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ローカルとグローバルの選択

 07年前半までの景気回復局面とSC開発ラッシュの波に乗って拡大して来た企業が悉く壁に当たり、売上と収益が急激に悪化しています。店舗オペレーションやロジスティクスの仕組みを確立しないまま拡張して来たツケが一気に吹き出し、対策に右往左往する内に消耗して動きが取れなくなっていくという、“死に至る病”の死臭が業界に色濃く拡がっています。もとより苦戦していた企業は損益ラインを割り込んで赤字が膨張し存続を問われる情況に陥り、セレブだリッチだと派手なプロモーションを仕掛けていた新興企業も売上不振に色を失っています。企業の清算や破綻が急増し、その連鎖で行き詰まる企業も続出しています。かつてない氷河期の到来に戦線を縮小して生き残らんとするリストラがまた周辺を萎縮させ、縮小均衡のスパイラルがどんどん加速しています。もはや一切の光明が消え果てた暗黒の中を手探りで這いずっている情況で、いったい業界はどうなってしまうのでしょうか。
 そんな阿鼻叫喚の世界にも、まだ元気な企業は存在します。それは癖のある商品でマイナー市場を上手く捉えているローカルビジネス、突出したバリューのポピュラーな商品でメジャー市場を制圧しているグローバルビジネス、という両極のビジネスに他なりません。中間に犇めく癖のない商品(OEM調達の弊害ですが)を重なった大衆市場に供給するナショナルビジネスは同質化と過剰な店舗間の食い合いで悉く行き詰まりつつあります。
 ローカルビジネスで走れるのは1業態で3ダース(36店舗)まで、グローバルビジネスへと抜け出るのは10ダース(120店舗)以上、というのが多くのビジネスを見て来た私の経験則で、苦境に在る企業の多くはローカルの壁を超えてしまった企業とグローバルの壁を超えられない企業のどちらかのようです。あえてローカルビジネスに留めて多業態化するのもひとつの見識ですし、国内業界は末期的情況に在ってもBRIC'sのファッション市場は急成長していますから、グローバルの壁を超えて海外に活路を求めるのも当然の選択と言えましょう。もはやチャンスはローカルとグローバルにしか在りません。貴社は何処へ行くのでしょうか。
 2008/07/14 11:19  この記事のURL  /  コメント(0)

夏の終わりとともに消えて行くブランド
 予想された事とは言え、不振ブランド/業態の撤収が拡がっています。まだ公表されていないものも含め、この夏の終わりとともに消えて行くブランド/業態は10や20では済みません。事業部や会社ごと無くなる話もチラホラ聞こえてきます。社内の他事業に移籍出来る営業系はいいけど、新規プロジェクトがほとんど皆無という情況ですから、企画系の人材は難民化する人が増えているようです。そんな中からいい人材が当社のMDコーディネーターに応募してくれれば良いのですが、物づくりに固執する人が多いのか未だ欠員状態。いい人いたら是非、応募を勧めて下さい(こちらをクリック)。
 不振ブランド/業態の撤収は百貨店やSCを直撃し、この夏の終わりには穴埋め催事売場やシャッター店舗が急増しそう。もとから販売不振のSCなんかシャッター街になりそうで、SCデベロッパーの破綻も懸念されます。それがまたテナント企業の経営を圧迫し、撤収を加速するのでしょうか。業界は真っ青真っ暗。悲劇の連鎖はどこまで拡がるのでしょうか。
 2008/07/10 09:52  この記事のURL  /  コメント(0)

