| Main | 次へ
ライフスタイルセンターって何
 都市計画法改正による大型SCの開発抑制で小型のライフスタイルセンターが主流になるという見解があるようですが、ライフスタイルセンターって何なのでしょう。色んな先生の説を伺ってもライフスタイルセンターが有望とかその条件とかの入り口論ばかりで、「どんなライフスタイルを提案するか」という具体論には永遠に至らないのが実情です。
 エエイ、黙れ!役にも立たない能書きはいいから、その商圏/立地ではどんなライフスタイルが素敵なのか、それに応えるにはどんな構成が必要なのか、具体的に提案しろよ!!と言いたくなってしまいます。
 今、関西のあるニュータウンをリモデルするプランを組み立てていますが、郊外の端っこの丘の上に人工的に作られたその街には独特の平和な文化が根付いており、それをどう構成に反映するか鋭意検討しています。統計的なデータや競合関係から勝てる構成は容易に組めるのですが、この平和な街の住民に毎日を楽しみ街を誇りに思ってもらうにはどうしたら良いのか真摯に思案しています。誰かが勝手な理屈で構成しては街の文化や住民の利益を損ないかねません。ライフスタイルセンターとは街の文化に立脚し住民の期待に応えるパブリックなSCのはずで、空理空論で構成してはいけないと思います。
 ライフスタイルセンターを構成するには、アパレル/服飾/生活雑貨/HBA/食品など多様なカテゴリーを複合したライフスタイル業態はもちろん、フードサービスやエンターテイメントなど様々な要素を適確に組み立てなければなりません。新たなSCが出来たりリモデルされる度にテナント構成を実見して個別テナントの性格を位置付け、コンセプト/ターゲットから価格帯やカテゴリー構成まで入力してテナント・データベースを随時更新していますが、一年がかりでようやく二千業態に達しました。アパレルはほぼパーフェクトだと思いますが、服飾雑貨や生活雑貨ではまだ漏れがあるかも知れません。日々研鑽して詰めて行くしかないでしょう。SCの企画には適確なテナント構成が不可欠で、知らないでは済まされないのです。
 2008/05/29 12:05  この記事のURL  /  コメント(0)

本物のVMDは猫に小判か
 業界にはVMDと称する書籍やセミナーが溢れていますが、その99.9%はディスプレイを軸としたもので、「マーチャンダイジングの売場展開表現」という本来の目的を体現するものは皆無と言ってよいでしょう。私は1992年の『見えるマーチャンダイジング』、2004年の『ブランディングへの解る見えるマーチャンダイジング』と一貫して本来のVMDを提じて来ましたが、業界はディスプレイ紛いのVMDを大合唱するばかりで少しも進化していません。店頭に見るVMDもここ数年は退化気味で、洗練されたスタイリング表現やダイナミックな単品展開を見る機会は極めて限られ、セミナー用の参考写真にも困る有り様です。美しい色環配列や韻律のフォルムなどラグジュアリーブランドのごく一部に見られるのみで、在庫置場然とした汚い売場ばかりで悲しくなります。ブランディングと消化回転に直結する売場再編集運用など幾ら訴えても顧みられないのが実情です。
 半期毎に開催している『ブランディングへのVMD技術革新ゼミ』が6月12日に迫っていますが(御案内はこちら)、当社の他ゼミに較べれば人気はいま一つで、長年かけて確立した技術体系を業界に普及できない徒労感に落ち込んでいます。「マーチャンダイジングの時系列な展開表現を基本に、ルック展開/単品展開の様々な技法から洗練のカラー/フォルム陳列技法まで駆使してブランディングと消化促進を図る」というのが当社のVMD体系であり、配分・補給・店間移動の消化管理体系とも連係するもので、ディスプレイなどごくごく一部の領域にしか過ぎません。活用して頂けば消化促進はもちろん、ブランディングやロジスティクスも確実に改善出来る画期的な技術体系なのに、「猫に小判」という事なのでしょうか。

国内ブランドでは例外的に洗練されたVMDで適確にスタイリングを表現している“スマートピンク”
横森美奈子さんの美術的センスは頭抜けていると思います。


 2008/05/26 13:02  この記事のURL  /  コメント(0)

カジュアル大好き
 百貨店も百貨店アパレルも凍り付き、郊外SC方面も祭りの終りが見えて来た一方、駅ビル/ファッションビル方面やネット/ケータイ方面の一角はまだ元気ですが、今さらモードやトレンドという気分ではないしラグジュアリーと言われても遠い世界のようにしか思えません。そんな中、ロハスでスロウな時代の気分に合った等身大なカジュアルにはそれなりに魅力があります。キャラもライフスタイル感も無いH&Mにはまったく関心が持てませんが、アバクロやホリスター、エアリやギリーヒックスにはキラキラとした眩しささえ感じるのです。それを着ている若者の爽やかな息吹きが伝わって来るからでしょう。街を渡る風や草花、旬の食品など季節を彩る森羅万象を味わい、心豊かに過ごす日々にどんな装いが必要なのか。モードもトレンドも自分の生活感で着崩すカジュアルに遠く及ばないと思います。と言うわけで、カジュアル大好きなスタッフ(MDコーディネーター)を募集しています。詳しくはこちらまでアクセスして下さい。
 実は連休前にまったく同じ型式/色の新車に乗り替えたのですが(ナンバーまで同じE350・4MATICステーションワゴン)、3.5リッターのパワフルな性能や静粛性、完成度には満足しているものの、総重量2トン近い大柄なクルーザーを街中で乗り回す気分ではなく、ちょこまかと駆け回るミニクーパー(とりわけクラブマンやガブリオレ)を見る度に羨望の目線を禁じ得ません。熟年カップルや親子連れが楽しそうに(そう見えるのです!)乗っているのを見ると、たまらなく欲しくなります。メルセデスは完成度が高いとは言え所詮、階級社会の産物であり、そのしがらみから解放されたカジュアル感は期待すべくもありません。もうすぐひとり息子が二十歳になるので、一台買ってやろうかな(週末は私が占拠します)。
 2008/05/22 09:37  この記事のURL  /  コメント(0)

