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VMD指導の目的
 今週は火曜日が某大手百貨店自主編集売場、水曜日が某大手セレクトショッブと月例VMD指導が連続。前者は閉店後、後者は開店前でしたから水曜日の朝はちょっと疲れました。睡眠時間に食い込む訳ではありませんが、テンション高めに神経を集中する指導なので、疲労がキツイのです。
 某大手百貨店では三つの自主編集売場を掛け持ち、Aで修正を指示してスタッフが陳列作業をしている間にBを指導し、Bが修正陳列をしている間にCを指導。またAに戻って陳列を点検して指示を出し、BCへ回る。最後にABCと今日の総括をして回る訳です。現場が理解し自分で出来るよう、理屈と技法を懇切に説明しなければなりませんから、相当のテンションが必要なのです。翌朝の某大手セレクトショップも路面の大型店で、レディスのカジュアル、ドレス、メンズのカジュアル、ドレスと四つの売場を同じように指導して回るのですから、前夜同様のパワーが求められます。
 前者は始めてまだ間も無いので基本のルールと技術が定着しておらず、テイストやカテゴリーの区分けが混乱していたり、色の配列順が汚く狂っていたり、アイテムの並べ順がルックになっていなかったりと、基本を徹底するのに時間を食われてしまいます。後者はもう2年目なので基本はほぼマスターされ、売りたいアイテムをキーとしたモノルック出前のラックを設定したり、新鮮アイテムをスパイスしてシーズン強制シフトをかけたりと売りに直結する仕掛けを教えています。
 VMD指導の目的は三つ。一つは現場の運用能力を高めて手応えを実感させ、投入と販売の動向に即して自ら売れる陳列を編集出来るよう育てる事。ひとつは本部からのデリバリーと陳列指示を一定のルールの下に現場が運用出来るよう基本ルールと運用ルールを確立し、組織として効率的な運営とブランディングを実現する事。一つはスムースな運営とブランディングを実現すべく、売場のVMD展開と商品計画の枠組みを一致させる事なのです。ですから、VMD指導には必ず事業部長やバイヤー/MDに立ち会ってもらいます。技術の修得に留まらず組織としての体制確立を目指すものなのです。
 2006/09/21 16:45  この記事のURL  /  コメント(0)

法律なきVMD行政の混乱
 毎月、少なからぬブランドやストアのVMD指導を行っているが、どんどん上達して売上が上がるケースとそうもいかないケースがある。その明暗はVMDの法律と行政指導、現場運用の関係がしっかり築かれているか否かに起因しているようだ。
 本部が各店舗にVMD展開を指示するスタンスは二つに別れる。ひとつはグルーピングからユニットのレイアウト、各什器の棚割(品番/色/サイズの配置と陳列形状)まですべて厳密に指定するやり方だが、立地から店舗形状、什器の規格と数量まで標準化が徹底されている事が前提となる。現実にはそんなブランドもストアも存在しないが、ユニットのレイアウトと各什器の棚割指定を切り離せば近似した運用は出来る(棚割の変化運用/再編集統合ルールを別途に定める必要が在るが)。
 ひとつはおおまかなグルーピングとレイアウト、打ち出し/実売のルック組みやアイテム集積の陳列を指示するだけで、実際の運用は店舗に任せるやり方。店舗の標準化が困難な場合には現実的なやり方だが、各店長の力量や手法で運用も成果も異なるから、マネジメントもブランディングもままならない。
 私の指導経験から言えば、どちらも非現実的だ。なぜなら前者では現場の運用能力が育たず、前提とした情況と現実が異なって来ると混乱するばかりで対応出来ない。後者では統一した運用が出来ず、本部が成果をマネジメント出来なくなる。本部がマメジメント出来て、かつ各店舗が上手に情況対応出来るためには、本部と店舗の両方が理解する「法律」が必要なのだ。
 「法律」というと「マニュアル」を作ればいいのかと短絡的に受け取られるかも知れないが、「マニュアル」の性格も目的によって多様だし、運用体系が曖昧では実務に定着しない。どう運用するか行政ルールを先に決め、そのための「マニュアル」を作るという手順が肝要なのだ。
 まず品揃えの構造とレイアウトをツリー形状に規定し、その各ユニット(元番地)の陳列ルールと時系列運用ルール、そこからフォーカスする打ち出しラック(出前)の陳列ルールを「マニュアル」に定めたい(アイテム/カラー/サイズの配列順やフォルム形成、ルック配列のルールまで)。その上で毎サイクル、元番地への投入と出前陳列/VP、前サイクル商品の再編集を本部がビジュアル指示(行政指導)する。出前陳列/VPでは店タイプ別に2〜3の選択肢を提示し、情況対応を店舗に委ねる(一つだけ指示すると各店舗で勝手に工夫してしまう)。基本ルールと選択出来る指示を明示し、店舗での運用巾を規定する事が大切なのだ。
 この法律/行政指導/現場運用の関係が定まれば、売上とブランディングを本部がマネジメント出来るVMD体制が確立出来る。現状のVMD体制をチェックしてみては如何か。
 追伸 昨日は“博多ヴィオロ”の取材に行って来ました。天神は岩田屋回りの狭いエリアにファッション関連が集積していて買い物にもリサーチにも大変便利ですネ。ヴィオロのUAもシップスも良く出来ていましたが、大名にオープンした“ビューティ&ユース”は有楽町西武同様、場違いな加工系ゆるアメカジがコアのモードミックス系とミスマッチでガックリしました。“博多ヴィオロ”の一押しは3Fの“CROON A SONG”でしょう。

