平価による金解禁は大幅な円切り上げとなって輸出が激減し、29年10月24日のウォール街の株価大暴落に発した世界恐慌と重なって株価も物価も急落し、中小企業の倒産ラッシュで失業者が街に溢れ、生糸の輸出激減と米価下落で農村は飢餓状態となった。この惨状に対し31年12月13日に成立した犬養毅内閣の高橋是清蔵相は同日、直ちに金輸出を再禁止して赤字国債の大量発行による公共投資と信用膨張のインフレ政策に転換(日本版ニューディール)。これにより円は一気に下落して輸出が急回復し、失業もデフレも回復に転じて33年には世界に先駆けて恐慌前の経済水準を回復するに至った。』と総括されています。昭和恐慌は3年で脱出出来たものの、井上準之助は32年の血盟団事件で、高橋是清は36年の2.26事件で共に暗殺され、ファシズムの台頭と軍事予算の際限なき膨張で我が国は破滅へと暴走して行くのでした。
 今回の世界恐慌に対しては各国とも直ちに膨大な信用供与と減税、公共支出のインフレ政策を断行しており、我が国のお坊っちゃま内閣も盲撃ちと後手後手の嫌いはあるものの一応インフレ政策に踏み切っていますから、昭和恐慌当時の超緊縮財政と金解禁による逆行の2年間は存在しません。共通しているのは円高だけですから、金輸出再禁止に相当する為替管理で強制的に円を切り下げれば1年そこそこで恐慌から脱出出来るはずですが、それには世界規模の為替管理協定が不可欠。恐慌脱出への突破口は新スミソニアン協定という事になるのでしょう。
 2009/01/05 10:18  この記事のURL  /  コメント(0)

それが男の生き様でしょう!!

 大晦日は朝から薔薇達の冬肥仕込みと植え替えの農作業に忙殺され(元日夕刻まで丸3日かかりました)、夕刻には肩も腰もガタガタになって温かいお風呂に直行してしまいました。ミーハーの極みたる紅白にはまったく興味が無く、教育TVの「あの人に会いたい」(今年の物故者を偲ぶドキュメンタリー)に嵌っていました。“死”って、人生最後のハイライトなんですネ。死ぬプロセスぐらい、自分の哲学と美意識を通したいものです。
 新年の抱負は自分らしく英知に生きて孤高を恐れぬ事。未だクリエイションだラグジュアリーだトレンドだと騒いでるバカな業界は救いようもないですから、とことん無視して英知に基づく見識と技術で現実に立ち向かいます。それが男の生き様でしょう!!
 大恐慌に沈む元日の夜に相応しい一冊は東京外国語大学教授長幸男の名著『昭和恐慌』に他なりません。貧困と社会の冷遇の果てに血盟団のテロリストとなった小沼正が金解禁を断行した元蔵相 井上準之助を暗殺する凄惨なシーンから本書は始まりますが、今風に言うなら派遣切りにあって社会に絶望した若者が世直しの啓示を得て閣僚や各省長官を暗殺するという場面なのでしょう。経済政策の過ちと行政の不毛が社会を救い難いものにし、その底辺からどす黒い衝動に駆られた者達が決起して行く昭和の世相を鮮明に描いた社会経済学の傑作です。“日本ファシズム前夜”と付けられた副題が暗い明日を暗示しています。今必読の一冊だと思いますが、正月からシリアス過ぎたかも・・・・
 2009/01/02 07:36  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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