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東京ローカル
 9月の4日から8日までの5日間、世界のコレクションシーズンに先行して「東京コレクションウィーク」が開催されるが、果たして東京だけのために世界からプレスやバイヤーが来るものだろうか。彼等のスケジュールや予算配分を鑑みれば非現実的な願望なのかも知れないが、今回は政府の肝煎りでの‘心意気’を示す意味があるのだろう。
 欧米のプレスやバイヤーにとってみれば東京はファーイーストのローカル都市であり、ロンドン・ミラノ・パリといった地理的にもスケジュール的にも連続したコレクション・シーズンは存在しない。「TOKYOのためだけに」というのが実情であろう。遠い将来、東京・ソウル・北京が連係したファッション都市としてコレクション日程を連続させる日が来れば、情況も変わるのではないか。
 コレクションウィークはさておき、欧米のファッション関係者にとってTOKYOはファンタスティックで興味をそそる都市のようだ。“ラフォーレ原宿”や“109”は玩具箱をひっくりがえしたような猥雑な興奮に満ち溢れているし、裏原宿や中目黒は場末の妖し気な妖気に鳥肌が立ちそうだ。何が面白いといって、元ネタは欧米と大差ないファッションが大仰に誇張され、コテコテとレイヤードされた様はキッチュとしか言い様がない。まさしく‘歌舞伎者’といった体たらくなのだが、英語やフランス語に該当する言葉はあるのだろうか。東京に居てはそのコテコテ感は自覚しにくいが、「東京から大阪を見た感じ」といったら不適切に過ぎるだろうか。
 2006/08/28 20:22  この記事のURL  /  コメント(0)

アバンギャルド復活
 メンズの秋物販売動向を見ていると、加工物とアバンギャルドデザインの復活が実感される。ジーニングベースの加工物は昨秋冬から後退局面にあったが、凝った織物やレザーに縮絨をかけたりコーティングしたり洗いやダメージをかけた、質感に凝ったモードな加工物が新たに台頭しているのだ。その徴候は“L'ECLAIREUR”などの隠れ家系ヴィンテージモードのセレクトショップに見い出されていたが、予想を超えた速度でメジャー化しようとしている。80年代始めに一世風靡した非対照なパターンやタック/ジップ使い、肩や腰の構築的なデザイン、ダークなモノトーン調も急速に拡がりつつある。過去のものと思われていたクリエイターブランドの販売数字にも一部で顕著な復活が見られるなど、流れの変化は明らかだ。
 80'Sなアバンギャルドの復活は景気回復のせいもあるのだろうが、あくまで個人的な隠れ家的モードとして受け入れられているのであって、異形な若者達がゾロゾロと連む当時のようなタコ壷現象とは無縁だ。ということは、あまり一気に拡がれば先行したアバンギャルド派は腰が引けてしまうかも知れない。また、そのような内省的モードであって欲しいと思う。
 レディスでは隠れ家系ヴィンテージモードな加工物はまったく出ておらず、ネオ・クチュールと80'Sアバンギャルドが交錯したようなデザインがキャリアゾーンの一部で見られる程度。レディスにはメンズのような隠れ家的モード観はまったくないから、‘ちょっと新鮮なディティール’で終わってしまいそう。メンズのようなムーブメントには発展しそうもない。
 2006/08/21 18:49  この記事のURL  /  コメント(0)

高原の休日
 9日間の夏休みが明けて表参道のオフィスへ向かったが、一部の信号がフリーパスでスイスイと到着してしまった。信号も休みボケかと思いきや、なんと停電であったそうです。今週はギョーカイの大半が休みだから、休みボケでも支障はなさそう。
 先週はヒンヤリとした高原の別荘地で過ごしていたから、渋谷の住宅地のカラッとした暑さが身にこたえる。三笠のからまつ並木から少し入った静かなコテージを拠点に美ヶ原や湯の丸高原、東御市あたりまで足を伸ばし、4マテックのふんばりで山間ドライブを楽しんだり高山植物を愛でたり、高原野菜のランチを味わったりしていたのです。とりわけ、玉村豊男氏のヴィラデスト・ガーデンファーム&ワイナリーにはすっかりハマってしまいました。摘みたての野菜がこんなに美味しいとはこの歳まで知らず、ズッキーニやプチトマトの甘味には新鮮な感動さえ覚えました。スーパーマーケットの流通システムが野菜の死骸を小奇麗に化粧して提供するだけの空々しいものだと改めて実感した次第です。量販店の衣料売場はファッションの死体置き場、インポートセレクトショップなどは高級ミイラの展示即売会場という事になるのかな。
 とまれ、爽やかな高原の生活と農業に魅入られた休日でした。東御の高原に較べれば湿気の多い軽井沢は冷蔵庫の野菜室みたいなもので、スノッブなブランド物避暑地のミイラのように思えて来たのです。来年は東御に一夏の居を構え、農業の真似事でもしてみようかな。
 2006/08/15 11:12  この記事のURL  /  コメント(0)

ギョーカイの季節感
 ようやく梅雨も明けて夏らしい季節になりましたが、もう店頭は秋色一色。自分のやってる仕事は来春夏真っ盛り。ファッションギョーカイって季節感ずれまくってますね。私のココロも先週あたりから軽井沢を彷徨っており、こ汚い表参道にはココロ在らずという状態。老若男女の人混みとホコリまみれの表参道って、ほんとに悲しくなる。
 バーゲンに入って私が買ったものと言えば“ISAIA”と“VALLANTINE”のスーツ、イタリアものの手縫いシャツぐらい。ユーロ高が進んだ今時、バーゲンでなければ決して私の手には入らなかったでありましょう。あと、プロパーでは“MAXI”のハワイアンジュエリー。コレ、めちゃカワいくて、ついまた買ってしまってます。ハニーのジュエリーに較べると0がふたつ少ないから、ネクタイ感覚で買えちゃうのです。プロパーと言えば、先々週やっと履き下ろした“INCOTEX”の白スラックスは1月に買ったクルーズ商品。リゾートの季節になって、ようやく日の目を見た訳です。エンドユーザーとなってみて、ギョーカイの不可思議な季節感が実感出来ました。
 何時の日かイタリアやチェコの工場を国内や韓国の工場のようにクイックに使い回し、こだわり仕様アイテムが月々ジャストシーズンにデリバリーされるようになればいいな。たかが洋服に困って捜し回ったり、何ヶ月も早買いしたりはアホらしいと思うのです。
 2006/08/03 18:53  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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