時代の気分にピッタリ
 先週は関西某タウンセンターのリモデル構成企画を仕上げる一方、ネットベンチャーのトップと会談したり郊外SC向け新業態のプロトタイプを監修したり、『09SS版MDディレクション』を詰めて行くうちに週末となってしまいました。中には気の重い仕事もあって、「自滅する企業」を生で演ずる企業の破滅の歯車をなんとか逆転させようと四苦八苦しています。
 旧帝国憲法でも立憲君主制で天皇さえ憲法によって権力を規制されていたのに、経営者が組織運営の憲法さえ定めず「私が法律だ」式に思うがままに指揮発動して組織の責務遂行を混乱させ、自滅して行く姿は狂気にしか見えません。‘現実否認’‘傲慢・慢心’‘組織無視’の果ては悲劇の結末が待っているのに、確固たる意志によって自滅して行く狂気を止める方法はまったく見当たらないのです。どなたか『自殺する企業』を救う妙案を教えてくれませんか!!。
 週末毎の雨と都内の野暮用にガソリン高騰も加わって、愛車のオドメーターは購入から2ヶ月たっても1400kmちょっとに留まっています。急発進急制動回避はもちろんアクセルに生卵を挟む神経で決して4000回転以上は回さないように運転しても、総重量2トンに近い4WD車の燃費は都内では5km/Lにも届きません。一回の給油で万札が飛ぶ感覚は堪え難く、週末の近場はもっぱらもう1台の愛車“SCOTT”(バブル期に買った総アルミフレームのモトバイシクル/89年ツールドフランスの覇車)で済ませています。自転車とは言っても大型スクーター並みのお値段でしたから、必ず有料駐輪場に停めてロックしています。
 今年の夏は洋服を買う気分には遠くバーゲンも無視し、週末気分を楽しむハワイ製のアロハやショートパンツを買っただけ。カトラリーなどのテーブルウェアやペルシャ絨毯には糸目を付けませんが、モードだラグジュアリーだとファッショニストを気取るKYにはなりたくない。伊勢丹メンズ館なんかで粧して歩いている親爺や六本木ヒルズあたりでケバく風切ってるヤンエグなんか、KYそのもので目も当てられません。
 車から自転車、インテリアからテーブルウェアまで高質アイテムに囲まれてせこく暮らす日々は、なんだかしみったれて時代の気分にピッタリ。おいおい、それでホントにいいのかよ!!
 2008/07/07 10:23  この記事のURL  /  コメント(0)

注目新ショップは皆、小粒

 百貨店向けブランドに続いて郊外SC向け業態開発も一斉に停止し、目を惹く新ショップは駅ビル/ファッションビル向けに限られて来ました。割高感から加速度的に顧客が離反している百貨店や乱開発とガソリン高騰で急激に商圏が縮小している郊外SCに、いまさら新規投資しようという物好きは限られるのは当然で、むしろブランド/業態の整理・廃止が加速しています。何時の間にかなくなるブランドや業態が続出しており、ラインナップが縮小して売場が埋まらなくなってしまいそう。
 駅ビル/ファッションビルとて時代の気分をリードして盛り上がっているのは109やルミネエストなどほんのひと握りで、時代ずれたパルコ系はひっそりと化石化し、浮ついた企画で開発された新規のファッションビルはほとんど大空振りで閑古鳥が鳴いています。今、一番元気なのは間違いなくルミネエストで、B2Fのロンドンアンティーク系コスメの“B”、同アッシュペーのカルチャーミックスセレクト“ゼロナナトリッキー&トラスティー”、B1のモードミックスカジュアル“リミットレス・ラグジュアリー”(なんとベイクルーズ系なのです)、1FのLAライフスタイルカジュアル“ザ・クローゼット”(ララプラン)、3FのOL向け4プライスシューズ“オリエンタル・トラフィック”なんかが注目されます。109は元気とは言え目を惹く新ショップは皆無で、“ギルフィー”“リダーク”(ギルフィー系)の躍進とララプラン系の絶好調継続、“ココルル”などコーストカジュアル系の驚異的復活が特筆されるのみ。
 駅ビル/ファッションビル系の新ショップは皆小粒で、離陸しても1ダースから精々3ダース程度までしか拡張出来そうもないものばかり。百店超に化けそうなパワーコンセプトはまったく見当たらないのが残念です。強いて挙げるなら“オリエンタル・トラフィック”ぐらいでしょうか。ファッション業界は服飾雑貨を含め、明るい未来が見えません。
 2008/07/03 10:55  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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