 2006/09/15 16:37  この記事のURL  /  コメント(0)

“ドレキャン”に◎、有楽町西武に△
 火曜日には“ドレキャン”のショーを見て木曜日には有楽町西武(リモデルのプレスディ)を見たよ♪♪♪。
 開場から一時間も待たされた“ドレスキャンプ”のショーは76体がわずか10分ほどで駆け抜ける小気味良いペースで、雑誌モデルがトロトロ出て来る「東京ガールズコレクション」の8倍速早回しといった感じ。ステージ慣れした外人モデルが一本線上を超内股で闊歩する正統派ランウェイショーを見て、やっとコレクションシーズンを実感。馬鹿デカいミラーボールの煌めきを背景に勢い良く展開されたコレクションの中身も世界のシーズンに先駆けた開催とは思えない完成度で、思わず拍手なんかしちゃいました。華美でクチュール感覚もある“ドレキャン”は元々、私好みで、昨シーズンは何点も購入したほど。
 当社のコーディネーター達は毎日何本ものショーを梯子しているようだけど、9時過ぎまで引っ張られるのは身に堪える。東京どころかパリ、ミラノまでランウェイを梯子した若き日は遠くなったものだと感慨深いものがあります。今シーズンもコレはという2〜3本で許していただいて、後は現役組に任せましょう。
 有楽町西武(正しくは西武百貨店有楽町店)のリモデルはビューティ館こそ画期的コンセプト(構成やVMDは凡庸)でしたがファッション館はブランドの入れ替えをまとめた程度で新鮮なインパクトを欠き、取材のフィルムもあまってしまいました(取材用は未だ銀塩フイルムの一眼レフを愛用)。敢えて注目するとしたらユナイテッドアローズの新業態“ビューティ&ユース”ぐらいなものですが、規模が中途半端なのにアメカジっぽいカジュアル商品も入れてしまってコアのモードミックス系商品がボケてしまい、店装やVMDにもナチュラル味がかかってシャキっとしないものでした。期待外れは否めず、博多、神戸の新店に期待を繋ぐ事にしました。
 2006/09/08 18:06  この記事のURL  /  コメント(0)

東京ガールズコレクション大爆発
 昨日の日曜日(9月3日)は3時から夕刻まで「東京ガールズコレクション」の長丁場に付き合った。4ステージ計22ブランドのショーは間にライブステージや「ミス東京ガールズコレクション」がらみのトーク、“アルバローザ”のゲストショーなどを挟んで延々9時過ぎまで盛り上がったよう(私は6時過ぎに退散)。
 原宿駅からギャルの波に押されて会場の代々木国立競技場に辿り着くと、こっそり裏口からVIP席へ。そこでユナイテッドアローズの重松会長、IFIの尾原蓉子さん、リヴァンプの玉塚元一さん他意外なVIP達と顔合わせ。参加ブランドの関係者に混じってIT企業の若手トップの顔もチラホラ。ネットワークの多様さにちょっとびっくりしました。
 VIP席と言っても競技場の段々椅子ですしシャンパンが振る舞われるわけでもなく(紙コップでコーラはもらった)、ランウェイから20メートルは離れていたのでコスチュームもモデルも遠望するだけ。エビちゃん、もえちゃんのキメ笑顔もモニターで見ただけでした。プロ向けのランウェイは見慣れているものの一般顧客向けイベントショーは初体験?で、のんびりした進行と雑誌モデルの素人ぽい弛いウォーキングにイライラしながらモニターを見ていたら、エビちゃんの一発笑顔で御機嫌が直ってしまいました(エロおやじイエイ!)。
 ランウェイに登場するコスチュームは今すぐギャルが着られるリアルクローズばかりで(クラブでしか着れないようなエロイ服も混じっていましたが)、今日から始まる「東京コレクションウィーク」(こちらは来春夏物です)とは次元を異にするものでしたが、盛り上がりはこちらに軍配が上がりそう。BOSEの大音響とCP制御の派手なライティングの下でギャル達が総立ちで嬌声を上げる様はロックコンサートかデカいクラブのようでした。今朝はTVもネットも「東京ガールズコレクション」がらみの報道がいっぱいで、メディアミックスの仕掛けはさすがのもんだと感心しています。
 ランウェイショーは時間も取られるしお仲間ごっこで群れるのもイヤだから行きたくないんだけど、ゼイヴェルのビジモデを実感したくて「東京ガールズコレクション」は見てしまいました(エビちゃん見たさではありません!)。「東京コレクションウィーク」も明日の“ドレキャン”ぐらいは見ないとマズイですかね。
 おっと追伸。9月1日にフロムファーストの裏口にオープンした“Liquor,woman&tears”はイケてました。“ETRO”のジャケット下に着れるマッチョなパーカがあったらベターだったのに。せっかく“Jacob&Co.”のキラキラ時計をしていったんだから。
 2006/09/04 19:32  この記事のURL  /  コメント(1)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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