祭りの終わり
 4月13日付けのブログ「SCに観覧車は不要です」で冗談ぽい企画のSCに警鐘を鳴らしましたが、5月7日には名古屋港イタリア村が自己破産を申請して同日付けで全従業員を解雇し営業を停止、16日には千葉ニュータウンのビッグホップガーデンモール(観覧車を建てたアウトレットモール紛いの冗談SC)などを運営する商業デベロッパーのミキシングが民事再生法の適用を申請して同日、保全命令を受けました。まさに当然の帰結と言うしかありません。SCには冗談も吉本も観覧車も不要で、商圏と立地の特性に素直にひたすら真摯に現実的に企画・開発するしか成功のチャンスは無いのです。当社のSC企画はAからZまで計算と検証に基づいてひたすら真摯に組み立てるもので、冗談は一切ございません。
 世の中には怪しいけど上手く行っている事業が山程ありますが、やがては化けの皮が剥がれるものです。銀座のクラブみたいに法外な価格を付けている百貨店がいつまでも続く訳がないし、5掛け消化仕入れのTVショッピングの熱気が醒めるのも時間の問題だと思うのだけれど、世の中には溝に金を捨てる快感を忘れられない人も沢山いるのでしょう。
 GWから咲き誇っていた我が家の薔薇達もようやく盛りを過ぎ、アンクルウォーターの真紅の花びらがポーチの階段に降り積もる様はヴィスコンティのキネマのようです。祭りの終わりは切ないですね。百貨店と百貨店アパレルも滅びの美学を演じているのでしょうか。諸行無常ですな。
 2008/05/19 11:50  この記事のURL  /  コメント(0)

丘の上の百貨店に学ぶ事
 新宿の某百貨店から毎週のようにDMやカタログが届くけど、モードだラグジュアリー
だと時代の気分とずれた提案ばかりで関心が持てない。確かにブランド揃いは突出しているけどモードとコンサバの両極ばかりでライフスタイル感に合ったブランドがまったくなく、各ブランドの品揃えも売れ筋に限定されバラエティを欠いている。売場は何時も混雑しているし駐車場に入るのも大変で、「手早く沢山買って早く帰ってくれ」とせっつかれる感じもあって疲労困ぱいしてしまう。顧客にあまり親切ではないし小奇麗な格好もしなければならないから、よほど必要に迫られない限り行きたくない。我が家のように年間百数十万円しか買わない客は下客扱いで(何百万円も買う客が山程いるのでしょう)、妻がちょっと買い過ぎた後はハウスカードの使用を断られた事も度々で頭に来る。いっぱい買っても(ほんの20万円弱でしたが)駐車料金を請求されるし、売れ過ぎて顧客を大切にしなくなった体質は如何なものかと思う。
 そんな新宿の某百貨店に較べれば、渋谷の丘の上にある某百貨店には本当に大切にしていただいて好感を抱いている。高級住宅地を背景にした上質な店だが不要な気取りがなく、普段着でも気楽に出かけられる。何時もそれほど混雑しておらず、親切で隅々まで気配りが行き届いているから、何時出掛けても快適だ。外商の担当者と顔が通じているのも心強い(計算づくのポイント制とは温もりが違う)。隣の文化村の出し物も充実しており、御近所の高質なコミュニティセンターとして重宝している。我が家の出費は新宿の某百貨店の倍近いのではなかろうか。とは言え、妻は三日に空けず食品売場にお使いに出掛けるものの、洋服を買う事は稀なようだ。私も妻との記念日や誕生日の贈り物は1階のエルメスやブルガリを愛顧するものの、洋服は買った事が無い。最近は大分改善されたが、時代かがった高齢者向きブランドばかりで今風の洒落たブランドがほとんどなく、買いたくても買うものがないのが実情だ。やむなく、混雑する新宿の某百貨店に根性入れて嫌々出掛ける事になる。
 そんな丘の上の百貨店がちょっと前、新宿の某百貨店と提携してファッションMDを指導してもらう事になった。これで少しは洒落たブランドが揃うようになるかもと期待する反面、新宿の某百貨店のように「手早く沢山買って早く帰ってくれ」とせっつく不親切な店になったら嫌だなとも思う。少しは今風なブランドも揃えて欲しいが(もっと高質なライフスタイル感のあるブランドであってモードなブランドではないはず)、これまで通り、ゆったり上質な日常を親切に提供する店であり続けて欲しい。顧客目線で見るなら、新宿の某百貨店が丘の上の百貨店に学ぶ事も多いのではないか。
 2008/05/13 11:04  この記事のURL  /  コメント(0)

| Main | 次へ


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